JP2007204614A - 樹脂用可塑剤及び該樹脂用可塑剤を含有する樹脂組成物 - Google Patents

樹脂用可塑剤及び該樹脂用可塑剤を含有する樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 樹脂に配合した際に、透明性、柔軟性等の特性を損なうことなく、耐ブリード性を発揮することのできる樹脂用可塑剤を提供すること。
【解決手段】 本発明の樹脂様可塑剤は、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、炭素数4〜20の二塩基酸とをエステル化反応することにより得られるエステル化反応生成物を含有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ブリード防止効果を有する樹脂用可塑剤および該樹脂用可塑剤を含有する耐ブリード性に優れた樹脂組成物に関するものである。
樹脂は、軽量で加工性が良好であり、優れた物性、耐久性を有することから、日用品、家電製品、自動車部品、容器、包装材料等の幅広い分野で使用されている。しかしながら、樹脂製品は、役目を終えて廃棄する段階で、その良好な耐久性が欠点となり、自然界における分解性に劣る。このため、生態系に影響を及ぼす可能性があるため、今日では、廃棄後の環境保護の視点から、環境中の微生物により分解されるポリ乳酸、ポリブチレンサクシネート及びポリヒドロキシブチレート等の生分解性樹脂の利用が様々な分野で検討されている。
生分解性樹脂の中でも、特にポリ乳酸樹脂はトウモロコシ等の農作物の糖分から発酵法で製造されるL−乳酸から合成され、原料が自然農作物であることから、廃棄後の分解により生じる総二酸化炭素排出量が極めて少ないことを特徴とし、また、ポリマーとしての特徴としては剛性が高く透明性に優れるという性質を有する。一方、ポリ乳酸樹脂には、硬く脆い性質があるため、フィルム等の柔軟性が求められる成形分野では使用が制限されていた。
これらのことから、ポリ乳酸樹脂等の硬く脆い性質を有する樹脂においては、可塑剤を添加することにより、樹脂に柔軟性を付与していた。
しかしながら、可塑剤を使用した場合、樹脂と可塑剤との相溶性等の関係から可塑剤が染み出し、樹脂表面を汚染する、いわゆるブリードの問題が発生する。このブリードを防止する方法として、種々の開発がなされている。例えば、特許文献1には、異なる2種以上の可塑剤を含む生分解性樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、ジアセチルモノアシルグリセロールとグリセロール・アジピン酸ポリエステルとを含有するポリエステル樹脂組成物が開示されている。また、特許文献3及び4には、多価アルコールアルキレンオキサイド付加物の酢酸エステルを含有する樹脂用可塑剤が開示されている。
また、特許文献5には、ジアセチルモノアシルグリセロールとポリグリセリンモノカプリレートを含むポリエステル組成物が、特許文献6には、ジグリセロール酢酸エステルを含有する樹脂組成物が開示されている。
上記特許文献に記載された発明によれば、樹脂との相 溶性が低下したり、一方で柔軟性を得るために可塑剤を多量に配合した場合には、依然としてブリードするものが多く、満足のいくものではなかった。すなわち、樹脂の透明性、柔軟性等の特性を損なうことなく、耐ブリード性を発揮するものではなかった。
特開2005−23091号公報 特開2002−47404号公報 特開2005−232403号公報 特開2005−112933号公報 特開2000−302956号公報 特開2003−20390号公報
以上のような従来の問題点を鑑み、本発明の目的は、樹脂に配合した際に、透明性、柔軟性等の特性を損なうことなく、耐ブリード性を発揮することのできる樹脂用可塑剤を提供することである。
また、本発明の目的は、耐ブリード性に優れると共に、透明性、柔軟性を併せ持つ樹脂組成物を提供することである。
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、特定の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、特定の二塩基酸とをエステル化反応することにより得られるエステル化反応生成物を用いることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、炭素数4〜20の二塩基酸とをエステル化反応することにより得られるエステル化反応生成物を含有する樹脂用可塑剤を提供するものである。
また、本発明は、上記樹脂用可塑剤を含有する樹脂組成物を提供する。
本発明により、樹脂に配合した際に、透明性、柔軟性等の特性を損なうことなく、耐ブリード性を発揮する、樹脂用可塑剤が提供される。また、本発明によれば、耐ブリード性に優れると共に、透明性、柔軟性を併せ持つ樹脂組成物が提供される。
