JP2006199799A - 生分解性樹脂組成物およびその成型品 - Google Patents

生分解性樹脂組成物およびその成型品 Download PDF

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Abstract

【課題】
生分解性樹脂、中でもポリ乳酸系樹脂において表面へのブリードアウトを抑制し、優れた柔軟性を付与する為の可塑剤及びそれらを用いた組成物とフィルム、シートその他の成型品など応用製品を提供する。
【解決手段】
改質剤として水酸基価が30[mgKOH/g]以下になるまで末端水酸基がアルコキシ基で封鎖されたポリアルキレングリコールカーボネート化合物を含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物。ポリ乳酸等の生分解性樹脂に対し、末端をアルコキシ基で封鎖されたポリアルキレングリコールカーボネート化合物を添加することによって、経時安定性に優れ、透明で柔軟な樹脂組成物を得ることができる。

Description

本発明は生分解性樹脂組成物およびその成型品に関するものであり、詳しくは特にポリ乳酸系樹脂に対し特定の可塑剤を添加した組成物及びその成型品に関するものである。
近年、自然保護の観点から使用後に自然中で分解される、生分解性樹脂が求められている。生分解性樹脂には、脂肪族ポリエステル系、ポリビニルアルコール系、変性でんぷん系等がある。脂肪族ポリエステルにはポリブチルサクシネートやポリヒドロキシブチレートやポリ乳酸、ポリグリコール酸などがある。また、これら樹脂の原料に関しては、石油由来よりも植物由来の原料を用いるほうが環境への負荷が少ない。
この点から、ポリ乳酸樹脂等の生分解性ポリエステル系樹脂は環境に対する負荷の小さい樹脂であるといえる。また、融点が160〜180℃前後と高く、透明性に優れるなどの特徴をもち包装資材や成型品等の材料として大きな期待が持たれている。しかしながらポリエステル系樹脂の欠点として、分子鎖の剛直さに由来する硬さや脆さが挙げられ、柔軟性や耐衝撃性の求められる分野ではその用途が限定されていた。
これらの欠点を解決する方法として、例えば特許文献1にはエーテルエステル系可塑剤の使用による可塑化が試みられている。しかしながらこれら2塩基酸のエステルは経時におけるブリードアウトが大きく製品の汚れが問題となる。特許文献2、特許文献3および特許文献4にはポリエチレングリコールジアルキルエステルを可塑剤に用いる事が提案されているが、これらは柔軟性には優れるものの揮発性が高く、またブリードアウトを起こしやすいという欠点がある。特許文献5には架橋ポリカーボネートをポリ乳酸に添加し脆さの改善を図る事が述べられている。特許文献6にはポリエチレンカーボネートを主体としたポリアルキレンカーボネートをポリ乳酸に添加し、柔軟性を向上させ、更には、ガスバリア性を向上させる事が述べられている。しかし、樹脂の透明性の維持という点において十分とはいえない。
これらから明らかなように現状では実用上満足のゆく可塑剤は開発されておらず、樹脂の透明性を維持しつつ安定性がよく、柔軟性に優れたポリエステル系樹脂用可塑剤が強く求められている。
特開平11―181262号公報 特開平8―199052号公報 特開平8―199053号公報 特開平8―283557号公報 特開平11―140292号公報 特開2003―213113号公報
本発明は生分解性樹脂、中でもポリ乳酸系樹脂において表面へのブリードアウトを抑制し、その外観を損なうことなく優れた柔軟性を付与する為の可塑剤及びそれらを用いた組成物とフィルム、シート、繊維その他の成型品を提供する事を課題とする。
このような本発明の目的を達成する為に、鋭意検討を行ったところ特定の構造を有するポリエーテルカーボネート化合物が優れた可塑効果をもち、またブリードアウトが抑制されており、また樹脂の外観を損なわないことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、改質剤として水酸基価が30[mgKOH/g]以下になるまで末端水酸基がアルコキシ基で封鎖されたポリアルキレングリコールカーボネート化合物を含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物である。
