JP2006193739A - 生分解性樹脂用改質剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】 加熱して改質剤を混練する場合でも分子量を維持しつつ、優れた柔軟性、粘接着性、密着性を付与し、また配合する他の材料との相溶性を改良した生分解性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】 植物より得ることのできるロジンアルコールの誘導体を生分解性樹脂に対し配合したところ、分子量を維持しつつ柔軟性、他の材料との相溶性、粘接着性、密着性の点で従来技術では得られなかった優れた生分解性樹脂組成物が得られる。

Description

本発明は、生分解性樹脂の分子量を保持しつつ成型加工品などに柔軟性を付与し、また配合する他の材料との相溶性、粘接着性、密着性を改良することができる生分解性樹脂用改質剤に関し、特に植物由来の再生可能資源であるポリ乳酸系樹脂用改質剤に関するものである。
石油等化石資源を原料とするポリプロピレン、ポリエチレン或いはポリ塩化ビニル等のプラスチックは食品包装用フィルム、電化製品、工業資材等に形を変え、我々の生活には欠かせない非常に重要なものである。しかしながら、このようなプラスチックは生分解性がほとんどない為に不必要となった後は自然界に半永久的に残り続け、生態系に大きな影響を及ぼし様々な面で環境破壊に通じていることは周知の事実である。
このような状況のもと、注目されているのが生分解性樹脂であり、中でも生分解性を有し、且つ化石資源由来のプラスチックからの転換を図ろうとしているのが、植物を原料とする、即ち植物由来の生分解性樹脂である。
特に近年注目されているのが、生産量も飛躍的に増大しているポリ乳酸系樹脂である。ポリ乳酸系樹脂が注目されている社会背景としては、限りある化石資源を節約する意味と、廃棄樹脂加工品の再資源化を目指している物質循環型社会システムの必要性が生じていることが挙げられる。化石資源を原料とする各種プラスチックは循環型システムから大きく外れている一方、トウモロコシあるいはジャガイモ等の植物から得られる糖又はそれらを発酵して得られる乳酸から合成されるポリ乳酸系樹脂は、再資源化を重要命題としている物質循環型システムを構築できるものとして期待されているからである。
ポリ乳酸系樹脂の原料は再生可能な資源であるトウモロコシあるいはジャガイモ等の穀物から得られた糖又はそれらを発酵して得られる乳酸から合成され、更に不要になったポリ乳酸系樹脂は自然環境下において容易に加水分解され微生物により分解した後、最終的に水と炭酸ガスになる。
ポリ乳酸系樹脂等の生分解性樹脂からなるフィルム、シート及び各種成型品等の樹脂加工品は、従来のプラスチックと同等の性能を示すことも知られている。
しかしながら、多くの利点を有するこれら樹脂加工品も、樹脂が硬いため広く利用する場合に加工性に劣る問題がある。この問題を解決するために添加される改質剤も、従来の塩化ビニル樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、アクリル樹脂などの柔軟性、粘接着性、密着性の付与、配合する他の材料との相溶性の改良には一定の効果を有するものの、これを生分解性樹脂に添加した場合には、分子量の低下をきたし、また改質性の効果も得られない。更に、従来の改質剤は主に化石資源を原料としており、再資源化を目指している物質循環型システムから大きく外れている問題もある。
特許文献1ではポリ乳酸への添加剤としてロジンのエステル誘導体が記載されているが、これらのエステル化合物ではポリ乳酸との相溶性に劣り、透明性の特徴を損ない、加工性も向上できない。また特許文献2には非塩素系樹脂用可塑剤としてロジン酸の誘導体が記載されているが、ポリ乳酸の改質に使用した場合、相溶性に劣るため期待する改質効果が得られないだけでなく、残存するロジン酸が熔融混合時ポリ乳酸の分子量の低下を起す問題、ロジン酸の誘導体は反応が不均一となることから安定した性能が得にくい問題、さらに経時での着色の問題などがありポリ乳酸の改質には実用上多くの問題を抱えており適切でない。この他各種エステル系化合物、オリゴマー類、ポリマー類が提案されているが、従来の技術からは必ずしも生分解性樹脂組成物に要求されている、加熱による加工時の分子量の低下を防止しつつ成型加工品などに柔軟性の付与、また配合する他の材料との相溶性の改良、粘接着性、密着性の付与などの性能が得られておらず、更なる改良が求められていた。
特開2001−49098号公報 特開2003−160736号公報
本発明の目的は、このような状況のもと、加熱して改質剤を練り込む場合でも分子量を維持しつつ、優れた柔軟性、粘接着性、密着性を付与し、また配合する他の材料との相溶性を改良した生分解性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは上記課題を解決する為に鋭意研究した結果、植物より得ることのできるロジンアルコールの誘導体を生分解性樹脂に配合したところ、分子量を維持しつつ柔軟性、他の材料との相溶性、粘接着性、密着性の点で従来技術で得られなかった優れた生分解性樹脂組成物が得られることを見出した。
