JPH0262611B2 - - Google Patents
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- Yarns And Mechanical Finishing Of Yarns Or Ropes (AREA)
Description
本発明は熱可塑性合成マルチフイラメント糸か
らなるスパンライク様2層構造毛羽糸の製造法に
関する。更に詳しくは本発明は前記マルチフイラ
メント糸に毛羽を与え、以て紡績糸様の外観、触
感、膨み、吸汗性を具備する、新規な毛羽糸の製
造法に関する。 従来、熱可塑性合成繊維マルチフイラメント糸
に毛羽を与え紡績糸的なふくらみ、外観、触感、
吸汗性等を与える方法に関してはすでに多くの方
法が提案されている。例えばフイラメント糸を撚
糸機により撚糸しその際発生するバルーニングの
外面に擦過体を接触せしめて起毛する方法、或い
はフイラメント糸に仮撚(捲縮)加工を行なうに
際し、加撚部分に擦過体を接触させ糸条表面のフ
イラメントを切断し毛羽を与える方法等がある。
このような方法にあつては例えば前者の場合、装
置的には簡略であるが加撚中の起毛であるために
起毛速度に限界があり実用的でなく、又張力変動
等の影響を受け毛羽量が変動し易いし、極端な場
合は断糸、ローラへの巻付き等のトラブルが発生
し、安定な操業性は望むべくもない。後者の例に
あつては毛羽を与える段階では速度的には通常の
仮撚加工と同様な高速加工が可能であり、又毛羽
を与えることに関しても前者の場合より張力変動
等のトラブルが少ないので安定して毛羽を与え易
い利点はある。しかしながら加撚中の表面繊維の
切断であるが実質的には糸条内部も略同等に切断
されており得られる毛羽糸は短繊維の集合体とな
り強度の低下が甚だ大きい。従つて多数の毛羽を
得ようとすればそれだけ強度が低下するので仮撚
子の摩擦抵抗により断糸の発生頻度が高まる欠点
があるばかりでなく、自ら起毛毛羽量に限度があ
り、かくして得られる糸条はちようど紡績に於け
るフロントローラから取出したフリースの如き構
造に近似しているので低強度に加えて毛羽の糸条
長手方向への移動が生じ易く毛羽の生長が大きく
ネツプ状となる。従つてこのままの糸条では製
織、製編等の実用に殆ど供し得ないので実撚を追
加し強度を高めると共に毛羽の移動を防止するこ
とが不可欠となり、結果として加工速度の制約を
受ける。この点、特開昭51−112953号公報には仮
撚域で芯糸は他の糸条を巻きつかせ、この巻付糸
を起毛することが提案されているが、一般に巻付
糸は芯糸上を滑り易いので、均一に起毛するには
かなり工夫を必要とする。 このように従来の方法にあつては毛羽を均一に
糸条表面に生ぜしめることは非常に困難であり、
多くの場合実撚の追加は不可欠のものであるが、
一方ではこの追撚により糸条は強く縛られ集束し
嵩高性、捲縮性が低下しふつくらした糸条が得ら
れない。又、追撚することにより生産速度が著し
く低下し極めて非能率となる。従つて実質的に無
撚状の嵩高捲縮糸に毛羽を安定して与える方法は
皆無というのが現状である。 従つて本発明の目的は、糸自身充分な強度を有
し、しかも均一にして充分な毛羽を具備し、且つ
ネツプ発生の懸念が解消されて糸取扱性の優れた
スパンライク様毛羽糸の製造法を提供することに
ある。 更に、本発明の他の目的は、施撚工程を省略
し、高速加工就中200m/min以上の加工速度下
においても尚且つ糸自身の物性を実質的に低下さ
せることなく毛羽を均一且つ安定した量で糸条表
面に付与し得るスパンライク様毛羽糸の製造法を
提供することにある。 本発明者等は上記の目的を達成せんとして鋭意
研究した結果、高速加工の実現という観点から
は、これを可能とする仮撚加工を採用するのが最
も有利であると考え、この工程に起毛工程を組入
れると共に、原糸使いの面から層間に交絡部分を
有する安定な2層構造巻付糸を形成した状態で、
主として巻付部分のフイラメントを切断起毛する
時、極めて満足すべき結果が得られることを究明
し、本発明に到達したのである。かくして、本発
明によれば 少くとも1.2倍以上の延伸倍率での延伸が可能
で、かつ伸度差が少くとも80%以上ある2種以上
のフイラメント糸を両糸の間に糸足差をつけるこ
となく引揃え状態で、ループ、たるみの形成を伴
わないインターレース処理に付して互いに混繊、
交絡させて少くとも20個/Mの交絡を付与した状
態で1.2倍以上の延伸倍率で同時延伸仮撚捲縮加
工に附して交互撚糸状の巻付2層構造糸を形成す
るとともに仮撚中の糸に起毛処理を施すことを特
徴とするスパンライク様2層構造毛羽糸の製造法 が提供される。 更に、これについて述べると、本発明は起毛
量、起毛の安定性、毛羽長の均一性、更には毛羽
糸全体としての実用的強度の維持という諸要件を
同時に満足するには起毛原糸として均一な巻付構
造を有する2層構造糸の巻付部分のフイラメント
を切断すると共に芯糸と巻付糸との間にフイラメ
ント間交絡を存在させることが不可欠であるとい
う技術思想に基いている。 更にこの点について詳しく述べると、一般に伸
度の異なる2種以上の糸条を合糸して、供給ロー
ラに供給し、仮撚スピンドルで施撚すると、伸度
の小なる糸条は伸びにくい為、糸条の芯部を構成
し、伸度の大なる糸条は伸びやすい為、糸条の外
層部をとりまくように撚糸される。この撚糸状態
を熱固定してから、解撚すると伸度の小なる糸条
が芯となり、伸度の大なる糸条がそのまわりを交
互撚糸状にとりまいた2層構造捲縮糸が得られ
る。 所で、このような加工は一般に100m/min以
下の低速で実施されているが、この場合、特に均
一な巻付構造を得ようとすると60m/min以下の
低速で注意深く加工することが必要になる。 かかる低速が採用されねばならない理由はその
糸構造が交互撚巻付糸という特殊性から、仮撚
(捲縮)加工中及び製織工程中の糸構造安定性が
極めて悪いという欠点を有しているからである。
特に仮撚加工においては、通常のウーリー加工の
常識では想像さえできないくらいに敏感に糸構造
が変化し、60m/min以下の加工速度では第1図
のように芯糸1の周りに巻付糸が交互撚糸状にと
りまいた均斉な巻付2層構造がまた100m/min
近辺では第2図のような部分的に巻付が不完全な
がらも一応は巻付2層構造が得られるが、150〜
250m/minになると、第3図のような巻付構造
は極く一部分となり、さらに300m/minを越え
ると、もはや巻付構造は得られず、第4図のよう
に完全に2本の糸条に分離した捲縮糸しか得られ
なくなる。 このような加工速度の上昇による巻付2層構造
からウーリー捲縮糸構造への変化に伴い、これら
を起毛すれば益々元の巻付構造が破壊され、起毛
糸より得られる織編物はスパンライクな外観、風
合を著しく減じることになる。しかも巻付構造の
ない部分はその内外層糸条の糸足分だけ外層糸に