生分解性樹脂に対し、本発明に係る前記ポリアルキレングリコールカーボネート化合物を添加することによって、樹脂の外観を損なうことなく経時安定性に優れ、柔軟な生分解性樹脂組成物を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明に係る末端がアルコキシ基で封鎖されたポリアルキレングリコールカーボネート化合物の好ましい態様は、下記一般式(1)又は/及び(2)で表される化合物である。
Figure 2006199799
(式中R、Rはそれぞれ独立して水素または炭素数が1〜22のアルキル基またはアルケニル基を示す。R、R、Rはそれぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基を示す。その付加形態はランダムであってもブロックであってもよい。またm、m’、nはそれぞれ独立して0〜50の整数である。ただし、m+m’+nは2以上である。kは1〜100の整数を示す。)
Figure 2006199799
(式中R、Rはそれぞれ独立して水素または炭素数が1〜22のアルキル基またはアルケニル基を示す。R、Rはそれぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基を示す。その付加形態はランダムであってもブロックであってもよい。またp、qはそれぞれ独立して0〜50の整数である。ただし、p+qは1以上である。)
上記の内でさらに好ましくは、R、R、R、Rがそれぞれ独立して水素または炭素数が1〜12のアルキル基またはアルケニル基で、少なくとも一方は炭素数が1〜12のアルキル基またはアルケニル基であること、R〜R、R、Rはそれぞれ独立して炭素数2又は3又はそれらの混合(ランダム又はブロック)のアルキレン基であること、またm、m’及びnはそれぞれ独立して0〜20の整数、kは1〜20の整数である。
本発明に係るポリアルキレングリコールポリカーボネート化合物は、カルボニル化合物とジオールを反応させることにより得ることができる。各反応成分の代表的なものを下記に示す。カルボニル化合物には、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジフェニルカーボネート等の炭酸ジエステル、クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチル、クロロ炭酸フェニルなどのクロロ炭酸エステル、ホスゲン又はこれらの等価体が用いられる。また、炭酸ガスを使用する事も出来る。これらカルボニル化合物のうち原料入手のしやすさ、反応性、ハンドリングの良さ等の点からより好ましいものとしては、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジフェニルカーボネートが挙げられる。ただし、カルボニル化合物はこれらに限定されるものではない。
本発明に係るポリアルキレングリコールカーボネート化合物の合成に利用できるジオールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコールやジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、酸化エチレンと酸化プロピレンの共重合体、ネオペンチルグリコール、1,3プロピレングリコール、1,3ブタンジオール、1,4ブタンジオール、1,6ヘキサンジオール、1,4シクロヘキサンジオール、ソルバイドや上記ジオールに対してエチレンオキサイド又は及びプロピレンオキサイドを付加したものが挙げられる。またグリセリンやトリメチロールプロパン、ソルビトールなどのトリオール以上の多価アルコールの一部をエーテルやエステル、ウレア結合の導入で封鎖したもの、あるいはそれらにエチレンオキサイドまたは若しくはプロピレンオキサイドを付加させたものが挙げられる。ただしこれらに限定されるものではない。
本発明に係るポリアルキレングリコールポリカーボネート化合物はまた、カルボニル化合物と一方の水酸基がアルコキシ化されたジオールを反応させることによっても得ることができる。この場合、当該アルコキシ基の炭素数は1〜12が好ましい。
本発明に係るポリアルキレングリコールポリカーボネート化合物の水酸基価は30[mgKOH/g]以下であるが、好ましくは20[mgKOH/g]以下であり、より好ましく15[mgKOH/g]以下、特に好ましくは10[mgKOH/g]以下である。水酸基価が30[mgKOH/g]を超えた場合、生分解性樹脂との相容性に劣り、また樹脂の分解を引き起こし、外観その他の諸性能が損なわれることがある。水酸基価を30[mgKOH/g]以下とするためのポリカーボネートの分子末端の調整は、重合終了後にアルコール成分、あるいはジアルキルカーボネートもしくはクロロ炭酸エステルを添加し反応させることで調整することができるが、特にこの方法に限定されるものではない。
