JPH0333740B2 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH0333740B2
JPH0333740B2 JP4200280A JP4200280A JPH0333740B2 JP H0333740 B2 JPH0333740 B2 JP H0333740B2 JP 4200280 A JP4200280 A JP 4200280A JP 4200280 A JP4200280 A JP 4200280A JP H0333740 B2 JPH0333740 B2 JP H0333740B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
acid
mol
film
polyoxyethylene
antifogging
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired
Application number
JP4200280A
Other languages
English (en)
Other versions
JPS56139555A (en
Inventor
Akira Omura
Katsuhiko Maeda
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Carbide Industries Co Inc
Original Assignee
Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Carbide Industries Co Inc filed Critical Nippon Carbide Industries Co Inc
Priority to JP4200280A priority Critical patent/JPS56139555A/ja
Publication of JPS56139555A publication Critical patent/JPS56139555A/ja
Publication of JPH0333740B2 publication Critical patent/JPH0333740B2/ja
Granted legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は、たとえば農林業用・農園芸用、食品
包装用等の利用分野において優れた防曇性、防霧
性及びそれらの性質の優れた持続性を示す防曇性
塩化ビニル系合成樹脂フイルムに関する。 塩化ビニル系合成樹脂のフイルム類乃至シート
類(本明細書においてこれらをフイルムと総称す
る)は、食品包装用や農業被覆用、その他の資材
として広く利用されている。しかしながら、この
ような塩化ビニル系合成樹脂は、本来疎水性が大
であつて、その利用に際して、フイルム表面に凝
縮した水分が微細水滴となつてフイルムの表面を
覆い曇りを生ずるため、利用に際してトラブルの
あることが知られている。 例えば、これらのフイルムを農作物栽培用被覆
材として用いた場合、土壌中から蒸発した水分が
フイルム表面に凝縮して生ずる水滴による曇り
が、太陽光線の透過を妨げて植物の成育不良をま
ねいたり、また水滴が作物上に落下して幼芽を痛
めたり、作物に対して病害発生のもとになるなど
のトラブルを生ずる。 従来、かかるトラブルを防ぐため、フイルムに
防曇剤として界面活性剤、例えばソルビン脂肪酸
エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、グリセ
リン脂肪酸エステル等の添加剤を練り込んだ防曇
剤性合成樹脂フイルムが一般に用いられている。
特に、農業用に用いる場合には、長期間継続して
使用するので、防曇持続性に富んだフイルムが好
ましく、また、作物の成育病害の点からは防曇性
(濡れ)の良いフイルムが好ましい。 このため防曇性が良く且つその持続性に優れた
フイルムを製造するために、一般に、防曇剤を多
量に添加するか或いはフイルム内部より表面へ移
行速度の異なる防曇剤を2種以上併用することが
試みられている。しかしながら、前者、すなわ
ち、防曇剤を多量添加することは、成形加工時に
多量使用することが極めて困難であるばかりでな
