JPS625475Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、コンクリート型枠を支持するための
バーに挿入されて使用されるコーンに関する。

コンクリート型枠は、第１図に示すように、支
持バー１，１によつてその位置が保たれるように
支持される。そして、コンクリートはこのように
セツトされた型枠２，２の間に打設され、支持バ
ーは埋殺しされるように一般になつている。また
支持バー１は、一本の部材から形成されることも
あるが、後述するようにコンクリート型枠間に挿
入される耳部材と中間バー部材とから構成される
こともあり、その他色々な方法が施工目的に応じ
て採用されている。

ところで、このような支持バーによつてセツト
されたコンクリート型枠は、コンクリートの固化
後解体されるが、コンクリートの外側に露出して
いる部分は適切な工具によつて切断される。そし
てこの切断部分から錆が進行するのを防止するた
めにモルタルなどによつて切断部分及びコンクリ
ートによつて埋められなかつた部分は完全に覆わ
れる。このようなモルタルによる防錆施工を容易
にするために、第１図に示すように支持バーには
コーン３，３′がストツパーＳに当接する所まで
挿入されている。コーンの一般形状は、後述する
が、その内部には凹所を有し、コンクリート型枠
２，２を外した後はこの凹所にモルタルなどの充
填材を埋めて防錆の目的が達成されるようになつ
ている。

ところで従来のこの種コーンは、ストツパＳが
丁度コーンの幅に対応して設けられているが、コ
ンクリートの打設時に、その凹所にコンクリート
が侵入するという欠点があつた。コンクリートが
侵入すると型枠を取外して、支持バーを切断する
ときの支障となり、作業能率の低下の原因とな
り、又コーンを取りだしにくい。特にコンクリー
ト型枠が、第１図の左側半分で示すように斜めに
セツトされるときは、下側４に隙間が生じ、この
隙間から多量のコンクリートが凹所に侵入し、上
記したような色々な障害を引き起した。

傾斜している型枠に連結された支持用棒材に使
用するコーンとしては例えば実開昭51−126931号
公報に記載されているように、球状のコーンと中
心から偏寄した位置に穴を穿設されたものが提案
されている。しかしながら、かかる公知技術では
平板状部分を有する支持バーには適用できず、ま
た適用したとしても型枠の傾斜角度によつて異な
る穴の位置を設けたコーンを数種準備しなければ
ならない。

したがつて、本考案の目的は、単一の構造で垂
直を含めて任意の傾斜角の型枠に支持される平板
状部分に挿入でき、しかも障害が生ずることのな
いコンクリート型枠支持バー用コーンを提供する
にある。

本考案によれば、コンクリート型枠支持バーの
平板状部分に挿入され、その底面部分がコンクリ
ート型枠に接して使用され、そして全体的に略四
角錐形を呈してその内部には凹所を有するコンク
リート型枠支持バー用コーンにおいて、その四角
錐形のコーンの頂部にはそのほぼ中心位置に前記
支持バーの平板状部分が挿入されるスリツトを形
成し、そのスリツトは底面に対し斜めに形成され
ている。

したがつて、傾斜した型枠に使用する場合コー
ンの底面がコンクリート型枠に密接した状態で平
板状部をスリツトから挿入でき、底面からコンク
リートがコーン内にはいらない。

平板状部を挿入するので、スリツト角度は型枠
の傾斜角に対して正しく一致させる必要はない。
特にこのコーンは、支持バーを型枠に取付けた状
態で支持バーに設けたストツパと型枠の内面との
間に挟まれるので、その際の押圧によりスリツト
が変形し、スリツトが傾斜しているために上縁と
下縁とがその変形により平板状部と係合し、コン
クリートの打設作業に際してコーン内にコンクリ
ートが流入しなくなる。

それ故に垂直な型枠に対しても、又傾斜してい
る型枠に対しても適用でき、単一のもので任意の
傾斜角の型枠に使用できる。

以下本考案の一実施例を示す添付図面によつて
説明する。第２図は、支持バーの平板状部分にコ
ーン１０を挿入されている状態を示す。図示の実
施例では、支持バーは、コンクリート型枠間に使
用時挾持される耳部材１１と鎖線で示す中間バー
部材１２とから成つている。支持バーの形状は格
別に限定されないが、コーン１０が挿入される部
分は、すなわちコンクリート打設完了後切断され
る部分（鎖線１３がその切断線の１例を示す）
は、いずれにしても平板状１４になつている。

