JPS6252267A - 無段変速機の変速制御方法 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は無段変速機の変速制御方法に関するものである
。

従来技術とその問題点 従来、無段変速機としては、例えば駆動側プーリと従動
側プーリとの間にＶベルトを巻き掛け、駆動側または従
動側プーリに設けた油圧室への油圧を変速比制御バルブ
によって制御することにより、変速比を可変としたＶベ
ルト式無段変速機が知られている。

上記Ｖベルト式無段変速機の変速比を制御する方法とし
て、特開昭５９−６２７６１号公報に記載のように、変
速比制御バルブを制御するためのアンプシフト用ソレノ
イドバルブおよびダウンシフト用ソレノイドバルブと、
走行条件に応じて上記ソレノイドバルブに信号を出力す
る制御回路とを設け、上記制御回路は、走行条件に応じ
て予め設定された目標入力回転数と実際の入力回転数と
の差が設定値以上のときには上記ソレノイドバルブを連
続的にＯＮまたはＯＦＦさせ、上記差が設定値以下のと
きには該差の大きさに応じてソレノイドバルブの作動時
間が変化するデユーティ制御を行うようにしたものが提
案されている。

ところで、一般にスロットル開度を一定として加速する
場合、まず低速比の状態で加速し、入力回転数がその時
のスロットル開度に応じて予め設定された目標入力回転
数に達したとき、この目標入力回転数を維持しながら高
速比側へ変速するのが通例である。上記変速初期におい
てはプーリに初期油圧をかけ続けているため、ベルトの
食いつきや油圧作動遅れなどによって入力回転数が目標
入力回転数を大きく越えて所謂吹き上がり現象を起こし
易（、この変速初期における入力回転数の変動幅はそれ
以降の変速過渡時における変動幅より大きいという性質
がある。

しかしながら、従来ではソレノイドバルブに与えられる
デユーティ信号の周波数が変速初期と変速過渡時とで一
定であるため、変速初期における入力回転数の変動を抑
制できずに所謂シャクリ現象をきたすおそれがあるとと
もに、さほど細かな制御が必要でなくかつ変速時間の大
部分を占める変速過渡時においても、頻繁にソレノイド
バルブがＯＮ、ＯＦＦを繰り返すため、ソレノイドバル
ブの寿命を損なう欠点がある。

発明の目的 本発明はかかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、
その目的は、変速初期におけるシャクリ現象を防止して
入力回転数を速やかに目標入力回転数に近づけることが
でき、かつソレノイドバルブの耐久性を向上させること
ができる無段変速機の変速制御方法を提供することにあ
る。

発明の構成 上記目的を達成するために、本発明は、変速比を制御す
る変速比制御バルブと、該変速比制御バルブを制御する
ソレノイドバルブと、該ソレノイドバルブに走行条件に
応じた信号を出力する制御回路とを備えた無段変速機に
おいて、上記制御回路は、走行条件に応じて予め設定さ
れた入力軸の目標入力回転数と実際の入力回転数との差
が設定値以上のときには上記ソレノイドバルブを連続的
にＯＮまたはＯＦＦさせ、上記差が設定値以下のときに
は該差の大きさに応じてソレノイドバルブの作動時間が
変化するデユーティ制御を行うとともに、低速比域にお
けるデユーティ周波数を高速比域におけるデユーティ周
波数より大きくしたものである。

すなわち、本発明はソレノイドバルブに与えられるデユ
ーティ信号の低速比域における周波数を高速比域の周波
数より大きくし、低速比域の制御を高速比域より細か（
したものである。

実施例の説明 第１図は本発明に係る無段変速機の一例であるＶベルト
式無段変速機の変速制御装置を示し、１はＶベルト式無
段変速機であり、入力軸２に設けた駆動側プーリ３と出
力軸６に設けた従動側プーリ７と両プーリ間に巻き掛け
られたＶベルト９とを有している。駆動側プーリ３は固
定シーブ３ａと可動シーブ３ｂとこの可動シーブ３ｂの
背後に設けた推力付加装置４とで構成され、この推力付
加装置４はＶベルト９にトルク伝達が可能な張力を付与
している。推力付加装置４としては、例えば入力トルク
に見合った推力を可動シーブ３ｂに付与するトルクカム
や、入力軸２の回転速度に応じた推力を発生させる遠心
作動装置や、ライン圧により所定の推力を発生させる油
圧サーボ装置などが考えられる。従動側プーリ７は固定
シーブ７ａと可動シーブ７ｂとこの可動シーブ７ｂの背
後に設けた変速比制御用の油圧室８とで構成され、油圧
室８への油圧を制御することにより可動シーブ７ｂを軸
方向に作動させ、変速比を無段階に変化させることがで
きる。