相当する糸条にたるみが生じ、その結果仮撚加工
の巻取り部及び製織工程でネツプ発生の原因とな
り、ひいては工程トラブル製品の品位の著しい低
下といつた深刻な問題を招来するのである。 この点、本発明者等は高速加工下における、巻
付構造の破壊を防止し、恒久的に安定化された均
斉な巻付構造更には起毛処理によつてもその構造
が破壊されないような巻付構造を得るには、2糸
条の合糸に代えて混繊交絡手段に頼らざるを得な
いことを確認した。しかしながら、この混繊交絡
手段は2層構造の形成という観点からすればむし
ろマイナスの要因となるにも拘らず、この加工中
の巻付構造破壊防止と2層構造の形成との間に横
たわる二律背反性は、2糸条の伸度の選定と加工
手段として延伸仮撚との組合せにより、混繊、交
絡手段を使用することの欠点が克服され、その結
果理想に近い巻付状態で起毛処理を行うことがで
きるわけである。 本発明は伸度の異なる原糸(フイラメント糸)
を混繊、交絡する工程、交絡糸を加撚により、2
層撚糸構造を作る工程及びそれを解撚して交互撚
巻付2層構造とする工程及びこの2層構造形成中
(仮撚中)の、フイラメントの切断起毛工程とか
らなつている。 この工程は第5図に示され、ここで互いに伸度
の異る2糸条3,3′はガイド4で合糸されてか
ら張力調整装置5、フイードローラー6を経て混
繊、交絡用の空気噴射ノズル7に供給され、ここ
で20ケ/M以上の交絡点を有する交絡糸とされ
る。次いで、この交絡糸は第1デリベリーローラ
ー8により延伸仮撚ゾーンに供給され、ヒーター
9、起毛機能を兼備した仮撚具10を経て、第2
デリベリーローラー11により引取られた後、チ
ーズ12′として巻取られる。上記の例では仮撚
具として外接式の摩擦仮撚具を示したがこの仮撚
具によればスピンドルタイプの仮撚具に比べて
200m/min以上の高速加工が簡単である反面、
合糸仮撚の場合、前面スピンドルとは異つて最終
のデイスク(解撚点)で、巻付糸が剥離され易い
現象が判明した。この点、本発明では摩擦仮撚具
を採用しても前記の剥離の懸念もなく高速下に均
斉な2層構造毛羽糸を得ることができる。 本発明によれば原糸に付与する交絡処理によ
り、使用する原糸の特性と相俟つて起毛に対して
安定な2層構造糸が得られる。しかしながら単に
伸度差をもつ原糸に交絡付与して、仮撚加工する
時には、むしろ好ましからざる影響を仮撚の加熱
工程に及ぼすこととなる。即ち、供給する2種の
原糸に交絡を与えることは、それらの糸条を混繊
一体下してしまうことになり、単純に伸度の差を
もつ原糸を供給しても、芯部と外層部を構成する
2層構造糸を得ることはできない。従来、行なわ
れていた合糸、仮撚では、お互いの伸張変形を阻
害する力が働かなかつた為、伸度差が50%もあれ
ば巻付2層構造になつたが、本発明の如く2糸条
の間に交絡を与えた場合にはただ単に伸度差のあ
る原糸を一緒に施撚しても、交絡による変形阻害
により2層構造を形成しない。 この問題を解決し、交絡処理の効果を生かす為
に、仮撚加撚部の変形挙動について、種々検討し
た結果、その使用する原糸の伸度が大きく寄与し
ていることが判明した。以下、供給する原糸特性
と仮撚加撚部における糸条変形過程の関係につい
て説明する。 伸度差のある2種以上の原糸を交絡処理してか
ら仮撚具により加撚して、巻付2層撚糸構造を得
る為には伸度の低い方の糸が延伸仮撚できること
が必要であると同時に更に組合せる糸条の伸度差
が80%以上あることが必要である。交絡処理した
糸条は伸度差をもつ2糸条が混繊一体化している
為、そのまま加撚しても2層構造にはなりにく
い。ところが、伸度の少ない方の糸条に延伸仮撚
できる糸条を供給することにより、この問題が解
決される。即ち、延伸と同時に仮撚加撚すること
により、交絡処理で混繊一体化した伸度差をもつ
糸が両糸の仮撚加工張力に対する伸長特性の差異
によつて、大まかにみると、張力の高いフイラメ
ント群と、張力の低いフイラメント群とに再度分
離しつつも両群の繊維の一部が長さ方向に部分的
に交絡した糸条となり、それが仮撚装置により撚
糸される。この点から、伸度の低い方のフイラメ
ント糸は少くとも1.2倍以上で延伸仮撚できるこ
とが必須の条件であるが、その延伸倍率が1.4倍
以上とれるとき、最も好ましい結果が得られる。
更にこの時、巻付2層撚糸構造を得る為には、2
糸条の伸度差の大きさが関係しており、従来の常
識以上に大きい伸度差が必要である。即ち、交絡
のない場合には、両糸条の伸度差は50%程度もあ
れば十分2層構造となるが、交絡処理した場合に
は、80%以上の伸度差が必要であり、就中150%
以上の伸度差があれば一層好ましい結果が得られ
る。 このように、2糸条間に大きな伸度差を与えて
おくことにより、延伸による混繊糸の2層への分
離の顕在化と相俟つて、初めて加撚領域で起毛処
理に耐え得る2種撚糸構造が得られ、その結果、
その加撚糸の解撚によつて交互撚巻付2層構造糸
が得られるのである。 次に解撚時の成分糸条の2層構造の発生につい
て説明すると、単なる伸度差合糸、仮撚加工にお
いて、高速化した場合、加撚部では2層撚糸構造
になつているにもかかわらず、解撚時に2層交互
撚巻付構造にならなかつたのは、解撚点における
糸条のバルーニング、芯糸、外層部糸それぞれに
異つた大きさで作用する遠心力により構造発生が
阻害されたり、スピンドル或は摩擦仮撚円板等の
仮撚装置により、擦過、しごき等の作用を受け、
構造が破壊されたりしたからである。 ところで、本発明においては原糸段階で、芯部
を形成する糸条と外層部を形成する糸条との間に
部分的な交絡を付与してあるため、上記の解撚バ
ルーニング、仮撚装置による擦過、しごきに対し
て抵抗する集束力をもつためうまく解撚されて2
層交互撚巻付糸となる。尚このような加工糸を得
るためには原糸に付与する交絡は20個/M以上必
要で、30個/M以上(上限については100個/M
程度)あれば一層好ましい。交絡度の測定は次の
ようにして行なう。即ち交絡処理した原糸を容器
にはつた水に浮かべたとき、交絡のない部分は数
倍以上の太さに開繊し、交絡点は開繊しないとい
う性質を利用して、交絡点の数を目で読みとる。 尚、本発明に一見類似した方法として前述の特
開昭51−112953号公報には伸長モジユラスの異る
2糸条を引揃え、混繊ないし撚糸してから同時延
伸仮撚加工に供し、加撚域で毛羽立てすることが
記載されている。そして同公報の実施例1には伸
度150%及び80%(伸度差70%)の糸条を引揃え
て延伸倍率1.5で同時延伸仮撚加工する例が示さ
れている。しかしこの例では、引揃えであること
及び糸条間の伸度差が70%と、共に本発明の必須
要件を欠いている。更に、混繊ということも一応
示されているものの、ここでは本発明で言うよう
な、80%以上の伸度差1.2倍以上の延伸倍率下の
同時延伸仮撚加工において、糸条の交絡度を少く
