JPH02163188A

JPH02163188A - 農業用フィルム用防曇防霧剤及びこれを用いた農業用フィルム、並びに農業用フィルム使用における防曇防霧法

Info

Publication number: JPH02163188A
Application number: JP63319211A
Authority: JP
Inventors: Keiichi Kawada; 敬一川田; Tamio Yamada; 山田　民雄
Original assignee: TAKAFUJI KASEI KK
Current assignee: TAKAFUJI KASEI KK
Priority date: 1988-12-16
Filing date: 1988-12-16
Publication date: 1990-06-22

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】［産業上の利用分野］本発明はｆ農業用フィルムに用いる防曇防霧剤及びこれ
を用いた農業用フィルム、並びにその使用に関するもの
である。

［従来の技術］野菜類、果樹類、切花類等の農作物を栽培するためにハ
ウス栽培やトンネル栽培が行なわれており、これらの栽
培を行うために塩化ビニル系樹脂を代表とする合成樹脂
製フィルムが使用されている。

従来のこの種の合成樹脂製フィルムは、ハウスまたはト
ンネルの内外の温度差により、フィルム内部表面（ハウ
スやトンネルの内側表面）に水分が凝結して曇ってしま
うのを抑制するために一般に防曇剤が配合されている。

また、フィルムの内外で温度差が太き（なると、フィル
ム内表面近傍に霧が発生する現象が見られ、これを抑制
するために防霧剤が配合されている。フィルムが水滴で
曇ると日光の入射量が減少し、農作物の成育に彰豐する
とともに暖房のための燃料費がそれだけ多くかかること
となる。また、ハウス、トンネル内における霧の発生は
各種病害発生の原因ともなる。

従来、防曇剤としては、例えばソルビタン脂肪酸エステ
ル、グリセリン脂肪酸エステル等の多価アルコール脂肪
酸エステルが知られており、一方、防霧剤としては、フ
ッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が知られて
いる。

し発明が解決しようとする課題〕防曇（フィルム表面に水滴が凝結して光透過性が悪くな
る現象を抑制する意味。以下同じ）と防霧（フィルム表
面近傍に霧が発生する現象を抑制する意味。以下同じ）
の両方の作用を実用レベルで兼ね備えた化合物は見い出
されていないため、従来の農業用フィルムにおいては、
防曇性と防霧性を付与するために防曇剤と防霧剤を別々
に配合しなければならず、それらの相互作用による影響
を検討する必要があるとともに、防霧剤は一般にコスト
が高いこともあって、農業用フィルムの製造コストが割
高となるという問題があった。

そこで、本発明者らは防曇性能と防霧性能とを兼ね備え
た化合物について鋭意研究を重ねた結果、特定の多価ア
ルコール脂肪酸エステルのエチレンオキサイド付加物が
農業用フィルムの防曇防霧剤として有効であることを見
い出し、本発明を完成させた。

′ｒｊなわち、本発明の農業用フィルム用防曇防露剤は
、炭素数１６〜２４の脂肪酸の多価アルコールエステル
１モルに対して３〜８モルのエチレンオキサイドを付加
したことを特徴とする。

また、本発明の農業用フィルムは、炭素数１６〜２４の
脂肪酸の多価アルコールエステル１モルに対して３〜８
モルのエチレンオキサイドを付加した化合物を塩化ビニ
ル系樹脂１０唖１部当り０．５〜５．０１ｆｆｉ部配合
したことを特徴とする。

さらに、本発明の防曇防霧法は、農業用フィルムによる
被覆下に有用作物を栽培する方法において、炭素数１６
〜２４の脂肪酸の多価アルコールエステル１モルに対し
て３〜８モルのエチレンオキサイドを付加した化合物を
塩化ビニル系樹脂１００１吊部当り０．５〜５．０１吊
部配合した農業用フィルムを使用することを特徴とする
。

本発明の防曇防霧剤における脂肪酸は炭素数が１６〜２
４で、代表的には、ミリスチン酸、バルミチン酸、ステ
アリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸等が
挙げられ、この中で最も好ましいのはへヘン酸である。

炭素数が１６より少ないと、この防曇防霧剤を農業用フ
ィルムに配合して使用する際に、フィルム表面への添加
物の浸み出しくブルーム、ブリード）が生じ、また効果
の持続性が悪くなるので好ましくなく、炭素数が２４よ
り多いと原料単価が上昇するので好ましくない。

