JPS6257776B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、建築物の屋上等において雨仕舞等
を目的としてパラペツト躯体上部に取付けられる
パラペツト笠木の取付構造に関する。

従来、この種の笠木をパラペツト躯体の上部に
取付ける場合、先ずパラペツト躯体の上面に互い
に所定の間隔をおいて複数のアンカープレートを
取付け、これらのアンカープレートを介して、パ
ラペツト躯体の上部と笠木との間に所定の空隙が
形成されるように所定の長さの笠木を適宜数被冠
状に取付け、又、各アンカープレートの水平方向
及び上下方向の位置決めは、このアンカープレー
トの下面とパラペツト躯体の上面との間に介装さ
れるスペーサ等により行つていた。

しかしながら、パラペツト躯体の上部に取付け
られる複数のアンカープレートについてはその水
平方向の位置決めを正確に行なわない限りこれら
のアンカープレートを介して取付けられる笠木を
直線状に取付けることができなくなり、又、その
上下方向の位置決めを正確に行なわない限り笠木
の接続部分において段差が生じ、この結果、笠木
の各端部間にこれら各端部を接続するジヨイント
材を設けることができなくなつたり、あるいは、
笠木の各端部とジヨイント材との間に隙間が生じ
て雨水が侵入する原因になつたりする。このた
め、各アンカープレートの位置決めについては正
確さが要求され、パラペツト笠木の取付施工時に
おいて各アンカープレートの位置決めが極めて面
倒な作業になつていた。又、上記従来の取付構造
においては、各アンカープレートの水平方向の位
置決めと上下方向の位置決めとがいずれもアンカ
ープレートの下面側に介装されるスペーサ等を介
して行なわれていたため、上下方向の位置調節を
している間にアンカープレートの取付位置がずれ
たり、又、各アンカープレートをパラペツト躯体
の上面に取付けた後にその一部のアンカープレー
トについて上下方向の位置調節が必要になると、
そのアンカープレートをパラペツト躯体の上面か
ら取外し最初から固定しなおさなければならない
という不具合があつた。

この発明は、かかる観点に鑑み、アンカープレ
ートをパラペツト躯体の上面に水平方向位置調節
可能に取付けると共に、このアンカープレート側
に形成した保持部と笠木側に形成した支持部との
間をその各接触面に刻設された多数の凹凸条によ
つて互いに噛合状にかつ上下方向位置調節可能に
圧接し、これによつて上記不具合を解消すると共
に、保持部と支持部との間の結合強度を高め、パ
ラペツト躯体の上部に笠木を取付施工する際の作
業性を改善することができるパラペツト笠木の取
付構造を提供するものである。

以下、添付図面に示す実施例に基づいて、この
発明を詳細に説明する。

第１図及び第２図において、この発明の実施例
に係るパラペツト笠木の取付構造が示されてい
る。この取付構造において、アンカープレート１
は、その略中央部に穿設された長孔２を貫通する
取付ボルト３によりパラペツト躯体４の上面に水
平方向位置調節可能に固定されており、又、両端
部には略垂直な直壁６ａからなる保持部５が形成
されている。

又、上記アンカープレート１によつてパラペツ
ト躯体４の上部を被冠するように取付けられる笠
木７は、断面略倒コ字状に形成された笠木本体７
ａと弾性材料で略倒コ字状に形成されたピース状
の保持部材７ｂとで構成されており、保持部材７
ｂの上壁が笠木本体７ａの上壁下面に当接すると
共に保持部材７ｂの両側壁下端部に形成された係
止部８が笠木本体７ａの両側壁下端部内側面に形
成された係合部９に係着して両者が結合されるよ
うになつており、又、保持部材７ｂの両側壁部分
が上記アンカープレート１の各保持部に接合され
る支持部１０となつている。

上記保持部５と支持部１０とには、横断面を略
鋸歯状とする凹凸条１１，１２が刻設されてお
り、これら保持部５と支持部１０とをその接触面
５ａ，１０ａにおいて接触させた際に各凹凸条１
１，１２が互いに噛合状に接合され、笠木本体７
ａと結合されるまでは保持部材７ｂの弾性によ
り、この保持部材７ｂの各支持部１０がアンカー
プレート１の各保持部５に対して上下方向位置調
節可能に圧接するようになつている。また、クリ
ツプ１３ａは、断面略コ字状に形成されたピース
部材であり、相互に凹凸条１１，１２を噛合させ
た状態の保持部５と支持部１０とを挟み付けるこ
とにより、これらの噛合をより強固にし、アンカ
ープレート１側に固定された保持部材７ｂにその
上方から笠木本体７ａを押圧して被冠させても保
持部５と支持部１０との上下方向固定位置がずれ
ることがないようにされている。

