JPS628452B2 - - Google Patents

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JPS628452B2
JPS628452B2 JP56058454A JP5845481A JPS628452B2 JP S628452 B2 JPS628452 B2 JP S628452B2 JP 56058454 A JP56058454 A JP 56058454A JP 5845481 A JP5845481 A JP 5845481A JP S628452 B2 JPS628452 B2 JP S628452B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyolefin resin
film
organic phosphorus
resin composition
heat retention
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP56058454A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS57174326A (en
Inventor
Yutaka Watanabe
Kazuhiko Hosokawa
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okura Industrial Co Ltd
Original Assignee
Okura Industrial Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Okura Industrial Co Ltd filed Critical Okura Industrial Co Ltd
Priority to JP56058454A priority Critical patent/JPS57174326A/ja
Publication of JPS57174326A publication Critical patent/JPS57174326A/ja
Publication of JPS628452B2 publication Critical patent/JPS628452B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02ATECHNOLOGIES FOR ADAPTATION TO CLIMATE CHANGE
    • Y02A40/00Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production
    • Y02A40/10Adaptation technologies in agriculture, forestry, livestock or agroalimentary production in agriculture
    • Y02A40/25Greenhouse technology, e.g. cooling systems therefor

Landscapes

  • Greenhouses (AREA)
  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明はポリオレフイン樹脂組成物に関するも
のであり、その目的とするところは、該組成物を
フイルム、シート又は板等に成形した場合、保温
性並びに透明性、光学特性等に優れ、更に、添加
剤のブリードアウトを押えその作用効果の持続性
に優れた新規なポリオレフイン樹脂組成物を提供
することにある。 現在、施設園芸関係には多くの合成樹脂資材が
使用されている。なかでも合成樹脂フイルムが大
量使用されている。 代表的なものを挙げればポリ塩化ビニル樹脂、
ポリエチレン樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合