く、ブリードの不都合な増大等によりフイルム透
明度の低下、その他の好ましくない結果を生ずる
ので、ある程度以上に防曇剤を増量するのは実際
的でない。また後者については、理想的効果のあ
る防曇剤がまだ見い出されていないのが現状であ
る。 従来、塩化ビニル系合成樹脂フイルムの無滴改
質法に使用する防曇剤として、ソルビタン脂肪酸
エステルにプロピレン−、ブチレン−もしくはフ
エニレン−オキサイドを0.1〜3.0モル縮合させて
得られる化合物が提案されている(特公昭48−
31748号公報参照)。 しかしながら、その改善の程度は必ずしも充分
満足し得るものでなく、一層の改善が望まれてい
る。 本発明者等は、防曇性の望まれる広い利用分野
において利用でき、且つ優れた防曇効果とその優
れた持続性を示す防曇剤を提供すべく研究を行つ
てきた。 その結果、或る種の多価アルコール、高級脂肪
酸、およびアルキレンオキサイドの三反応成分の
ほかに、更に或る種の飽和二塩基酸とを必須反応
成分とする反応成分の組み合わせから導かれた反
応生成物(エステル化合物)が、優れた濡れ特性
及びその優れた持続性を塩化ビニル系合成樹脂フ
イルムに賦与し、更に、栽培用ビニルハウスにお
ける霧発生現象の発生防止効果及び該効果の持続
性を示し、また、優れた初期防曇性、高温防曇性
及び防温防曇性を有することを見出し本発明を完
成した。 本発明者等の検討によれば、後に比較試験と共
に実施例に示すように、従来、慣用のソルビタン
高級脂肪酸エステルや該エステルとポリアルキレ
ンオキサイドとの反応生成物に比して、本発明の
防曇剤は、格段に優れた防曇性及びその持続性と
共に、防霧発生性及びその持続性においても著し
く優れた作用効果を発揮するというユニークな性
質を塩化ビニル系合成樹脂フイルムに賦与しうる
ことが判明した。 かくして、本発明は、 (a) C2〜C6の2〜6価アルコールと、 (b) エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオ
キサイドと、 (c) C11〜C22の高級脂肪酸と、 (d) C4〜C6の飽和二塩基酸 との4成分の反応によつて得られる融点が30〜70
℃の反応生成物からなる防曇剤を含有することを
特徴とする防曇性塩化ビニル系合成樹脂フイルム
を提供するものである。 本発明で使用される(a)成分はC2〜C6の2〜6
価アルコールであればいずれの多価アルコールで
もよく、このような多価アルコールの具体的とし
ては、例えばグリセリン、ポリグリセリン、ソル
ビトール、ソルビタン、ペンタエリスリトール、
エチレングリコール、プロピレングリコール及び
ブチレングリコール等の如き多価アルコールを例
示することができる。これらは単独で使用するこ
とができ或いは複数種併用することもできる。 また、(c)成分であるC11〜C22の高級脂肪酸とし
ては、例えば、ウンデカン酸、ラウリン酸、トリ
デカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パル
ミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、ペテロ
セリン酸、7−オクトデセン酸、オレイン酸、エ
ライジン酸、リノール酸、リノレン酸、リシノー
ル酸、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステア
リン酸、12−ケトステアリン酸、ノナデカン酸、
アラキン酸、アラキドン酸、ヘンエイコサン酸、
ベヘン酸、ブラシジン酸、エルカ酸等であり、こ
れらは単独で使用することができ或いは複数種併
用することもできる。 さらに、上記(d)成分は、C4〜C6の飽和二塩ず
れの飽和二塩基酸でも使用でき、具体的には、例
えば、コハク酸、グルタル酸及びアジピン酸であ
り、これらは単独で使用することも又は複数種併
用することもできる。 本発明の塩化ビニル系合成樹脂フイルムに使用
される防曇剤は、上記(a)〜(d)の各成分を、任意の
組合せ及び/又は反応順序で反応させることによ
り製造することができる。 例えば、(a)成分と(b)成分とを予めそれ自体公知
の手段で付加反応させて得られるポリオキシアル
キレン多価アルコールエーテルと、(c)成分及び(d)
成分とを反応させるか;或いは例えば、(a)成分と
