JPS62665Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 自動車に手押車や乳母車等を載せるために、た
とえば実公昭48−41404号公報に示すように、
種々の取付構造があるが、この考案は、身体障害
者用の車椅子の固定構造に関するものである。

学童用などの車椅子は軽量に作られておりフレ
ームも小径のもので構成されている。従つてこの
フレームにロープを掛けて自動車の床板に固縛す
ると、走行中に働らく慣性力などによりフレーム
が曲がつてしまうという不具合がある。

これに鑑み本考案は、車椅子の前後の車輪を床
板に対して直接に固定するようにしたものであつ
て、その構造は第１図ないし第７図に示す実施例
のようになつている。

第１図は車椅子を固定した状態を示す側面図
で、車椅子１の左右の前輪２を床板３に固設した
それぞれの係止金具４の内に挿入し、また左右の
後輪５にはその上に係止板６を掛け渡しこれを床
板３に着設するようになつている。また車椅子１
に着座した身体障害者はシートベルト７を着用
し、シートベルト７の端部は床板３に固設したア
イボルト８に係止するようになつている。

第２図、第３図は前輪２を挿入する係止金具４
のまわりの構造を示し、床板３の上下面に当て板
１１，１２をあてて、上方の当て板１１の上に前
輪２のほぼ前半部を被包するように形成した係止
金具４を載せ、これらを取付ネジ１３およびナツ
ト１４で床板３に固設するようにしてある。

第４図は後輪５に掛け渡す係止板６のまわりの
構造を示し、係止板６の両端部６ａは左右の後輪
５の頂部に広い面積で当接するように波形状に形
成してあり、両端部６ａの間に適宜の補強材２１
を溶接して剛性を持たせるとともに、係止板６の
中央部に取付ボルト２２の挿通孔６ｂが設けてあ
る。

また床板３の上下面に当て板２３，２４をあて
て、これらを取付ネジ２５およびナツト２６で床
板３に固設するようにしてある。なお当て板２
３，２４、および床板３には取付ボルト２２の挿
通孔２３ａ，２４ａ、および３ａを設けるととも
に、上方の当て板２３の下面にナツト２７を溶接
してある。

従つて係止板６を左右の後輪５の上に掛け渡
し、係止板６の挿通孔６ｂから取付ボルト２２を
差し込み、取付ボルト２２を当て板２３に固着し
たナツト２７にねじ込めば、取付ボルト２２の取
手部２２ａの下面が係止板６に圧接し、後輪５は
係止板６、取付ボルト２２を介して床板３に固定
される。

なお取付ボルト２２の取手部２２ａの周縁には
ローレツトによる刻み目２２ｂを設けて、取付ボ
ルト２２が手動で容易に締め込めるようにしてあ
り、また取手部２２ａに挿通した回り止めピン２
８を、係止板６に設けた同一円周上の複数個の孔
の一つに挿入させ、取付ボルト２２の回り止めと
するようにしてある。

第５図ないし第７図は後輪５に掛け渡す係止板
の別の実施例による構造を示すものである。

すなわち係止板３１は左右の後輪５の頂部に当
接する両端部３１ａに対して、その中央部３１ｂ
が低く形成してあり、中央部３１ｂの前縁部にＬ
形断面の係止片３２が溶接してある。そしてこの
中央部３１ｂと係止片３２とに、取付ボルト３３
の桿部３３ａを挿通する切欠き溝３１ｃ，３２ａ
が設けてある。

さらに床板３にタツピングスクリユ３４で固設
した当て板３５には、下面にナツト３６が溶接し
てあり、取付ボルト３３は当て板３５に設けた挿
通孔３５ａを通してナツト３６にねじ込まれる。

取付ボルト３３は取手部３３ｂと鍔部３３ｃと
を有していて、取付ボルト３３をナツト３６に軽
くねじ込んだ状態にしたまま、係止板３１を鍔部
３３ｃの下方位置に挿入することができる。第４
図の実施例では、係止板６を左右の後輪５に掛け
渡すために、取付ボルト２２を抜き取つておかね
ばならなかつたが、第５図ないし第７図の実施例
では取付ボルト３３を抜き取らなくてよいように
なつている。

すなわち取付ボルト３３をナツト３６に軽くね
じ込んだ状態にしておき、係止板３１と係止片３
２に設けた切欠き溝３１ｃ，３２ａの内に取付ボ
ルト３３の桿部３３ａを通すようにして係止板３
１を移動し、係止板３１の両端部３１ａを左右の
後輪５の頂部に当接させる。

そして取付ボルト３３をナツト３６にねじ込め
ば、取付ボルト３３の鍔部３３ｃは係止板３１の
中央部３１ｂを圧接するようになり、後輪５は係
止板３１、取付ボルト３３を介して床板３に固定
される。

なおこのとき、取付ボルト３３の桿部３３ａは
切欠き溝３１ｃの最奥部に位置し、また取付ボル
ト３３の鍔部３３ｃは係止片３２の立上り部３２
ｂの切欠き縁部３２ｃに当接するようにしてある
から、係止板３１は取付ボルト３３に対して前後
左右のいずれの方向にも移動することがない。

取付ボルト３３の取手部３３ｂの頂面には、中
心から偏心した位置にピン３７が打ち込んであ
り、ピン３７をつまんで取付ボルト３３をすみや
かに回動できるようにしてある。また取手部３３
ｂの周縁にはローレツトによる刻み目３３ｄを設
けてあり、ここをつかんで締め込みができるよう
にしてある。

さらに取手部３３ｂに挿通した回り止めピン３
８を、係止板３１に設けた孔に挿入させ、取付ボ
ルト３３の回り止めとするようにしてある。

前述のように本考案は、車椅子の前後の車輪を
床板に対して直接に固定するようにしたものであ
り、自動車の走行中に車椅子を変形させ損うよう
なことがないものであるが、簡単な構造からなつ
ているので、自動車とくにバス等においてあまり
費用をかけずに容易に設置することができ、実用
的効果の大きいものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
車椅子を固定した状態の側面図、第２図は第１図
Ａ部の拡大断面図、第３図は第２図Ｂ−Ｂ線の断
面図、第４図は第１図Ｃ−Ｃ線の断面図、第５図
は他の実施例を示す第１図Ｃ−Ｃ線の断面図、第
６図は第５図Ｄ−Ｄ線の断面図、第７図は第５図
Ｅ方向から見た側面図である。 １……車椅子、２……前輪、３……床板、４…
…係止金具、５……後輪、６……係止板、７……
シートベルト、２２……取付ボルト、２８……回
り止めピン、３１……係止板、３１ｃ……切欠き
溝、３２……係止片、３２ｃ……切欠き縁部、３
３……取付ボルト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車の床板に、車椅子の左右の前輪の各前半
   部を被包する係止金具を固設するとともに、左右
   の後輪の上に掛け渡した係止板を取付ネジで該床
   板に着設するようにしたことを特徴とする車椅子
   の固定構造。