１０は上記油圧室８への油圧（以下、制御油圧Ｐｃとい
う）を制御する変速比制御バルブであり、バルブボデー
１１と、バルブボデー１１内を摺動自在なスプール１２
と、スプール１２を常時左方へ付勢するスプリング１３
とを有している。バルブボデー１１のポート１４には油
路３０を介して油圧源（図示せず）からライン圧が導か
れており、上記ポート１４はスプール１２の左側のラン
ド１５によって開閉される。上記ポート１４の右側に隣
接するポート１８は油路３３を介して上記油圧室８と接
続され、かつスプール１２の内部に形成した連通孔１９
を介してバルブボデー１１の左端室２０と連通している
。したがって、左端室２０には油路３３および連通孔１
９を介して制御油圧Ｐｃが背圧として作用し、スプール
１２を右方へ押圧している。なお、スプール１２の内部
に形成した連通孔１９に代えて、図中破線で示すように
、バルブボデー１１に油路３３と左端室２０とを接続す
る別の油路３４を設けても同様の機能が得られる。

上記ライン圧が導かれた油路３０から分岐した油路３１
はバルブボデー１１の右端室１６に接続され、この油路
３１にはソレノイドバルブ４０のニードル４１によって
開閉される開口３２が設置Ｊられている。したがって、
右端室１６にはソレノイドバルブ４０によって制御され
る油圧（以下、ソレノイド圧Ｐｓという）が作用し、ス
プール１２を左方へ押圧している。

バルブボデー１１には、上記油圧室８と連通したボート
１８の右側に隣接してドレーンポー１−　（排油口）２
１が形成されており、このドレーンボート２１はスプー
ル１２の中央のランド２２によって開閉される。

上記スプール１２の左側のランド１５の外径ａは右側の
ランド１７の外径すより大きく、ランド１５に作用する
制御油圧Ｐ。、ランド１７に作用するソレノイド圧Ｐｓ
、スプリング１３のばね力Ｆとの間には、 の関係が常に成立するように設定されている。すなわち
、制御油圧Ｐ。による荷重がソレノイド圧Ｐｓによる荷
重とスプリング１３のばね力との和より大きいため、ス
プール１２の摺動抵抗やソレノイドバルブ４０により開
閉される開口３２からの油のリークがあっても、スプー
ル１２は常時右方へ押され、図面に示す中立位置、つま
り左側のランド１５がボート１４を閉じかつ中央のラン
ド２２がドレーンボート２１を開く位置の近傍で維持さ
れる。したがって、ソレノイドバルブ４０がＯＮまたは
ＯＦＦしたとき、スプール１２が必要以上に変位せず、
つぎにソレノイドバルブ４０がＯＦＦまたはＯＮしたと
きに即座に油路を切り換え、優れた応答性を実現できる
。

制御回路５０には入力軸２の入力回転数Ｎ［と出力軸６
の出力回転数Ｎ。とスロットル開度とが電気信号として
入力されており、走行状態を判断してソレノイドバルブ
４０をＯＮ、ＯＦＦさせ、■ベルト式無段変速機１の変
速比を制御するようになっている。なお、制御回路５０
には、上記のように入力回転数、出力回転数、スロット
ル開度のほか、車速やブレーキ信号、ポジションスイッ
チ信号などを入力してもよく、これら信号により走行状
態を総合的に判断するようにしてもよい。

第２図は無段変速機の一般的な変速線図であり、停車時
あるいは低速走行時からスロットル開度を一定とした状
態で加速する場合には、実線で示すようにまず最低速比
の直線に沿って加速し、入力回転数Ｎ、がその時のスロ
ットル開度に応じて予め設定された目標入力回転数（以
下、目標回転数Ｎ、という）に達したとき、この目標回
転数Ｎ、を維持しながら高速比側へと変速し、最高速比
に達した後は最高速比の直線に沿って加速する。

ところが、上記変速初期において入力回転数Ｎ、は第２
図二点鎖線で示すように目標回転数Ｎ、を大きく越えて
所謂吹き上がり現象をきたし易く、それ以後も目標回転
数Ｎ、を中心として上下に変動することになる。

このような入力回転数Ｎ【の変動を少なくするために、
本発明では、目標回転数Ｎ、に応じた回転数幅（以下、
設定値ΔＮ、という）を予め設定し、目標回転数Ｎ、と
入力回転数Ｎ、との差の絶対値が設定値ΔＮ６以上であ
ればソレノイドバルブ４０を連続的にＯＮまたはＯＦＦ
させ、上記差の絶対値が設定値ΔＮＥ以下であれば、こ
の差に応じてソレノイドバルブ４０をデユーティ制御し
ている。ここでデユーティ制御とは、ＯＮＮ時間開開Ｏ
ＦＦＦＦ時間色を含む周期Ｔのパルス信号を与え、ＯＮ
時間Ｔ。Ｎの周期Ｔに対する比Ｔ。７／Ｔ（以下、デユ
ーティ比りという）を変化させることにより、ソレノイ
ドバルブ４０にデユーティ比りに略比例したソレノイド
圧Ｐｓを発生させる制御をいう。上記デユーティ比りを
各条件に応して求めると次のようになる。