(b)成分とをそれ自体公知の手段で付加反応させ、
得られるポリオキシアルキレン多価アルコールエ
ーテルと(c)成分とをそれ自体公知の手段で反応さ
せ、次に(d)成分とそれ自体公知の手段で反応させ
るか;或いは例えば、(a)成分と(b)成分とをそれ自
体公知の手段で付加反応させ、得られるポリオキ
シアルキレン多価アルコールエーテルと(d)成分と
をそれ自体公知の手段で反応させ、次に(c)成分と
それ自体公知の手段で反応させるか;或いは例え
ば(a)成分と(c)成分及び(d)成分とそれ自体公知の手
段で反応させ、得られるエステル化合物と(b)成分
とをそれ自体公知の手段で付加反応させるか;或
いは例えば、(a)成分と(c)成分とをそれ自体公知の
手段で反応させ、次に、(d)成分とそれ自体公知の
手段で反応させ、得られるエステル化合物と(b)成
分とをそれ自体公知の手段で付加反応させるか;
或いは例えば、(a)成分と(d)成分とをそれ自体公知
の手段で反応させ、次に(c)成分とそれ自体公知の
手段で反応させ、得られるエステル化合物と(b)成
分とをそれ自体公知の手段で付加反応させること
により目的とする防曇剤を得ることができる。 これら例示した製造態様において、予め(a)成分
のソルビトール及び/又はグリセリンと(b)成分の
エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオキサ
イドとの付加反応によりポリオキシアルキレン多
価アルコールエーテルを形成させて用いる態様で
利用するのに適したポリオキシアルキレン多価ア
ルコールエーテルの形成は、例えば以下のように
して行うことができる。 例えばソルビトール及び/又はグリセリン1モ
ルを圧力ガマ中で溶解し、通常用いられるアルカ
リ触媒、例えばNaOHを、例えば約0.003モル及
び酸化プロピレン0.1〜5モルを加えて、加圧下
例えば約7時間、約145℃付加反応を行う。次に
酸化エチレン約0.1〜5モルを加えて加圧下に例
えば約3時間、約145℃で付加反応すればポリオ
キシプロピレンポリオキシエチレンソルビトール
等のポリオキシアルキレン多価アルコールエーテ
ルが得られる。 また、上述のようにして得ることのできるポリ
オキシアルキレン多価アルコールエーテルと(c)成
分の高級脂肪酸及び(d)成分の二塩基酸との反応
は、例えば、以下のようにして行うことができ
る。 例えばポリオキシプロピレンポリオキシエチレ
ンソルビトール1モルを、通常使用されているエ
ステル化触媒例えばパラトルエンスルホン酸約
0.02モルの存在下に、例えばステアリン酸0.1〜
2モル及びアジピン酸0.1〜2モルと、例えば約
200℃で約6時間エステル化反応を行うことによ
り、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンソ
ルビトール・ステアリン酸・アジピン酸エステル
を得ることができる。 更に(a)成分と(c)成分及び(d)成分とエステル化反
応は、例えば以下のようにして行うことができ
る。 例えばグリセリン1モルを通常使用されている
エステル化触媒、例えばパラトルエンスルホン酸
約0.0008モルの存在下に、ステアリン酸((c)成
分)0.1〜2モモル、アジピン酸等の二塩基酸0.1
〜2モルと、例えば約200℃で約7時間エステル
化反応を行うことにより、グリセリン・ステアリ
ン酸・アジピン酸エステルが得られる。 上記のようにして得ることのできる反応生成物
は、本発明の防曇剤として、単独で又は複数種併
用して使用することができる。さらに、例えばソ
ルビタン脂肪酸エステルその他の公知の防曇剤と
併用しても差支えない。併用しうる防曇剤の例と
しては、ポリオキシエチレン(5モル)ソルビト
ール・モノステアリン酸・モノアジピン酸エステ
ル、ポリオキシプロピレン(3モル)ポリオキシ
エチレン(5モル)ソルビトールセスキステアリ
ン酸・モノアジピン酸エステル、ポリオキシプロ
ピレン(1モル)ポリオキシエチレン(4モル)
ソルビタン・セスキステアリン酸・ハーフアジピ
ン酸エステル、ポリオキシエチレン(3モル)モ
ノグリセリン・ハーフコハク酸エステル、ポリオ
キシエチレン(4モル)ジグリセリン・モノパル
ミチン酸・モノアジピン酸エステル、ポリオキシ
プロピレン(1モル)ポリオキシエチレン(5モ
ル)ソルビトール・セスキステアリン酸・ハーフ