とも20個/Mとするとき前述の作用・効果が得ら
れることについては教えてはいない。 以上の如く、原糸の絡み処理は、2層構造を形
成するにはマイナスになつているが、それを延伸
仮撚できる糸を使い、さらに大きな伸度差の糸を
組合せることによつてカバーできる。結果として
は交絡処理と原糸伸度特性の相乗的利用により、
起毛に対しても複合糸を得ることができるのであ
る。 本発明における伸度の異る2種以上のフイラメ
ント糸の組合せとしては、伸度の少ない方の糸条
に少くとも1.2倍以上に延伸仮撚できる糸条を用
い、かつ伸度の大きい糸条が該糸よりも更に80%
以上伸長できる糸条を用いる。最も好ましくは、
伸度の少ない方の糸が100%以上の伸度をもち1.4
倍以上の延伸倍率が採用できる部分配向フイラメ
ント糸で、かつ伸度の大きい糸条が250%を越え
る未延伸糸との組合せを用いる。 更に、本発明において、「フイラメント糸」と
は熱可塑性合成繊維フイラメント糸を意味し、特
にポリエチレンテレフタレートを主たる対象とす
るが、15モル%以下の割合で第3成分を共重合し
たものでも差しつかえない。また該ポリエステル
には艶消剤、着色剤、難燃剤等の添加剤を含んで
もさしつかえない。 また、未延伸糸及び部分配向糸のフイラメント
断面形状、艶消剤の含有量、着色剤含有の有無等
を同じにしてもよいが、これらのうち少なくとも
何れかを異ならせてもよい。 未延伸糸及び部分配向糸のデニールは用途に応
じて選定すべきであるが、一般にトータルデニー
ルにおいて捲付糸≧芯糸とするのがよく、前者は
75〜350de、後者は50〜150deとするのが特に好
ましい。また単繊維デニールは加工時の延伸倍率
を考慮して、加工後、単繊維デニールが捲付糸≦
芯糸となる組合せがよく加工後の捲付糸の単繊維
デニールは3de以下、芯糸の単繊維デニールは
3de以上が特に好ましい。上記のような糸条の組
合せによつて、嵩高性と表面の柔軟な感触と腰、
反撥性をもつ織編物を得ることができる。 また、空気噴射ノズルとしては一般に用いられ
ているインターレース加工用ノズルが好適でタス
ランノズルも適用できる。またインターレース処
理後一旦巻取つてもよく、巻取ることなく引続き
仮撚してもいずれでもよい。仮撚装置はツイスト
ピンに巻付けるスピンドル、流体式空気仮撚ノズ
ル、内接式或は外接式摩擦仮撚装置のいずれも適
用できる。同様に仮撚捲縮加工条件にしても従来
採用されている範囲で適宜、選定すればよい。 一方、フイラメントの切断起毛具としては例え
ば特公昭46−19743号公報、特公昭49−38379号公
報、特公昭48−7891号公報、特公昭48−31942号
公報等に示される回転乃至固定の粗面体若しくは
切断刃が有利に使用される。そしてこのような切
断起毛具は通常仮撚捲縮機のヒーター出口端と、
仮撚具の間の冷却ゾーンに設けるのが好ましい。 勿論、本発明によれば、切断起毛具と仮撚具を
個々に設ける場合のみならず、第5図に示す如
き、切断起毛機能を有する仮撚具10も好適に採
用することができる。第6図はかかる仮撚具の正
面図であり、具体的には複数個の円板摩擦体を装
着した3本又はそれ以上の軸を、各軸の円板が互
いに部分的に重合交叉し、螺旋に沿つて位置する
ように平行に設け、その際複数個の円板摩擦体が
糸に仮撚を入れる施撚摩擦体と、糸に毛羽を与え
る起毛摩擦体とから構成されている。 図において、ブラケツト13に3つの軸受1
4,15及び16をほぼ正三角形の頂点位置に設
け、該軸受14,15及び16を介して軸17,
18及び19を夫々回転可能に枢支している。軸
17の下端にプーリ17aを、軸18の下端にプ
ーリ18a,18b及び駆動輪20を、並びに軸
19の下端にプーリ19aを、それぞれ軸と一体
に成形し、又は止着している。プーリ17aと1
8bの間にタイミングベルト21等の動力伝達部
材を、同様にプーリ18aと19aとの間にタイ
ミングベルト22等の伝導部材を張架している。
駆動論20がベルト23等の駆動手段に押圧され
ると、駆動軸20から軸18へ、更にプーリー1
8a,18bからタイミングベルト21,22及
びプーリー17a,19aを介して軸17,19
へ夫々回転力が伝達され軸5,6,7は同方向に
回転される。 24,25,26,27,28,29,30,
31及び32は軸17,18,19に止着した円
板摩擦体で、それら円板摩擦体は糸に仮撚を入れ
る施撚摩擦体と糸を起毛して毛羽を与える起毛摩
擦体とからなり、図では1例として24,28,
29,30,31及び32が起毛作用のない施撚
摩擦体、25,26,27が起毛摩擦体の場合を
示している。 施撚摩擦体は従来公知のポリウレタン等の高摩
擦部材又はセラミツク若しくはセラミツクコーテ
イングした金属等の耐摩耗性部材で製作され、そ
の表面粗さは1〜88が適当である。表面粗さを1
〜8Sとすることによりポリウレタン等の高摩擦
部材で製作した円板摩擦体とほぼ同程度の施撚効
果が得られると共にポリウレタン摩擦体に比し遥
かに長い寿命となる。しかしながら表面粗さが
8Sを越えると、摩擦体接糸面で糸の撚回がスリ
ツプし、必要な高水準の撚が得にくくなる。 起毛摩擦体は酸化アルミニウム粒子を成形もし
くはコーテイングした粗面円板又はダイヤモンド
粒子をコーテイングした粗面円板等の粗面円板摩
擦体を用いる。起毛摩擦体の表面粗さは加工に供
する糸の太さ、単繊維の太さ、及び糸の構造によ
つて適したものとするが、粒子の平均の大きさで
表示すると100〜3000メツシユ相当のものが適当
であり、300〜1000メツシユの時には更に好まし
い効果が得られる。100メツシユより粗い粒子を
用いた場合には、施撚摩擦体によつて施撚された
撚が粗面な起毛摩擦体面で抑止され必要な仮撚水
準が得られなくなり、また断糸を起しやすくな
る。また3000メツシユを越える細かい粒子を用い
た場合には表面が滑らかになり、十分な起毛効果
が得られなくなる。 3本の軸17,18及び19に止着した複数個
の円板摩擦体は糸に仮撚を入れる施撚摩擦体を、
糸に毛羽を与える起毛摩擦体とから構成し夫々仮
撚及び起毛に関して独立の機能を有する如くす
る。円板摩擦体を専ら施撚を行なう施撚摩擦体と
専ら起毛を行う起毛粗面体とに機能を分担させる
ことにより、必要な高水準の仮撚と短い毛羽を多
くたてることが同時に満足できるようになる。つ
まり、施撚摩擦体で高水準の仮撚が入れられるの
で、その撚により繊維束が一時的に強く集束さ
れ、その状態で起毛粗面体により擦過起毛するこ
とができ、従つて短い毛羽が得られる。また起毛
摩擦体の表面を十分な毛羽数が得られるまで粗く
しても何ら仮撚数の低下をひきおこさないので、
多くの毛羽をたてるに必要な表面粗さの起毛摩擦
体を、所望の毛羽数に応じて必要な枚数だけ装着
することができる。かくの如くして製造される加
工糸は、高い水準の仮撚により十分高い嵩性(通