多価アルコールとしては、代表的には、トリメチロール
エタン、トリメチロールプロパン、ポリエチレングリコ
ール、ソルビタン、ソルビトール、グリセリン、ポリグ
リセリン、プロピレングリコール、ペンタエリスリトー
ル等が挙げられる。

上記の脂肪酸と多価アルコールの組合せの中で最も好ま
しい多価アルコール脂肪酸エステルは、ソルビタンジベ
ヘネート、ソルビタンモノステアレート、グリセリンモ
ノステアレートである。

本発明の防曇防霧剤は、上記多価アルコール脂肪酸エス
テル１モルに対して３〜８モルのエチレンオキサイドを
付加した化合物である。エチレンオキサイドの付加が３
モルより少ないと、防霧性が十分でなく、また８モルよ
り多いと防曇性の持続性が悪くなり、フィルム表面への
添加物の浸み出しも多くなる傾向にあるので好ましくな
い。

本発明の農業用フィルムは、上記防曇防霧剤を、塩化ビ
ニル系樹脂１００１伍部当り、０．５〜５．０重量部、
好ましくは１．５〜２．５重量部配合する。配合量が０
．５１ｆｆｉ部より少ないと防曇防霧効果が十分でなく
、５．０重量部より多いとフィルム表面に添加物が浸み
出し易くなり、また、耐汚れ性、耐候性、高周波接着性
が低下するので好ましくない。

本発明における農業用フィルムとは、厚さが０．３＋ｌ
ＷＲ以下のフィルムはもちろん、より厚いシート状のも
のも含む意味である。また、軟質のものも硬質のものも
含む。本発明の農業用フィルムはまた、必要に応じて通
常の添加物を配合することができる。例えば、ジオクチ
ルフタレート、トリクレジルフォスフェート、エポキシ
化大豆油等の可塑剤、その他各種熱安定剤、滑剤、紫外
線吸収剤、帯電防止剤等を配合することができる。

本発明の防曇防霧法は、上記の農業用フィルムを従来の
方法に従ってハウスやトンネルとして展張するだけでよ
い。

［作用］上記構成の本発明の多価アルコール脂肪酸エステル・エ
チレンオキサイド付加物は、防曇性能と防霧性能を兼ね
備えており、これを配合した農業用フィルムは、すぐれ
た防曇作用及び防霧作用を呈する。

防曇作用は、フィルム表面に付着した水滴の表面張力を
低下させ、「濡れ」性を増大さゼて流滴性を付与するも
のであるが、防霧作用のメカニズムは詳細には判明して
いない。

［実施例コ以下に本発明の実施例及び比較例を示すが、本発明はこ
れら実施例によって制限されるものではない。

実施例１（フィルムの作成）下記に示す組成の各配合物を８０℃で６０分間トライブ
レンドした後、１６０℃に加温したロール上で１０分間
混練して取出し、さらに１８０℃に加温したロールで厚
さ０．１ｍｍのフィルムを作成した。

フィルム組成ポリ塩化ビニル〈平均重合度１３００）　　１００！ｕ
Ｍ１部ジオクチルフタレート（ＤＯＰ）　　４５　〃ト
リクレジルフォスフエイト（ＴＣＰ）　　　　　　　　　　　　　　５エポキシ樹
脂　　　　　　　　　　　２Ｃａ−７ｎ系複合液状安定
剤　　　　　１，５ｎＣａ−７ｎ系粉末安定剤　　　　
　　　１．０〃表１に示す防曇防霧剤　　　　　　　　
２．Ｏ＃実施例２（霧発生試験）実施例１で作成したフィルムを用いて霧発生試験を行っ
た。

幅２０ＣＩＩＸ長さ４０ｃｍｘ高さ２０ｃｍのサイズの
霧発生観察用フレームに試料フィルムを５面に張り、予
め用意した水温５０℃の恒温槽に載せて、室温２５℃で
６０分間放置した。水温３５℃に保持しである別の恒温
槽にフレームを移し、室温５℃に下げてフレームの中の
霧発生状況を目視で観察した。試験結果を表１に示した
。評価基準は次の通りである。

○・・・霧発生が認められない。

△・・・霧発生が多少認められる。

×・・・霧発生が著しく認められる。

実施例３（防曇性試験）実施例１で作成したフィルムを用いて防曇性試験を行っ
た。

間口９０ＣＩＩＩＸ長さ４００ｃｍ　ｘ高さ９　、’ｒ
　Ｃｒａの小トンネルに各試料フィルムを高周波ウエル
ダーで継いだフィルムを展張し、防曇性を目視でＷ２察
した。試験結果を表１に示した。