体樹脂といつたものであり、促成栽培を目的とし
た、ハウス栽培、トンネル栽培及びマルチ栽培等
の資材として幅広く使用されている。 これらの樹脂の内、そのもつ光線透過性、耐候
性、保温性、強靭性等の諸特性に比較的優れてい
るポリ塩化ビニル樹脂が最も多く使用されて来
た。 しかしながら、ポリ塩化ビニル樹脂は、特に農
業用フイルムあるいはシート(以下農業用フイル
ムと称す。)において初期の光線透過性は優れて
いるものの長期の使用中にはフイルムシート中に
含まれる可塑剤がその表面にブリードアウトし、
それに大気中の塵埃が吸着し、その塵埃吸着に基
づく汚れにより光線透過性は著しく損われ、例え
ばハウス内の温度上昇が妨げられたり、又寒冷地
での使用においては可塑剤の作用効果低下に基づ
くフイルム又はシート物性の著しい低下を生じ損
傷を生じやすいといつた難点がある。更には使用
の不可能な使用済フイルム処理に際しては、有害
な塩酸ガスの発生を伴うことから焼却処分が困難
であるなどの難点を有すると共にフイルム価格の
面においても一般にポリオレフイン樹脂組成物に
比し割高であることなどから代替品が強く望まれ
ている。 ポリオレフイン樹脂は化学構造も安定してお
り、長期にわたる使用にも光線透過率が低下する
ことも少なく、又焼却の際、有害ガスの発生はな
く、経済性にも優れているなどポリ塩化ビニル樹
脂に比較し、多くの利点を有しているにもかかわ
らず、ポリ塩化ビニル樹脂に比べ保温効果が不足
するため利用の範囲が著しく制約されるといつた
問題点が残されている。 一般に保温効果(保温性とも称す)というの
は、夜間におけるハウス内の温度の低下を防止す
る特性であり、昼間太陽熱を吸収し、地温の上昇
した大地から夜間に幅射線を外部に散逸させぬよ
う被覆材料がそれを吸収し、反射し、ハウス内部
及び地中の温度を保持することである。 更に重要なことは農作物の生育には、保温材に
より温度がいくら充たされていても日中の太陽光
線が不足すると期待する生育、収量が得られない
場合が多い。ことに冬期は日が短かく日射が弱い
ので、太陽光がよく透過するフイルムが望ましい
ことは勿論である。従つて従来の農業用フイルム
はただ単に夜間の温度を外部に逃がさない保温性
のみが大きな要素として望まれてきたのに対し、
近年では光の条件をも調節する特性を有する資材
として、保温特性に加えて、光学特性の優れた農
業用フイルムへの要求が強く望まれるようになつ
てきた。 フイルムのもつ光学的性質即ち、主として全光
線透過性と共に重要視されている光の波長域
400nmから700nmの可視光線透過性の良否が植
物の物質性産ならびに生長を直接左右するところ
の植物の光合成に密接な関係があることはすでに
周知のとおりである。 即ち、植物の光合成は可視光線域の波長400n
m以下700nm以上ではその効率は急速に低下す
るとされており、従つて農業フイルムに要求され
る光学的性質の中でも全光線透過性と共により大
切なのは波長域400nm以上700nm以下の可視光
線の透過性であり、これは農作物の生育にきわめ
て重要な役割を果たしていることは注目すべき事
実である。 従来よりポリオレフイン樹脂の利点を生かす観
点から、このポリオレフイン樹脂のもつ保温性を
改良すべく種々なる提案がされている。 例えば特開昭51−42774号公報によれば、ポリ
ビニルアルコール系樹脂組成物をフイルム化し
て、赤外線に対しては実質的に不透明となるよう
に構成された農業用ポリビニルアルコール系フイ
ルムについて提案がなされているが、可視光線に
対しては実質的に透明であるとはいうものの、そ
の可視光線透過率を実施例より具体的にみた場
合、55%〜75%の範囲のもののようであるが、こ
れでは実用上、決して十分なものではない。 即ち、一般に農業用フイルムは前記したよう
に、ハウス、トンネル等の屋外使用の経時と共に
各種の添加剤のブリードとそれに伴う塵埃等の付
着によつてフイルム表面は汚れを増し使用後6ケ
月間で該フイルムの光線透過率は50%〜65%にま
で低下するのである。従つて未使用フイルムの段