まず、本発明の樹脂用可塑剤について説明する。本発明の樹脂用可塑剤は、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、炭素数4〜20の二塩基酸とをエステル化反応することにより得られるエステル化反応生成物を含有する。
本発明の樹脂用可塑剤に含有されるエステル化反応生成物は、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、炭素数4〜20の二塩基酸とをエステル化反応することにより得られる。
上記3価以上の多価アルコールとは、1分子中に水酸基を3個以上有するものであり、その水酸基の価数は、3〜8価であることが好ましく、3〜6価であることが更に好ましく、3〜4価であることが特に好ましい。多価アルコールの水酸基の価数が上記範囲であると、得られるエステル化反応生成物の樹脂との相溶性が良好となり、耐ブリード性に優れたものとなる。
上記3価以上の多価アルコールは、その炭素数が3〜30であることが好ましく、3〜15であることが更に好ましく、3〜10であることが特に好ましい。3価以上の多価アルコールの炭素数がこの範囲にあると、得られるエステル化反応生成物の耐ブリード性が良好なものとなる。
3価以上の多価アルコールの具体例としては、例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン、エリスリトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ジグリセリン、トリグリセリン、ソルビトール、ソルビタン等が挙げられるが、これらに限定されない。上記の中でも、グリセリン、ジグリセリン及びトリメチロールプロパンがコスト面でも好ましい。
アルキレンオキサイドとしては、具体的には、例えば、エチレンオキサイド(以下、本明細書において、「EO」と表わす場合がある。)、プロピレンオキサイド(以下、本明細書において、「PO」と表わす場合がある。)、アセチレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、2,3−ブチレンオキサイド、1,3−ブチレンオキサイド、スチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中でも、特にエチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドが、樹脂との相溶性の点から好ましい。
3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物中の、アルキレンオキサイドの平均付加モル数は、3価以上の多価アルコールの水酸基1価に対して、好ましくは1〜15モルであり、更に好ましくは1〜10モルであり、特に好ましくは1〜5モルである。アルキレンオキサイドの平均付加モル数が上記範囲にあると、可塑剤の極性が低下することなく、樹脂との相溶性が良好なものとなり、また、他の可塑剤と併用した場合に、ブリード抑制効果が優れたものとなる。
本発明においては、上記3価以上の多価アルコールと、アルキレンオキサイドとを反応させて得られる、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を用いるが、3価以上の多価アルコールとアルキレンオキサイドとを反応させて3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を得る方法に特に制限はないが、例えば、以下の方法により実施することができる。
窒素パージしたオートクレーブに、アルカリ又は酸触媒と、3価以上の多価アルコールとを仕込み、加圧条件下で対応するアルキレンオキサイドを所定量導入し、50〜200℃の温度で反応させて、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を得る。
本発明で使用される二塩基酸としては、炭素数が4〜20の二塩基酸であることが好ましく、炭素数が4〜18の二塩基酸であることが更に好ましく、炭素数が6〜18の二塩基酸であることが特に好ましい。炭素数が上記範囲である二塩基酸を用いることにより、得られる、耐ブリード性が良好なものとなる。用いられる二塩基酸としては、具体的には、例えば、シュウ酸、コハク酸、マレイン酸、テレフタル酸、フタル酸、アジピン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸、イコサ二酸、リンゴ酸等が挙げられる。上記の中でも、特にセバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸が耐ブリード性が良好になるため好ましい。