すなわち本発明は、ロジンアルコール誘導体からなる生分解性樹脂用改質剤に関する。
生分解性樹脂、特にポリ乳酸に本発明に係わるロジンアルコール誘導体を配合することにより、物性の大幅な低下やブリードによる経時変化することなく分子量を維持しつつ、優れた柔軟性、粘接着性、密着性、他の材料との相溶性などの樹脂特性、加工性を付与することがを可能となる。従って、フィルム、シート、射出成形品、フィラメント、 不織布、ボトル、ヤーン、等の成形品は、家庭雑貨、(食品)包装資材、農業用、土木・建築用、水産用の資材、コンポスト資材等の広範囲における資材として好適に使用し得る。これらの技術を広く応用することにより、環境に与える負荷を軽減し、資源循環型社会の実現に貢献することができる。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明で原料として使用するロジンアルコールは、ロジンより得られるカルボキシル基を有するテルペン化合物を還元し得ることが出来る。工業的方法を例示すると、重金属触媒の存在下または300℃で高圧下、銅クロム触媒により樹脂酸メチルエステルを水素添加する方法、溶解したロジンをラネーニッケルで直接水素添加する方法、銅、コバルト、ニッケル系触媒を用いて高温、高圧下で水素添加しアルコールに還元する方法がとられる。又重合ロジンからも同様に対応するロジンアルコールに還元して得ることが出来る。本発明ではロジンアルコールの製造法はいずれでもよく、工業的原料として使用できれば良い。
ロジンより得られたロジンアルコールの組成には、テトラヒドロアビエチルアルコール、ジヒドロアビエチルアルコール、デヒドロアビエチルアルコールなどが含まれる。ロジンアルコールの酸価は3以下が一般的であるが、0.5以下のものも得ることができる。ロジンアルコールは色相も無色透明に近く、誘導体を得る際の反応安定性、得られた誘導体の色相、性能など安定した誘導体を得ることが出来る。
本発明のロジンアルコール誘導体には、ロジンアルコールのアルキレンオキサイド付加物、またはロジンアルコールとアルキレンオキサイド誘導体との反応物、ロジンアルコールとカルボキシル基を有する化合物との反応物、ロジンアルコールにアルキレンオキサイドを付加した後に、さらにカルボキシル基を有する化合物と反応させた化合物などが挙げられるが、特にこれらに限定されるものではなく、ロジンアルコールを原料として使用するものであればよい。
ロジンアルコールに付加するアルキレンオキサイドには、例えばエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドが挙げられる。一般的にアルキレンオキサイドの付加反応は加圧下で60℃〜250℃程度の反応温度で必要に応じて触媒を用いて行われる。アルキレンオキサイドの付加モル数は通常、活性水素あたり300モル以下が好ましい。柔軟性、相溶性が良好である点でアルキレンオキサイドの合計付加量1〜80モルが特に好ましい。使用するアルキレンオキサイドのうちエチレンオキサイドの量が多いと耐水性が低下するが、ポリ乳酸との溶解性は向上する。ブチレンオキサイドの量が多いと疎水性が強まりポリ乳酸との相溶性か低下する。したがって要求される性能に応じて付加するアルキレンオキサイドの種類、量、およびその付加形態(ブロック付加、ランダム付加)、付加順序を調整する。
本発明のロジンアルコール誘導体は、下記一般式(1)又は(2)で表わすこともできる。
Figure 2006193739
Figure 2006193739
(R、Rはロジンアルコール残基、R、Rは炭素数2〜4のアルキレンオキシ基を示す。mは1〜300の整数、nは0〜300の整数である。Rは炭素数7〜24の飽和または不飽和のアシル基、またはロジン酸残基を示す。具体的には、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、ペンタデカン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、イコサン酸、ベヘニン酸、オレイン酸等の残基、ロジン残基が挙げられる。
上記一般式(1)又は(2)で示される化合物は、ロジンアルコールに必要に応じ公知の方法で各種のアルキレンオキサイドを付加し、更に必要に応じ各種脂肪酸、ロジン酸等のカルボキシル基を有する化合物とを、これもまた公知の方法で、脱水縮合するなどして容易に合成することが出来る。ここで未反応のアルキレンオキサイド付加物や脂肪酸などが残留しても差し支えないが少ないほうが良い。具体的には、酸価が5mg−KOH/g以下であれば好ましく、1.0mg−KOH/g以下であればより好ましい。