階で55〜75%の可視光線透過性を有する農業用フ
イルムは使用後6ケ月間の経時では30〜45%にま
で光線透過性が低下することとなる。それ故未使
用フイルムの全光線並びに可視光線の透過率は実
用上少なくとも80%以上のものであることが好ま
しいのは云うまでもない。 又、上記のポリビニルアルコール系樹脂組成物
よりなるフイルムは一般に耐水性に難点が有り水
により膨潤したり、伸びたりするために他の疎水
性樹脂ブレンドの方法が示唆されているが、これ
らを行うことで更にフイルムの光学的性質が損わ
れることは当然であり、決して好ましいものでは
ない。更に長くて1〜2年のライフサイクルで張
替え使用される農業用フイルムに性能と共に要求
される点はフイルム価格の点であるが、ポリビニ
ルアルコール系樹脂はポリオレフイン系樹脂に比
し、3〜4倍の高価なものであることも見逃せな
い事実であり、大きな難点の一つと云える。 また、例えば特公昭47−13853号公報、特開昭
51−74846号公報、特開昭54−71147号公報、特開
昭54−60347号公報、特開昭55−123625号公報に
よれば酸化珪素、無水二酸化珪素、二酸化珪素と
タルク、シリカゲル、炭酸カルシウムと無水珪酸
と酸化アルミ等の無機物を添加することにより、
ポリオレフイン樹脂の保温性の改良を試みたもの
がある。 これらは望むべき保温性を得るだけの量を添加
した場合フイルム自体無機物により透明性及び光
線透過性が阻害され、昼間での太陽光線の透過を
遮断するといつた難点をもち、又こういつた難点
の解消のため粒子自体非常に細かいもの例えば1
ミクロン以下のものを用いても作業段階でこれら
が二次凝集を起すなどして樹脂との混合が困難と
なり、又困難な割に満足のいく透明性並びに光学
的性質が得られない。 又、通常の混入方式ではフイルム物性を著しく
低下せしめ、機械的強度を弱め、且つ耐候性を一
層低下せしめ、長期の使用に耐えられないという
難点をもつ。 上記の方法のほか、保温性の改良に関し種々な
る方法が提案されているが、保温性の改良の方向
にはあるもののフイルムの透明性及び光学的性
質、更に耐候性等に問題が生じたり、又効果の持
続性に欠けるといつた一長一短を有するものが多
く、工業上有用なものがないといつたのが現状で
ある。 本発明者らは、これらの現状に鑑み、農業用に
適した性質を具備したポリオレフイン樹脂を得ん
がため種々長期に渡り鋭意努力検討した結果、特
に保温性と透明性及び光学特性に優れ、更に添加
剤のブリードアウトを極力押え、フイルムの耐ブ
ロツキング性をより改善し、よつて展張の際の作
業性を一層良好にせしめ、特に保温効果の持続性
とを兼ね備えたきわめて優れた農業用フイルムが
得られることを知見し、本発明をするに至つた。 本発明は下記一般式から成る一種又は二種以上
の有機リン化合物1〜20重量パーセントとアクリ
ル酸エステル含有共重合体0.3〜30重量パーセン
トを重要成分として添加して成る新しいポリオレ
フイン樹脂組成物に関するものである。 有機リン化合物 式中 R1、R2、R3:H、C1〜10のアルキル、シクロア
ルキル、
【式】 R7O−(Co2oO)−lのいずれか、 但し、〔1〕、〔2〕式においてR1、R2、R3
内少なくとも1つはH以外のもの、 R5、R6:H、C1〜10のアルキル、アリール、シ
クロアルキルのいずれか、 R7:C1〜8のアルカリ、アリールのいずれか R4:C1〜8のアルキル、フエニル、C1〜4のヒド
ロキシアルキルのいずれか n:1〜3 l:1〜5 本発明においてポリオレフイン樹脂とはα−オ
レフインの単独重合体、又はα−オレフインを主
要成分とする他の単量体との共重合体であつて、
具体的には低密度ポリエチレン、中密度ポリエチ
レン、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
ル酸共重合体、エチレン−ブチレン共重合体等で
ある。 これら重合体は適用の形態により最適なものが
選ばれるが、例えば、農業用フイルム、又はシー
