JP2006152102A - 乳酸系樹脂組成物、当該組成物を用いて得られる成形品及びフィルム - Google Patents

乳酸系樹脂組成物、当該組成物を用いて得られる成形品及びフィルム Download PDF

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Abstract

【課題】 十分な柔軟性、透明性を有し、かつ耐ブリード性、耐ブロッキング性が良好な乳酸系樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 乳酸系樹脂(A)80〜90重量部と、特定の構造を有する乳酸系樹脂用可塑剤(B)10〜20重量部との混合物100重量部に対して、アミド系滑剤(C)0.1〜1.0重量部及びケイ素化合物(D)0.1〜5.0重量部を含有させることを特徴とする乳酸系樹脂組成物;当該樹脂組成物を成形加工して得られる成形品;当該樹脂組成物を成形加工して得られるフィルムを用いる。
【選択図】 なし

Description

本発明は、乳酸系樹脂組成物及び当該組成物を用いて得られる成形品、フィルムに関する。
近年、社会の環境に対する関心の高まりから、環境負荷の低減された生分解性高分子を用いた材料開発が行われるようになってきている。生分解性高分子のなかでも、植物原料由来である事及び透明性が比較的良好である事から、乳酸系樹脂は主流な材料の一つであるが、硬くて脆いという欠点がある。そのため、当該欠点を解消する柔軟性を付与する技術として可塑剤の添加、コポリマー化、軟質ポリマーのブレンドなどが知られている。
本出願人は、先に生分解性樹脂に柔軟性を付与できる可塑剤を提案している。(特許文献1、2参照)本出願人らが提案した可塑剤を含有する乳酸系樹脂組成物から得られる成形体は良好な柔軟性を示すものであったが、フィルム等を成形する場合に配合量や成形方法によってはブリードアウトとブロッキングが生じるという課題があった。すなわち、可塑剤が少なすぎると柔軟性が不十分となり、多すぎるとブリードアウトが生じる事から、耐ブリード性を改良するには可塑剤の配合量の最適化が必要であった。一方、耐ブロッキング性を改良するには、滑剤、無機物及びその他添加剤を用いる方法が考えられるが、滑剤の添加量によっては滑剤がブリードアウトしたり、無機物の種類や添加量によっては透明性が悪化することがあった。そのため、十分な柔軟性、透明性を有し、かつ耐ブリード性及び耐ブロッキング性が良好な乳酸系樹脂組成物が切望されていた。
特開2003−160736号公報 国際公開第2004/067639号パンフレット
本発明は、十分な柔軟性、透明性を有し、かつ耐ブリード性、耐ブロッキング性が良好な乳酸系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者は、前記課題を解決すべく、可塑剤、滑剤、無機物及びその他添加剤について検討したところ、特定の可塑剤、滑剤、無機物を用いることにより前記課題を解決しうることを見出した。
すなわち、本発明は、乳酸系樹脂(A)80〜90重量部と、一般式(1):X−((CHR(CHR−O)((CHRl’(CHRm’−O)n’−R(式中、Xは、Fa−(O−Hc−CO)k−O(Faは水素原子又は炭素数2〜20のアシル基、Hcはヒドロキシカルボン酸類残基、kは1〜60の整数を表す)又はRo−COO−(Roはロジン類残基を表す。)で表される基、R、R、R、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はアシル基、l、l’は0〜6の整数、m、m’は0〜6の整数(ただし1≦l+m≦6、1≦l’+m’≦6)、n、n’は0〜7の整数(ただし1≦n+n’≦7)を表す。)で表される乳酸系樹脂用可塑剤(B)10〜20重量部との混合物100重量部に対して、アミド系滑剤(C)0.1〜1.0重量部及びケイ素化合物(D)0.1〜5.0重量部を含有させることを特徴とする乳酸系樹脂組成物;当該組成物を成形加工することにより得られる成形品;当該乳酸系樹脂組成物を用いて得られるフィルムに関する。
本発明によれば、十分な柔軟性、透明性を有し、かつ耐ブリード性及び耐ブロッキング性が良好な乳酸系樹脂組成物を提供することができる。そのため、当該組成物を用いて得られるフィルムは製膜プロセスでのロールへの巻き付きやすべり性が改善された、柔軟性、透明性、耐ブリード性、耐ブロッキング性が改良されたものである。