コハク酸エステル。ポリオキシプロピレン(1モ
ル)ポリオキシエチレン(5モル)ソルビトー
ル・セスキステアリン酸・ハーフセバシン酸エス
テル、ポリオキシプロピレン(1モル)ポリオキ
シエチレン(4モル)ジグリセリン・モノステア
リン酸・ポリメタアクリル酸エステル、ポリオキ
シプロピレン(1モル)ポリオキシエチレン(3
モル)ジペンタエリストリール・モノステアリン
酸・ポリアクリル酸エステル、ポリブチレンオキ
シド(1モル)ポリオキシエチレン(3モル)ペ
タエリスリトール・モノステアリン酸・ハーフア
ジピン酸エステル等を例示することができる。 本発明の防曇剤は、使用する反応成分の種類、
その使用割合、反応方式、反応条件、それらの組
み合わせなどによつて変化し得るが、例えば、下
記の如き推定構造式を代表例として例示すること
ができる。 A ポリオキシプロピレン(Aモル)ポリオキシ
エチレン(Bモル)ソルビトール・ステアリン
酸・アジピン酸エステル B ポリオキシプロピレン(Aモル)ポリオキシ
エチレン(Bモル)ジグリセリンパルミチン酸
アジピン酸エステル C ポリオキプロピレン(Aモル)ポリオキシエ
チレン(Bモル)ソルビタンステアリン酸アジ
ピン酸エステル D ポリオキシプロピレン(Aモル)ポリオキシ
エチレン(Bモル)グリセリンステアリン酸グ
ルタル酸エステル E ポリオキシプロピレン(Aモル)ポリオキシ
エチレン(Bモル)ペンタエリスリトールステ
アリン酸アジピン酸エステル F ポリオキシプロピレン(Aモル)ポリオキシ
エチレン(Bモル)エチレングリコール(又は
プロピレングリコール又はブチレングリコー
ル)・ステアリン酸アジピン酸エステル 但し、以上に例示した構造の末端は、アルコー
ル基又は高級脂肪酸とのエステルで結ばれてい
る。 本発明で使用する防曇剤は通常、それ自体フイ
ルム形成能をもたず、融点が30〜70℃の範囲内に
あり、GPCでポリプロピレングリコール又はポ
リスチレン標準試料から換算した分子量分布が約
250〜6000の範囲内にあるものが好ましい。本発
明の防曇剤は、塩化ビニル系合成樹脂に配合して
防曇性合成樹脂フイルムに成形することができ、
優れた防曇性およびその持続性を有する成形品と
することができる。 本発明で使用する防曇剤を用いて防曇性塩化ビ
ニル系合成樹脂フイルムを製造するに際しては、
塩化ビニル系合成樹脂、本発明の防曇剤、更に所
望により各種の添加剤を配合した防曇剤含有塩化
ビニル系樹脂組成物を、それ自体公知の任意のフ
イルム形成手段、たとえば、熱ロールで170℃、
5分間混練し、170℃逆L字ロールにて膜厚100μ
のフイルムに成形することができる。 このようなフイルムの形成に使用しうる塩化ビ
ニル系合成樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、塩化ビニル−酢酸ビニ
ル共重合体、塩化ビニル−エチレン共重合体、塩
化ビニル−プロピレン共重合体、塩化ビニル−塩
化ビニリデン共重合体、塩化ビニル−アクリル酸
エステル共重合体及びそれらの混合物等がある。 また、該樹脂に配合しうる添加剤としては、た
とえば、可塑剤、滑剤、酸化防止剤、帯電防止
剤、熱安定剤、非外線吸収剤、顔料等が挙げられ
る。より具体的には、たとえばフタル酸ジブチ
ル、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジイソデシ
ル、アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチ
ル、リン酸トリクレジル、フタル酸ブチルベンジ
ル、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油、エ
ポキシ樹脂等の可塑剤;たとえばエチレンビスス
テアリルアミド、ブチルステアレート、パラフイ
ンワツクス、低分子量ポリエチレン、モンタン酸
ワツクス、ステアリン酸、ステアリルアルコール
等の滑剤;たとえば2,6−ジ−tert−ブチル−
4−メチルフエノール、2,4,6−トリ−tert
−ブチルフエノール、2,2′−メチレンビス(4
−メチル−6−tert−ブチルフエノール)、4,
4′−チオビス−(3−メチル−6−tert−ブチル)
フエノール、フエニル−α−ナフチルアミン等の