コーン１０は、一般に合成樹脂から形成され、
その外形は、第２，３図に示すように略４角錐状
を呈し、内部には凹所１８が形成されている。そ
してその頂部には支持バーの平板状部分１４が挿
入されるスリツト１５が設けられている。

スリツト１５は、コーンの底面１６に対して斜
設されるが、その角度θは60゜〜80゜に形成され
ている。そしてこの角度はコンクリート型枠の斜
設時の角度に概ね一致している。コーン１０の底
面は、第３図によると略長方形を呈するが、楕円
形にしてもよいことは明らかである。また、コン
クリート型枠とコーンの底面が密着して、コンク
リートがコーンの内部へ侵入するのを防止するた
めに、第４図に示すように、底部にはその周囲に
外方へ拡がるフイン１７を形成してもよい。なお
このフイン１７は他の部分より曲げ変形が容易に
なるようにすなわち薄肉に形成されていると、型
枠への密着度を増すのである。なお第３図中の符
号１９は補助リブを示す。

本考案に係るコーンは以上のように構成されて
いるので、コンクリート型枠が、第１図に示すよ
うに斜めにセツトされるときに使用されると、コ
ーンのスリツト１５が斜設されているので、その
底面１６（フイン１７）は、コンクリート型枠
２，２に密接し、コンクリートは打設時に突き固
めなどを施されても、コーンの凹部１８へ侵入す
ることはないものである。又本考案に係るコーン
を平行な型枠に使用した場合、支持バーに対して
斜めにセツトされたコーンのまず一方の側部が型
枠にぶつかるが支持バーのストツパと型枠両間で
押圧され、合成樹脂のため変形し圧着度がます。
したがつて平行な型枠にセツトしてもその密着性
が極めてよい。従つてコンクリートの固化後の支
持バーの切断作業及び防錆のためのモルタル施工
作業等が容易にかつ完全に出来るものである。

また傾斜している型枠の場合でも平行に設置さ
れた型枠の場合でもスリツトの傾斜角は耳部材１
１の平板状部分１４の角度とは必ずしも一致して
いない。そのために第４図に示すようにスリツト
１５の上縁部１５ａと下縁部１５ｂとは平板状部
１４の上下の両面と係合しやすい。したがつて支
持バーのストツパとの押圧力によつてスリツトが
変形すると、この上縁部１５ａが平板状部分１１
の上面と係合して密着し、また下縁部１５ｂが平
板状部分１１の下面と係合して密着するので、こ
のスリツト１５と平板状部分１１の上下両面の間
からコンクリートが流入しなくなる。またスリツ
ト１５は上縁部１５ａおよび下縁部１５ｂがいわ
ゆるエツジを構成しているので変形しやすく、押
圧力に対して変形し、底面を充分に型枠の内面に
密着させることができる。それ故に本考案によれ
ば、底面およびスリツトからコンクリートがコー
ン内にはいらない。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来のコーン及び本考案に係るコー
ンの使用状態を示す模式図、第２図は本考案に係
るコーンが支持バーの平板状部分に挿入されてい
る状態を示す斜視図、第３図は、本考案に係るコ
ーンの斜視図、第４図は第３図における−断
面図である。 １……支持バー、２……コンクリート型枠、１
０……コンクリート型枠支持バー用コーン、１５
……スリツト、１６……底面、１８……凹所。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. コンクリート型枠支持バーの平板状部分に挿入
   され、その底面部分がコンクリート型枠に接して
   使用され、そして全体的に略四角錐形を呈してそ
   の内部には凹所を有するコンクリート型枠支持バ
   ー用コーンにおいて、その四角錐形のコーンの頂
   部にはそのほぼ中心位置に前記支持バーの平板状
   部分が挿入されるスリツトを形成し、そのスリツ
   トは底面に対し斜めに形成されていることを特徴
   とするコンクリート型枠支持バー用コーン。