JPS627840Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 本考案は、金属製の建具に関し、特に框に対し
て複数の竪框、中骨および額縁付パネルを固定す
る構造に関する。

従来技術 玄関ドアなどの建具は、意匠上の観点から複数
の竪横中骨で形成される空間に複数の飾り額縁を
付パネル組み入れて構成してある。このためこの
種の建具の組み立てが繁雑であり、その製品価格
が高価なものとなつている。

考案の目的 本考案の目的は、この種の飾り額縁付パネルを
備えた建具の組み立てを簡便にし、能率的に組み
立て得る構造を提供する点にある。

考案の解決手段 そこで、本考案は、竪方向の補助框やそれらの
間の竪中骨の間で、横中骨を互い違いに配列し、
竪中骨の両見込面部分で横中骨を異なる位置に固
定するようにしている。この結果、竪中骨に対す
る一方の見込面側の横中骨の取り付け位置が他方
の見込面側の横中骨と異なる位置にあるため、そ
れらの横中骨の固定が同じ位置での突き合わせ形
式のものに比較して、ねじ止めによつて簡単に行
える。

また、これらの補助框および中骨で形成される
空間内に額縁付のパネルが組み込まれているた
め、全体として１枚のパネル体が形成でき、これ
により、框組みへの取り付けが楽に行える。

実施例 第１図ないし第３図は、本考案に係る建具１を
示している。この建具１は、一対の竪框２，３、
上框４および下框５を方形状に組み合わせ、それ
らの内側面に４本の補助框６を取り付け、これら
の補助框６の間に例えば２本の竪中骨７および７
本の横中骨８を互い違いの状態で設けるととも
に、上記補助框６、竪中骨７および横中骨８によ
り形成される空間に合計10個の額縁９，１０を組
み入れて構成されている。それぞれの額縁９，１
０は、その外側面に形成した係合突片１１を上記
の補助框６および横中骨８および竪中骨７の見込
面に形成されている係止突片１２に係り合わせて
外れ止め状態となつている。

４本の補助框６は、角度切りの状態でコーナー
を形成し、それぞれ外側の部分に取付板１３を有
している。この取付板１３は、竪框２，３、上框
４および下框５の内側見込面に形成された取付板
１４に対しねじ１５により固定されている。この
ねじ１５の螺入のために室内側において補助框６
と下框５との間および竪框２，３と補助框６との
間に空間が形成されるが、この空間には、目地材
１６がはめ込まれている。

そして上下の補助框６の間に２本の竪中骨７が
縦方向に取り付けられ、これらの竪中骨７と竪框
２，３との間に横中骨８が互い違い（段違い）の
状態で取り付けられる。これらの横中骨８および
竪中骨７の固定は、後に説明するようにねじ止め
手段例えばタツピンねじ１９により竪中骨７また
は補助框６に対して取り付けられる。

前記係止突片１２は、竪中骨７、横中骨８、お
よび補助框６の見込面の位置において一体的に２
個形成されており、額縁９，１０の外周に設けら
れた２個の係合突片１１は、それぞれの係止突片
１２の内側にはめ込まれ、見込方向への動きを阻
止された状態で固定されている。そして額縁９，
１０は、内部にパネルとしてのガラス板１７をパ
ツキン１８により保持している。

なお、横中骨８は、第４図に示すように端部に
４つの溝２０を有し、この溝２０の部分で竪中骨
７の２個の係止突片１２にはまり合つている。も
ちろんこの溝２０は、補助框６の一対の係合突片
１１に対してもはまり合う。

ここで建具１の組み立ての順序を説明してお
く。第６図は、建具１の各部分を分解した状態を
示している。これを組み立てる場合には、まず２
本の竪中骨７にそれぞれ２本の横中骨８を外側か
らそれぞれタツピンねじ１９で固定し、ついで中
央の４個の額縁９の間に中央の３本の横中骨８を
配置し、これらの横中骨８を竪中骨７に外側から
タツピンねじ１９で固定し、その後に左右の竪中
骨７の外側にそれぞれ３個の額縁１０を当てがつ
てから、これらの上下および左右を４本の補助框
６で方形状に囲み、それぞれの補助框６をタツピ
ンねじ１９で竪中骨７または横中骨８に固定し、
各補助框６はコーナー部でタツピンねじ１９によ
り連結固定する。この固定時に、ある竪中骨７に
対し一方の見込面側の横中骨８と他方の見込面側
の横中骨８とが異なる高さ、すなわち段違いの状
態で配置されているため、それらの横中骨８に対
するねじ止めが竪中骨７を挟んで反対側にある横
中骨８の存在に影響されず、竪中骨７の取り付け
側の見込面と異なる側の見込面から簡単に行え
る。このようにして竪中骨７、横中骨８および額
縁９，１０は、全体として１つのパネル体として
組み合わせられる。

ついでこれらの外側から一対の竪框２，３を当
てがい、その上下に上框４、下框５を配置し、こ
れらの上框４、下框５を一対の竪框２，３の間に
挟んで図示しない連結具、およびタツピンねじな
どで、框組みとして固定する。もちろん４本の補
助框６は、既に述べたねじ１５により、取付板１
３，１４の部分で一対の竪框２，３、上框４およ
び下框５に対してそれぞれ取り付けられる。

考案の変形例 なお、上記実施例は２本の竪中骨７に対し、７
本の横中骨８を組み合わせているが、これらの中
骨の本数は、任意に設定すべきものである。

上記実施例は、一対の係止突片１２の内部に２
個の係合突片１１をはめ込んでいるが、このはめ
込みの関係は、第５図ａに示すように、２個の係
合突片１１を外側とし、係止突片１２を内側とす
るようにしてもよい。また係合突片１１は、第５
図ｂに示すように、１個のものとして構成しても
よく、また同図ｃに示すように、係止突片１２を
１個のものとして構成してもよい。

考案の効果 本考案によれば、補助框、竪中骨および横中骨
を連結していく過程で、横中骨が補助框および竪
中骨の間で、段違いの状態で配列されているた
め、それらの接合部分でのねじ止めが接合面と異
なる見込面側から他の横中骨に邪魔されないで簡
単に行え、また竪中骨、横中骨および補助框の間
で形成される空間に額縁付パネルが拘束状態で組
み込まれ、全体として１枚のパネル体が形成され
るため、これらの１枚のパネル体の框組に対する
取り付け作業が簡単に行える。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の建具の正面図、第２図は第１
図の−線における断面図、第３図は第１図の
−線における断面図、第４図は竪中骨と横中
骨との結合部分の分解斜面図、第５図は額縁と補
助框の結合部分の他の実施例を示す一部の断面
図、第６図は建具を組み立てる場合の分解正面図
である。 １……建具、２，３……竪框、４……上框、５
……下框、６……補助框、７……竪中骨、８……
横中骨、９，１０……額縁、１１……係合突片、
１２……係止突片、１３……取付板。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上下の補助框の間に固定される竪中骨を、これ
   らの竪中骨をはさんで互い違いの配列状態で竪中
   骨にねじ止めされる複数の横中骨、これらの横中
   骨にねじ止めされる左右の補助框と、これらの補
   助框、竪中骨および横中骨で形成される空間内に
   組み込まれる額縁付のパネルとから一枚のパネル
   体を組み立て、このパネル体を方形状に連結され
   る一対の竪框、上下框内に組み込んでなることを
   特徴とする建具。