酸化防止剤;たとえばポリオキシエチレンアルキ
ルアミド、アルキロールアミド、エタノールアミ
ド、アルキルホスフエート、アルキルサルフエー
ト等の帯電防止剤;たとえばジブチルスズマレー
ト、ジブチルスズジラウレート、ステアリン酸カ
ルシウム、リシノール酸亜鉛、トリフエニルホス
フアイト等の熱安定剤;たとえばフタロシアニン
ブルー、フタロシアニングリーン酸化チタン、ク
ロモフタールレツド、シンカシヤレツド等の顔料
を例示することができる。 本発明の防曇剤を含有する塩化ビニル系合成樹
脂フイルムは、例えば、農林農園芸用、包装用、
建材用、レジヤー用、電気製品用の如き用途に使
用することができる。該フイルムを農業用ビニー
ルの如き農林農園芸用用途;例えば農作物栽培用
被覆資材として利用すれば、栽培作物及び土壌中
から蒸散した水分による曇りが防止され、太陽光
線の透過を妨げず作物の成育に良く、水滴落下に
よる病害も少ない。 また、例えば、食品包装用の如き包装用用途、
たとえば、食品包装用として青果物等の水分を有
する食品の包装材料に利用すれば、水分による曇
りを防止して、包装フイルムに曇りを生ぜず透明
度を維持することができる。さらに、生鮮食料品
をフイルムで包装し販売する場合、鮮度を保持す
る目的で低温陳列ケースに入れるが、このとき、
生鮮食料品に含まれる水分がフイルム面で凝結し
て曇りを生じるトラブルが防止でき、包装内容物
が確認できるため、店頭における陳列効果を上げ
ることができる。 本発明の塩化ビニル系合成樹脂フイルムは、建
材用用途、たとえば住宅、事務所、店舗等の窓ガ
ラス等に応用することにより水滴付着による太陽
光線の低下が防止され室内温度を上げることがで
き、更に店舗等の壁や天井に応用することにより
水滴落下による商品の損傷を防ぐことができる。
また、冷蔵庫の如き電気製品として例えば、冷蔵
庫の内側に応用することにより水滴の流れが良く
なり、商品の陳列効果を上げることができる。 一方、スキー用レンズの如きレジヤー用用途、
たとえばスキー用のゴーグル及びサングラス等に
応用することにより、水分の凝結による曇りを防
止することができる。 かように、本発明の塩化ビニル系合成樹脂フイ
ルムは、防曇性乃至濡れ特性の望まれる広い分野
において、優れた防曇性及びその持続性を発揮す
るフイルムとして有用である。 本発明の塩化ビニル系合成樹脂フイルムに使用
される防曇剤の使用量はその用途等に応じて適宜
に選択できるが、例えば、塩化ビニル系合成樹脂
100重量部当り約0.1〜約5.0重量部の如き使用量
を例示することができる。農林・農園芸用防曇性
フイルムのためには、塩化ビニル系合成樹脂100
重量部当り約0.1〜約3.0重量部程度の使用量が好
ましく例示することができる。 以下、本発明を実施例によつてさらに具体的に
説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定さ
れるものではない。なお、以下の例において、
「部」は特記しないかぎり重量部を示す。 参考例 1 ポリオキシプロピレン(3モル)ポリオキシエ
チレン(5モル)ソルビトール・ステアリン
酸・アジピン酸エステルの合成 ソルビトール(分子量:182)1モルを圧力ガ
マ中で溶解し、アルカリ触媒NaOH(分子量:
40)0.003モル及び酸化プロピレン(分子量:58)
3モルを加えて加圧下に6時間で150℃付加反応
を行う。 次に酸化エチレン(分子量:44)5モルを加え
て加圧下に3時間で150℃付加反応を行い、ポリ
オキシプロピレン(3モル)ポリオキシエチレン
(5モル)ソルビトールを得る。 次にポリオキシプロピレン(3モル)ポリオキ
シエチレン(5モル)ソルビトール1モルに、エ
ステル化触媒パラトルエンスルホン酸(0.02モ
ル)、ステアリン酸(分子量:284.3)1.5モル及
びアジピン酸(分子量:146.2)0.41モルを加え、
200℃で6時間エステル化反応を行い、ポリオキ
シプロピレン(3モル)ポリオキシエチレン(5
モル)ソルビトール・ステアリン酸・アジピン酸
エステルを得る。 参考例 2 ポリオキシプロピレン(1モル)ポリオキシエ
チレン(5モル)ソルビトール・ステアリン
酸・アジピン酸エステルの合成 ソルビトール1モルを圧力ガマ中で溶解し、ア
ルカリ触媒NaOH(分子量:40)0.003モル及び酸
化プロピレン(分子量:58)1モルを加えて加圧