常仮撚の熱固定による。)をもち、かつ短い毛羽
を多くもつものとなる。 本発明において、複数個の円板摩擦体は、施撚
摩擦体と起毛粗面体を適当に配置すればよいが、
糸が加工中、最後に摺接する摩擦体は起毛作用を
もたない施撚摩擦体とするのが好ましい。糸が最
後に摺接する摩擦体においては、その表面で糸が
圧接されている部分では糸が仮撚により集束され
ているが、その摩擦体表面を離れようとする部分
では糸の解撚が始まり、糸は集束性をなくし、更
に付与された捲縮により糸はその構成単繊維がば
らばらに分散しふくらむ。この時最後に摺接する
摩擦体が起毛粗面体であると、糸がその面を離れ
ようとする一瞬に、ばらばらに分散して膨らもう
とする単繊維が粗面体の粒子によつてひつかけら
れ、長い毛羽を発生することになる。またその程
度が過ぎると断糸をひきおこす場合もある。従つ
て、糸が最後に摺接する摩擦体は起毛作用をもた
ない施撚摩擦体とするのが好ましい。一方、糸が
一番最切に摺接する摩擦体も別の理由から施撚摩
擦体とする方が好ましい。即ち第1の摩擦体を起
毛摩擦体とする場合は、その接触長が決められた
通りになるよう、その前の糸ガイドの位置を十分
注意して設定する必要がある。これをおこたると
多錘の生産機では錘間で毛羽数の異つた糸ができ
てしまう。この問題をさけるには第1の摩擦体を
施撚摩擦体にすれば、後は装置の機械的配置によ
り、第2枚目以後に止着した起毛摩擦体に決つた
接触長で糸を接触させることが可能となる。 また起毛摩擦体と施撚摩擦体との径関係では前
者の直径は後者の直径以下とするのが適当であ
る。起毛摩擦体はその表面粗さを加工しようとす
る糸の太さ、構成単繊維の太さ、糸の構造と、得
ようとする毛羽数に応じて選択装着するが、表面
粗さの粗い摩擦板を使用する場合には施撚摩擦板
により施撚された撚の遡及を阻害する場合が起
り、撚セツトするヒーター部への遡及撚数が低下
する場合がある。これは、特に粒子径が400メツ
シユより粗い起毛摩擦体を使う場合に注意が必要
である。この問題を避ける為には、施撚摩擦体の
表面速度を速めに設定することによつても十分解
決できるが、もともと高速加工に適用する装置を
より一層速く回転させることになり、振動等別の
問題をひきおこしかねない。一方、本発明によれ
ば起毛摩擦体の直径を施撚摩擦体の直径以下とす
ることにより粗面での糸の摺接角が小さくなり、
それだけ糸の撚回抵抗が減じ、撚遡及が阻害され
なくなり、上述の問題が解決される。 また、施撚摩擦円板の厚さTは一般に5〜10mm
とし、且つその端面の円弧部の曲率半径Rは厚さ
Tの3/4〜1倍とするのが適当である。尚、摩擦
円板の上下の面と端面の円弧部との間は前記曲率
半径Rに比し、十分小さい曲率半径rによつて滑
らかに連結することが好ましい。その際摩擦円板
の直径Dは通常40〜55mmの範囲とすることが好ま
しい。 更に起毛摩擦円板の厚さTは一般には5〜10mm
とし、かつその端面の円弧部の曲率半径R′は厚
さT′の3/5〜1倍とするのがよい。又、摩擦円板
の上下の面と端面の円弧部との間は、前記曲率半
径R′に比し十分小さい曲率半径r′によつて滑らか
に連結することが好ましい。 このようにした摩擦体円板を、それぞれ軸1
7,18,19に取付け、各軸の摩擦円板が互い
に部分的に重合交叉するようにする。ここで、隣
り合う摩擦円板の間〓tは通常1.0mm以下に維持
するのが好ましい。これを越えると、糸の走行が
不安定になり、0.3mm未満では糸掛けが難しくな
る。 一方、施撚摩擦体の枚数は起毛摩擦体の枚数よ
り多くする。施撚摩擦体の枚数が少ないと必要な
撚が入りにくくなり、更に起毛摩擦的での若干の
撚遡及阻害に、糸の撚回が負けて仮撚水準が低下
しやすい。このような問題は施撚摩擦体の枚数を
起毛摩擦体の枚数より多くすることによつて解決
できる。更にいえば、施撚摩擦体の枚数を起毛摩
擦体の枚数の2倍以上とするのが好ましい。 さて以上のように構成した仮撚、起毛装置にお
いては、糸条Yは糸ガイド23から各摩擦円板が
重合交叉して形成する糸道を順次摺接して糸ガイ
ド34に至る。ここで、施撚摩擦円板の厚さTを
十分に厚くするとともに、その端面の曲率半径R
を厚さTの3/4〜1倍と十分に大きくすることに
より糸条Yが摩擦円板に到達する点及び離れる点
の回転速度と、糸条Yを最大の回転速度で施撚す
る点の回転速度との差を小さくし、糸道方向にほ
ぼ均一の施撚が可能となる。又、施撚摩擦円板が
厚くすることにより施撚部が十分長いので、起毛
摩擦体による撚遡及阻害作用に打勝つて、均一か
つ高水準の施撚を行なうことができ、極めて均一
で、かつ嵩性の高い加工糸を得ることができる。
尚、施撚摩擦円板の厚さが薄すぎるときは施撚が
十分に行なわれず、また厚すぎるときは糸道方向
の抵抗を生じ、断糸を生じ易い。また端面の曲率
半径Rが過度に大きくなると端面は円柱断面に近
付き糸条の施撚が主としてその到達点及び難れ点
で行なわれることから起毛摩擦体の撚遡及阻害に
打勝つて施撚することができず、得られる加工糸
の嵩性を低下させ、また毛羽も毛足が長く、かつ
きたないものとなつてしまう。また前記Rが小さ
過ぎると糸の到達点と円弧断面の最外接部との速
度差が大となり、施撚斑を生じやすい。 更に、上記の点を考慮して、十分高い撚水準が
得られるもとで、起毛摩擦体についていえば、そ
の円板の厚さT′を十分に厚くすることにより十
分多くの毛羽をたてることができるばかりでな
く、その端面の曲率半径R′を厚さT′の3/5〜1倍
とすることにより糸摺接面の応力集中の適正化を
計ることができる為、起毛効果を十分にし、かつ
断糸等の問題が起らないような加工が可能であ
る。尚、起毛摩擦体の厚さT′が厚すぎると施撚
摩擦体によつて付与された撚の遡及を阻害し、加
工糸の嵩性を低下し、かつ毛羽も毛足の長いもの
となつてしまう。また糸道方向の抵抗が増大し断
糸を生じ易い。逆に薄すぎるときは十分な起毛効
果が得られない。また端面の曲率半径R′が大き
過ぎるときは、糸摺接面での応力集中が小さすぎ
て、十分な毛羽効果が得られず、逆にR′が小さ
すぎるときは糸摺接面での応力集中が大きすぎて
断糸を生じ易くなる。 かくして得られるスパンライク様2層構造毛羽
糸の糸使い乃至構造(第8図)とそれに対応する
特性、機能との関係は以下の如く説明できる。 (A) 芯心;伸度が小さい………起毛される確率が
極めて小さいので毛羽糸全体の強度繊持
効果あり (B) 巻付糸; (i) 伸度が大きい……芯糸を被覆しやすい (ii) 毛羽……柔軟、スパンライク風合の増長 (iii) 交互撚糸状捲付……スパンライク風合の付
与 (C) 芯糸と巻付糸との部分的交絡 (i) 捲付構造の安定作用(製編織性の改良) (ii) 毛羽の安定化(ピリング防止) (iii) 捲付構造自身の安定化(ネップ防止) 尚、伸度差合糸、仮撚加工により得た複合毛羽