本発明に係るロジンアルコール誘導体からなる生分解性樹脂用改質剤の生分解性樹脂に対する配合量は特に限定されるものではないが、改質効果及び機械的物性の点で生分解性樹脂100重量部に対し1〜80重量部配合することが好ましく、3〜55重量部配合することがより好ましい。
生分解性樹脂組成物は、機械的強度の保持の点で添加剤の加熱混練後の分子量保持率が80%以上であることが望ましいと言えるが、本発明に係るロジンアルコール誘導体はこの点においても満足できるものである。なお、本発明における分子量保持率は、以下の式により計算することができる。
Figure 2006193739
生分解性樹脂は水分により加水分解するため、改質剤を予め乾燥させることが望ましい。好ましくは本発明のロジンアルコール誘導体の水分量が1.0重量%以下である。
本発明に係るロジンアルコール系誘導体は、単独でも生分解性樹脂に配合することができるが、本発明の目的を損なわない範囲で、必要により本発明以外の公知の可塑剤、相溶化剤、改質樹脂剤、界面活性剤類などの1種又は2種以上を配合しても良い。
以下、本発明に係わる生分解性樹脂について説明する。
本発明に用いられる生分解性樹脂は、例えばヒドロキシカルボン酸、脂肪族多価アルコール、芳香族多価アルコール、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上からなる脂肪族ポリエステルや芳香族ポリエステルであって、生分解性を有する生分解性ポリエステル系樹脂を含む。
例えば、後述するポリ乳酸系樹脂、ポリエチレンサクシネート系樹脂、ポリエチレンサクシネートアジペート系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂、ポリブチレンサクシネートカーボネート系樹脂、ポリエチレンカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートアジペート系樹脂、ポリブチレンサクシネートテレフタレート系樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリグリコール酸系樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、ホモポリマーでもコポリマー(ランダム、ブロック、櫛型など)でも、いずれの形態をもとることができる。
特に、後述するポリ乳酸系樹脂、中でもポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンテレフタレートアジペート、ポリエチレンテレフタレートアジペートは、既に市販されており安価且つ容易に入手可能で好ましい。
これらを構成する単量体単位は化学修飾されていてもよく、異種の単量体の共重合物であってもよい。又、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸等の多価カルボン酸、酢酸セルロース、エチルセルロース等の多糖類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコールのうち1種又は2種以上と上記樹脂を構成する単量体の混合物との共重合体であってもよい。更に本発明の目的を阻害しない範囲で、例えばデンプン系樹脂、キトサン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂や石油系樹脂を配合しても構わない。
本発明に用いる生分解性樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)で、6万〜100万が好ましく、8万〜50万が更に好ましく、10万〜30万が最も好ましい。一般的には、重量平均分子量(Mw)が6万より小さい場合、樹脂組成物を成形加工して得られた成形体の機械物性が充分でなかったり、逆に分子量が100万を越える場合、成形加工時の溶融粘度が極端に高くなり取扱い困難となったり、製造上不経済となったりする場合がある。
分子量分布(Mw/Mn)も同様に、実質的に成形加工が可能で、充分な機械物性を示すものであれば特に制限されないが、一般的には1.5〜8が良く、2〜6がより好ましく、2〜5が最も好ましい。
本発明においてポリ乳酸系樹脂とは、乳酸単位を50重量%以上、好ましくは75重量%以上を含有する重合体を主成分とする重合体組成物を意味するものであり、原料に用いられる乳酸類としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はそれらの混合物又は乳酸の環状2量体であるラクタイドを使用することができる。また、ポリエチレンサクシネート系樹脂とは、エチレンサクシネート単位を50重量%以上、好ましくは75重量%以上を含有する重合体を主成分とする重合体組成物を意味するものであり、先に列記した他の生分解性樹脂についても同様である。
[ポリ乳酸系樹脂中の乳酸単位の構成割合]