下に7時間145℃で付加反応を行う。 次に酸化エチレン5モルを加えて加圧下に3時
間145℃で付加反応を行い、ポリオキシプロピレ
ン(1モル)ポリオキシエチレン(5モル)ソル
ビトールを得る。 ポリオキシプロピレン(1モル)ポリオキシエ
チレン(5モル)ソルビトール1モルに、エステ
ル化触媒パラトルエンスルホン酸0.02モル、ステ
アリン酸1.5モル及びアジピン酸0.41モルを加え
て200℃で6時間エステル化反応を行い、ポリオ
キシプロピレン(1モル)ポリオキシエチレン
(5モル)ソルビトール・ステアリン酸・アジピ
ン酸エステルを得る。 参考例 3 ポリオキシエチレン(3モル)グリセリン・ス
テアリン酸・コハク酸エステルの合成 グリセリン(分子量:92.1)1モルを圧力ガマ
中で溶解し、アルカリ触媒NaOH 0.002モル及び
酸化エチレン3モルを加えて加圧下に145℃で3
時間付加反応を行い、ポリオキシエチレン(3モ
ル)グリセリンを得る。 ポリオキシエチレン(3モル)グリセリン1モ
ルに、エステル化触媒パラトルエンスルホン酸
0.008モル、ステアリン酸0.8モル及びコハク酸
(分子量:118)0.4モルを加えて200℃で6時間で
エステル化反応を行い、ポリオキシエチル(3モ
ル)グリセリン・ステアリン酸・コハク酸エステ
ルを得る。 実施例 1 ポリ塩化ビニル100部、ジオクチルフタレート
50部、エポキシ大豆油2部、バリウムステアレー
ト0.5部、亜鉛ステアレート1.0部、トリフエニル
ホスフアイト0.5部及び参考例1で得られた本発
明防曇剤ポリオキシプロピレン(3モル)ポリオ
キシエチレン(5モル)ソルビトール・セスキス
テアリン酸・ハーフアジピン酸エステル1.5部を
混合した。次いで、前記混合物を常法によりカレ
ンダーロールにて厚み0.1m/mフイルムを作成
した。このシートについての性能を後掲第1表、
第2表及び第3表に示す。 なお、これら表には、比較のため、下記防曇剤
を上記本発明防曇剤の代りに用いるほかは上記実
施例1と同様に行つた結果も併せて示す。 防曇剤 比較例番号 ソルビタン・モノパルミテート 比較例1 ソルビタン・モノステアレート 〃 2 ポリオキシエチレン(3モル)ソルビタン・モ
ノステアレート 〃 3 ポリオキシプロピレン(0.5モル)ソルビタ
ン・モノステアレート 〃 4 実施例 2 実施例1において、本発明防曇剤0.8部と共に
公知防曇剤ソルビタン・モノステアレート0.7部
を併用するほかは、実施例1と同様に行つた。そ
の結果を後掲第1表、第2表及び第3表に示す。 実施例 3 実施例1において、参考例2で得られた本発明
防曇剤ポリオキシプロピレン(1モル)ポリオキ
シエチレン(5モル)ソルビトール・ステアリン
酸・アジピン酸エステルを用いるほかは、実施例
1と同様に行つた。その結果を後掲第1表、第2
表及び第3表に示す。 実施例 4 実施例1において、参考例2で得られた本発明
防曇剤0.8部と共に公知のソルビタン・モノパル
ミテート0.7部を併用するほかは実施例1と同様
に行つた。その結果を後掲第1表、第2表及び第
3表に示す。 実施例 5 実施例1において、参考例3の本発明防曇剤
0.6部と共に公知のソルビタン・モノステアレー
ト0.9部を併用するほかは、実施例1と同様に行
つた。その結果を後掲第1表、第2表及び第3表
に示す。 後携第1表、第2表及び第3表において試験方
法及び評価は以下のとおりである。 高温防曇性……40℃の温水100c.c.を200c.c.ビーカー
に入れ、ビーカーの口をフイルムで被いゴム帯
及びテープで固定密閉する。これを同温度の恒
温槽に固定し、フイルムの凝縮状態を60分後に
観察することによつて評価する。 低温防曇性……20℃の水200c.c.ビーカーに入れ、
5℃の恒温槽に固定し、フイルムの凝縮状態を
60分後に観察することによつて評価する。 なお、高温及び低温防曇性は下記の10ランク
により評価する。 10 フイルム内面の水滴付着面積が 5%未満 9 〃 5%以上10%未満 8 〃 10%以上10%未満 7 〃 20%以上30%未満 6 〃 30%以上40%未満 5 〃 40%以上50%未満 4 〃 50%以上60%未満 3 〃 60%以上80%未満 2 〃 80%以上90%未満 1 〃 90%以上 防曇剤持続性……水100c.c.を200c.c.ビーカーに入