Ｎ、＞Ｎ、＋ΔＮ、の時、Ｄ＝Ｏ％（ＯＦＦ）Ｎ、＋Δ
Ｎ５≧Ｎ、≧Ｎ６−ΔＮ、の時、２×ΔＮ。

Ｎ、＜Ｎ、−ΔＮ、の時、Ｄ＝１００％（ＯＮ）また本
発明では、変速初期における吹き上がりやシャクリ現象
を効果的に防止し、かつ高速比域におけるソレノイドバ
ルブ４０の切換回数を少な（するために、上記デユーテ
ィ制御のデユーティ周波数ｆが低速比域から高速比域に
かけて漸次小さくなるように制御している。すなわち、
制御回路５０には第３図実線で示すようにデユーティ周
波数ｆと変速比ｉ　　（−Ｎｔ　／Ｎｏ　）との関係が
予めデータマツプとして記憶されており、デユーティ周
波数ｆは低速比から高速比にかけて漸次小さくなるよう
に設定されている。なお、デユーティ周波数ｆと変速比
ｉとの関係は第３図実線のような直線的関係に限らず、
エンジンの出力特性に応じて第３図一点鎖線で示すよう
な曲線的関係としてもよい。

第４図は入力回転数Ｎ１の変動と制御回路５０から出力
されるソレノイド信号との関係を示し、入力回転数Ｎ、
の変動につれて上記（１１式で求めたデユーティ比りの
ソレノイド信号が出力されるとともに、変速比ｉが高速
比側に移行するにつれてソレノイド信号の周波数ｆが漸
次小さくなるように、換言すれば周期Ｔが漸次大きくな
るように制御されている。例えば、図示するように低速
比側の周期Ｔ＋　　（−１／ｆ＋）、高速比側の周期Ｔ
２（−１／ｆ３）、中間値の周期Ｔ３　　（−１／ｆ２
）とすると、 Ｔ、〈Ｔ２〈Ｔ３ の関係が成立するように制御されている。

つぎに、本発明の変速制御を行う制御回路５０の動作を
第５図にしたがって説明する。

まず動作がスタートすると、スロットル開度の人力（６
０）、入力回転数ＮＩの入力（６１）、出力回転数Ｎ。

の入力（６２）を順次行い、上記入力回転数Ｎ、と出力
回転数Ｎ。とから変速比１（＝Ｎｔ／Ｎｏ）を演算する
（６３）とともに、第３図から変速比ｉに応じたデユー
ティ周波数ｆを決定する（６４）。つぎに、制御回路５
０に予め記憶されているデータマツプから上記スロット
ル開度に応じた目標回転数Ｎ、と変速比ｉに応じた設定
値ΔＮ、とを読み出しく６５）、実際の入力回転数Ｎ【
と上限値（ＮＥ＋ΔＮＥ）とを比較する（６６）。入力
回転数Ｎ」が上限値より高いときにはソレノイドバルブ
４０を連続的に０ＦＦ（デユーティ比Ｄ＝Ｏ％）させ（
６７）、これによりソレノイド圧Ｐｓがほぼ零となり、
制御油圧ＰＣが低下して従動側ブーＩ７７の有効径が小
、即ち変速比が高速比側に移行し、入力回転数Ｎ【の上
昇が抑制される。一方、入力回転数Ｎｌが上限値より低
いときには、続いて入力回転数Ｎ、と下限値（ＮＥ−Δ
ＮＥ）とを比較しく６８）、入力回転数Ｎ、が下限値よ
り低いときにはソレノイドバルブ４０を連続的にＯＮ（
デユーティ比Ｄ−１００％）させる（６９）。これによ
り、ソレノイド圧ｐｓが高くなり、制御油圧Ｐ。が上昇
して従動側プーリ７の有効径が大、即ち変速比が低速比
側に移行し、入力回転数Ｎｌを上昇させる。入力回転数
Ｎ、が上限値と下限値との間にあるときには、デユーテ
ィ比りを上記＋１１式により演算しく７０）、このデユ
ーティ比りの信号を上記（６４）で決定したデユーティ
周波数ｆでソレノイドバルブ４０に出力する（７１）。

