JPS6252054B2 - - Google Patents
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- JPS6252054B2 JPS6252054B2 JP14627882A JP14627882A JPS6252054B2 JP S6252054 B2 JPS6252054 B2 JP S6252054B2 JP 14627882 A JP14627882 A JP 14627882A JP 14627882 A JP14627882 A JP 14627882A JP S6252054 B2 JPS6252054 B2 JP S6252054B2
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Landscapes
- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
本発明は改善されたスパンライク加工糸の製造
法、更に詳しくは芯糸の周りに捲付糸が交互撚糸
状に捲付いてなる二層構造糸の製造法の改良に関
する。 従来、仮撚加工を利用した交互撚糸状二層構造
糸は次に述べる方法で製造されている。 即ち伸度が異なり、単一成分からなる二種以上
のフイラメント糸を引揃え乃至交絡状態で供給ロ
ーラーに供給し、仮撚スピンドルにより施撚する
と伸度の小なる糸条は伸びにくい為、糸条の芯部
を構成し、伸度の大なる糸条は伸びやすい為、糸
条の外層部を取り巻くように撚糸される。この撚
糸状態を熱固定してから解撚すると伸度の小なる
糸条が芯糸となり、伸度の大なる糸条がそのまわ
りを交互撚糸状にとりまいた二層構造捲縮糸が得
られる。 この二層構造糸は、布帛において芯糸が反撥
性、張り、腰を発揮させ、又捲付糸がソフト、ふ
くらみ、ウオーム感を発揮させる為、単層構造糸
に比べてスパンライ性は著しく向上する。しか
し、捲付糸が芯糸に締束状態で捲付いている為、
芯糸自身の捲縮が発現し難く、伸縮性の面では単
層構造糸で10%以上は容易に得られるのに対し、
二層構造糸は5%以下程度しか得られない。この
伸縮性保持は縫製工程の難易性又は縫製品の見栄
え、更には着用中の圧迫感程度と密接な関係があ
り、スパンライク製品にも適度の伸縮性(5%〜
15%)が望まれているにも拘らず反撥性、張り、
腰、ソフト、ウオーム、嵩高性という風合特性と
適度の伸縮性を共存させることは不可能であつ
た。 本発明の目的は、上記の如き従来の交互撚二層
構造糸固有の、伸縮性が乏しいという欠点を解消
するばかりでなく、より一層の嵩高性付与により
風合が更に改善された二層構造のスパンライク加
工糸を提供することにある。 この目的を達成する為に、本発明者は種々検討
した結果、二層構造糸に伸縮性を発揮させるには
捲付糸により芯糸が締束された状態下において
も、芯糸が伸縮性を発揮する必要があると考えら
れるのに対し、従来の芯糸の捲縮力では前記締束
力に打ち勝つて捲縮が発現されないことを確認し
た。そこで芯糸になるものの捲縮発現力がこれま
でのものより大きいものを使用すれば芯糸も捲縮
発現し、その結果捲縮によるストレツチ性が生じ
るものと想定し、芯糸について更に研究を重ねた
結果、ポリブチレンテレフタレートと他のポリエ
ステル特にポリエチレンテレフタレートとより成
る潜在型複合加工糸が極めて有用であることを究
明した。 即ち本発明はポリブチレンテレフタレートを一
構成成分として含む、潜在捲縮型のポリエステル
コンジユゲートフイラメント糸と該ポリエステル
糸より切断伸度が大きいポリエステルフイラメン
ト糸とを低オーバーフイード下でタスラン型の流
体噴射処理域に供給して両者を交絡させ、しかる
後仮撚加工することを特徴とするスパンライク加
工糸の製造方法である。 以下、本発明を詳細に説明する。 ポリブチレンテレフタレートを一構成成分すな
わち一方の成分として含む潜在捲縮型のポリエス