本発明の樹脂用可塑剤に含まれるエステル化反応生成物は、上述した3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、上述した二塩基酸とをエステル化反応することにより得られるものである。3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と二塩基酸とをエステル化反応してエステル化反応生成物を得る方法に特に制限はないが、例えば、以下の方法により実施することができる。
上述した、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と二塩基酸とを反応器に仕込み、常圧又は減圧下において、70〜300℃に加熱することにより脱水反応させて合成することによりエステル化反応生成物を得る。反応に際しては、還流溶剤や酸、アルカリ、金属触媒を使用してもよい。
上記エステル化反応における、上記3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、二塩基酸の配合比(モル比)(3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物:二塩基酸)は、2:1〜10:9であることが好ましく、3:2〜9:8であることが好ましく、3:2〜6:5であることが特に好ましい。3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、炭素数4〜20の二塩基酸との配合比が上記範囲にあると、可塑化性能、耐ブリード性、樹脂との相溶性が良好なものとなり、また、エステル化反応もスムーズなものとなる。
上記エステル化反応生成物の数平均分子量は1,000〜10,000であることが好ましく、2,000〜8,000であることが更に好ましく、2,000〜6,000であることが特に好ましい。エステル化反応生成物の数平均分子量が、上記範囲にあると、可塑剤の可塑化能、耐ブリード性や樹脂の透明性が良好なものとなる。なお、本発明のエステル化反応生成物の数平均分子量はGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定した値であり、例えば、標準物質として、ポチエチレングリコールを用い、東ソー製カラム(TSK G4000HHR+G3000HHR+G2000HHR)を用いて測定することができる。
上述した、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、炭素数4〜20の二塩基酸とエステル化反応することにより得られるエステル化反応生成物としては、具体的には、例えば、グリセリンEO8モル付加物・セバシン酸ポリエステル、グリセリンEO8モル付加物・テトラデカン二酸ポリエステル、グリセリンEO8モル付加物・オクタデカン二酸ポリエステル、グリセリンEO20モル付加物・アジピン酸ポリエステル、グリセリンEO20モル付加物・セバシン酸ポリエステル、グリセリンEO20モル付加物・テトラデカン二酸ポリエステル、ジグリセリンPO14モル付加物・セバシン酸ポリエステル、トリメチロールプロパンEO9モル付加物・アジピン酸ポリエステル、ジトリメチロールプロパンEO12モル付加物・セバシン酸ポリエステル、ペンタエリスリトール8EO付加物・アジピン酸ポリエステル等が挙げられる。
本発明の樹脂用可塑剤は、上述したエステル化反応生成物を含んでなる。本発明の樹脂用可塑剤中のエステル化反応生成物の含有量に特に制限はない。本発明の樹脂可塑剤中に含まれるエステル化反応生成物は、エステル化反応した際に副生成物が残存している場合があるが、エステル化反応生成物は、樹脂用可塑剤の全質量に対し、90質量%以上含まれていることが好ましい。本発明の樹脂用可塑剤は、後述するように、樹脂に含有させ、樹脂組成物として用いられるので、所望の性能を樹脂に付与できるような量が含有されていればよく、その含有量に特に制限はない。
本発明の樹脂用可塑剤は、樹脂に含有させることにより、透明性、柔軟性等の特性を損なうことなく、耐ブリード性に優れた樹脂組成物を得ることができる。
次に、本発明の樹脂組成物について説明する。
本発明の樹脂組成物は、上述した、本発明の樹脂用可塑剤を含有する。
本発明の樹脂組成物を構成する樹脂としては、特に制限はないが、例えば、乳酸系ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ラクトン系ポリエステル樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリル系樹脂等が挙げられる。上記の中でも、生分解性樹脂である、乳酸系ポリエステル樹脂、脂肪族ポリエステル樹脂、ラクトン系ポリエステル樹脂が好ましく用いられる。なお、本明細書において、「生分解性樹脂」とは、自然界において微生物が関与して低分子化合物に分解される生分解性を有しているものを意味する。
また、乳酸系ポリエステル樹脂とは、乳酸を重合して得られるポリエステルのことを意味するが、重合に用いられる乳酸はL−体であっても、D−体であってもよく、両者の混合物であってもよい。また、乳酸系ポリエステルとしては、ポリ乳酸に限定されず、共重合体、ブレンドポリマー等であってもよい。
