JPH0446609Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はアームレストの位置調節機構に関す
る。

〔従来技術〕

従来、この種の位置調節機構としてはスプリン
グカツプラを備えたものが知られているが、この
スプリングカツプラの構造が複雑なことから位置
調節機構が必然的に複雑な構造となり、アームレ
ストおよびシートバツクに対する組付けが煩雑と
なる。これに対処すべく、本出願人は特願昭62−
319634号出願（特開昭64−40756号公報）にて下
記のごとき位置調節機構を出願している。すなわ
ち、当該位置調節機構は、軸線に対して互に反す
る方向に傾斜する左右の傾斜カム面を外周に間隔
を保つて有しシートバツクに固定されて同バツク
の一側に突出しアームレストを回動可能に支持す
る固定軸と、前記両傾斜カム面のいずれか一方に
係脱する傾斜カム面を有し前記固定軸の外周に回
転可能に組付けられるとともに前記アームレスト
に固定される第１のカム部材と、前記両傾斜カム
面のいずれか他方に係脱する傾斜カム面を有し前
記固定軸の外周に回転可能に組付けられる第２の
カム部材を主要構成部材とするもので、前記第２
のカム部材を回転操作することにより前記第１の
カム部材から離間させ、この離間した間隔に相当
する回転量だけアームレストの傾斜角度が調節さ
れる。

〔考案が解決しようとする課題〕

本考案の目的は、本出願人の先願に係る上記し
た形式の位置調節機構を備えたアームレストにお
いて、同アームレストを格納状態からいつきに使
用可能な状態となし、その後所望の傾斜角度に無
段階調節可能に構成することにより、使い勝手を
良好にすることにある。

〔課題を解決するための手段〕 本考案にかかるアームレストの位置調節機構は
軸線に対して互に反する方向に傾斜する左右の傾
斜カム面を外周に間隔を保つて有しシートバツク
に固定されて同バツクの一側に突出しアームレス
トを回動可能に支持する固定軸と、前記両傾斜カ
ム面のいずれか一方に係脱する傾斜カム面を有し
前記固定軸の外周に回転可能に組付けられるとと
もに前記アームレストに固定される第１のカム部
材と、前記両傾斜カム面のいずれか他方に係脱す
る傾斜カム面を有し前記固定軸の外周に回転可能
に組付けられる第２のカム部材と、前記アームレ
ストを格納位置にて前記固定軸に対してロツクす
るロツク手段と、このロツク手段と前記第２のカ
ム部材に連結し操作時前記ロツク手段に対してロ
ツク解除作用をするとともに前記第２のカム部材
を他方の傾斜カム面に対して係脱すべく回転させ
る操作手段を備えていることを特徴とするもので
ある。

〔考案の作用・効果〕

かかる構成の位置調節機構においては、操作手
段の非操作時アームレストはロツク手段により固
定軸にロツクされて格納位置にあり、かつ第２の
カム部材は操作手段の作用により回転を規制され
ている。この状態で操作手段を操作すると、アー
ムレストの固定軸に対するロツクが解除されアー
ムレストは回動可能となる。これにより、第１の
カム部材およびこれと一体のアームレストが回転
可能となる。また、アームレストの回動により第
１のカム部材が所定量回転し、傾斜カム面との係
合作用にて第２のカム部材側へ移動して同カム部
材を傾斜カム面に係合させ、同時に同カム部材か
らの反力にて第１のカム部材も傾斜カム面に係合
する。これにより、それ以上のアームレストの回
動が規制され、アームレストは格納状態からいつ
きに使用状態にすることができ、その後操作手段
の操作により第２のカム部材を傾斜カム面に対し
て非係合側へ回転させると、第２のカム部材はそ
の回転量に応じて第１のカム部材から離間し、ア
ームレストを第１のカム部材が第２のカム部材に
当接するまでさらに回動させてその傾斜角度を調
節することができる。

なお、アームレストを格納するには同アームレ
ストを格納側へ回動させればよい。これにより、
両カム部材の傾斜面に対する係合が解かれて互に
回転可能になり、第１のカム部材と一体のアーム
レストが格納位置に達したとき第２のカム部材に
連結する操作手段を復帰させると、アームレスト
はロツク手段にて格納位置にロツクされる。