ポリ乳酸系樹脂中の乳酸単位の構成としては、L−乳酸、D−乳酸及びこれらの混合物があるが、その用途によって適宜選択することができる。ポリ乳酸系樹脂として、ポリ乳酸を用いる場合は、L−乳酸が主成分の場合は、D−乳酸:L−乳酸=1:99〜30:70であることが好ましい。又、D−乳酸とL−乳酸の構成割合が異なる2種類以上のポリ乳酸をブレンドすることも可能である。逆にD−乳酸が主成分の場合は、L−乳酸:D−乳酸=1:99〜30:70であることが好ましく、D−乳酸とL−乳酸の構成割合が異なる2種類以上のポリ乳酸をブレンドすることも可能である。
本発明の目的を損なわない範囲において、その他の成分として乳酸以外の炭素数2〜10の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールなどからなるもの、又テレフタル酸などの芳香族化合物を含有するものであっても良い。これらを主成分とするホモポリマー、コポリマーならびにこれらの混合物を含んでもよい。又本発明の物性を著しく損なわない範囲で他の樹脂を混合してもよい。
本発明に用いる生分解性樹脂の製造方法は、公知の方法が用いられる。
例えば、本発明で好ましく用いられるポリ乳酸系樹脂の場合、乳酸を直接脱水縮重合する方法、或いは乳酸の環状2量体であるラクチドを開環重合する方法等、公知の方法が用いられるが、これに限定されるものではない。ポリ乳酸系樹脂の製造方法としては公知公用の方法を用いることができる。例えば、
(1)乳酸又は乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許5,310,865号に示されている製造方法)
(2)乳酸の環状二量体(ラクタイド)を溶融重合する開環重合法(例えば米国特許2,758,987号に開示されている製造方法)
(3)乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状二量体、例えばラクタイドやグリコライドとε-カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例えば米国特許4、057,537号に開示されている製造方法)
(4)乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許5,428,126号に開示されている製造方法)
(5)ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合する方法(例えば欧州特許公報0712880 A2号に開示されている製造方法)
(6)乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応を行う事によりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で固相重合を行う方法
等を挙げることができるが、その製造方法には特に限定されない。又少量のトリメチロールプロパン、グリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存させて共重合させても良く、又ジイソシアネート化合物等のような結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上げてもよい。
本発明の生分解性樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で可塑剤、相容化剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、無機フィラー等の各種添加剤、改質剤、充填剤を付加成分として添加することができる。
本発明の生分解性樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で先に例示した生分解性樹脂以外の樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン或いはポリ塩化ビニル等の化石資源を原料とする樹脂を付加成分として混合することができる。
生分解性樹脂を加熱加工するにあたり、水分による加水分解を抑制する為に乾燥する事が好ましい。
本発明によるロジンアルコール誘導体及び必要に応じ併用する添加剤などの配合は、混練能力のある一軸または多軸押し出し機などにより行われる。マスターバッチを作成し供給される方法も多く利用される。これらの装置を使用することにより得られる形状は、通常ペレット状、棒状、粉末状などであるが、特にこれらの方法及び形状に限定されるものではなく公知公用の混練技術を適用することが出来る。
本発明に係わる改質された生分解性樹脂組成物およびそれらに各種添加剤を配合したものの成型、フイルム化、シート化、ヤーン化などは、公知公用の成型法が適用出来る。また、例えば農業及び家庭用雑貨類、土木建築用資材類、電化用品類、包装資材、水産用資材などの広範囲における資材として好適に使用し得る。
以下実施例により本発明を説明する。ただし本発明は、これらの実施例により何らの制限をされるものではない。