テルコンジユゲート糸の複合形態としてはポリブ
チレンテレフタレート重合体とポリエチレンテレ
フタレート重合体をサイドバイサイド型又は偏心
シースコア型又は海島型等任意のものでよいが、
嵩高伸縮性の面からすればサイドバイサイド型が
高伸縮性から好ましい。 一方、ポリブチレン重合体とポリエチレンテレ
フタレート重合体との複合割合は3/7〜7/3の範囲
が良い。又、夫々の重合体は15モル%(又は
15wt%)以下の割合で第3成分を共重合したも
のであつても良く、又該ポリマーには艶消剤、着
色剤等の添加物を含んでも差支えない。(乃至ブ
レンド)次にそれぞれの重合体極限粘度〔η〕は
ポリブチレンテレフタレートについては、0.65以
上が適当であり、特に0.9〜1.0の範囲が好まし
い。一方、ポリエチレンテレフタレート側は0.35
以上0.5以下のものが好ましい。 そしてこれら重合体間のη差が大なるほどスト
レツチ性は良好となる。 そして、このコンジユゲート糸は切断伸度とし
て30%以上、好ましくは80%以上の伸度を持つも
のが良く、これらをその伸度の60〜80%の延伸倍
率で同時延伸仮撚すると所望の特性が得られる。
勿論、伸度が30%前後のものにあつては通常0〜
数%のストレツチサイドで加工される。ここで、
前記コンジユゲート糸の単独仮撚糸を織物の経
糸、緯糸の両方に織成した場合、捲縮ピツチが通
常ポリエステル仮撚糸に比べて著しく細かく、か
つ捲縮発現力が著しく強い為に、得られる織物は
30%以上の高伸縮性を呈するものの糸条間空隙が
なく充填度が高い為反撥性のない塑性変形された
如き様相を呈する。 この点、本発明によれば、かかるコンジユゲー
ト糸の高いストレツチ性を生かして、風合改良す
るには、この該糸より切断伸度が大きいものを併
用して、このポリエステル糸を二層構造糸の捲付
部として存在させることにより両者の機能を完全
分離することで解決できる。即ちコンジユゲート
糸よりなる芯部をしてストレツチ性を発揮せしめ
ることにより、結果として捲付糸の風合向上をも
図るには、捲付糸がポリエステルであることが必
須であり、その原糸伸度は芯糸伸度よりも少なく
とも30%以上大きいことが必要であり、特に100
%上が好ましい。このフイラメント断面について
は丸断面、異断面いずれでも良く、光沢もブライ
ト、ダルの選択も自由に選択できる。この場合
(巻付糸/芯糸)のデニール(トータルデニー
ル)割合は0.6以上とするのが良く、トータルデ
ニールは用途によつて選定すべきであり、紳士ス
ーツ、婦人スーツ、ドレス、スカートで300〜
500d、ジヤケツト類では150〜250dが適当であ
る。単繊維デニールについては、一般に芯糸のそ
れは3d以上が望ましく、一方捲付糸のそれは表
面タツチのソフトからハード感の目標度合に応じ
て自由に選択すれば良い。 本発明においては、以上述べたコンジユゲート
フイラメント糸とポリエステルフイラメント糸と
を仮撚加工工程前に交絡させる必要がある。この
交絡処理が欠けた場合、得られる複合仮撚加工糸
はそれが保有する伸縮性の為伸縮の繰返しにより
芯糸と交互撚捲付糸が分離してしまい、実用上支
障を来すことになる。交絡方法については、処理
方式と最終布帛との関係を種々検討した結果、交
絡方式如何によつては得られる伸縮性には大差が
ないにも拘らず、風合面では著しい違いがあるこ
とを見出した。即ち良好な風合を示した複合仮撚
加工糸においては、芯糸と捲付糸との交絡状態は
長手方向に両者が分離しない程度に軽い交絡がほ
ぼ均一に連続しており、一方不良な風合を示す複
合仮撚加工糸の芯糸と捲付糸との交絡状態は長手
方向に強度に混繊した交絡部を有していることが
判つた。つまり、強度の交絡部では芯糸と捲付糸
が混繊されている為、芯糸の一部が表面に出る
か、あるいは両者が強度に混合されて二層構造が
形成されず、結果として風合の劣化をもたらすも
のと推察される。 上記の結果から、交絡方法としては両糸条をし