糸の製織性を向上させる為に加工糸を空気噴射ノ
ズルに通して交絡処理を行うことも考えられる
が、その場合、その糸構造を乱流空気で一旦破壊
して芯部の繊維を外部へ引張り出して外層部の繊
維と交絡する為、2層構造が破壊され、第7図の
如き、構造的には糸足差をもつた捲縮糸の絡み糸
となり、製織性の向上とひきかえに風合が従来の
ウーリー加工糸に毛羽を付与したものの風合の域
を出ないという別の問題をひきおこすことにな
る。これに対し、本発明の毛羽糸は第8図の如
き、部分的に絡みをもつ、2層巻付構造毛羽糸で
ある為、製織性の改善とともに、従来のウーリー
捲縮糸とは異つたスパンライクな風合の織編物が
得られるという特長がある。 以上、述べたように本発明によれば高速度で仮
撚加工した場合でも、均斉且つ安定な2層巻付構
造糸が得ることができ、しかも断糸の懸念もな
く、短い毛羽を均一且つ高密度でたてることがで
きる。しかも得られる毛羽糸も製織性を改善でき
るばかりでなく得られる織編物も均整でスパンラ
イクな風合を有するものを得ることができる。 実施例 1 紡糸速度4500m/minの紡糸によつて得られた
伸度70%のポリエステルフイラメント糸
(96de/24fils)と速度2500m/minの紡糸で得ら
れた伸度150%の黒原着ポリエステルフイラメン
ト糸(180de/48fils)とを引揃えて第5図の工
程で交絡処理及び延伸仮撚起毛加工を行なつた。 即ち前記2糸条をフイードローラ6に供給し、
第1デリベリローラ8との間で、オーバーフイー
ド率0.5%、圧空圧4Kg/cm2でインターレースノ
ズル7によりインターレース処理し、60個/mの
交絡を付与し、引続いてローラ8を介して仮撚ゾ
ーンに供給し、延伸倍率1.284倍、仮撚数2550T/
m、ヒーター温度200℃、糸速即ち第2デリベリ
ローラ11の速度250m/minで延伸仮撚加工し
た。尚、仮撚具10としては第6図に示すもので
且つ下記第1表の実験No.1のものを使用した。 このようにして得た加工糸を顕微鏡で観察する
と第8図の如き均斉な交互撚2層構造毛羽糸で、
かつ芯部を構成する糸条(伸度30%)と外層部を
構成する糸条との間に白黒のフイラメントが互い
に入りくんでなる部分的交絡(51ケ/M)を有す
る毛羽様加工糸であつた。またこの糸を使つて製
織した所、製織工程でのネップ発生等のトラブル
もなく、得られた織物もスパンライクな風合を有
していた。 更に、仮撚具10の条件を種々変えて仮撚起毛
した際の結果を第1表に示す。
らなるスパンライク様2層構造毛羽糸の製造法に
関する。更に詳しくは本発明は前記マルチフイラ
メント糸に毛羽を与え、以て紡績糸様の外観、触
感、膨み、吸汗性を具備する、新規な毛羽糸の製
造法に関する。 従来、熱可塑性合成繊維マルチフイラメント糸
に毛羽を与え紡績糸的なふくらみ、外観、触感、
吸汗性等を与える方法に関してはすでに多くの方
法が提案されている。例えばフイラメント糸を撚
糸機により撚糸しその際発生するバルーニングの
外面に擦過体を接触せしめて起毛する方法、或い
はフイラメント糸に仮撚(捲縮)加工を行なうに
際し、加撚部分に擦過体を接触させ糸条表面のフ
イラメントを切断し毛羽を与える方法等がある。
このような方法にあつては例えば前者の場合、装
置的には簡略であるが加撚中の起毛であるために
起毛速度に限界があり実用的でなく、又張力変動
等の影響を受け毛羽量が変動し易いし、極端な場
合は断糸、ローラへの巻付き等のトラブルが発生
し、安定な操業性は望むべくもない。後者の例に
あつては毛羽を与える段階では速度的には通常の
仮撚加工と同様な高速加工が可能であり、又毛羽
を与えることに関しても前者の場合より張力変動
等のトラブルが少ないので安定して毛羽を与え易
い利点はある。しかしながら加撚中の表面繊維の
切断であるが実質的には糸条内部も略同等に切断
されており得られる毛羽糸は短繊維の集合体とな
り強度の低下が甚だ大きい。従つて多数の毛羽を
得ようとすればそれだけ強度が低下するので仮撚
子の摩擦抵抗により断糸の発生頻度が高まる欠点
があるばかりでなく、自ら起毛毛羽量に限度があ
り、かくして得られる糸条はちようど紡績に於け
るフロントローラから取出したフリースの如き構
造に近似しているので低強度に加えて毛羽の糸条
長手方向への移動が生じ易く毛羽の生長が大きく
ネツプ状となる。従つてこのままの糸条では製
織、製編等の実用に殆ど供し得ないので実撚を追
加し強度を高めると共に毛羽の移動を防止するこ
とが不可欠となり、結果として加工速度の制約を
受ける。この点、特開昭51−112953号公報には仮
撚域で芯糸は他の糸条を巻きつかせ、この巻付糸
を起毛することが提案されているが、一般に巻付
糸は芯糸上を滑り易いので、均一に起毛するには
かなり工夫を必要とする。 このように従来の方法にあつては毛羽を均一に
糸条表面に生ぜしめることは非常に困難であり、
多くの場合実撚の追加は不可欠のものであるが、
一方ではこの追撚により糸条は強く縛られ集束し
嵩高性、捲縮性が低下しふつくらした糸条が得ら
れない。又、追撚することにより生産速度が著し
く低下し極めて非能率となる。従つて実質的に無
撚状の嵩高捲縮糸に毛羽を安定して与える方法は
皆無というのが現状である。 従つて本発明の目的は、糸自身充分な強度を有
し、しかも均一にして充分な毛羽を具備し、且つ
ネツプ発生の懸念が解消されて糸取扱性の優れた
スパンライク様毛羽糸の製造法を提供することに
ある。 更に、本発明の他の目的は、施撚工程を省略
し、高速加工就中200m/min以上の加工速度下
においても尚且つ糸自身の物性を実質的に低下さ
せることなく毛羽を均一且つ安定した量で糸条表
面に付与し得るスパンライク様毛羽糸の製造法を
提供することにある。 本発明者等は上記の目的を達成せんとして鋭意
研究した結果、高速加工の実現という観点から
は、これを可能とする仮撚加工を採用するのが最
も有利であると考え、この工程に起毛工程を組入
れると共に、原糸使いの面から層間に交絡部分を
有する安定な2層構造巻付糸を形成した状態で、
主として巻付部分のフイラメントを切断起毛する
時、極めて満足すべき結果が得られることを究明
し、本発明に到達したのである。かくして、本発
明によれば 少くとも1.2倍以上の延伸倍率での延伸が可能
で、かつ伸度差が少くとも80%以上ある2種以上
のフイラメント糸を両糸の間に糸足差をつけるこ
となく引揃え状態で、ループ、たるみの形成を伴
わないインターレース処理に付して互いに混繊、
交絡させて少くとも20個/Mの交絡を付与した状
態で1.2倍以上の延伸倍率で同時延伸仮撚捲縮加
工に附して交互撚糸状の巻付2層構造糸を形成す
るとともに仮撚中の糸に起毛処理を施すことを特
徴とするスパンライク様2層構造毛羽糸の製造法 が提供される。 更に、これについて述べると、本発明は起毛
量、起毛の安定性、毛羽長の均一性、更には毛羽