これにより、入力回転数Ｎ、は目標回転数Ｎ、に近づく
ように制御される。

上記のように本発明は、入力回転数Ｎ【が設定値ΔＮＥ
の範囲外にあるときにはソレノイドバルブ４０を連続的
にＯＮまたはＯＦＦさせ、逸早く入力回転数ＮＩを目標
回転数Ｎ、へ近づけ、入力回転数Ｎｌが設定値ΔＮ、の
範囲内にあるときには、ソレノイドバルブ４０をデユー
ティ制御し、微細制御するものである。しかも、吹き上
がりが起こり易い変速初期（低速比域）ではデューテイ
周波数ｆを大きく　（周期Ｔ。を短く）することにより
、入力回転数Ｎ、の大きな変動を細かいデユーティ制御
によって抑制し、シャクリ現象を防止してスムーズな変
速制御が可能になる。また、比較的変動が小さくかつ長
い時間を占める変速過渡時（高速比域）では、デユーテ
ィ周波数ｆを小さく　（周期Ｔ。を長く）することによ
り、ソレノイドバルブ４０の切換回数を減らし、ソレノ
イドバルブ４０の寿命を向上させることができる。

なお、上記実施例では設定値ΔＮ、を一定とした例を示
したが、第６図に示すように設定値ΔＮ、を低速比側か
ら高速比側にかけて漸次小さくなるように設定してもよ
い。この場合には、吹き上がりが起こり易い変速初期の
大きな変動も出来るだけデユーティ制御によって制御す
るため、本発明と相乗効果的にシャクリ現象を防止でき
るとともに、比較的変動の小さい変速過渡時には小さい
設定値ΔＮＥによりデユーティ制御するため、入力回転
数Ｎ、の変動幅に対するデユーティ比りの変化率が大き
くなり、入力回転数Ｎ、を目標回転数Ｎ６に早く収束さ
せることができる。

また、上記実施例では入力回転数Ｎ、が上限値（ＮＥ＋
ΔＮ、）と下限値（ＮＥ−ΔＮＥ）の範囲内にあるとき
、デユーティ比りを（１）式で演算し、入力回転数Ｎ、
の変動幅に比例したデユーティ比りを得るようにしたが
、これに限るものではなく、例えば第７図のように上限
値と下限値との間を複数に分割（図では４等分）し、各
範囲のデユーティ比りをそれぞれ２０％、４０％、６０
％、８０％に設定するようにしてもよい。

なお、本発明の変速制御方法は、Ｖベルト式無段変速機
に限らず、トロイダル型無段変速機などいかなる無段変
速機にも適用できることは勿論である。

発明の効果 以上の説明で明らかなように、本発明によれば低速比域
におけるデユーティ周波数を高速比域におけるデユーテ
ィ周波数より大きくしたので、吹き上がりが起こり易い
変速初期（低速比域）ではデユーティ周波数が大きくな
り、入力回転数の大きな変動を細かいデユーティ制御に
よって抑制し、シャクリ現象を防止してスムーズな変速
制御が可能になる。また、比較的変動が小さくかつ長時
間を占める変速過渡時（高速比域）では、デユーティ周
波数が小さくなるので、ソレノイドバルブの切換回数が
減少し、ソレノイドバルブの寿命を向上させることがで
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明にかかる変速制御方法を実行するための
変速制御装置の一例の構造図、第２図は無段変速機の一
般的な変速線図、第３図はデユーティ周波数と変速比と
の関係を示す図、第４図は本発明の変速制御方法におけ
る入力回転数の変動とソレノイド信号との関係を示す図
、第５図は本発明にかかる制御回路の動作を示すフロー
チャート図、第６図、第７図は本発明の他の変速制御方
法を示す図である。 ■・・・Ｖベルト式無段変速機、３・・・駆動側プーリ
、７・・・従動側プーリ、８・・・油圧室、１０・・・
変速比制御バルブ、４０・・・ソレノイドバルブ、５０
・・・制御６ 御回路、Ｎ、・・・実際の入力回転数、ＮＥ・・・目標
入力回転数、ΔＮ、・・・設定値。 出　願　人　　ダイハツ工業株式会社 代　理　人　　弁理士　筒井　秀隆 第６図 第７図

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. （１）変速比を制御する変速比制御バルブと、該変速比
   制御バルブを制御するソレノイドバルブと、該ソレノイ
   ドバルブに走行条件に応じた信号を出力する制御回路と
   を備えた無段変速機において、上記制御回路は、走行条
   件に応じて予め設定された入力軸の目標入力回転数と実
   際の入力回転数との差が設定値以上のときには上記ソレ
   ノイドバルブを連続的にＯＮまたはＯＦＦさせ、上記差
   が設定値以下のときには該差の大きさに応じてソレノイ
   ドバルブの作動時間が変化するデューティ制御を行うと
   ともに、低速比域におけるデューティ周波数を高速比域
   におけるデューティ周波数より大きくしたことを特徴と
   する無段変速機の変速制御方法。