て軽度にほぼ均一に交絡させることが、非常に重
要であり、その方式としてはインターレース法で
なく、タスラン型ノズル方式が最適である。流体
噴射処理域への供給率は芯糸、捲付糸の交絡効果
と関係があり、オーバーフイード率が大きすぎる
と、結合状態が強度になるばかりか、ループも発
生するので、低オーバーフイード率下で処理する
必要がある。オーバーフイード率としては10%以
下で好ましくは6%前後が良い。 次に仮撚加工を行うが、既にコンジユゲート糸
とポリエステルフイラメント糸が分離しない程度
に安定した交絡状態にあるので、工程的には引続
き同時延伸仮撚加工しても良いし、或いは流体噴
射処理後一旦巻取つても良い。仮撚装置は通常の
スピンドル(スピナー)方式の他、外接式摩擦仮
撚装置又はベルト仮撚方式等を採用できる。スト
レツチ率特に延伸倍率は芯糸になる原糸切断伸度
の60〜80%であるとき、特に仮撚加工性並びに織
物での伸長性、風合が改善される。このような糸
条の組合せ、交絡処理方式、処理条件と複合仮撚
加工を実施することにより始めて従来のスパンラ
イク複合仮撚糸では成しとげられなかつた風合と
ストレツチ性の両者を満足することが可能にな
る。即ち、反撥性、張り、腰、ソフト感、ウオー
ム感、嵩高性というスパンライク加工糸の長所を
減じるどころか、伸縮性を付与させることにより
一層のウオーム感、嵩高性が助長されるばかりで
なく、縫製工程での可縫性、縫製品の見栄え、更
には着用中の圧迫感が解消される。 実施例 1 Γコンジユゲートフイラメント糸:ポリブチレン
テレフタレート(PBT)/ポリエチレンテレ
フタレート(PET) 〔PBT〔η〕=0.87/PET〔η〕=0.47 150d/48f、 複合比PBT/PET=2/3サイドバイサイド
型 紡糸速度2500m/分 延伸倍率1.95の完全延伸糸(切断伸度30%)〕 ΓPETフイラメント糸 〔〔η〕=0.64 未延伸糸 紡糸速度3000m/分 225d/48fil(切断伸度130%)〕 これら2者を引き揃えてタスラン型流体噴射処
理加工機へ供給し、オーバーフイード6%にて交
絡を付与し、引続きスピンドル方式の仮撚加工
(圧空圧4.0Kg/cm2)を下記条件で実施した。 仮撚数 1540T/M ヒーター 210℃/ 巻取速度 150m/分 延伸倍率 1.0倍(ストレツチ率=0) 一方比較のため上記例において、タスラン加工
をインターレース処理に変更して下記の実験を行
つた。 インターレースノズル処理 IL度=40 オーバーフイード 4% 圧空圧 4Kg/cm2 これらの実施例及び比較例の加工糸の風合、伸
縮性を次の綾織物にして評価した。 経糸、緯糸共に夫々の例で得た複合糸を用いて
経密度43羽/鯨の2本入とし、緯糸80越/鯨とし
て2/2綾織物を作成し、通常のリラツクス、プ
レセツト(180℃×45秒)130℃高圧染色仕上セツ
ト(160℃×45秒)工程を通した。この織物を経
緯それぞれ5cm巾有効長20cm切り取り、1.5Kgの
重さを付け1分後の長さをl1とする。更に荷重を
はずし1分後の回復した長さl2を測定し、伸長
率、回復率を下記式により算出した。 伸長率(%)=l1−20/20×100 回復率(%)=1−l2−20/l1−20×
100 これらの結果は下記表の如くである。
法、更に詳しくは芯糸の周りに捲付糸が交互撚糸
状に捲付いてなる二層構造糸の製造法の改良に関
する。 従来、仮撚加工を利用した交互撚糸状二層構造
糸は次に述べる方法で製造されている。 即ち伸度が異なり、単一成分からなる二種以上
のフイラメント糸を引揃え乃至交絡状態で供給ロ
ーラーに供給し、仮撚スピンドルにより施撚する
と伸度の小なる糸条は伸びにくい為、糸条の芯部
を構成し、伸度の大なる糸条は伸びやすい為、糸
条の外層部を取り巻くように撚糸される。この撚
糸状態を熱固定してから解撚すると伸度の小なる
糸条が芯糸となり、伸度の大なる糸条がそのまわ
りを交互撚糸状にとりまいた二層構造捲縮糸が得
