JPS6313948Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はシートを脚部上で回転させるようにな
した車両用回転シート装置における回転シートの
ストツパ機構の改良に関するものである。

従来、シートが脚部上に回転中心軸を介して回
転可能に枢着され、該シートを前向き、もしくは
後向きに方向転換させて、前向き位置、もしくは
後向き位置で着座可能に保持できるようになされ
た車両用回転シート装置においては、第１図の概
略説明図に示すように、シート１の固定時におけ
るストツパピン２とストツパ受３は当接しないよ
うに構成されており、該ストツパ受３は単にシー
ト１の逆回転防止用としてのためのものであつ
た。このため該シート１を回転させる時には、ロ
ツク解除レバー（図示せず）を操作しながら該シ
ートを押さなければならず、したがつてシート重
量も重く操作が困難であり、かつ、このときシー
トをどつちの方向に回転させたらよいのか迷うこ
とがあり、又、シートが回転し始めたらロツク解
除レバーは離しても良いのであるが、馴れていな
いとそのレバーを離すタイミングが解らないとい
う問題があつた。

このため本願出願人は上記問題点を解消するも
のとして、第２図の概略説明図に示すようにシー
トクツシヨン１１の下面の一側にストツパピン１
２を突設し、脚部１３の上面の両側に弾性体から
なるストツパ受１４ａ，１４ｂを設けて、シート
の回転時に該シートの慣性重力エネルギーを前記
ストツパ受１４ａ，１４ｂのいずれか一方で吸収
し、該シートの回転を止めた上で別に設けたロツ
ク機構（図示せず）に回転しないようにロツク
し、かつ、ロツク機構のロツクを解除した時、シ
ートが弾発的に回転方向に若干回動するようにし
て回転方向を確認しやすくすると共に、ロツク機
構の回転方向のガタを防ぐようロツク時は前記ス
トツパピン１２が常に前記ストツパ受１４ａ，１
４ｂのいずれかを押圧するようにした回転シート
構造を提供した〔実願昭55−57430号（実開昭56
−158331号公報）〕のであるが、この構造のもの
では一番エネルギーの大きいストツパ機能を優先
し、弾性を有する１つのストツパ受けで該ストツ
パ機能の他、ロツク時のガタ吸収機能及びロツク
解除時の押出力をもたせるようにしているため
に、ロツク時のガタ吸収機能及びロツク解除時の
押出力が充分に満足できるものではなかつた。１
５はシートバツク、１６は回転軸、１７は回転軸
受である。

そこで本願考案は、先きに出願をしたシートの
ストツパ機能を少しも損うことがなく、ロツク時
のガタ吸収機能及びロツク解除時の押出力の性能
の向上を図ることができる回転シートのストツパ
機構を提供することを目的とするものである。

そのために本考案では該ストツパ機構を、回転
シート装置の脚部上面、もしくはシートクツシヨ
ン下面のいずれか一方には、前記回転中心軸から
適宜間隔を存してストツパレバーが支軸を介して
回転可能に枢着され、該ストツパレバーには、支
軸に対して前記回転中心軸側と回転中心軸の反対
側にストツパが形成され、かつ、該ストツパレバ
ーの回動を抑止する位置にストツパ受が設けら
れ、前記ストツパレバーは、ストツパがストツパ
受と当接しているとき、該ストツパをストツパ受
から離間させる方向にスプリングで付勢されてい
ると共に、他方にはストツパピンが、前記回転中
心軸の両側であつて、かつ、シートを前向き位
置、もしくは後向き位置にしたとき、前記ストツ
パレバーのストツパに当葬して該ストツパレバー
を回動させる位置に設けられ、前記ストツパレバ
ーは、回動が抑止された位置で、シートが前向き
位置、もしくは後向き位置になるように構成され
ている構造とすることにより所期の目的を達成す
るようにしたものである。