本発明の樹脂組成物中の樹脂用可塑剤の含有量に特に制限はない。他の可塑剤を含有する場合の他の可塑剤との合計含有量については以下に説明する。
本発明の樹脂組成物は、上述した本発明の樹脂用可塑剤に加え、他の可塑剤とを含有することができるが、樹脂の可塑化の点からは、本発明の樹脂用可塑剤と他の可塑剤を併用することが好ましい。このような他の可塑剤としては、従来より樹脂に加えて用いられている可塑剤を特に制限なく用いることができるが、樹脂の可塑化の点から、分子量が1,000以下の可塑剤を用いることが好ましい。分子量が1,000以下の可塑剤としては、例えば、ジアセチルモノアシルグリセロール、ビス(ブチルジグリコール)ジアジペート、ジブチルフタレート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、ジオクチルフタレート、アセチルクエン酸トリブチル等が挙げられる。上記分子量が1,000以下の可塑剤は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物中の本発明の樹脂用可塑剤と他の可塑剤との合計含有量に特に制限はないが、好ましくは、樹脂100質量部に対し、5〜50質量部であり、更に好ましくは、樹脂100質量部に対し、可塑剤の合計含有量が5〜40質量部であり、特に好ましくは、樹脂100質量部に対し、可塑剤の合計含有量が5〜30質量部である。可塑剤の合計含有量を上記範囲とすることにより、樹脂の耐ブリード性が良好となり、樹脂の柔軟性が良好となる。
樹脂組成物に、他の可塑剤を含有させる場合の、本発明の樹脂用可塑剤と他の可塑剤との配合比(本発明の樹脂用可塑剤:他の可塑剤)は、任意に設定することができるが、配合比は、好ましくは、質量比が5:95〜95:5であり、更に好ましくは5:95〜60:40であり、特に好ましくは5:95〜40:60である。本発明の樹脂組成物に、他の可塑剤を含有させる場合、他の可塑剤を本発明の樹脂用可塑剤よりも多く配合した方が、樹脂の柔軟性が向上するので好ましい。
また、本発明の樹脂組成物には、上述した可塑剤以外に、例えば、滑剤等の成分を含有してもよい。このような滑剤としては、例えば、ポリエチレンワックス等の炭化水素系ワックス類、ステアリン酸等の脂肪酸類、グリセロールエステル等の脂肪酸エステル類、ステアリン酸カルシウム等の金属石けん類、モンタン酸ワックス等のエステルワックス類、アルキルベンゼンスルホン酸塩等の芳香環を有するアニオン型界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩等のアルキレンオキサイド付加部分を有するアニオン型界面活性剤等が挙げられる。滑剤を含有する場合、その含有量は、上記エステル化反応生成物100質量部に対し、好ましくは0.1〜5質量部程度である。
また、本発明の樹脂組成物には、上述した成分以外の成分として、例えば、耐電防止剤、防曇剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料、無機充填材、防黴剤、抗菌剤、発泡剤、難燃剤等を含有してもよい。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
合成例1
グリセリンエチレンオキサイド8モル付加物・セバシン酸ポリエステルの合成
容積が1リットルのオートクレーブ中にグリセロール100g(1.1モル)および水酸化カリウム1gを仕込み、オートクレーブ内を窒素置換した後150℃まで加熱した。次にエチレンオキサイド348g(8.8モル)をオートクレーブ中に導入し、グリセロールエチレンオキサイド8モル付加物を反応生成させた。
次いで、容積が1リットルの四つ口フラスコに、上述のようにして得られたグリセロールエチレンオキサイド8モル付加物444g(1モル)およびセバシン酸152g(0.75モル)を仕込み、フラスコ内を窒素置換した後に200℃まで加熱してエステル化反応を行った。エステル化反応の間、フラスコ内の試料を一部抜き取り、酸価を測定しながら反応を行った。エステル化反応生成物の酸価が5以下になるまで反応し、グリセリンエチレンオキサイド8モル付加物・セバシン酸ポリエステル(化合物1)を得た。得られた化合物1の、グリセロールの水酸基1価に対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は2.7モルであり、数平均分子量は3,000であった。
合成例2
グリセリンEO8モル付加物・テトラデカン二酸ポリエステルの合成
セバシン酸に代え、テトラデカン二酸(0.75モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、グリセリンEO8モル付加物・テトラデカン二酸ポリエステル(化合物2)を得た。得られた化合物2の、グリセロールの水酸基1価に対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は2.7モルであり、数平均分子量は3,000であった。