したがつて、この実施例に係る取付構造により
パラペツト躯体４の上部に笠木７を取付施工する
には、先ずパラペツト躯体４の上面に所定の間隔
をおいてアンカー１４を埋設固定し、次いでこの
パラペツト躯体４の上面に取付ボルト３でアンカ
ープレート１を仮止めし、各アンカープレート１
の水平方向の位置調節をしながら取付ボルト３を
締め付けて固定する。次に、各アンカープレート
１にはその保持部５に笠木７の保持部材７ｂをそ
の弾性を利用して被着し、保持部５の接触面５ａ
と保持部材７ｂの支持部１０の接触面１０ａとを
互いにその凹凸条１１，１２を噛合状にして仮止
めし、各保持部材７ｂについてその上下方向の位
置調節をした後にクリツプ１３ａで保持部５と支
持部１０との間を固定する。このようにしてパラ
ペツト躯体４の上面に固定された各保持部材７ｂ
には、その上方から笠木本体７ａを嵌合して保持
部材７ｂの上壁が笠木本体７ａの上壁下面に当接
しかつ保持部材７ｂの係止部８が笠木本体７ａの
係合部９に係着させ、笠木７をパラペツト躯体４
の上部に被冠させる。

このとき、パラペツト躯体４の上部に被冠され
る各笠木７の接続部分は、第３図に示すように、
笠木本体７ａの内側面に沿うように略倒コ字状に
形成され、かつ、笠木本体７ａの上壁下面に当接
する上壁部分から笠木本体７ａの両側壁内側面に
接する側壁部分まで連続する複数の水切溝１６を
有するジヨイント材１５で接続されるもので、ジ
ヨイント材１５の両側壁下端が笠木本体7aの両側
壁下端に形成した係合部９に係止される。

以上の通り、この発明に係るパラペツト笠木の
取付構造によれば、パラペツト躯体の上面に水平
方向位置調節可能に取付けられるアンカープレー
トの両端部には多数の凹凸条を有する接触面が形
成された保持部を設け、又、パラペツト躯体の上
部に被冠される笠木には多数の凹凸条を有する接
触面が形成された支持部を設け、これら保持部と
支持部との間をその接触面により互いに噛合状に
かつ上下方向位置調節可能に圧接させるようにし
たので、パラペツト躯体の上面にアンカープレー
トをその水平方向の位置決めをして固定すれば、
笠木の上下方向の位置決めは互いに噛合状にかつ
上下方向位置調節可能に圧接された保持部と支持
部との間で行うことができるほか、クリツプで固
定されるまでの仮止め状態では笠木が上下方向に
ずれない程度に固定され、又、この仮止め状態に
おいて、水平方向の位置決めがされたアンカープ
レートを取外すことなく笠木の上下方向の微調整
を行うことができるので、笠木の位置決めを極め
て容易にかつ正確に行うことができ、取付施工時
の作業性が著るしく向上する。

加えて、アンカープレートの保持部と笠木の支
持部との間は多数の凹凸条を有する接触面により
互いに噛合状に圧接されるので、クリツプで固定
された後には保持部と支持部との間が傾むく、い
わゆるころびが生じたりすることがないほか、面
接触によりその結合強度も著るしく向上し、笠木
の取付状態が極めて安定する。さらに、保持部と
支持部とを連結するのにクリツプを使用したの
で、該保持部および支持部にビス等を挿通させる
孔を穿設する必要がなく、その上連結作業も簡単
にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの発明の実施例に係るパラペツト笠
木の取付構造を示す断面図、第２図は第１図の分
解組立図、第３図は笠木の接続部分における取付
状態を示す斜視説明図である。 １…アンカープレート、４…パラペツト躯体、
５…保持部、７…笠木、１０…支持部、１１，１
２…凹凸条、１３ａ…クリツプ。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ パラペツト躯体の上面に固定されたアンカー
   プレートを介してパラペツト躯体の上部を被冠す
   る笠木を取付けるようにしたパラペツト笠木の取
   付構造において、 上記アンカープレートをパラペツト躯体の上面
   に水平方向位置調節可能に取付けると共にこのア
   ンカープレートの両端部には縦断面を鋸歯形状と
   した凹凸条を多数刻設した保持部を形成し、断面
   略倒コ字状に形成された笠木の内側壁には上記ア
   ンカープレートの保持部の凹凸条に噛合する凹凸
   条を多数刻設した支持部を形成し、これら保持部
   および支持部を挟み付ける断面略コ字状のクリツ
   プにより保持部と支持部との凹凸条を互いに圧接
   させ、笠木を上下位置調節可能に取付けたことを
   特徴とするパラペツト笠木の取付構造。