トとする場合には透明で且つ柔軟なフイルムを安
価に得られる点で低密度ポリエチレン及びエチレ
ン−酢酸ビニル共重合体が好ましい。 本発明で使用する有機リン化合物とは、前記し
た一般式で示す如き構造を有する化合物であり、
例示すればトリメチルホスフエート、トリブチル
ホスフエート、トリフエニルホスフエート、トリ
クレジルホスフエート、オクチルジフエニルホス
フエート、フエニルジイソデシルホスフエート、
ジフエニルモノオルソキセニルホスフエート、ト
リキシレニルホスフエート、トリ(イソプロピル
フエニル)ホスフエート、トリ(シクロヘキシル
フエニル)ホスフエート、トリ(ノニルフエニ
ル)ホスフエート、ジオクチルアシドホスフエー
ト、ジブチルアシドホスフエート、等のリン酸エ
ステル類及びこれらのアルキルをアルキルアルキ
レンオキサイド付加物に置き換えた類似化合物
類、トリメチルホスフアイト、トリフエニルホス
フアイト、トリ(ノニルフエニル)ホスフアイ
ト、ジフエニルデシルホスフアイト、ジフエニル
アシドホスフアイト、フエニルジイソオクチルホ
スフアイト等の亜リン酸エステル類及びこれらの
アルキルをアルキルアルキレンオキサイド付加物
に置き換えた類似化合物類、並びにジメチルベン
ジルホスホネート、フエニルジオクチルホスホネ
ート等のホスホン酸エステル類がこれに当り、こ
れらの内の一種又は二種以上が添加使用される。 これらの有機リン化合物はポリオレフイン樹脂
の種類又は成形される形態により最適範囲は異な
るが、樹脂との相溶性又はアクリル酸エステル含
有共重合体との相溶性等の点からトリエステル型
リン酸エステル類が好ましく、トリエステル型芳
香族リン酸エステル類が一層好ましい。 又、本発明で使用するアクリル酸エステル含有
共重合体とは、 アクリル酸又はメタアクリル酸のエステルの
一種又は二種以上の共重合体 アクリル酸又はメタアクリル酸のエステルの
一種又は二種以上とアクリル酸、メタアクリル
酸又はアクリル酸、メタアクリル酸混合物との
共重合体。 アクリル酸又はメタアクリル酸のエステルの
一種又は二種以上7〜99重量パーセントとこれ
と共重合可能なビニル系モノマー、不飽和カル
ボン酸類又はその誘導体の一種又は二種以上93
〜1重量パーセントとを共重合させてなるアク
リレート又はメタアクリレート含有共重合体。 を指す。 上記〜においてエステルを形成するアルコ
ール成分の炭化水素構造はメチル、ブチル等の炭
素数1〜18のアルキル基、ベンジル等のアリール
置換アルキル基がこれに当り、又ヒドロキシエチ
ル、2・3ジヒドロキシプロピル等のヒドロキシ
含有有機基、更にはポリオキシプロピレン等エー
テル結合含有有機基もこれに含まれる。 又における共重合可能なビニル系モノマーと
は酢酸ビニル、エチレン、プロピレン、ブタジエ
ン、スチレン、1−ドデセン等のモノマーがこれ
に当り、不飽和カルボン酸類とは、マレイン酸、
無水マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸等がこ
れに当り、不飽和カルボン酸誘導体とは、不飽和
カルボン酸と炭素数1〜22のアルコールとのエス
テルがこれに当る。 又、該アクリル酸エステル含有共重合体の分子
量は、ポリオレフイン樹脂の種類、混合使用され
る有機リン化合物の種類、又は該共重合自体の種
類により、その最高範囲は異なるが、10000〜
500000の範囲内のものであることが好ましく、更
には20000〜200000の範囲内のものがより好まし
い。 該アクリル酸エステル含有共重合体の分子量が
低いものを使用した場合には成形品の物性は低下
し、機能的強度を低下させ前記した有機リン化合
物との相乗作用を示し難い結果を示し、又分子量
が500000を越えるものを使用した場合には成形品
の透明性を著るしく低下させ、農業用資材として
の用途が著るしく限定され狭くなり本発明の目的
とする効果を示さない。 該アクリル酸エステル含有共重合体の具体例を
挙げれば、
【表】 等々である。 該アクリル酸エステル含有共重合体は前記した