合成例3
グリセリンEO8モル付加物・オクタデカン二酸ポリエステルの合成
セバシン酸に代え、オクタデカン二酸(0.75モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、グリセリンEO8モル付加物・オクタデカン二酸ポリエステル(化合物3)を得た。得られた化合物3の、グリセロールの水酸基1価に対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は2.7モルであり、数平均分子量は3,500であった。
合成例4
グリセリンEO20モル付加物・アジピン酸ポリエステルの合成
エチレンオキサイドの使用量を870g(22モル)とし、グリセリンEO20モル付加物(1モル)とのエステル化反応において、セバシン酸に代え、アジピン酸(0.75モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、グリセリンEO20モル付加物・アジピン酸ポリエステル(化合物4)を得た。得られた化合物4の、グリセロールの水酸基1価に対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は6.7モルであり、数平均分子量は5,000であった。
合成例5
グリセリンEO20モル付加物・セバシン酸ポリエステルの合成
エチレンオキサイドの使用量を870g(22モル)とし、エステル化反応にはグリセリンEO20モル付加物(1モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、グリセリンEO20モル付加物・セバシン酸ポリエステル(化合物5)を得た。得られた化合物5の、グリセロールの水酸基1価に対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は6.7モルであり、数平均分子量は3,000であった。
合成例6
グリセリンEO20モル付加物・テトラデカン二酸ポリエステルの合成
エチレンオキサイドの使用量を870g(22モル)とし、セバシン酸に代え、テトラデカン二酸(0.75モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、グリセリンEO20モル付加物・テトラデカン二酸ポリエステル(化合物6)を得た。得られた化合物6の、グリセロールの水酸基1価に対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は6.7モルであり、数平均分子量は6,000であった。
合成例7
ジグリセリンPO14モル付加物・セバシン酸ポリエステルの合成
グリセロールに代え、ジグリセロール(1.1モル)を用い、エチレンオキサイドに代え、プロピレンオキサイド(15.4モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、ジグリセロールプロピレンオキサイド14モル付加物を得た。
グリセロールエチレンオキサイド8モル付加物に代え、上述のようにして得られたジグリセロールプロピレンオキサイド14モル付加物(1モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、ジグリセリンPO14モル付加物・セバシン酸ポリエステル(化合物7)を得た。得られた化合物7の、ジグリセロールの水酸基1価に対するアルキレンオキサイドの平均付加モル数は3.5モルであり、数平均分子量は3,500であった。
合成例8
グリセリンEO20モル付加物酢酸エステルの合成
グリセリンEO20モル付加物(1モル)を用い、セバシン酸に代え、無水酢酸(0.75モル)を用いた以外は、合成例1と同様に操作を行い、グリセリンEO20モル付加物・酢酸エステル(化合物8)を得た。
合成例9
ジグリセリンテトラ酢酸エステルの合成
ジグリセロール1モルに対し、無水酢酸4.4モル、及び触媒として酢酸ナトリウム0.05モルを加え、加熱反応させて、対応するジグリセロールテトラ酢酸エステル(化合物9)を合成した。
合成例10
ポリエチレングリコール(数平均分子量:300)1モルに対し、セバシン酸0.8モルを反応させ、対応するポリエステル(化合物10)を得た。
上述のようにして得られた化合物について、下記方法にて評価を行った。
評価方法
(1)ブリード評価
ポリ乳酸樹脂として、三井化学(株)製「ポリ乳酸レイシアH400」を用い、170℃でニーダーによって、表1に示す量の可塑剤(化合物1〜10)を配合し、樹脂混練物を得た後、プレス機を用いて、16cm×16cm×1mm(加熱170℃、3分、冷却3分)の透明樹脂シートを成形した。