本発明の乳酸系樹脂組成物は、乳酸系樹脂(A)(以下、(A)成分という。)80〜90重量部と、一般式(1):X−((CHR(CHR−O)((CHRl’(CHRm’−O)n’−R(式中、Xは、Fa−(O−Hc−CO)k−O(Faは水素原子又は炭素数2〜20のアシル基、Hcはヒドロキシカルボン酸類残基、kは1〜60の整数を表す)又はRo−COO−(Roはロジン類残基を表す。)で表される基、R、R、R、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はアシル基、l、l’は0〜6の整数、m、m’は0〜6の整数(ただし1≦l+m≦6、1≦l’+m’≦6)、n、n’は0〜7の整数(ただし1≦n+n’≦7)を表す。)で表される群より選ばれた乳酸系樹脂用可塑剤(B)(以下、(B)成分という。)10〜20重量部の混合物100重量部に対して、アミド系滑剤(C)(以下、(C)成分という。)0.1〜1.0重量部及びケイ素化合物(D)(以下、(D)成分という。)0.1〜5.0重量部を含有させてなるものである。
本発明に用いられる(A)成分としては、乳酸系樹脂であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。(A)成分は、構造単位がL−乳酸であるポリ(L−乳酸)、構造単位がD−乳酸であるポリ(D−乳酸)、構造単位がL−乳酸及びD−乳酸であるポリ(DL−乳酸)やこれらの混合体である。(A)成分としては、D−乳酸含有量/(D−乳酸含有量+L−乳酸含有量)=0.02〜0.10の割合でD−乳酸を含有するものを用いることが好ましく、さらにD−乳酸含有量/(D−乳酸含有量+L−乳酸含有量)=0.04〜0.06の割合でD−乳酸を含有するものを用いることがより好ましい。なお、必要に応じてα−ヒドロキシカルボン酸等の他のヒドロキシカルボン酸単位との共重合体であっても、脂肪族ジオール/脂肪族ジカルボン酸との共重合体であってもよい。乳酸系樹脂に共重合される他のヒドロキシカルボン酸単位としては、乳酸の光学異性体(L−乳酸に対してはD−乳酸、D−乳酸に対してはL−乳酸)、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸、4−ヒドロキシ酪酸、2−ヒドロキシ−n−酪酸、2−ヒドロキシ−3,3−ジメチル酪酸、2−ヒドロキシ−3−メチル酪酸、2−メチル乳酸、2−ヒドロキシカプロン酸等の2官能脂肪族ヒドロキシカルボン酸やカプロラクトン、ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン類が挙げられる。乳酸系樹脂に共重合される上記脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール,1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。また、上記脂肪族ジカルボン酸としては、コハク酸、アジピン酸、スベリン酸、セバシン酸及びドデカン二酸等が挙げられる。
本発明においては、耐熱性を向上させる等の目的のため、必要に応じて、乳酸系樹脂の少量共重合成分として、テレフタル酸のような非脂肪族ジカルボン酸及び/又はビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のような非脂肪族ジオールを用いたものであってもよい。また、分子量増大を目的として少量の鎖延長剤、例えば、ジイソシアネート化合物、エポキシ化合物、酸無水物などを用いたものであってもよい。
(A)成分の重合方法としては、縮合重合法、開環重合法等公知の方法を採用することができる。例えば、縮合重合法では、L−乳酸又はD−乳酸、あるいはこれらの混合物等を直接脱水縮合重合して任意の組成を有する乳酸系樹脂を得ることができる。また、開環重合法(ラクチド法)では、乳酸の環状2量体であるラクチドを、必要に応じて重合調節剤等を用いながら、適当な触媒を使用して(A)成分を得ることができる。なお、ラクチドには、L−乳酸の2量体であるL−ラクチド、D−乳酸の2量体であるD−ラクチド、D−乳酸とL−乳酸の2量体であるDL−ラクチドがあり、これらを必要に応じて混合し、重合することによって任意の組成、結晶性を有するポリ乳酸を得ることができる。
本発明において使用される(A)成分の重量平均分子量は、特に限定されないが、5万〜40万程度であることが好ましく、より好ましくは10万〜25万である。分子量が5万より小さいと機械物性や耐熱性等の実用物性が発現されない場合があり、分子量が40万より大きいと溶融粘度が高すぎて成形加工性に劣る場合がある。これらの乳酸系樹脂は市販のものをそのまま用いても良い。市販品のものの例としては、例えば、LACEA(三井化学(株)製)、NATURE WORKS(カーギルダウ社製)、テラマック(ユニチカ(株)製)などが挙げられる。