以下、本考案を図示せる実施例に随つて説明す
る。

ａは回転シートｂを回転自在に載置する脚部で
あつて、該脚部ａの上面中心には、回転シートｂ
を回転自在に枢支する回転中心軸２１が立設さ
れ、該回転中心軸２１を中心とした外周上には適
宜な径を有するリング状のガイド部材２２が固設
されている。又、前記脚部ａ上面のガイド部材２
２より外側の、前記回転中心軸２１より適宜間隔
を存した一側には、中央に軸孔２３ａが穿設され
たストツパレバー２３が支軸２５を介して回転可
能に枢着されている。

前記ストツパレバー２３には、前記軸孔２３ａ
を中心として前記回転中心軸２１側と回転中心軸
２１と反対側に対角線上に、上方に垂直状に立設
されたストツパ２４ａ，２４ｂが形成されてい
る。又、該ストツパレバー２３の外側端２３ｃに
は、一端を前記脚部ａ上面に係止したスプリング
２６の他端が係止され、該ストツパレバー２３の
長手方向の中心線l₁と、前記回転中心軸２１と支
軸２５とを結ぶ仮想線l₂と略同一になるように保
持されている。

又、前記脚部ａ上面の前記ストツパレバー２３
の近傍であつて、前記スプリング２６の反対側に
位置し、かつ、前記軸孔２３ａより前記回転中心
軸２１と反対側のストツパ２４ａの、前記支軸２
５を中心とした回動軌跡上の該ストツパ２４ａと
対向する位置には、前記ストツパレバー２３の回
動を抑止するゴム等の弾性体からなるストツパ受
２７が、ケース状の取付具２８を介してビスによ
り固定され、ストツパレバー２３の回動が抑止さ
れた時、回転シートｂが前向き位置、もしくは後
向き位置になるようになされている。そして、前
記ストツパレバー２３が回動して前記ストツパ２
４ａがストツパ受２７と当接しているときには、
該ストツパレバー２３は、前記スプリング２６の
付勢力によつて、前記ストツパ２４ａをストツパ
受２７から離間させる方向に付勢されている。

尚、上記実施例では第４図に示すようにスプリ
ング２６とストツパ受２７をストツパレバー２３
の外側端２３ｃ側に設けたが、これを逆にストツ
パレバー２３の内側端２３ｂ側に設けてもよく、
（この場合取付け位置が逆になる）又、スプリン
グ２６を前記支軸２５に巻付けるようにして介装
し、その両端をそれぞれ脚部ａ上面及びストツパ
レバー２３に係止して、該ストツパレバー２３を
保持するようにしてもよい。

又、前記脚部ａの両側端の上部にはロツク装置
３０を組込んだ先端が上向きの鉤形をなすロアレ
ール３１ａ，３１ｂが固設されている。ロツク装
置３０は、先端が前記ロアレール３１ａ，３１ｂ
に穿設された孔３２ａ，３２ｂから上方に突出し
た部分にロツク孔３３を有し、下端にワイヤケー
ブル３４の係止部３５を有するラツチ３６と該ラ
ツチ３６をブラケツト３７を介して前記ロアレー
ル３１ａ，３１ｂに回動自在に軸支される枢軸３
８と、該枢軸３８に巻取けられ、ラツチ３６を常
時ロツク方向に作動させるスプリング３９と、一
端が前記ラツチ３６の係止部３５に係止され、他
端が脚部ａの側面に設けられた軸受５０に回動自
在に枢着されたロツク操作レバー４０に係止され
た前記ワイヤケーブル３４と、ロツク操作レバー
４０とから構成され、該ロツク操作レバー４０を
操作し、ワイヤケーブル３４を引くことにより、
ラツチ３６を枢軸３８を中心として回動させ、後
述する回転シートｂのシートクツシヨン４１下面
に取付けられたアツパレール４７ａ，４７ｂに形
成されたロツク爪４６ａ，４６ｂとの噛合を解
き、ロツクを解除するようになされている。