分子量のほか、共重合体に占めるアクリル酸又は
メタアクリル酸のエステルの割合により混合使用
される有機リン化合物との相溶性が異なり、同割
合が50重量パーセント以上のものがより好ましい
結果を示す。 上記の通り、本発明に使用される各成分につい
て具体例を挙げたが、本発明はこれらの例に限ら
れるものではない。 本発明のポリオレフイン樹脂組成物は前記した
有機リン化合物の一種又は二種以上を1〜20重量
パーセント、アクリル酸エステル含有共重合体を
0.3〜30重量パーセント重要成分として添加する
ことにより得ることが出来るが、最適な添加剤は
ポリオレフイン樹脂の種類、成形品の種類、個々
の添加する剤の種類によつて異なる。 そして該有機リン化合物とアクリル酸エステル
含有共重合体の添加率が前者/後者で95/5〜
30/70(重量%)の割合でポリオレフイン樹脂に
含有されたものが好ましく、90/10〜50/50(重
量%)の割合で含有されたものがより好ましい。 更に、前記二者の合計した添加量は3〜30重量
パーセントが好ましく5〜15重量パーセントの時
がより好ましい。 有機リン化合物とアクリル酸エステル含有共重
合体との相乗作用については、アクリル酸エステ
ル含有共重合体単独では、保温性といつた効果は
弱く、又ポリオレフイン樹脂との相溶性も不足し
がちであり、成形品の透明性を低下させる結果を
示していることから、有機リン化合物がポリオレ
フイン樹脂とアクリル酸エステル含有共重合性と
の相溶性を高める役目を成し、一旦有機リン化合
物によりポリオレフイン樹脂と相溶したアクリル
酸エステル含有共重合体が樹脂内における有機リ
ン化合物のブリードアウトを抑え保持性を高める
といつた役目を成すと考えられ結果として本発明
のポリオレフイン樹脂組成物はフイルム、シート
又は板状に成形し、農業用ハウス、トンネル等に
使用した場合、保温性に関してはポリ塩化ビニル
樹脂並の優れた性能を有すると共に透明性にも優
れ、又添加した剤のブリードアウトを極力抑える
ことにより使用場面における作業性をも向上せし
め、更に作用効果の持続性をも一層向上せしめた
農業用資材として極めて有用なものとなる。 本発明の実施方法はポリオレフイン樹脂と有機
リン化合物並びにアクリル酸エステル含有共重合
体とをロール型又はバンバリー型の混合機又は押
出機等で混合若しくは混練するといつた通常の方
法で混入し、次いで例えばインフレーシヨン加
工、カレンダー加工、T−ダイ加工等の通常の成
形加工方法でフイルム状、シート状又は板状等に
成形する。 この場合、有機リン化合物とアクリル酸エステ
ル含有共重合体とを添加する前に予め両者を混合
し、溶融均一化し、その後ポリオレフイン樹脂に
添加すれば、樹脂内への両者均一分散が簡単且つ
確実に行なわれることとなり、より一層作用効果
の向上をはかることが出来る。 本成形加工における温度条件は通常140〜250℃
で行なうが、本発明はこれに限定されるものでは
ない。 かくして得られるポリオレフイン樹脂組成物に
は必要に応じ適当な水滴防止剤、安定剤、紫外線
吸収剤、帯電防止剤、滑剤等を適宜添加混入し、
必要特性を付与又は強化することができる。又、
アンチブロツク剤として無機質微粒子等を添加す
ることは、フイルムの透明性を阻害しない範囲で
あれば好ましい。 実施例 1 ベースレジンとしてエチレン−酢酸ビニル共重
合体(住友化学工業株式会社製、商品名エバテー
トM1=3)100重量部に第1表に示す有機リン化
合物、アクリル酸エステル含有共重合体等の添加
剤を加えた配合物を表面温度が150℃のテストロ
ールで溶融混練してペレツト化し、次いで180〜
225℃の温度条件下でTダイ法により100ミクロン
厚さのフイルムを作成した。これらのフイルムを
実施例試料1〜8とした。 実施例 2 実施例1において、ベースレジンのエチレン−
酢酸ビニル共重合体のかわりに低密度ポリエチレ
ン(住友化学工業株式会社製、商品名スミカセン
M1=1.5)を用いた以外は実施例1と同様にして
厚さ100ミクロンのフイルムを作成し、これらの