本発明に用いられる(B)成分としては、一般式(1):X−((CHR(CHR−O)((CHR−(CHR−O)−R(式中、Xは、Fa−(O−Hc−CO)k−O(Faは水素原子又は炭素数2〜20のアシル基、Hcはヒドロキシカルボン酸類残基、kは1〜60の整数を表す)又はRo−COO−(Roはロジン類残基を表す。)で表される基、R、R、R、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はアシル基、l、l´は0〜6の整数、m、m´は0〜6の整数(ただし1≦l+m≦6、1≦l´+m´≦6)、n、n´は0〜7の整数(ただし1≦n+n´≦7)を表す。)で表される群より選ばれた乳酸系樹脂用可塑剤であれば特に限定されず、公知のものを使用することができる。なお、式中、l+m、l’+m’が6を超える場合、n+n’が7を超える場合には、樹脂との相溶性が悪くなり、得られる樹脂組成物の透明性が悪化するため好ましくない。これらの中では、Xがロジン類残基、Rが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、Rがメチル基、lが1、mが1、l´が1、m´が1、n+n´が3であるもの、及びFaが水素原子又はアセチル基、Hcが乳酸残基、kの平均が3〜5、Rが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、Rが水素原子、Rがメチル基、lが1、mが1、l´が1、m´が1、n+n´が3であるものを用いることが樹脂に対する可塑化効果が良好なことから好ましい。
本発明に用いられる(C)成分としては、アミド系滑剤であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、例えば、炭素数が18〜22程度の脂肪酸アミド、アルキレンビス脂肪酸アミドなどを使用することができ、例えば、ステアリン酸アミド、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、ベヘニン酸アミド、N−オレイルパルミトアミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどが挙げられるが、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドなどが挙げられ、これらは得られる樹脂組成物の透明性が良好な点から好ましく、特にステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、オレイン酸アミド、エチレンビスオレイン酸アミドを用いることが好ましい。当該(C)成分は、乳酸系樹脂より低い融点のものを用いることが好ましく、通常130℃以下の融点のものを用いることが好ましい。またこれらを2種以上併用してもよい。
本発明に用いられる(D)成分としては、ケイ素化合物であれば特に限定されず、公知のものを用いることができる。具体的には、シリカ、珪藻土等が挙げられる。これらの中では、平均粒子径7nm〜12μmのシリカ及び/又は平均粒子径7nm〜12μmの珪藻土を用いることが好ましい。
本発明の乳酸系樹脂組成物は、(A)成分を80〜90重量部程度(好ましくは82〜88重量部)、(B)成分を10〜20重量部程度(好ましくは12〜18重量部)を混合して得られた混合物100重量部に対し、(C)成分0.1〜1.0重量部程度、(D)成分0.1〜5.0重量部程度を配合したものである。(A)成分の使用量が90重量部より多くなると柔軟性が低くなり、80重量部より少なくなると(B)成分や(C)成分のブリードアウトが発生する。(B)成分の使用量が20重量部より多くなると(B)成分や(C)成分のブリードアウトが発生し、10重量部未満となると柔軟性が低くなる。(B)成分として一般式(1)で、Xが、Fa−(O−Hc−CO)k−O(Faは水素原子又は炭素数2〜20のアシル基、Hcはヒドロキシカルボン酸類残基、kは1〜60の整数を表す)で表される基を有するものを用いる場合には、15〜18重量部、一般式(1)で、Xが、Ro−COO−(Roはロジン類残基を表す。)で表される基を有するものを用いる場合には、10〜15重量部用いることが、耐ブリード性及び柔軟性のバランスの点で好ましい。(C)成分の使用量が(A)成分と(B)成分の混合物100重量部に対し、0.1重量部より少なくなると、耐ブロッキング性が低下し、1.0重量部より多くなると透明性が低くなる。(D)成分の使用量が(A)成分と(B)成分の混合物100重量部に対し、0.1重量部より少なくなると、耐ブロッキング性が低下し、5.0重量部より多くなると柔軟性や透明性が低くなる。
本発明の乳酸系樹脂組成物を調製する方法としては、特に制限はなく、例えば、通常のブレンダー又はミキサー等で混合する方法、押出機、バンバリーミキサー等を用いて溶融混練する方法等が挙げられる。また、樹脂の重合反応工程の段階から可塑剤を混合してもよい。