本発明においてポリアルキレングリコールカーボネート化合物の分子量は特に制限されるものではないが、好ましくは重量平均分子量400以上10,000以下、より好ましくは600以上5,000以下の範囲である。400未満の場合可塑性、相溶性は良いが加工時の加熱時に揮発する成分が多く発生する。また、樹脂の物性の経時的安定性に劣る問題もある。一方、10,000を超えると相溶性や可塑性の低下が見られる。
以下、本発明に係わる生分解性樹脂について説明する。
本発明に用いられる生分解性樹脂は、例えばヒドロキシカルボン酸、脂肪族多価アルコール、芳香族多価アルコール、脂肪族多価カルボン酸、芳香族多価カルボン酸から選ばれる少なくとも1種又は2種以上からなる脂肪族ポリエステルや芳香族ポリエステルであって、生分解性を有する熱可塑性樹脂である。
ホモポリマー、コポリマー(ランダム、ブロック、櫛型など)の形態をとる事もできる。
例えば、後述するポリ乳酸系樹脂、ポリエチレンサクシネート系樹脂、ポリエチレンサクシネートアジペート系樹脂、ポリブチレンサクシネート系樹脂、ポリブチレンサクシネートアジペート系樹脂、ポリブチレンサクシネートカーボネート系樹脂、ポリエチレンカーボネート系樹脂、ポリエチレンテレフタレートアジペート系樹脂、ポリブチレンサクシネートテレフタレート系樹脂、ポリブチレンアジペートテレフタレート系樹脂、ポリカプロラクトン系樹脂、ポリグリコール酸系樹脂等が挙げられる。
特に、後述するポリ乳酸系樹脂更にはポリ乳酸、ポリカプロラクトン、ポリブチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネートアジペート、ポリブチレンテレフタレートアジペート、ポリエチレンテレフタレートアジペートは、既に市販されており安価且つ容易に入手可能で好ましい。
これらを構成する単量体単位は化学修飾されていてもよく、異種の単量体の共重合物であってもよい。又、グリコール酸、3−ヒドロキシ酪酸等のヒドロキシカルボン酸、コハク酸、アジピン酸等の多価カルボン酸、酢酸セルロース、エチルセルロース等の多糖類、エチレングリコール、ジエチレングリコール等の多価アルコールのうち1種又は2種以上と上記樹脂を構成する単量体の混合物との共重合体であってもよい。更に本発明の目的を阻害しない範囲で、例えばデンプン系樹脂、キトサン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂や石油系樹脂を配合しても構わない。
本発明に用いる生分解性樹脂の分子量は、重量平均分子量(Mw)で、6万〜100万が好ましく、8万〜50万が更に好ましく、10万〜30万が最も好ましい。一般的には、重量平均分子量(Mw)が6万より小さい場合、樹脂組成物を成形加工して得られた成形体の機械物性が充分でなかったり、逆に分子量が100万を越える場合、成形加工時の溶融粘度が極端に高くなり取扱い困難となったり、製造上不経済となったりする場合がある。
分子量分布(Mw/Mn)も同様、実質的に成形加工が可能で、実質的に充分な機械物性を示すものであれば特に制限されないが、一般的には1.5〜8が良く、1.5〜5が好ましい。
本発明においてポリ乳酸系樹脂は、乳酸単位を50重量%以上、好ましくは75重量%以上を含有する重合体を主成分とする重合体組成物を意味するものであり、原料に用いられる乳酸類としては、L−乳酸、D−乳酸、DL−乳酸又はそれらの混合物又は乳酸の環状2量体であるラクタイドを使用することができる。また、ポリエチレンサクシネート系樹脂とは、エチレンサクシネート単位を50重量%以上、好ましくは75重量%以上を含有する重合体を主成分とする重合体組成物を意味するものであり、先に列記した他の生分解性樹脂についても同様である。
[ポリ乳酸系樹脂中の乳酸単位の構成割合]
ポリ乳酸系樹脂中の乳酸単位の構成としては、L−乳酸、D−乳酸及びこれらの混合物があるが、その用途によって適宜選択することができる。ポリ乳酸系樹脂として、ポリ乳酸を用いる場合は、L−乳酸が主成分の場合は、D−乳酸:L−乳酸=1:99〜30:70であることが好ましい。又、D−乳酸とL−乳酸の構成割合が異なる2種類以上のポリ乳酸をブレンドすることも可能である。逆にD−乳酸が主成分の場合は、L−乳酸:D−乳酸=1:99〜30:70であることが好ましく、D−乳酸とL−乳酸の構成割合が異なる2種類以上のポリ乳酸をブレンドすることも可能である。