れ、ビーカーの口をフイルムで被いゴム帯及び
テープで固定密閉する。浴槽の水面高さとビー
カーの水面高さがほぼ同等になるように、ビー
カーを固定する。浴槽温度を4日間40℃に保
ち、1日放温のサイクルでフイルムの凝縮状態
を一定時間毎に評価する。 なお、防曇持続性は下記の10ランクにより評
価する。 10 フイルム内面の防曇劣化(防曇効果がなくな
つた部分)面積が 5%未満 9 〃 5%以上10%未満 8 〃 10%以上20%未満 7 〃 20%以上30%未満 6 〃 30%以上40%未満 5 〃 40%以上50%未満 4 〃 50%以上60%未満 3 〃 60%以上70%未満 2 〃 80%以上90%未満 1 〃 90%以上
【表】
【表】 霧の評価: フイルムを高さ2.7m幅4.6m長さ6.7mのパイプ
ハウスに展張し、そのハウスの中央高さ約50cmの
位置にて光電池照度計(東京光学機械(株)製)によ
り太陽光線透過率を次のようにして測定した。 夕方霧の発時のハウス内太陽光線透過率を測定
し、直ちに換気し、霧を消したのち再び太陽光線
透過率を測定した。3日間の平均透過率を第3表
に示す。 また肉眼観察による5日間の霧発生時間の平均
を第3表に示す。なお、霧発生時間は少ない程霧
が早く消えることを意味する。
【表】 第1表及び第2表に示した防曇性及び持続性の
評価結果から明らかなように、本発明の防曇剤を
添加したフイルムは従来の防曇剤であるソルビタ
ンエステル又はそのオキシアルキレン付加物を添
加したフイルムと比べ著しく防曇剤及び持続効果
が優れていることがわかる。 また、第3表から明らかなように、展張ハウス
において本発明の防曇剤添加フイルムは従来の防
曇剤使用フイルムと比較し、極めて霧の発生が少
なく優れている。 本発明による新規防曇剤を使用したフイルムは
上記のように、防曇効果が良好であり、防曇持続
性が従来になく優れており、長期間継続して使用
する農業上フイルム等に好適であつて、しかも、
ハウス内の霧の発生が従来のフイルムに比較し極
めて少ないため農作物の病害の抑制に良く、その
利用価値は極めて大である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 (a) Ca〜C6の2〜6価アルコールと、 (b) エチレンオキサイド及び/又はプロピレンオ
    キサイドと、 (c) C11〜C22の高級脂肪酸と、 (d) C4〜C6の飽和二塩基酸 との4成分の反応によつて得られる融点が30〜70
    ℃の反応生成物からなる防曇剤を含有することを
    特徴とする防曇性塩化ビニル系合成樹脂フイル
    ム。
JP4200280A 1980-04-02 1980-04-02 Preparation of antifogging synthetic resin film and antifogging agent Granted JPS56139555A (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4200280A JPS56139555A (en) 1980-04-02 1980-04-02 Preparation of antifogging synthetic resin film and antifogging agent

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4200280A JPS56139555A (en) 1980-04-02 1980-04-02 Preparation of antifogging synthetic resin film and antifogging agent

Related Child Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP63057749A Division JPS63241056A (ja) 1988-03-11 1988-03-11 防曇剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPS56139555A JPS56139555A (en) 1981-10-31
JPH0333740B2 true JPH0333740B2 (ja) 1991-05-20