なお、本発明の乳酸系樹脂組成物には、可塑剤、アミド系滑剤及びケイ素化合物以外に4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド(重合度=10)、テトラメチルキシリレンカルボジミド(重合度=10)、4,4’−ジシクロヘキシルメタンカルボジイミド末端ポリエチレングリコール(重合度=5.5)、スタバクゾールP(商品名、バイエル社製)などの加水分解抑制剤、アミド系以外の滑剤、結晶核剤、帯電防止剤、発泡剤、耐熱安定剤、耐光安定剤、耐候安定剤、離型剤、無機充填剤、顔料分散剤、顔料、染料などの各種配合剤を、本発明の目的を損なわない範囲で含有させてもよい。
本発明の乳酸系樹脂組成物は一般的な熱可塑性プラスチックと同様に、押出し成形、射出成形、延伸フィルム成形、インフレーション成形、ブロー成形などの成形方法により成形することができ、家庭用品から工業用品に亘る広い用途、例えば、食品容器、電気部品、電子部品、自動車部品、機械機構部品、フィルム、シート、繊維などの素材として好適に使用できる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
製造例1
冷却管、分水器、及び攪拌装置をつけた1L容の反応容器にL−乳酸(PURAC社製商品名「HiPure90」、L−乳酸約90%含有)398.9g(乳酸4.0モル相当)、トリエチレングリコールモノメチルエーテル285.5g(1.7モル)を加え、220℃まで昇温した。次いで、トリフェニルフォスファイト2.4g、キシレン80gを添加し、還流下に反応生成水を分水器で除去しながら、10時間エステル化反応させた後、未反応物及びキシレンを減圧留去し、トリエチレングリコールモノメチルエーテル乳酸オリゴマーエステル517.8g(重量平均分子量約500、酸価5.2)を得た。
製造例2
製造例1と同様の反応容器に、製造例1で得たトリエチレングリコールモノメチルエーテル乳酸オリゴマーエステル517.8gを加え100℃まで昇温し、無水酢酸105.6gを10分かけて滴下した後120℃まで昇温した。5時間アセチル化反応させた後、185℃まで昇温しながら副生物や未反応物を減圧留去し、トリエチレングリコールモノメチルエーテル乳酸オリゴマー酢酸エステル551.0g(重量平均分子量約520、酸価4.7)を得た。
製造例3
製造例1と同様の反応容器に、ロジン(荒川化学工業(株)製商品名「KR−614」、デヒドロアビエチン酸約80%含有)392.6g(樹脂酸1.3モル相当)を加え加熱溶融させ、約150℃に保温しながら、トリエチレングリコールモノメチルエーテル234.8g(1.43モル)及びトリフェニルフォスファイト2.4gを15分かけて滴下した。滴下終了後280℃に昇温し、5時間保温した後、キシレン50gを添加し還流させた。反応生成水を分水器で除去しながら、14時間エステル化反応させた。次いで、未反応物及びキシレンを減圧留去し、トリエチレングリコールモノメチルエーテルロジンエステル566.8g(酸価4.1)を得た。
(実施例1〜6及び比較例1〜5)
ポリ乳酸A(三井化学(株)製商品名「LACEA H−440」、D乳酸含有量 4wt%)、ポリ乳酸B(三井化学(株)製商品名「LACEA H−280」、D乳酸含有量 12wt%)に対し前記製造例で得られた可塑剤、アミド系滑剤、ケイ素化合物X(日本アエロジル(株)製商品名「AEROSIL380」、粒子径7nmシリカ)、及びケイ素化合物Y(CELITE社製商品名「セライト281」、粒子径2〜12μm)を、表1及び2に示したように配合し、当該各配合物を設定温度190℃でブラベンダー社製トルクレオメーター(商品名「プラスチコーダーPL−2000」)により溶融混練し、各樹脂組成物を得た。この樹脂組成物を用いて、溶融温度170℃、冷却温度20℃で(株)神藤金属工業所製圧縮成形機(商品名「NF−50」)により圧縮成形し、厚み100μmのフィルムを作成し、このフィルムについて透明性評価、ガラス転移温度の測定、耐ブリード性の評価を行った。
(透明性)
得られたフィルムを目視により右の基準で評価した。○:濁りなし、×:濁りあり
(柔軟性)
得られたフィルムを用い、ガラス転移温度(Tg)を測定することで、指標とした。
ガラス転移温度はセイコー電子(株)製の示差走査熱量計(商品名 DSC220C)により測定を行った。
(耐ブリード性)
得られたフィルムを室温及び70℃恒温槽中でそれぞれ1週間静置した後、ブリードの程度を目視により右の基準で評価した。4:ブリードアウトなし、3:わずかにブリードアウトあり、2:ブリードアウトあり、1:ブリードアウトが著しい
(耐ブロッキング性)
得られた樹脂組成物を、溶融温度190℃、冷却温度40℃で上記圧縮成形機により圧縮成形し、厚み100μmのフィルムを作成した。得られたフィルムを二つに折り返し、40℃、700kPaで1時間荷重した。次いで、室温に戻し、接触面を引き剥がしたときのブロッキングの程度を以下の基準で評価を行った。
○:ブロッキングなし、△:わずかにブロッキングあり、×:ブロッキングあり、××:ブロッキングが著しい