フイルムを実施例試料9、10、11とした。 実施例 3 実施例1において、ベースレジンのエチレン−
酢酸ビニル共重合体のかわりに低圧法、低密度ポ
リエチレン(三井石油化学工業株式会社製、商品
名ウルトゼツクスM1=2.3)を用いた以外は、実
施例1と同様にして厚さ100ミクロンのフイルム
を作成し、これらのフイルムを実施例試料12とし
た。 尚、有機リン化合物とアクリル酸エステル含有
共重合体と予備混合方法は、まず有機リン化合物
の一部を60℃程度に加温後、その中にアクリル酸
エステル含有共重合物を投入分散後、60〜120℃
程度に昇温均一溶解させる。その後有機リン化合
物の残量を投入均一化させる。この予備混合方法
は一例であつて、本発明はこれに限定されるもの
ではない。
【表】
【表】 比較例 1 実施例1において有機リン化合物、アクリル酸
エステル含有共重合体等の添加剤のかわりに、エ
チレン−酢酸ビニル共重合体ケン化物(株式会社
クラレ製、商品名エバールM1=5.8)8重量部を
用いた以外は実施例1と同様にして厚さ100ミク
ロンのフイルムを作成し、これを比較例試料1と
した。 比較例 2 実施例1において有機リン化合物、アクリル酸
エステル含有共重合体等の添加剤のかわりに珪酸
物質(昭和化学工業製、商品名ラジオライト)を
5重量部用いた以外は実施例1と同様にして厚さ
100ミクロンのフイルムを作成し、これを比較例
試料2とした。 比較例 3 実施例1の試料No.1の配合物において、ベース
レジン100重量部に対し、有機リン化合物単独で
5.6重量部添加したもの(即ち、アクリル酸エス
テル含有共重合体は添加しない)以外は実施例1
と同様にして厚さ100ミクロンのフイルムを作成
し、これを比較例試料3とした。 比較例 4 実施例1の試料No.7の配合物において、ベース
レジン100重量部に対し有機リン化合物単独で7
重量部添加したもの(即ち、アクリル酸エステル
含有共重合体は添加しない)以外は、実施例1と
同様にして厚さ100ミクロンのフイルムを作成
し、これを比較例試料4とした。 以上の他に、従来使用されている厚さ100ミク
ロンのポリ塩化ビニルフイルム(比較例試料
5)、エチレン−酢酸ビニル共重合体フイルム
(比較例試料6)、ポリエチレンフイルム(比較例
試料7)を比較例試料とした。 尚、実施例及び比較例の各試料の保温性比較試
験を行うために、各試料を使用して農業用トンネ
ルを作りトンネル内の地温及び気温を測定した。
この測定結果は第2表の通りであつた。
【表】 上記の測定の実施期間と場所は、昭和56年1月
20日から昭和56年2月3日迄の15日間香川県丸亀
市において実施したものである。尚、該比較試験
用のトンネルのサイズは幅120cm、長さ350cm、高
さ75cmのものであり、トンネル内の地温測定点及
び気温測定点はそれぞれ地中5cmの深さと地上30
cmの位置とした。 更に、上記の実施例試料1、2、3、4、7、
8、9、12並びに比較例試料1、2、5、6、7
の保温性効果を別法(自社法、フイルム保温性測
定装置)により比較測定を実施しその結果は第3
表の通りであつた。
【表】 上記の自社法フイルム保温性測定装置について
第1図に基づいて簡単な説明を加えると、上蓋1
及び周囲の壁面2が厚さ4cmの断熱材で形成され
前後左右にそれぞれ独立した四つの小室(出窓
部)4の設けられた一辺が80cmの立方体よりなる
温室3の中央に500Wの電気容量を有するアルミ
鋳込ヒータよりなる発熱体6が設置されており、
該温室3と小室4との境界部に型枠に取付けられ
た比較測定用の試料8は試料枠止めナツト9で取
付けられる。以上で温室と前後左右の独立した4
つの小室とは測定試料8で完全に遮断される。 次いで、発熱体に通電が行われると温室内は温
室温度検出用センサー7で室温が検出され、図示
されていない自動温度調節器により60℃の一定温
度条件にコントロールされる。60℃に暖められた
温室内の熱エネルギーは、小室との境界に取付け
られた各試料を通して時間経過と共に順次小室内