本発明の目的を損なわない範囲において、その他の成分として乳酸以外の炭素数2〜10の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、又は脂肪族ジカルボン酸、脂肪族ジオールなどからなるもの、又テレフタル酸などの芳香族化合物を含有するものであっても良い。これらを主成分とするホモポリマー、コポリマーならびにこれらの混合物を含んでもよい。又本発明の物性を著しく損なわない範囲で他の樹脂を混合してもよい。
本発明に用いる生分解性樹脂の製造方法は、公知の方法が用いられる。
例えば、本発明で好ましく用いられるポリ乳酸系樹脂の場合、乳酸を直接脱水縮重合する方法、或いは乳酸の環状2量体であるラクチドを開環重合する方法等、公知の方法が用いられるが、これに限定されるものではない。ポリ乳酸系樹脂の製造方法としては公知公用の方法を用いることができる。
例えば、(1)乳酸又は乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の混合物を原料として、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許5,310,865号に示されている製造方法)(2)乳酸の環状二量体(ラクタイド)を溶融重合する開環重合法(例えば米国特許2,758,987号に開示されている製造方法)(3)乳酸と脂肪族ヒドロキシカルボン酸の環状二量体、例えばラクタイドやグリコライドとε-カプロラクトンを、触媒の存在下、溶融重合する開環重合法(例えば米国特許4、057,537号に開示されている製造方法)(4)乳酸、脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸の混合物を、直接脱水重縮合する方法(例えば米国特許5,428,126号に開示されている製造方法)(5)ポリ乳酸と脂肪族二価アルコールと脂肪族二塩基酸とのポリマーを、有機溶媒存在下に縮合する方法(例えば欧州特許公報0712880 A2号に開示されている製造方法)(6)乳酸を触媒の存在下、脱水重縮合反応を行う事によりポリエステル重合体を製造するに際し、少なくとも一部の工程で固相重合を行う方法等を挙げることができるが、その製造方法には特に限定されない。
又少量のトリメチロールプロパン、グリセリンのような脂肪族多価アルコール、ブタンテトラカルボン酸のような脂肪族多塩基酸、多糖類等のような多価アルコール類を共存させて共重合させても良く、又ジイソシアネート化合物等のような結合剤(高分子鎖延長剤)を用いて分子量を上げてもよい。
本発明の生分解性樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で可塑剤、相容化剤、酸化防止剤、滑剤、着色剤、紫外線吸収剤、光安定剤、顔料、無機フィラー等の各種添加剤、改質剤、充填剤を付加成分として添加することができる。
本発明の生分解性樹脂には、本発明の目的を損なわない範囲で先に例示した生分解性樹脂以外の樹脂、例えばポリプロピレン、ポリエチレン或いはポリ塩化ビニル等の化石資源を原料とする樹脂を付加成分として混合することができる。
生分解性樹脂を加熱加工するにあたり、水分による加水分解を抑制する為に乾燥する事が好ましい。
また本発明は、上記樹脂組成物からなるフィルム、シート、繊維その他の成型品でもある。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、樹脂組成物等の物性の測定及び評価は以下の方法に従って行った。
(1) 重量平均分子量(Mw)
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、測定装置:東ソー社製GPCシステム/HLC-8120GPC、カラム:TSKgel superHM-M+H−2000、+H-2003、溶離液:THF、検出器:示差屈折計として、ポリエチレングリコール標準試料から用いた検量線から換算して求めた。
(2) 透明性(ヘイズ値)
所定の方法で得た厚さ100μmのプレスフィルムについて、23℃、相対湿度50%の条件中に3日間放置した後、ヘイズメーターを用いて、ヘイズを測定した。なお、ヘイズ値が小さいほど透明性に優れている。
(3)引張り強度の試験方法
JIS K7113の試験方法を参考にして、試験機エーアンドディー社製(型式:オリエンテックUCT-25T)を用いて下記の条件で行った。
引張り速度:50 mm / min.