尚、図示上ロツク装置３０を脚部ａの一側のみ
に示したが、該ロツク装置３０は脚部ａの両側に
設けられている。

回転シートｂはシートクツシヨン４１とシート
バツク４２とからなり、該シートクツシヨン４１
の下面中央には、中心部に前記回転中心軸２１に
嵌合する回転軸受４３ａが穿設され、シートバツ
ク寄りの端部には前記ガイド部材２２に係合する
下方に折曲されたフツク部４３ｂを有する回転部
補強部材４３が固設され、かつ、該回転部補強部
材４３の両側部には、前記ガイド部材２２上を摺
動する一対の底面４４a′，４４b′を有するハツト
型断面をした摺動部材４４ａ，４４ｂが固設され
ている。

又、シートクツシヨン４１下面の前記ストツパ
レバー２３の外側端２３ｃ側のストツパ２４ａに
対応する仮想円周r¹上の一側には、回転シートｂ
を前向き位置、もしくは後向き位置にしたとき、
該ストツパ２４ａに当接して前記ストツパレバー
２３を回動させるストツパピン４５ａが突設され
ている。又、シートクツシヨン４１下面の前記ス
トツパレバー２３の内側端２３ｂ側のストツパ２
４ｂに対応する仮想円周r²上の他端には、回転シ
ートｂを後向き位置、もしくは前向き位置にした
とき、該ストツパ２４ｂに当接して前記ストツパ
レバー２３を回動させるストツパピン４５ｂが突
設されている。さらに、前記ストツパピン４５
ａ，４５ｂの両外側、すなわちシートクツシヨン
４１の両側部には、平面において弧状をなし、縦
断面において外側に向つて略コ字状をなし、か
つ、内側に前記ラツチ３６と噛合するロツク爪４
６ａ，４６ｂを有する前記ロアレール３１ａ，３
１ｂと係合するアツパレール４７ａ，４７ｂが固
設されている。

今、ロツク装置３０のロツクを解除し、回転シ
ートｂの向きを変えるため、該回転シートｂを左
又は右方向に回転させると、シートクツシヨン４
１から脚部ａに向つて設けたストツパピン４５ａ
又は４５ｂが脚部ａ上面に設けたストツパレバー
２３のストツパ２４ａ又は２４ｂに当接し、該ス
トツパレバー２３を支軸２５を中心としてスプリ
ング２６のばね力に抗してＸ方向に回転させ、最
終的に該ストツパレバー２３に設けたストツパ２
４ａが前記ストツパ受２７に当接し、これを圧縮
させることにより前記スプリング２６のばね力と
共に回転シートｂの回転エネルギーを吸収し、該
回転を衝撃なく停止させることができる。

前記回転シートｂが向き直つて、回転を停止す
るとロツク装置３０のラツチ３６の先端部のロツ
ク孔３３がスプリング３９の付勢力により、シー
トクツシヨン４１側のアツパレール４７ａに設け
たロツク爪４６ａに噛合し、回転シートｂがロツ
クされる。この状態での回転シートｂのロツク時
のガタつきは、ストツパ受２７とスプリング２６
の反力及びラツチ３６のロツク孔３３とロツク爪
４６ａ，４６ｂとの噛合により阻止される。

又、回転シートｂの向きを変えようと、ロツク
装置３０のロツク操作レバー４０を解除操作すれ
ば、ストツパレバー２３に係止したスプリング２
６の反力により、回転シートｂの初期回転の駆動
力を得ることができる。したがつて、該回転シー
トｂの向きを変えるときの初期の操作力を軽減す
ることが可能になつた。