に移動するが、その熱の移動はおよそ180分間で
ほぼ完了し、この点では経時による小室内の温度
上昇がほとんどみられなくなる。即ち、この状態
を自動温度記録計のチヤート上でみると横軸に示
す温度が時間経過の縦軸にほぼ平行になる。以上
の理由から熱の移動が盛んに行われている途中経
過の90分の点とそれがほぼ完了したことを示す点
の180分の2点における時間の経過点における記
録計のチヤート上の各試料の指示温度を第3表に
したものである。尚、発熱体に通電が行われて以
後180分経過までの間の各小室内温度は全べて各
小室毎に設けられた小室温度検出用センサー5で
検出され、図示されていない自動温度記録計のチ
ヤートに記録される。 従つて第3表に示す「指示温度」とは自動温度
記録計に表示された温度であり、又「温度差」と
は全試料中で最も熱線(放射エネルギー)透過性
の良好(保温性不良)な値を示したポリエチレン
フイルム(比較例試料6)の指示温度値からそれ
ぞれの試料の指示温度値を引いた値である。従つ
て、この第3表では「温度差」の値の大きい試料
は熱線の遮断性あるいは吸収性に富んでいるもの
で換言すれば、保温性に優れているといえる。 次いで上記の実施例試料1、2、3、4、5、
6、10、11及び比較例試料1、2、3、4、5、
6、7についての透明性(霞み度)、全光線透過
性、可視光線透過性、ブロツキング性、保温性の
持続性等の諸性質について比較試験した。その測
定結果は第4表の通りであつた。
【表】 上記の測定法について説明すると透過性(霞み
度)及び全光線透過率は日本電色工業(株)製の測定
器NDH−20Dを使用しデジタル表示の値を読み取
つたものである。 可視光線透過率は、(株)日立製作所製200−20
形、ダブルビーム自記分光光度計により測定し、
波長650nmにおける透過度の値(%)で表示し
た。 この650nm波長における透過度の値(%)で
表示した理由は、植物の光に対する感度即ち可視
光線の波長域内でも光合成作用の最も効率の高い
波長は視感度とはまつたく逆の赤色光の650nm
がピークであることから、各試料の650nm波長
における可視光線透過率を求めた。 ブロツキング性については、ASTMD.1893−
67に準ずる(株)島津製作所製マツケンジー式フイル
ムはく離試験機を使用して測定したものである。 保温性の持続性については、各試料より所定の
サイズにサンプリングしたものをスガ試験機(株)製
WEL−SUN−HC型サンシヤインウエザーメータ
ーにより400時間照射後の試料を前記の自社法フ
イルム保温性測定装置でそれぞれ保温性の比較試
験を実施し、未照射試料の保温性を100として、
その保温性の維持率が90%以上の試料を○、89%
以下60%の試料を△印で示した。 前記した実施例及び比較例の各試料の保温性並
びに諸性質の比較試験結果の第2表及び第3表か
らみて、単に保温性のみについて比較した場合
は、珪酸物質添加フイルム及びエチレン−酢酸ビ
ニル共重合体ケン化物添加フイルムは、いづれも
塩ビフイルムに近い保温性を保持している。 しかしながら、これらの従来法のフイルムは測
定結果第4表でも明らかなように、特に透明性、
可視光線透過性等の光学的性質に劣り、農業用フ
イルムとしては、必ずしも十分満足出来るもので
はない。 すでに説明したように農作物の生育に重要なこ
とは、夜間において単に地温(最低地温又は最低
温度)を逃さないということのみではなく、日中
の太陽光線の透過性にいかに優れているかという
ことも決して見逃せないものである。尚、通常必
要とされるフイルムの透明性(霞み度%)は、フ
イルムの厚さにより若干左右されるが、測定値で
少なくとも15%以下であることが好ましい。 更に、第4表から明らかなように単独使用のポ
リオレフインフイルムに比較して、有機リン化合
物にアクリル酸エステル含有共重合物を添加した
ポリオレフインフイルムは、その相剰効果として
ブロツキング性を大幅に改善すると共に保温性の
持続性についても維持、促進するという効果が十