使用試験片:2号形試験片(ダンベル型)
(合成例1)
冷却管及び検水管を備えた1Lフラスコに、PPG400(ポリプロピレングリコール:平均分子量400)を400g(1.0モル)とジメチルカーボネート(DMC)45g(0.5モル)、30%ソジウムメチラート0.54g(0.003モル)を仕込み、常圧下100〜120℃まで加熱して、副生するメタノールをDMCと共沸留去しエステル交換反応を行う。留出が始まったら更に135g(1.5モル)のDMCを6時間かけて滴下し反応を行う。DMCの滴下速度はその留出速度に合わせ、反応系内のDMCが水酸基に対し1.2当量を超える過剰量とならない速度で行う。反応時、適宜サンプリングしGPCにて反応の進行を確認する。5時間後、留出が少なくなったところで更にDMCを135g(1.5モル)追加し、温度を140℃まで昇温し、留出を行いながら3時間で反応を完結させる。その後90℃まで冷却し、pHを確認しながら燐酸で触媒を中和する。これをロータリーエバポレータで減圧トッピングし、未反応のDMCおよびメタノールを留去することで、水酸基価が6.3(mgKOH/g)で重量平均分子量2100のポリプロピレングリコールポリカーボネート(化合物A)440gを得た。
(合成例2〜5)
ジエチレングリコール(DEG)、PEG400(ポリエチレングリコール:平均分子量400)、PTMG1000(ポリテトラメチレングリコール:平均分子量1000)、PPG600-PEG400(平均分子量が600であるポリプロピレングリコール(PPG600)にエチレンオキサイド9モルを付加したブロックコポリマー:平均分子量1000)を用いた以外は、DMCを使用する点や、反応モル比等の諸条件を合成例1と同様に合成を行い表1に示すポリアルキレングリコールポリカーボネート(化合物B〜E)を得た。
(合成例6)
前記1Lフラスコにトリエチレングリコールを300g(2.0モル)とDMCを90g(1.0モル)、30%ソジウムメチラート1.1g(0.006モル)を仕込み、常圧下100〜120℃まで加熱し、副生するメタノールをDMCと共沸留去しエステル交換反応を行う。留出が始まったら、更に270g(3.0モル)のDMCを6時間かけて滴下し反応を行う。DMCの滴下速度はその留出速度に合わせ、反応系内のDMCが水酸基に対し1.2当量を超える過剰量とならない速度で行う。反応時、適宜サンプリングしGPCにて反応の進行を確認する。5時間後、留出が少なくなったところで、ラウリルトリエチレングリコールを254g(0.8モル)及びDMC90g(1.0モル)を追加し、温度を140℃まで昇温し、副生するメタノールを留去し、4時間で反応を完結させる。得られた合成液を100℃まで冷却し、これに吸着剤(キョウワード700)15gを添加し、80〜90℃で1時間撹拌後ろ過して触媒を除去した。その後減圧トッピングし、水酸基価が4.7(mgKOH/g)で重量平均分子量1,900のカーボネート(化合物F)550gを得た。
(合成例7)
前記1LフラスコにメトキシPEG1000(メトキシポリエチレングリコール:重量平均分子量1000)を500gとジフェニルカーボネート(DPC)60g(0.28モル)、30%ソジウムメチラート0.6g(0.003モル)を仕込み、減圧下140〜150℃で5時間撹拌し、フェノールを留去しながらエステル交換反応を行った。合成液を2Lの2%炭酸アンモニウム水溶液で水洗し触媒を除去、イオン交換水で水層が中性になるまで水洗後、ロータリーエバポレータで減圧トッピングし、未反応のDPCおよびフェノールを除去することで、水酸基価が5.6(mgKOH/g)で重量平均分子量1,800のジ(メトキシPEG1000)カーボネート(化合物G)520gを得た。
(合成例8)
ラウリルアルコールのエチレンオキサイド3モル付加体を用いる以外は、DPCを使用する点や、反応モル比等の諸条件を合成例7と同様にして水酸基価が13.6(mgKOH/g)で重量平均分子量630のジ(ラウリルトリエチレングリコール)カーボネートである化合物Hを得た。
(合成例9)