られる。 この二層構造糸は、布帛において芯糸が反撥
性、張り、腰を発揮させ、又捲付糸がソフト、ふ
くらみ、ウオーム感を発揮させる為、単層構造糸
に比べてスパンライ性は著しく向上する。しか
し、捲付糸が芯糸に締束状態で捲付いている為、
芯糸自身の捲縮が発現し難く、伸縮性の面では単
層構造糸で10%以上は容易に得られるのに対し、
二層構造糸は5%以下程度しか得られない。この
伸縮性保持は縫製工程の難易性又は縫製品の見栄
え、更には着用中の圧迫感程度と密接な関係があ
り、スパンライク製品にも適度の伸縮性(5%〜
15%)が望まれているにも拘らず反撥性、張り、
腰、ソフト、ウオーム、嵩高性という風合特性と
適度の伸縮性を共存させることは不可能であつ
た。 本発明の目的は、上記の如き従来の交互撚二層
構造糸固有の、伸縮性が乏しいという欠点を解消
するばかりでなく、より一層の嵩高性付与により
風合が更に改善された二層構造のスパンライク加
工糸を提供することにある。 この目的を達成する為に、本発明者は種々検討
した結果、二層構造糸に伸縮性を発揮させるには
捲付糸により芯糸が締束された状態下において
も、芯糸が伸縮性を発揮する必要があると考えら
れるのに対し、従来の芯糸の捲縮力では前記締束
力に打ち勝つて捲縮が発現されないことを確認し
た。そこで芯糸になるものの捲縮発現力がこれま
でのものより大きいものを使用すれば芯糸も捲縮
発現し、その結果捲縮によるストレツチ性が生じ
るものと想定し、芯糸について更に研究を重ねた
結果、ポリブチレンテレフタレートと他のポリエ
ステル特にポリエチレンテレフタレートとより成
る潜在型複合加工糸が極めて有用であることを究
明した。 即ち本発明はポリブチレンテレフタレートを一
構成成分として含む、潜在捲縮型のポリエステル
コンジユゲートフイラメント糸と該ポリエステル
糸より切断伸度が大きいポリエステルフイラメン
ト糸とを低オーバーフイード下でタスラン型の流
体噴射処理域に供給して両者を交絡させ、しかる
後仮撚加工することを特徴とするスパンライク加
工糸の製造方法である。 以下、本発明を詳細に説明する。 ポリブチレンテレフタレートを一構成成分すな
わち一方の成分として含む潜在捲縮型のポリエス
テルコンジユゲート糸の複合形態としてはポリブ
チレンテレフタレート重合体とポリエチレンテレ
フタレート重合体をサイドバイサイド型又は偏心
シースコア型又は海島型等任意のものでよいが、
嵩高伸縮性の面からすればサイドバイサイド型が
高伸縮性から好ましい。 一方、ポリブチレン重合体とポリエチレンテレ
フタレート重合体との複合割合は3/7〜7/3の範囲
が良い。又、夫々の重合体は15モル%(又は
15wt%)以下の割合で第3成分を共重合したも
のであつても良く、又該ポリマーには艶消剤、着
色剤等の添加物を含んでも差支えない。(乃至ブ
レンド)次にそれぞれの重合体極限粘度〔η〕は
ポリブチレンテレフタレートについては、0.65以
上が適当であり、特に0.9〜1.0の範囲が好まし
い。一方、ポリエチレンテレフタレート側は0.35
以上0.5以下のものが好ましい。 そしてこれら重合体間のη差が大なるほどスト
レツチ性は良好となる。 そして、このコンジユゲート糸は切断伸度とし
て30%以上、好ましくは80%以上の伸度を持つも
のが良く、これらをその伸度の60〜80%の延伸倍
率で同時延伸仮撚すると所望の特性が得られる。
勿論、伸度が30%前後のものにあつては通常0〜
数%のストレツチサイドで加工される。ここで、
前記コンジユゲート糸の単独仮撚糸を織物の経
糸、緯糸の両方に織成した場合、捲縮ピツチが通
常ポリエステル仮撚糸に比べて著しく細かく、か
つ捲縮発現力が著しく強い為に、得られる織物は
30%以上の高伸縮性を呈するものの糸条間空隙が
なく充填度が高い為反撥性のない塑性変形された
如き様相を呈する。 この点、本発明によれば、かかるコンジユゲー
ト糸の高いストレツチ性を生かして、風合改良す