このように、かかる位置調節機構によれば、ア
ームレストを格納状態からいつきに使用状態にす
ることができるとともに、同アームレストをその
後所望の傾斜角度に調節することができるため、
アームレストの使い勝手が極めて良好である。

〔実施例〕

以下本考案の一実施例を図面に基づいて説明す
るに、第１図および第２図には本考案の一実施例
に係る位置調節機構が示されており、当調節機構
は第５図に示すアームレスト１０ａに組込まれ、
同アームレスト１０ａを車両用シートにおけるシ
ートバツク１０ｂの一側に支持している。

アームレスト１０ａを構成するアームレストフ
レーム本体１１、その内側を覆蓋するカバープレ
ート１２および開口部を形成する筒体１３からな
り、その内部には第１〜第３のブラケツト１４
ａ，１４ｂ，１４ｃが設けられ、かつその外周が
クツシヨンパツド１５にて被覆されている。

調節機構は第１図〜第３図に示すように固定軸
２１、左右一体の筒状の回転カム２２，２３およ
び固定カム２４，２５を備えており、固定軸２１
は筒状を呈しボルト２６にてシートバツク１０ｂ
の図示しないフレームに固定されている。固定軸
２１の外周にはその内端側から第１固定カム２
４、第１回転カム２３および第２固定カム２５が
組付けられていて、各固定カム２４，２５は軸２
１上に固定されかつ各回転カム２２，２３は軸２
１上に回転可能になつている。第１回転カム２２
と固定カム２４は互に係脱する複数の傾斜カム面
２２ａ，２４ａを備え、第１回転カム２２はアー
ムレストフレームのカバープレート１２内面に固
着されており、第１固定カム２４はロツク手段を
構成するロツクプレート３１を一体的に備えてい
る。また、第２回転カム２３と固定カム２５は互
に係脱する複数の傾斜カム面２３ａ，２５ａを備
え、第２回転カム２３は第１回転カム２２の背面
側に位置する。各回転カム２２，２３は第３図お
よび第４図の矢印Ａ方向へ回転して互に当接し、
軸方向の力により対向する固定カム２４，２５に
摩擦係合してそれ以上の同方向への回転が規制さ
れる。この状態で一方の回転カム２２，２３が矢
印Ｂ方向へ回転してこれら両者２２，２３が離間
すると、他方の回転カム２３，２２が矢印Ａ方向
へ回転可能となり、同方向へ回転しつつ軸方向へ
移動し一方の回転カム２２，２３に当接する。こ
れにより、両回転カム２２，２３の矢印Ａ方向へ
の回転が規制される。

当該調節機構においては、アームレストフレー
ムを固定軸２１にロツクするロツク手段および操
作手段を備えている。ロツク手段は第１固定カム
２４と一体のロツクプレート３１およびロツクフ
ツク３２からなり、ロツクフツク３２はその中間
部にてアームレストフレームの第１ブラケツト１
４ａに回転可能に組付けられている。操作手段は
４本のリンク３３ａ〜３３ｄ、テンシヨンスプリ
ング３４およびプツシユボタン３５からなり、第
１リンク３３ａはその中間部にて第２ブラケツト
１４ｂに回動可能に組付けられている。第１リン
ク３３ａの一端には第２リンク３３ｂの一端が回
動可能に連結され、第２リンク３３ｂの他端は第
２回転カム２３に固着したブラケツト２３ｂに回
動可能に連結されている。第３リンク３３ｃは第
１リンク３３ａの他端とプツシユボタン３５に回
動可能に連結され、また第４リンク３３ｄは第１
リンク３３ａの中間部とロツクフツク３２の一端
に回動可能に連結されている。テンシヨンスプリ
ング３４は第１リンク３３ａの中間部と第３ブラ
ケツト１４ｃとに掛止され、第１リンク３３ａを
第１図の図示時計方向へ常時付勢している。アー
ムレスト１０ａが第５図の２点鎖線で示す格納状
態にある場合、第１図に示すようにロツクフツク
３２はテンシヨンスプリング３４の作用にてロツ
クプレート３１の係合溝３１ａに弾撥的に係合さ
せ、アームレストフレームを固定軸２１にロツク
している。すなわち、アームレスト１０ａがシー
トバツク１０ｂにロツクしている。また、第２リ
ンク３３ｂは第２回転カム２３の回転を規制して
同カム２３を第２固定カム２５から所定量離間さ
せており、かつ第３リンク３３ｃはプツシユボタ
ン３５を先端開口部から最大限突出させている。