分認められている。 一方、有機リン化合物とアクリル酸エステル含
有共重合体とを予じめ混合し、均一溶解した後、
添加することによる効果としては、予じめ混合、
均一溶解しない方法に比較して特に透明性への改
善が顕著に認められる。 以上、実施例結果で明らかなように、本発明に
より得られる農業用フイルムは、他の農業用フイ
ルムにはみられない保温性と透明性、及び光学特
性、特に可視光線透過性に優れたものである。更
に従来から農業用フイルムの主流とされているポ
リ塩化ビニルフイルムの展張作業時の大きな欠点
とされていた可塑剤のブリードアウトによるブロ
ツキング(べたつき)の問題等についてもまつた
く解決されたものである。 この他、従来のポリエチレンフイルムは保温性
がきわめて悪いということで、ポリ塩化ビニルに
はまつたくその比較対象とされなかつたのである
が、本発明で得られるポリエチレンフイルムは、
保温性においてはポリ塩化ビニルフイルムに大幅
に近づいており、可視光線透過性、ブロツキング
性等の諸性質においてはむしろそれ以上の性能を
有する優れたものである。 又、使用後の焼却処分の際にも有害ガスの発生
もなく、価格的にもきわめて安価であるという経
済性をも兼備したものであつて、農業用資材とし
ての実用上の利用価値はきわめて高いものであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明実施例及び比較例のフイルムの
保温性を測定するための装置の縦断面図である。 1……上蓋、2……壁板、3……温室、4……
小室、5……小室温度検出用センサー、6……発
熱体、7……温室温度検出用センサー、8……測
定用試料、9……試料枠止めナツト。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 ポリオレフイン樹脂に下記一般式から成る一
    種又は二種以上の有機リン化合物1〜20重量パー
    セントとアクリル酸エステル含有共重合体0.3〜
    30重量パーセントとを重要成分として添加して成
    るポリオレフイン樹脂組成物。 式中 R1、R2、R3:H、C1〜10のアルキル、シクロア
    ルキル、 【式】 R7O−(Co2oO)−lのいずれか但し〔1〕、
    〔2〕式においてR1、R2、R3の内少なくとも1
    つはH以外のもの R5、R6:H、C1〜10のアルキル、アリール、シ
    クロアルキルのいずれか R7:C1〜8のアルキル、アリールのいずれか R4:C1〜8のアルキル、フエニル、C1〜4のヒド
    ロキシアルキルのいずれか n:1〜3 l:1〜5 2 有機リン化合物がトリエステル型芳香族リン
    酸エステルである特許請求範囲第1項記載のポリ
    オレフイン樹脂組成物。 3 有機リン化合物とアクリル酸エステル含有共
    重合体との混融物をポリオレフイン樹脂に添加し
    て成る特許請求範囲第1項又は第2項記載のポリ
    オレフイン樹脂組成物。 4 有機リン化合物とアクリル酸エステル含有共
    重合体と混合比率(添加比率)が90/10〜50/50
    (重量比)である特許請求範囲第1項、第2項又
    は第3項記載のポリオレフイン樹脂組成物。 5 ポリオレフイン樹脂がエチレン−酢酸ビニル
    共重合体である特許請求の範囲第1項〜第4項の
    いずれか一つに記載のポリオレフイン樹脂組成
    物。 6 ポリオレフイン樹脂がポリエチレンである特
    許請求範囲第1項〜第4項のいずれか一つに記載
    のポリオレフイン樹脂組成物。
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JP2005008852A (ja) * 2003-05-29 2005-01-13 Du Pont Mitsui Polychem Co Ltd ロール加工性及びカレンダー成型性に優れた樹脂組成物
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