糸全体としての実用的強度の維持という諸要件を
同時に満足するには起毛原糸として均一な巻付構
造を有する2層構造糸の巻付部分のフイラメント
を切断すると共に芯糸と巻付糸との間にフイラメ
ント間交絡を存在させることが不可欠であるとい
う技術思想に基いている。 更にこの点について詳しく述べると、一般に伸
度の異なる2種以上の糸条を合糸して、供給ロー
ラに供給し、仮撚スピンドルで施撚すると、伸度
の小なる糸条は伸びにくい為、糸条の芯部を構成
し、伸度の大なる糸条は伸びやすい為、糸条の外
層部をとりまくように撚糸される。この撚糸状態
を熱固定してから、解撚すると伸度の小なる糸条
が芯となり、伸度の大なる糸条がそのまわりを交
互撚糸状にとりまいた2層構造捲縮糸が得られ
る。 所で、このような加工は一般に100m/min以
下の低速で実施されているが、この場合、特に均
一な巻付構造を得ようとすると60m/min以下の
低速で注意深く加工することが必要になる。 かかる低速が採用されねばならない理由はその
糸構造が交互撚巻付糸という特殊性から、仮撚
(捲縮)加工中及び製織工程中の糸構造安定性が
極めて悪いという欠点を有しているからである。
特に仮撚加工においては、通常のウーリー加工の
常識では想像さえできないくらいに敏感に糸構造
が変化し、60m/min以下の加工速度では第1図
のように芯糸1の周りに巻付糸が交互撚糸状にと
りまいた均斉な巻付2層構造がまた100m/min
近辺では第2図のような部分的に巻付が不完全な
がらも一応は巻付2層構造が得られるが、150〜
250m/minになると、第3図のような巻付構造
は極く一部分となり、さらに300m/minを越え
ると、もはや巻付構造は得られず、第4図のよう
に完全に2本の糸条に分離した捲縮糸しか得られ
なくなる。 このような加工速度の上昇による巻付2層構造
からウーリー捲縮糸構造への変化に伴い、これら
を起毛すれば益々元の巻付構造が破壊され、起毛
糸より得られる織編物はスパンライクな外観、風
合を著しく減じることになる。しかも巻付構造の
ない部分はその内外層糸条の糸足分だけ外層糸に
相当する糸条にたるみが生じ、その結果仮撚加工
の巻取り部及び製織工程でネツプ発生の原因とな
り、ひいては工程トラブル製品の品位の著しい低
下といつた深刻な問題を招来するのである。 この点、本発明者等は高速加工下における、巻
付構造の破壊を防止し、恒久的に安定化された均
斉な巻付構造更には起毛処理によつてもその構造
が破壊されないような巻付構造を得るには、2糸
条の合糸に代えて混繊交絡手段に頼らざるを得な
いことを確認した。しかしながら、この混繊交絡
手段は2層構造の形成という観点からすればむし
ろマイナスの要因となるにも拘らず、この加工中
の巻付構造破壊防止と2層構造の形成との間に横
たわる二律背反性は、2糸条の伸度の選定と加工
手段として延伸仮撚との組合せにより、混繊、交
絡手段を使用することの欠点が克服され、その結
果理想に近い巻付状態で起毛処理を行うことがで
きるわけである。 本発明は伸度の異なる原糸(フイラメント糸)
を混繊、交絡する工程、交絡糸を加撚により、2
層撚糸構造を作る工程及びそれを解撚して交互撚
巻付2層構造とする工程及びこの2層構造形成中
(仮撚中)の、フイラメントの切断起毛工程とか
らなつている。 この工程は第5図に示され、ここで互いに伸度
の異る2糸条3,3′はガイド4で合糸されてか
ら張力調整装置5、フイードローラー6を経て混
繊、交絡用の空気噴射ノズル7に供給され、ここ
で20ケ/M以上の交絡点を有する交絡糸とされ
る。次いで、この交絡糸は第1デリベリーローラ
ー8により延伸仮撚ゾーンに供給され、ヒーター
9、起毛機能を兼備した仮撚具10を経て、第2
デリベリーローラー11により引取られた後、チ
ーズ12′として巻取られる。上記の例では仮撚
具として外接式の摩擦仮撚具を示したがこの仮撚
具によればスピンドルタイプの仮撚具に比べて
200m/min以上の高速加工が簡単である反面、
合糸仮撚の場合、前面スピンドルとは異つて最終
のデイスク(解撚点)で、巻付糸が剥離され易い
現象が判明した。この点、本発明では摩擦仮撚具
を採用しても前記の剥離の懸念もなく高速下に均
斉な2層構造毛羽糸を得ることができる。 本発明によれば原糸に付与する交絡処理によ
り、使用する原糸の特性と相俟つて起毛に対して
安定な2層構造糸が得られる。しかしながら単に
伸度差をもつ原糸に交絡付与して、仮撚加工する
時には、むしろ好ましからざる影響を仮撚の加熱
工程に及ぼすこととなる。即ち、供給する2種の
原糸に交絡を与えることは、それらの糸条を混繊
一体下してしまうことになり、単純に伸度の差を
もつ原糸を供給しても、芯部と外層部を構成する
2層構造糸を得ることはできない。従来、行なわ
れていた合糸、仮撚では、お互いの伸張変形を阻
害する力が働かなかつた為、伸度差が50%もあれ
ば巻付2層構造になつたが、本発明の如く2糸条
の間に交絡を与えた場合にはただ単に伸度差のあ
る原糸を一緒に施撚しても、交絡による変形阻害
により2層構造を形成しない。 この問題を解決し、交絡処理の効果を生かす為
に、仮撚加撚部の変形挙動について、種々検討し
た結果、その使用する原糸の伸度が大きく寄与し
ていることが判明した。以下、供給する原糸特性
と仮撚加撚部における糸条変形過程の関係につい
て説明する。 伸度差のある2種以上の原糸を交絡処理してか
ら仮撚具により加撚して、巻付2層撚糸構造を得
る為には伸度の低い方の糸が延伸仮撚できること
が必要であると同時に更に組合せる糸条の伸度差
が80%以上あることが必要である。交絡処理した
糸条は伸度差をもつ2糸条が混繊一体化している
為、そのまま加撚しても2層構造にはなりにく
い。ところが、伸度の少ない方の糸条に延伸仮撚
できる糸条を供給することにより、この問題が解
決される。即ち、延伸と同時に仮撚加撚すること
により、交絡処理で混繊一体化した伸度差をもつ
糸が両糸の仮撚加工張力に対する伸長特性の差異
によつて、大まかにみると、張力の高いフイラメ
ント群と、張力の低いフイラメント群とに再度分
離しつつも両群の繊維の一部が長さ方向に部分的
に交絡した糸条となり、それが仮撚装置により撚
糸される。この点から、伸度の低い方のフイラメ
ント糸は少くとも1.2倍以上で延伸仮撚できるこ
とが必須の条件であるが、その延伸倍率が1.4倍
以上とれるとき、最も好ましい結果が得られる。
更にこの時、巻付2層撚糸構造を得る為には、2
糸条の伸度差の大きさが関係しており、従来の常
識以上に大きい伸度差が必要である。即ち、交絡
のない場合には、両糸条の伸度差は50%程度もあ
れば十分2層構造となるが、交絡処理した場合に
は、80%以上の伸度差が必要であり、就中150%
以上の伸度差があれば一層好ましい結果が得られ
る。 このように、2糸条間に大きな伸度差を与えて