るには、この該糸より切断伸度が大きいものを併
用して、このポリエステル糸を二層構造糸の捲付
部として存在させることにより両者の機能を完全
分離することで解決できる。即ちコンジユゲート
糸よりなる芯部をしてストレツチ性を発揮せしめ
ることにより、結果として捲付糸の風合向上をも
図るには、捲付糸がポリエステルであることが必
須であり、その原糸伸度は芯糸伸度よりも少なく
とも30%以上大きいことが必要であり、特に100
%上が好ましい。このフイラメント断面について
は丸断面、異断面いずれでも良く、光沢もブライ
ト、ダルの選択も自由に選択できる。この場合
(巻付糸/芯糸)のデニール(トータルデニー
ル)割合は0.6以上とするのが良く、トータルデ
ニールは用途によつて選定すべきであり、紳士ス
ーツ、婦人スーツ、ドレス、スカートで300〜
500d、ジヤケツト類では150〜250dが適当であ
る。単繊維デニールについては、一般に芯糸のそ
れは3d以上が望ましく、一方捲付糸のそれは表
面タツチのソフトからハード感の目標度合に応じ
て自由に選択すれば良い。 本発明においては、以上述べたコンジユゲート
フイラメント糸とポリエステルフイラメント糸と
を仮撚加工工程前に交絡させる必要がある。この
交絡処理が欠けた場合、得られる複合仮撚加工糸
はそれが保有する伸縮性の為伸縮の繰返しにより
芯糸と交互撚捲付糸が分離してしまい、実用上支
障を来すことになる。交絡方法については、処理
方式と最終布帛との関係を種々検討した結果、交
絡方式如何によつては得られる伸縮性には大差が
ないにも拘らず、風合面では著しい違いがあるこ
とを見出した。即ち良好な風合を示した複合仮撚
加工糸においては、芯糸と捲付糸との交絡状態は
長手方向に両者が分離しない程度に軽い交絡がほ
ぼ均一に連続しており、一方不良な風合を示す複
合仮撚加工糸の芯糸と捲付糸との交絡状態は長手
方向に強度に混繊した交絡部を有していることが
判つた。つまり、強度の交絡部では芯糸と捲付糸
が混繊されている為、芯糸の一部が表面に出る
か、あるいは両者が強度に混合されて二層構造が
形成されず、結果として風合の劣化をもたらすも
のと推察される。 上記の結果から、交絡方法としては両糸条をし
て軽度にほぼ均一に交絡させることが、非常に重
要であり、その方式としてはインターレース法で
なく、タスラン型ノズル方式が最適である。流体
噴射処理域への供給率は芯糸、捲付糸の交絡効果
と関係があり、オーバーフイード率が大きすぎる
と、結合状態が強度になるばかりか、ループも発
生するので、低オーバーフイード率下で処理する
必要がある。オーバーフイード率としては10%以
下で好ましくは6%前後が良い。 次に仮撚加工を行うが、既にコンジユゲート糸
とポリエステルフイラメント糸が分離しない程度
に安定した交絡状態にあるので、工程的には引続
き同時延伸仮撚加工しても良いし、或いは流体噴
射処理後一旦巻取つても良い。仮撚装置は通常の
スピンドル(スピナー)方式の他、外接式摩擦仮
撚装置又はベルト仮撚方式等を採用できる。スト
レツチ率特に延伸倍率は芯糸になる原糸切断伸度
の60〜80%であるとき、特に仮撚加工性並びに織
物での伸長性、風合が改善される。このような糸
条の組合せ、交絡処理方式、処理条件と複合仮撚
加工を実施することにより始めて従来のスパンラ
イク複合仮撚糸では成しとげられなかつた風合と
ストレツチ性の両者を満足することが可能にな
る。即ち、反撥性、張り、腰、ソフト感、ウオー
ム感、嵩高性というスパンライク加工糸の長所を
減じるどころか、伸縮性を付与させることにより
一層のウオーム感、嵩高性が助長されるばかりで
なく、縫製工程での可縫性、縫製品の見栄え、更
には着用中の圧迫感が解消される。 実施例 1 Γコンジユゲートフイラメント糸:ポリブチレン
テレフタレート(PBT)/ポリエチレンテレ
フタレート(PET) 〔PBT〔η〕=0.87/PET〔η〕=0.47 150d/48f、 複合比PBT/PET=2/3サイドバイサイド