展張場所：神奈川県厚木市上落合展張期間：昭和６２年３月　２日〜昭和６２年　９月　２日評価４準：◎・・・防曇性が最良Ｏ・・・防曇性が良好 △・・・防曇性が若干劣る ×・・・防曇性が劣る ××・・・防曇性が著しく劣る表　１哀逸例４〈フィルムの表面状態）実施例１で作成したフィルムを室温で６ケ月間放置した
後、試料フィルムの表面状域を目視で観察した。試験結
果を表１に示した。

評価基準：◎・・・添加物の浸み出しくブルーム、ブリ
ード）がほとんどないＯ・・・添加物の浸み出しがわずかに発生 Δ・・・添加物の浸み出しが多少発生 ×・・・添加物の没み出しが多い ××・・・添加物の浸み出しが著しく、ベトッキがある実施例５（霧発生実地試験）実施例１に示すフィルム組成において、防曇防霧剤とし
てソルビタンジベヘネート・エチレンオキサイド６モル
付加物２ｍ吊部（フィルムＡ）、防曇防霧剤の代わりに
一般的な防曇剤であるソルビタンモノパルミテート２ｍ
滑部及び−船釣な防霧剤であるフッ素系界面活性剤０．
３Ｉｆｆｉ部（フィルムＢ）、防曇防霧剤の代わりに一
般的な防曇剤であるソルビタンモノパルミテート２重量
部〈フィルムＣ）をそれぞれ配合してカレンダー製造機
で厚さｏｌｎｍｘ幅３００ｃｍの製品を作成し、下記の
実地試験を行った。霧発生は所定期間経過後のタ方１５
時〜１７時の間の状態を目視で観察した。試験結果を表
２に示した。

試験場所：神奈川県厚木市上落合試験期間：昭和６２年１２月１０日〜昭和６３年３月１０日（３ケ月間）試験形態二間口３．５＋ｌｌ　ｘ長さ１０１１Ｉ×高さ
２．５ＩＩｌのバイブハウス評価基準二〇・・・はとんど霧発生が認められないΔ・
・・多少霧発生が認められるＸ・・・霧発生が多い表　　２［発明の効果］以上説明した通り、本発明の防曇防霧剤は、１種の化合
物で、防曇作用と防霧作用とを兼ね備えており、別個の
防曇剤と防霧剤を配合する従来の手間を省くことができ
るとともに、従来知られているフッ素系界面活性剤より
低コストであるため、Ｊ！！！業用フィルムの製造コス
トを低下させることが可能となる効果を有する。

Claims

【特許請求の範囲】

（１）炭素数１６〜２４の脂肪酸の多価アルコールエス
テル１モルに対して３〜８モルのエチレンオキサイドを
付加したことを特徴とする農業用フィルム用防曇防霧剤
。
（２）前記多価アルコール脂肪酸エステルが、ソルビタ
ンジベヘネート、ソルビタンセスキベヘネート、ソルビ
タンモノステアレート、グリセリンモノステアレートか
ら選択される請求項第（１）項に記載の農業用フィルム
用防曇防霧剤。
（３）炭素数１６〜２４の脂肪酸の多価アルコールエス
テル１モルに対して３〜８モルのエチレンオキサイドを
付加した化合物を、塩化ビニル系樹脂１００重量部当り
０．５〜５．０重量部配合したことを特徴とする農業用
フィルム。
（４）前記多価アルコール脂肪酸エステルが、ソルビタ
ンジベヘネート、ソルビタンセスキベヘネート、ゾルビ
タンモノステアレート、グリセリンモノステアレートか
ら選択される請求項第（３）項に記載の農業用フィルム
。
（５）炭素数１６〜２４の脂肪酸の多価アルコールエス
テル１モルに対して３〜８モルのエチレンオキサイドを
付加した化合物を、塩化ビニル系樹脂１００重量部当り
０．５〜５．０重量部配合した農業用フィルムを使用す
ることを特徴とする農業用フィルム使用における防曇防
霧法。
（６）前記多価アルコール脂肪酸エステルが、ソルビタ
ンジベヘネート、ソルビタンセスキベヘネート、ソルビ
タンモノステアレート、グリセリンモノステアレートか
ら選択される請求項第（５）項に記載の農業用フィルム
使用における防曇防霧法。