おくことにより、延伸による混繊糸の2層への分
離の顕在化と相俟つて、初めて加撚領域で起毛処
理に耐え得る2種撚糸構造が得られ、その結果、
その加撚糸の解撚によつて交互撚巻付2層構造糸
が得られるのである。 次に解撚時の成分糸条の2層構造の発生につい
て説明すると、単なる伸度差合糸、仮撚加工にお
いて、高速化した場合、加撚部では2層撚糸構造
になつているにもかかわらず、解撚時に2層交互
撚巻付構造にならなかつたのは、解撚点における
糸条のバルーニング、芯糸、外層部糸それぞれに
異つた大きさで作用する遠心力により構造発生が
阻害されたり、スピンドル或は摩擦仮撚円板等の
仮撚装置により、擦過、しごき等の作用を受け、
構造が破壊されたりしたからである。 ところで、本発明においては原糸段階で、芯部
を形成する糸条と外層部を形成する糸条との間に
部分的な交絡を付与してあるため、上記の解撚バ
ルーニング、仮撚装置による擦過、しごきに対し
て抵抗する集束力をもつためうまく解撚されて2
層交互撚巻付糸となる。尚このような加工糸を得
るためには原糸に付与する交絡は20個/M以上必
要で、30個/M以上(上限については100個/M
程度)あれば一層好ましい。交絡度の測定は次の
ようにして行なう。即ち交絡処理した原糸を容器
にはつた水に浮かべたとき、交絡のない部分は数
倍以上の太さに開繊し、交絡点は開繊しないとい
う性質を利用して、交絡点の数を目で読みとる。 尚、本発明に一見類似した方法として前述の特
開昭51−112953号公報には伸長モジユラスの異る
2糸条を引揃え、混繊ないし撚糸してから同時延
伸仮撚加工に供し、加撚域で毛羽立てすることが
記載されている。そして同公報の実施例1には伸
度150%及び80%(伸度差70%)の糸条を引揃え
て延伸倍率1.5で同時延伸仮撚加工する例が示さ
れている。しかしこの例では、引揃えであること
及び糸条間の伸度差が70%と、共に本発明の必須
要件を欠いている。更に、混繊ということも一応
示されているものの、ここでは本発明で言うよう
な、80%以上の伸度差1.2倍以上の延伸倍率下の
同時延伸仮撚加工において、糸条の交絡度を少く
とも20個/Mとするとき前述の作用・効果が得ら
れることについては教えてはいない。 以上の如く、原糸の絡み処理は、2層構造を形
成するにはマイナスになつているが、それを延伸
仮撚できる糸を使い、さらに大きな伸度差の糸を
組合せることによつてカバーできる。結果として
は交絡処理と原糸伸度特性の相乗的利用により、
起毛に対しても複合糸を得ることができるのであ
る。 本発明における伸度の異る2種以上のフイラメ
ント糸の組合せとしては、伸度の少ない方の糸条
に少くとも1.2倍以上に延伸仮撚できる糸条を用
い、かつ伸度の大きい糸条が該糸よりも更に80%
以上伸長できる糸条を用いる。最も好ましくは、
伸度の少ない方の糸が100%以上の伸度をもち1.4
倍以上の延伸倍率が採用できる部分配向フイラメ
ント糸で、かつ伸度の大きい糸条が250%を越え
る未延伸糸との組合せを用いる。 更に、本発明において、「フイラメント糸」と
は熱可塑性合成繊維フイラメント糸を意味し、特
にポリエチレンテレフタレートを主たる対象とす
るが、15モル%以下の割合で第3成分を共重合し
たものでも差しつかえない。また該ポリエステル
には艶消剤、着色剤、難燃剤等の添加剤を含んで
もさしつかえない。 また、未延伸糸及び部分配向糸のフイラメント
断面形状、艶消剤の含有量、着色剤含有の有無等
を同じにしてもよいが、これらのうち少なくとも
何れかを異ならせてもよい。 未延伸糸及び部分配向糸のデニールは用途に応
じて選定すべきであるが、一般にトータルデニー
ルにおいて捲付糸≧芯糸とするのがよく、前者は
75〜350de、後者は50〜150deとするのが特に好
ましい。また単繊維デニールは加工時の延伸倍率
を考慮して、加工後、単繊維デニールが捲付糸≦
芯糸となる組合せがよく加工後の捲付糸の単繊維
デニールは3de以下、芯糸の単繊維デニールは
3de以上が特に好ましい。上記のような糸条の組
合せによつて、嵩高性と表面の柔軟な感触と腰、
反撥性をもつ織編物を得ることができる。 また、空気噴射ノズルとしては一般に用いられ
ているインターレース加工用ノズルが好適でタス
ランノズルも適用できる。またインターレース処
理後一旦巻取つてもよく、巻取ることなく引続き
仮撚してもいずれでもよい。仮撚装置はツイスト
ピンに巻付けるスピンドル、流体式空気仮撚ノズ
ル、内接式或は外接式摩擦仮撚装置のいずれも適
用できる。同様に仮撚捲縮加工条件にしても従来
採用されている範囲で適宜、選定すればよい。 一方、フイラメントの切断起毛具としては例え
ば特公昭46−19743号公報、特公昭49−38379号公
報、特公昭48−7891号公報、特公昭48−31942号
公報等に示される回転乃至固定の粗面体若しくは
切断刃が有利に使用される。そしてこのような切
断起毛具は通常仮撚捲縮機のヒーター出口端と、
仮撚具の間の冷却ゾーンに設けるのが好ましい。 勿論、本発明によれば、切断起毛具と仮撚具を
個々に設ける場合のみならず、第5図に示す如
き、切断起毛機能を有する仮撚具10も好適に採
用することができる。第6図はかかる仮撚具の正
面図であり、具体的には複数個の円板摩擦体を装
着した3本又はそれ以上の軸を、各軸の円板が互
いに部分的に重合交叉し、螺旋に沿つて位置する
ように平行に設け、その際複数個の円板摩擦体が
糸に仮撚を入れる施撚摩擦体と、糸に毛羽を与え
る起毛摩擦体とから構成されている。 図において、ブラケツト13に3つの軸受1
4,15及び16をほぼ正三角形の頂点位置に設
け、該軸受14,15及び16を介して軸17,
18及び19を夫々回転可能に枢支している。軸
17の下端にプーリ17aを、軸18の下端にプ
ーリ18a,18b及び駆動輪20を、並びに軸
19の下端にプーリ19aを、それぞれ軸と一体
に成形し、又は止着している。プーリ17aと1
8bの間にタイミングベルト21等の動力伝達部
材を、同様にプーリ18aと19aとの間にタイ
ミングベルト22等の伝導部材を張架している。
駆動論20がベルト23等の駆動手段に押圧され
ると、駆動軸20から軸18へ、更にプーリー1
8a,18bからタイミングベルト21,22及
びプーリー17a,19aを介して軸17,19
へ夫々回転力が伝達され軸5,6,7は同方向に
回転される。 24,25,26,27,28,29,30,
31及び32は軸17,18,19に止着した円
板摩擦体で、それら円板摩擦体は糸に仮撚を入れ
る施撚摩擦体と糸を起毛して毛羽を与える起毛摩
擦体とからなり、図では1例として24,28,
29,30,31及び32が起毛作用のない施撚
摩擦体、25,26,27が起毛摩擦体の場合を
示している。 施撚摩擦体は従来公知のポリウレタン等の高摩
擦部材又はセラミツク若しくはセラミツクコーテ