上述のようにして得られた透明樹脂シートを、直径75mm×厚み1mmの円形に打ち抜き、60℃の温度に24時間保存した後、樹脂表面の可塑剤の染み出しを肉眼にて観察し、下記評価基準に従って評価を行った。評価結果を表1に示す。
◎:ブリードがない。
○:ブリードがほとんどない。
△:ブリードが少しある。
×:ブリードがある。
××:ブリードが多い。
(2)透明性評価
(1)で成形したシートを広げ、光源にかざして観察し、透明性を評価した。評価は肉眼にて観察を行い、下記評価基準に従って評価を行った。評価結果を表1に示す。
○:シートが透明である。
△:シートがやや白濁しているが、白濁の程度は問題のない程度である。
×:シートが強く白濁している。
(3)柔軟性評価
(1)で成形したシートについて、JIS K 7113に準拠して引張試験を行い、引張強さ及び伸び率を測定し、柔軟性の評価を行った。試験機としては、インストロン社製5582型を使用し、試験速度50mm/分で試験を行った。評価結果を表2に示す。
Figure 2007204614
表1において、化合物11、化合物12及び化合物13は下記の通りである。
化合物11:ビス(ブチルジグリコール)アジペート、大八化学工業(株)製、商品名「BXA」
化合物12:グリセリン・アジピン酸ポリエステル、数平均分子量:2,000
化合物13:ジアセチルモノアシルグリセロール、理研ビタミン(株)製、商品名「リケマールPL−019」
表1から下記のことがわかる。
比較例2及び比較例3の樹脂シートは、3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物を使用しているが、用いた酸が二塩基酸ではないため、ブリードが発生するものであった。また、比較例1、4、5及び6の樹脂シートは、本発明で用いるエステル化反応生成物を用いておらず、ブリードが発生した。これに対し、実施例1〜8の樹脂シートはブリードが発生せず、ブリード防止効果に優れるものであった。
また、実施例1〜8の樹脂シートは、比較例1〜6の樹脂シートと比べ、透明性において特に差異は認められなかった。すなわち、実施例1〜8の樹脂シートは、従来品の樹脂シートと比べ、同程度の透明度を有しており、透明性については問題がないことがわかった。
Figure 2007204614
表2から下記のことがわかる。
実施例1、3、4及び7の樹脂シートは、従来から樹脂用可塑剤として用いられている、ジアセチルモノアシルグリセロールを使用した比較例1と比べ、同程度の引張強さ及び伸び率を示した。このことから、実施例1、3、4及び7の樹脂シートは、従来品の樹脂と比べ、同程度の柔軟性を有し、柔軟性については問題がないことがわかった。

Claims (11)

  1. 3価以上の多価アルコールのアルキレンオキサイド付加物と、炭素数4〜20の二塩基酸とをエステル化反応することにより得られるエステル化反応生成物を含有する樹脂用可塑剤。
  2. 3価以上の多価アルコールが、グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールプロパンからなる群から選択される請求項1に記載の樹脂用可塑剤。
  3. アルキレンオキサイドが、エチレンオキサイド又はプロピレンオキサイドである請求項1又は2に記載の樹脂用可塑剤。
  4. アルキレンオキサイドの平均付加モル数が、多価アルコールの水酸基1価に対して1〜15モルである請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂用可塑剤。
  5. 炭素数4〜20の二塩基酸が、セバシン酸、アジピン酸、アゼライン酸、テトラデカン二酸、オクタデカン二酸からなる群から選択される請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂用可塑剤。
  6. 上記エステル化反応生成物の数平均分子量が、1,000〜10,000である請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂用可塑剤。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の樹脂用可塑剤を含有する樹脂組成物。
  8. 更に、他の可塑剤を含有する請求項7に記載の樹脂組成物。
  9. 上記他の可塑剤が、ジアセチルモノアシルグリセロール、又はビス(ブチルジグリコール)ジアジペートである請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. 樹脂組成物が、生分解性樹脂を含有する請求項7〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  11. 生分解性樹脂が、乳酸系ポリエステル樹脂である請求項10に記載の樹脂組成物。



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