Family

ID=12623982

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4200280A Granted JPS56139555A (en) 1980-04-02 1980-04-02 Preparation of antifogging synthetic resin film and antifogging agent

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPS56139555A (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59105041A (ja) * 1982-12-09 1984-06-18 Mitsubishi Petrochem Co Ltd ストレツチフイルム
US4800115A (en) * 1986-10-14 1989-01-24 W. R. Grace & Co. Agent for imparting antistatic characteristics to a thermoplastic polymer and a thermoplastic polymer composition containing the agent
JPH07330951A (ja) * 1991-12-26 1995-12-19 Toei Chem Kk 熱硬化性樹脂用の反応性可そ剤
KR20030064951A (ko) * 2002-01-29 2003-08-06 장현우 농업용 ldpe 필름용 복합 무적제
KR20030064949A (ko) * 2002-01-29 2003-08-06 장현우 농업용 eva 필름용 복합무적제
JP2007204614A (ja) * 2006-02-02 2007-08-16 Nisshin Oillio Group Ltd 樹脂用可塑剤及び該樹脂用可塑剤を含有する樹脂組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPS56139555A (en) 1981-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH0333740B2 (ja)
JPS6030343B2 (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP3681827B2 (ja) 合成樹脂用防曇防霧剤、並びにこれを含有する合成樹脂組成物および農業用フィルム
JPH0313256B2 (ja)
JPS63312361A (ja) 農業用合成樹脂製被覆材
JPS5991136A (ja) 防曇性熱可塑性合成樹脂成形品
JPS58196258A (ja) 防曇剤
JPH11335486A (ja) 合成樹脂用防曇剤組成物
JPH04117460A (ja) 防曇性熱可塑性合成樹脂成形品
JPS61111349A (ja) 防曇性農業用フイルム成形用塩化ビニル系樹脂組成物
JPS6050378B2 (ja) 施設園芸用被覆材
JPH0826200B2 (ja) 防霧性と防曇性に優れた農業用フイルムの製造方法
JP3018094B2 (ja) 農業用ビニールフィルムの製造方法
JPS62164764A (ja) 農業用合成樹脂被覆材
JPH0195146A (ja) 農業用塩化ビニル系樹脂フィルム
JPS5925827A (ja) 合成樹脂製農業用被覆材及びその使用方法
JPH04180942A (ja) 農業用合成樹脂被覆材および防曇防霧剤
JPH0269538A (ja) 農業用合成樹脂被覆材
JPH02163188A (ja) 農業用フィルム用防曇防霧剤及びこれを用いた農業用フィルム、並びに農業用フィルム使用における防曇防霧法
JPH0460497B2 (ja)
JPS63202662A (ja) 防曇性合成樹脂組成物
JPH03215562A (ja) 農業用合成樹脂製被覆材
JPH06263890A (ja) 防曇性に優れた合成樹脂フィルム
JPH02286775A (ja) 防曇剤
JPH01216947A (ja) 新規含フッ素化合物およびそれを含有する合成樹脂フィルム