前記1Lフラスコに平均分子量400のポリエチレングリコール(PEG400)を400g(1.0モル)とDMCを45g(0.5モル)、30%ソジウムメチラート0.54g(0.003モル)を仕込み、常圧下100〜120℃まで加熱し、副生するメタノールをDMCと共沸留去しエステル交換反応を行う。留出が始まったら、更に135g(1.5モル)のDMCを6時間かけて滴下し反応を行う。DMCの滴下速度はその留出速度に合わせ、反応系内のDMCが水酸基に対し1.2当量を超える過剰量とならない速度で行う。反応時、適宜サンプリングしGPCにて反応の進行を確認する。5時間後、留出が少なくなったところで反応を終了し、90℃まで冷却し、pHを確認しながら燐酸で触媒を中和する。得られた合成液は合成例1と同様に触媒除去後、減圧トッピングし、水酸基価が33.7(mgKOH/g)で重量平均分子量2,000のPEG400カーボネート(比較化合物I)400gを得た。
(実施例1)
ポリ乳酸(三井化学(株)製「レイシアH-100」)100重量部に対し20部の化合物Aを添加し2軸混練押出機(東洋精機製)にて180℃で平均5分間溶融混合し混合物チップを得た。チップから加圧成型により樹脂プレートを作製し、これを機械加工する事により各種の試験片を作製した。
(実施例2〜8)
それぞれ化合物B〜Hを用いた以外は、実施例1と同様に試験片を作製した。
(比較例1,2)
それぞれ比較化合物I、PEG400を用いた以外は、実施例1と同様に試験片を作製した。
(比較例3〜7)
それぞれ可塑剤としてジブチルフタレート(DBP)、ジオクチルアジペート(DOA)、トリアセチン、ジラウリルカーボネート、PEG400ジカプリレートを用いた以外は実施例1と同様に試験片を作製した。
Figure 2006199799
Figure 2006199799
表2に示した結果から明らかなように、生分解性樹脂に対し本発明に係る前記ポリアルキレングリコールカーボネート化合物を添加することによって、樹脂の外観を損なうことなく経時安定性に優れ、柔軟な生分解性樹脂組成物を得ることができる。

Claims (6)

  1. 改質剤として、水酸基価が30[mgKOH/g]以下になるまで末端水酸基がアルコキシ基で封鎖されたポリアルキレングリコールカーボネート化合物を含有することを特徴とする生分解性樹脂組成物。
  2. 末端がアルコキシ基で封鎖されたポリアルキレングリコールカーボネート化合物が下記一般式(1)又は/及び(2)で表される化合物である請求項1に記載の生分解性樹脂組成物。
    Figure 2006199799
    式中R、Rはそれぞれ独立して水素または炭素数が1〜22のアルキル基またはアルケニル基を示す。R、R、Rはそれぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基を示す。その付加形態はランダムであってもブロックであってもよい。またm、m’、nはそれぞれ独立して0〜50の整数である。ただし、m+m’+nは2以上である。kは1〜100の整数を示す。
    Figure 2006199799
    式中R、Rはそれぞれ独立して水素または炭素数が1〜22のアルキル基またはアルケニル基を示す。R、Rはそれぞれ独立して炭素数2〜6のアルキレン基を示す。その付加形態はランダムであってもブロックであってもよい。またp、qはそれぞれ独立して0〜50の整数である。ただし、p+qは1以上である。
  3. 生分解性樹脂が生分解性ポリエステル系樹脂である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  4. 生分解性樹脂がポリ乳酸系樹脂である請求項1または2に記載の樹脂組成物。
  5. 樹脂100重量部につき、改質剤として前記ポリアルキレングリコールカーボネート化合物を0.1〜100重量部含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の改質された樹脂組成物を用いたシート、フィルム、繊維その他の成型品。
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