型 紡糸速度2500m/分 延伸倍率1.95の完全延伸糸(切断伸度30%)〕 ΓPETフイラメント糸 〔〔η〕=0.64 未延伸糸 紡糸速度3000m/分 225d/48fil(切断伸度130%)〕 これら2者を引き揃えてタスラン型流体噴射処
理加工機へ供給し、オーバーフイード6%にて交
絡を付与し、引続きスピンドル方式の仮撚加工
(圧空圧4.0Kg/cm2)を下記条件で実施した。 仮撚数 1540T/M ヒーター 210℃/ 巻取速度 150m/分 延伸倍率 1.0倍(ストレツチ率=0) 一方比較のため上記例において、タスラン加工
をインターレース処理に変更して下記の実験を行
つた。 インターレースノズル処理 IL度=40 オーバーフイード 4% 圧空圧 4Kg/cm2 これらの実施例及び比較例の加工糸の風合、伸
縮性を次の綾織物にして評価した。 経糸、緯糸共に夫々の例で得た複合糸を用いて
経密度43羽/鯨の2本入とし、緯糸80越/鯨とし
て2/2綾織物を作成し、通常のリラツクス、プ
レセツト(180℃×45秒)130℃高圧染色仕上セツ
ト(160℃×45秒)工程を通した。この織物を経
緯それぞれ5cm巾有効長20cm切り取り、1.5Kgの
重さを付け1分後の長さをl1とする。更に荷重を
はずし1分後の回復した長さl2を測定し、伸長
率、回復率を下記式により算出した。 伸長率(%)=l1−20/20×100 回復率(%)=1−l2−20/l1−20×
100 これらの結果は下記表の如くである。
【表】
本発明の場合の風合はソフトでふくらみと良好
な反撥性があり、外観もいらつきなく良好であ
る。これに対し比較例においては風合、外観が劣
つている原因を推定すると、二層構造が長手方向
に間欠的にくずれて、芯糸が一部表面に出たりす
る為、表面が凹凸状となり、粗硬な風合となつた
ものと推定される。 実施例 2 Γコジユゲートフイラメント糸 PBT/PETサイドバイサイド型 複合比:PBT/PET=2/3 PBT〔η〕=0.87 PET〔η〕=0.47 紡糸速度3000m/分の未延伸糸 275d/48fil 切断伸度 100% ΓPETフイラメント糸 〔η〕=0.64未延伸糸225d/48f 紡糸速度 3000m/分 切断伸度 130% これら2者を引揃えてタスラン型流体噴射処理
域へOF6%にて供給した。(圧空圧4Kg/cm2)次
いで該交絡糸を下記条件で仮撚加工した。 仮撚加工条件 スピンドル型 ヒーター 190℃ 撚 数 1400T/M 延伸倍率 1.45倍 巻取速度 150m/分 一方、比較のため上記例においてタスラン加工
の代りにインターレース処理(IL度=60)を行
つた。 Γ織物化テスト 45羽/鯨×2入 84越/鯨
な反撥性があり、外観もいらつきなく良好であ
る。これに対し比較例においては風合、外観が劣
つている原因を推定すると、二層構造が長手方向
に間欠的にくずれて、芯糸が一部表面に出たりす
る為、表面が凹凸状となり、粗硬な風合となつた
ものと推定される。 実施例 2 Γコジユゲートフイラメント糸 PBT/PETサイドバイサイド型 複合比:PBT/PET=2/3 PBT〔η〕=0.87 PET〔η〕=0.47 紡糸速度3000m/分の未延伸糸 275d/48fil 切断伸度 100% ΓPETフイラメント糸 〔η〕=0.64未延伸糸225d/48f 紡糸速度 3000m/分 切断伸度 130% これら2者を引揃えてタスラン型流体噴射処理
域へOF6%にて供給した。(圧空圧4Kg/cm2)次
いで該交絡糸を下記条件で仮撚加工した。 仮撚加工条件 スピンドル型 ヒーター 190℃ 撚 数 1400T/M 延伸倍率 1.45倍 巻取速度 150m/分 一方、比較のため上記例においてタスラン加工
の代りにインターレース処理(IL度=60)を行
つた。 Γ織物化テスト 45羽/鯨×2入 84越/鯨
【表】
本発明の場合、風合は、表面がポリエステルの