実施例1〜6の配合と評価結果を表1に、比較例1〜6の配合と評価結果を表2に示した。
Figure 2006152102

表1中、ポリ乳酸欄のAは三井化学(株)製商品名「LACEA H−440」(D乳酸含有量 4wt%)、同欄のBは三井化学(株)製商品名「LACEA H−280」(D乳酸含有量 12wt%)、D乳酸/(D+L)乳酸比は、ポリ乳酸中に含まれるD−乳酸の含有率(D−乳酸含有量/(D−乳酸含有量+L−乳酸含有量))、滑剤欄のSAはステアリン酸アミド、EAはエルカ酸アミド、ケイ素化合物欄のXは日本アエロジル(株)製商品名「AEROSIL380」(粒子径7nmシリカ)、同欄のYはCELITE社製商品名「セライト281」(粒子径2〜12μm)をそれぞれ表す。
Figure 2006152102

表2中、ポリ乳酸欄のA、B、D乳酸/(D+L)乳酸比、滑剤欄のSA、ケイ素化合物欄のX、Yはいずれも表1の注記と同じ。

Claims (6)

  1. 乳酸系樹脂(A)80〜90重量部と、一般式(1):X−((CHR(CHR−O)((CHR−(CHR−O)−R(式中、Xは、Fa−(O−Hc−CO)k−O(Faは水素原子又は炭素数2〜20のアシル基、Hcはヒドロキシカルボン酸類残基、kは1〜60の整数を表す)又はRo−COO−(Roはロジン類残基を表す。)で表される基、R、R、R、Rは水素原子又はメチル基、Rは水素原子、炭素数1〜8のアルキル基又はアシル基、l、l´は0〜6の整数、m、m´は0〜6の整数(ただし1≦l+m≦6、1≦l´+m´≦6)、n、n´は0〜7の整数(ただし1≦n+n´≦7)を表す。)で表される乳酸系樹脂用可塑剤(B)10〜20重量部との混合物100重量部に対して、アミド系滑剤(C)0.1〜1.0重量部及びケイ素化合物(D)0.1〜5.0重量部を含有させることを特徴とする乳酸系樹脂組成物。
  2. アミド系滑剤(C)が、ステアリン酸アミド、エルカ酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、オレイン酸アミド及びエチレンビスオレイン酸アミドからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1記載の乳酸系樹脂組成物。
  3. ケイ素化合物(D)が平均粒子径7nm〜12μmのシリカ及び/又は平均粒子径7nm〜12μmの珪藻土であることを特徴とする請求項1又は2記載の乳酸系樹脂組成物。
  4. 乳酸系樹脂(A)が、D−乳酸含有量/(D−乳酸含有量+L−乳酸含有量)=0.02〜0.10の割合でD−乳酸を含有するものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の乳酸系樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を成形加工することにより得られる成形品。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載の組成物を成形加工することにより得られるフィルム。
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