尚、上記実施例では、ストツパレバー２３等の
装置を脚部ａ側に設け、ストツパピン４５ａ，４
５ｂをシートクツシヨン４１側に設けたが、これ
とは逆にストツパレバー２３等の装置をシートク
ツシヨン４１側に設け、ストツパピン４５ａ，４
５ｂを脚部ａ側に設けてもよい。又、上記実施列
ではストツパレバー２３の支軸２５を中心として
略対角線上の両側面に回転中心軸２１を中心とし
た距離の異なる位置にストツパ２４ａ，２４ｂを
立設して、これにストツパピン４５ａ，４５ｂを
当接させるようにしたが、これに限ることなく、
ストツパピン４５ａ，４５ｂを直接ストツパレバ
ー２３の側面に当接させるようにしてもよく、
又、エンボスを設けてもよい。

以上述べたように本考案によれば、ゴム等の弾
性力を有するストツパ受の他、スプリングを有す
るストツパレバーを使用、すなわち、換言すれ
ば、バネ定数（反力）及びストロークの異なる２
つの弾性体を使用したので、回転シートのロツク
時のガタ吸収機能を向上させることができた。し
たがつて、回転シートのロツク時のガタつきを防
止することができた。しかも、回転シートの向き
を変えようと、ロツク装置を解除すれば、スプリ
ングの付勢力により回転シートが押出されるよう
になされているため、該回転シートの押出力（初
期駆動力）を軽減することができた。

さらに本考案によれば、シートクツシヨン下面
（もしくは脚部上面）の回転中心軸の両側であつ
て、かつ、回転シートを前向き位置、もしくは後
向き位置にしたとき、ストツパレバーのストツパ
に当接して該ストツパレバーを回動させる位置に
ストツパピンを設けたので、スプリングを介装し
たストツパレバーとストツパ受とを、回転シート
の左又は右方向の回転時に兼用することができ
た。したがつて、それだけ部品点数を少くするこ
とができるだけではなく、ストツパレバーとスト
ツパ受を１ケ所に集中して取付けることができる
ので作り勝手を向上させることができる等の効果
を有するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の回転シート装置のストツパとス
トツパ受との関係を示す概略説明図、第２図は回
転シート装置の改良例を示す概略説明図、第３図
は本考案による回転シート装置の構造を示す分解
斜視図、第４図はストツパレバーとストツパ受と
の関係を示す拡大斜視図、第５図はアツパレール
とロツク装置との噛合状態を示す要部拡大断面
図、第６図はストツパレバーとストツパピンとの
寸法関係を示す概略図でイはシートクツシヨン下
面を示し、ロは脚部上面を示している。 ａは脚部、ｂは回転シート、２１は回転中心
軸、２３はストツパレバー、２４ａ，２４ｂはス
トツパ、２６はスプリング、２７はストツパ受、
３０はロツク装置、４１はシートクツシヨン、４
３は回転部補強部材、４３ａは回転軸受、４５
ａ，４５ｂはストツパピン。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 シートが脚部上に回転中心軸を介して回転可能
   に枢着され、該シートを前向き、もしくは後向き
   に方向転換させて、前向き位置、もしくは後向き
   位置で着座可能に保持できるようになされた車両
   用回転シート装置において、 前記回転シート装置の脚部上面、もしくはシー
   トクツシヨン下面のいずれか一方には、前記回転
   中心軸から適宜間隔を存してストツパレバーが支
   軸を介して回転可能に枢着され、該ストツパレバ
   ーには、支軸に対して前記回転中心軸側と回転中
   心軸の反対側にストツパが形成され、かつ、該ス
   トツパレバーの回動を抑止する位置にストツパ受
   が設けられ、前記ストツパレバーは、ストツパが
   ストツパ受と当接しているとき、該ストツパをス
   トツパ受から離間させる方向にスプリングで付勢
   されていると共に、他方にはストツパピンが、前
   記回転中心軸の両側であつて、かつ、回転シート
   を前向き位置、もしくは後向き位置にしたとき、
   前記ストツパレバーのストツパに当接して該スト
   ツパレバーを回動させる位置に設けられ、前記ス
   トツパレバーは、回動が抑止された位置で、回転
   シートが前向き位置、もしくは後向き位置になる
   ように構成されていることを特徴とする回転シー
   トのストツパ機構。