みで被れている為さらりとしたスパンタツチであ
り、外観は仮撚加工糸の配向度合が良好な為綾組
成は鮮明であるのに対し、比較例では、凹凸があ
る為綾目は不鮮明となり、芯糸が外観に露出して
いる為染着差も認められる。風合も実施例と同様
粗硬である。
みで被れている為さらりとしたスパンタツチであ
り、外観は仮撚加工糸の配向度合が良好な為綾組
成は鮮明であるのに対し、比較例では、凹凸があ
る為綾目は不鮮明となり、芯糸が外観に露出して
いる為染着差も認められる。風合も実施例と同様
粗硬である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 ポリブチレンテレフタレートを一構成成分と
して含む、潜在捲縮型のポリエステルコンジユゲ
ートフイラメント糸と、該ポリエステル糸より切
断伸度が大きいポリエステルフイラメント糸とを
低オーバーフイード下でタスラン型の流体噴射処
理域に供給して両者を交絡させ、しかる後仮撚加
工に付することを特徴とするスパンライク加工糸
の製造方法。 2 他方の成分が、ポリブチレンテレフタレート
より低粘度のポリエチレンテレフタレートである
コンジユゲートフイラメント糸を用いる特許請求
の範囲第1項記載のポリエステル織編物の製造方
法。 3 オーバーフイード率が15%以下である特許請
求の範囲第1項記載のポリエステル織編物の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14627882A JPS5936735A (ja) | 1982-08-25 | 1982-08-25 | スパンライク加工糸の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14627882A JPS5936735A (ja) | 1982-08-25 | 1982-08-25 | スパンライク加工糸の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS5936735A JPS5936735A (ja) | 1984-02-29 |
JPS6252054B2 true JPS6252054B2 (ja) | 1987-11-04 |
Family
ID=15404103
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP14627882A Granted JPS5936735A (ja) | 1982-08-25 | 1982-08-25 | スパンライク加工糸の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS5936735A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS6375128A (ja) * | 1986-09-10 | 1988-04-05 | 株式会社クラレ | 交互撚膠着仮撚糸及びその製造方法 |
JPS6375129A (ja) * | 1986-09-12 | 1988-04-05 | 株式会社クラレ | 仮撚交互撚膠着糸 |
JPS6375131A (ja) * | 1986-09-18 | 1988-04-05 | 株式会社クラレ | 交互撚膠着糸 |
JP7199803B2 (ja) * | 2017-11-08 | 2023-01-06 | ユニチカトレーディング株式会社 | ポリエステル複合仮撚糸 |
-
1982
- 1982-08-25 JP JP14627882A patent/JPS5936735A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS5936735A (ja) | 1984-02-29 |
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