生分解性樹脂およびその改質の目的で配合される化合物を表1に示した処方により配合し、評価を行なった。
Figure 2006193739
<生分解性樹脂>
a:三井化学(株)製ポリ乳酸LACEA H−280
b:三井化学(株)製ポリ乳酸LACEA H−100
c:昭和高分子(株)製ポリブチレンサクシネート系ビオノーレ3001
<改質の目的で配合される化合物>
1:ロジンアルコールのエチレンオキサイド10モル付加物
2:ロジンアルコールのエチレンオキサイド80モル付加物
3:ロジンアルコールのプロピレンオキサイド2モル、エチレンオキサイド
20モル付加物
4:ロジンアルコールのプロピレンオキサイド5モル付加物
5:ロジンアルコールのエチレンオキサイド10モル付加物とラウリン酸のエステル
<比較例で使用する化合物>
6.不均化ロジンのグリセリンエステル
7.不均化ロジンのエチレンオキサイド15モル付加物
8.不均化ロジンのプロピレンオキサイド付加物
9.ジブチルフタレート

※ロジンアルコール:イーストマンケミカル社製アビトールE
※不均化ロジン:東邦化学工業製変性ロジンA−100
改質に使用した化合物自体の性状を以下に示す。
Figure 2006193739
[シートの作成]
東洋精機(株)製プラストミルおよびプレス機を使用しシートを作成した。
混練条件:180℃、10分
プレス条件:200℃、15MPa,5分
試験は以下の方法によりシート作成直後に実施した。
[透明性]
シートを目視観察し、透明を○、半透明を△、不透明を×とした。相溶性についても透明性で観察した。
[ブリード状況]
シートを2週間後に観察、ブリードありを×、わずか感じる△、なしを○とした。
[密着性]
シート片面をアルミ箔と120℃でヒートシールし、アルミ面の剥離性を観察した。密着性ありを○、密着性なしを×とした。
[シート物性]
2mmのシートの破断強度、伸び率を引っ張り試験機で測定した。単位は強度がMPa、伸びが%。柔軟性はシートを屈曲した感触で評価した。良好を○、屈曲性なしまたは強度なしを×、やや屈曲性ありを△とした。
ポリ乳酸自体の物性は、下に示す通りである。
ポリ乳酸(a):強度約40MPa、伸び0%、柔軟性×
ポリ乳酸(b):強度約55MPa、伸び0%、柔軟性×
[分子量保持率]
クロマトカラムTSKgel SUPER HZM−M(東ソー製)をクロマトグラフィーSCL−10Avp(島津製作所製)に装着し、溶離液クロロホルム、流速0.6ml/min カラム温度40℃、サンプル濃度0.05wt%、サンプル注入量50μl、検出器RIの条件で測定を行い、ポリスチレン換算で作製したシートの重量平均分子量を算出した。使用した標準ポリスチレンの重量平均分子量は、1090000、706000、355000、190000、96400、37900、19600、10200、5570、2630、870、500である。
分子量保持率の評価は下記の基準で評価した。
90%以上 ・・・ 優
80%以上 ・・・ 良
80%未満 ・・・ 不良
[着色]
樹脂100gに対し50g配合し180℃、10分混練後の目視による評価。ガードナー法による判定とした。
実施例1〜6、比較例1〜4で得たサンプルの評価結果を表3にまとめる。
Figure 2006193739

Claims (10)

  1. ロジンアルコール誘導体からなる生分解性樹脂用改質剤。
  2. ロジンアルコール誘導体が、ロジンアルコールのアルキレンオキサイド付加物である請求項1に記載の生分解性樹脂用改質剤。
  3. ロジンアルコール誘導体が、ロジンアルコールとカルボキシル基を有する化合物との反応物である請求項1に記載の生分解性樹脂用改質剤。
  4. ロジンアルコール誘導体が、ロジンアルコールにアルキレンオキサイドを付加した後に、さらにカルボキシル基を有する化合物を反応させた化合物である請求項1に記載の生分解性樹脂用改質剤。
  5. 生分解性樹脂100重量部に対し、請求項1〜4のいずれか1項に記載の生分解性樹脂用改質剤を1〜80重量部配合したことを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  6. 生分解性樹脂が生分解性ポリエステル系樹脂である請求項5に記載の樹脂組成物。
  7. 生分解性樹脂がポリ乳酸系樹脂である請求項5に記載の樹脂組成物。
  8. 分子量保持率が80%以上である請求項5〜7のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  9. 分子量保持率が80%以上であり、柔軟性、粘接着性、相溶化性を改質した請求項5〜8のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  10. 請求項5〜9のいずれか1項に記載の樹脂組成物を原料として製造したフィルム、シート、ヤーン又は成型品。
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