当該調節機構を備えたアームレスト１０ａは第
５図に示すように、２点鎖線で示す格納位置から
実線で示す使用状態まで回動させ、かつ使用位置
にてその傾斜角度を無段階に調節できる。アーム
レスト１０ａが格納位置にある場合、調節機構に
おいては第１図および第２図に示す状態にあり、
プツシユボタン３５を矢印方向へ押動すると第１
リンク３３ａが第１図の図示反時計方向へ回動し
てロツクフツク３２を同方向へ回動させ、ロツク
フツク３２のロツクプレート３１に対する係合を
解除させる。これにより、アームレスト１０ａは
前方へ回動可能となり、同アームレスト１０ａを
回動させるとこれと一体に第１回転カム２２が矢
印Ａ方向に回転する。第１回転カム２２は回転時
第１固定カム２４の作用にて軸方向に移動して第
２回転カム２３を第２固定カム２５に押付け、こ
れら両カム２３，２５を摩擦係合させる。この結
果、アームレスト１０ａは回動を規制されて第５
図の実線で示す使用可能状態となる。この間、ロ
ツクフツク３２はロツクプレート３１の係合溝３
１ａから引出され、ロツクプレート３１の摺動面
３１ｂを摺動するとともに、プツシユボタン３５
は所定の押動位置に停止する。

次いで、プツシユボタン３５をさらに押動させ
ると第２回転カム２３は矢印Ｂ方向へ回転し、第
２固定カム２５の作用にて軸方向に移動して第１
回転カム２２から離間する。このため、第１回転
カム２２およびこれと一体のアームレスト１０ａ
は上記した離間量に相当する分回動可能となり、
アームレスト１０ａの傾斜角度が調節される。こ
の傾斜角度の調節量はプツシユボタン３５の押動
量により任意に決定される。なお、アームレスト
１０ａを格納するには、同アームレスト１０ａを
そのまま上方かつ後方へ回動させればよい。これ
により、ロツクフツク３２はロツクプレート３１
の摺動面３１ｂを摺動しつつ最後に係合溝３１ａ
に係合するとともに、各回転カム２２，２３は各
固定カム２４，２５の作用にて第１図に示す元位
置に復帰し、かつ各リンク３３ａ〜３３ｄおよび
プツシユボタン３５も元位置に復帰する。

このように、当該調節機構によれば、アームレ
スト１０ａを格納状態からいつきに使用可能な状
態とし、その後所望の傾斜角度に無段階に調節す
ることができるため、アームレスト１０ａの使い
勝手が非常に良い。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る調節機構の平
面図、第２図は同機構の側面図、第３図は同機構
を構成する固定軸および各カム部材の斜視図、第
４図は各カム部材の作動説明図、第５図は同機構
を組込んだアームレストを備えたシートの斜視図
である。 符号の説明、１０ａ……アームレスト、１０ｂ
……シートバツク、１１……フレーム本体、２１
……固定軸、２２，２３……回転カム、２４，２
５……固定カム、３１……ロツクプレート、３２
……ロツクフツク、３３ａ〜３３ｄ……リンク、
３５……プツシユボタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸線に対して互に反する方向に傾斜する左右の
   傾斜カム面を外周に間隔を保つて有しシートバツ
   クに固定されて同バツクの一側に突出しアームレ
   ストを回動可能に支持する固定軸と、前記両傾斜
   カム面のいずれか一方に係脱する傾斜カム面を有
   し前記固定軸の外周に回転可能に組付けられると
   ともに前記アームレストに固定される第１のカム
   部材と、前記両傾斜カム面のいずれか他方に係脱
   する傾斜カム面を有し前記固定軸の外周に回転可
   能に組付けられる第２のカム部材と、前記アーム
   レストを格納位置にて前記固定軸に対してロツク
   するロツク手段と、このロツク手段と前記第２の
   カム部材に連結し操作時前記ロツク手段に対して
   ロツク解除作用をするとともに前記第２のカム部
   材を他方の傾斜カム面に対して係脱すべく回転さ
   せる操作手段を備えてなるアームレストの位置調
   節機構。