イングした金属等の耐摩耗性部材で製作され、そ
の表面粗さは1〜88が適当である。表面粗さを1
〜8Sとすることによりポリウレタン等の高摩擦
部材で製作した円板摩擦体とほぼ同程度の施撚効
果が得られると共にポリウレタン摩擦体に比し遥
かに長い寿命となる。しかしながら表面粗さが
8Sを越えると、摩擦体接糸面で糸の撚回がスリ
ツプし、必要な高水準の撚が得にくくなる。 起毛摩擦体は酸化アルミニウム粒子を成形もし
くはコーテイングした粗面円板又はダイヤモンド
粒子をコーテイングした粗面円板等の粗面円板摩
擦体を用いる。起毛摩擦体の表面粗さは加工に供
する糸の太さ、単繊維の太さ、及び糸の構造によ
つて適したものとするが、粒子の平均の大きさで
表示すると100〜3000メツシユ相当のものが適当
であり、300〜1000メツシユの時には更に好まし
い効果が得られる。100メツシユより粗い粒子を
用いた場合には、施撚摩擦体によつて施撚された
撚が粗面な起毛摩擦体面で抑止され必要な仮撚水
準が得られなくなり、また断糸を起しやすくな
る。また3000メツシユを越える細かい粒子を用い
た場合には表面が滑らかになり、十分な起毛効果
が得られなくなる。 3本の軸17,18及び19に止着した複数個
の円板摩擦体は糸に仮撚を入れる施撚摩擦体を、
糸に毛羽を与える起毛摩擦体とから構成し夫々仮
撚及び起毛に関して独立の機能を有する如くす
る。円板摩擦体を専ら施撚を行なう施撚摩擦体と
専ら起毛を行う起毛粗面体とに機能を分担させる
ことにより、必要な高水準の仮撚と短い毛羽を多
くたてることが同時に満足できるようになる。つ
まり、施撚摩擦体で高水準の仮撚が入れられるの
で、その撚により繊維束が一時的に強く集束さ
れ、その状態で起毛粗面体により擦過起毛するこ
とができ、従つて短い毛羽が得られる。また起毛
摩擦体の表面を十分な毛羽数が得られるまで粗く
しても何ら仮撚数の低下をひきおこさないので、
多くの毛羽をたてるに必要な表面粗さの起毛摩擦
体を、所望の毛羽数に応じて必要な枚数だけ装着
することができる。かくの如くして製造される加
工糸は、高い水準の仮撚により十分高い嵩性(通
常仮撚の熱固定による。)をもち、かつ短い毛羽
を多くもつものとなる。 本発明において、複数個の円板摩擦体は、施撚
摩擦体と起毛粗面体を適当に配置すればよいが、
糸が加工中、最後に摺接する摩擦体は起毛作用を
もたない施撚摩擦体とするのが好ましい。糸が最
後に摺接する摩擦体においては、その表面で糸が
圧接されている部分では糸が仮撚により集束され
ているが、その摩擦体表面を離れようとする部分
では糸の解撚が始まり、糸は集束性をなくし、更
に付与された捲縮により糸はその構成単繊維がば
らばらに分散しふくらむ。この時最後に摺接する
摩擦体が起毛粗面体であると、糸がその面を離れ
ようとする一瞬に、ばらばらに分散して膨らもう
とする単繊維が粗面体の粒子によつてひつかけら
れ、長い毛羽を発生することになる。またその程
度が過ぎると断糸をひきおこす場合もある。従つ
て、糸が最後に摺接する摩擦体は起毛作用をもた
ない施撚摩擦体とするのが好ましい。一方、糸が
一番最切に摺接する摩擦体も別の理由から施撚摩
擦体とする方が好ましい。即ち第1の摩擦体を起
毛摩擦体とする場合は、その接触長が決められた
通りになるよう、その前の糸ガイドの位置を十分
注意して設定する必要がある。これをおこたると
多錘の生産機では錘間で毛羽数の異つた糸ができ
てしまう。この問題をさけるには第1の摩擦体を
施撚摩擦体にすれば、後は装置の機械的配置によ
り、第2枚目以後に止着した起毛摩擦体に決つた
接触長で糸を接触させることが可能となる。 また起毛摩擦体と施撚摩擦体との径関係では前
者の直径は後者の直径以下とするのが適当であ
る。起毛摩擦体はその表面粗さを加工しようとす
る糸の太さ、構成単繊維の太さ、糸の構造と、得
ようとする毛羽数に応じて選択装着するが、表面
粗さの粗い摩擦板を使用する場合には施撚摩擦板
により施撚された撚の遡及を阻害する場合が起
り、撚セツトするヒーター部への遡及撚数が低下
する場合がある。これは、特に粒子径が400メツ
シユより粗い起毛摩擦体を使う場合に注意が必要
である。この問題を避ける為には、施撚摩擦体の
表面速度を速めに設定することによつても十分解
決できるが、もともと高速加工に適用する装置を
より一層速く回転させることになり、振動等別の
問題をひきおこしかねない。一方、本発明によれ
ば起毛摩擦体の直径を施撚摩擦体の直径以下とす
ることにより粗面での糸の摺接角が小さくなり、
それだけ糸の撚回抵抗が減じ、撚遡及が阻害され
なくなり、上述の問題が解決される。 また、施撚摩擦円板の厚さTは一般に5〜10mm
とし、且つその端面の円弧部の曲率半径Rは厚さ
Tの3/4〜1倍とするのが適当である。尚、摩擦
円板の上下の面と端面の円弧部との間は前記曲率
半径Rに比し、十分小さい曲率半径rによつて滑
らかに連結することが好ましい。その際摩擦円板
の直径Dは通常40〜55mmの範囲とすることが好ま
しい。 更に起毛摩擦円板の厚さTは一般には5〜10mm
とし、かつその端面の円弧部の曲率半径R′は厚
さT′の3/5〜1倍とするのがよい。又、摩擦円板
の上下の面と端面の円弧部との間は、前記曲率半
径R′に比し十分小さい曲率半径r′によつて滑らか
に連結することが好ましい。 このようにした摩擦体円板を、それぞれ軸1
7,18,19に取付け、各軸の摩擦円板が互い
に部分的に重合交叉するようにする。ここで、隣
り合う摩擦円板の間〓tは通常1.0mm以下に維持
するのが好ましい。これを越えると、糸の走行が
不安定になり、0.3mm未満では糸掛けが難しくな
る。 一方、施撚摩擦体の枚数は起毛摩擦体の枚数よ
り多くする。施撚摩擦体の枚数が少ないと必要な
撚が入りにくくなり、更に起毛摩擦的での若干の
撚遡及阻害に、糸の撚回が負けて仮撚水準が低下
しやすい。このような問題は施撚摩擦体の枚数を
起毛摩擦体の枚数より多くすることによつて解決
できる。更にいえば、施撚摩擦体の枚数を起毛摩
擦体の枚数の2倍以上とするのが好ましい。 さて以上のように構成した仮撚、起毛装置にお
いては、糸条Yは糸ガイド23から各摩擦円板が
重合交叉して形成する糸道を順次摺接して糸ガイ
ド34に至る。ここで、施撚摩擦円板の厚さTを
十分に厚くするとともに、その端面の曲率半径R
を厚さTの3/4〜1倍と十分に大きくすることに
より糸条Yが摩擦円板に到達する点及び離れる点
の回転速度と、糸条Yを最大の回転速度で施撚す
る点の回転速度との差を小さくし、糸道方向にほ
ぼ均一の施撚が可能となる。又、施撚摩擦円板が
厚くすることにより施撚部が十分長いので、起毛
摩擦体による撚遡及阻害作用に打勝つて、均一か
つ高水準の施撚を行なうことができ、極めて均一
で、かつ嵩性の高い加工糸を得ることができる。
尚、施撚摩擦円板の厚さが薄すぎるときは施撚が
十分に行なわれず、また厚すぎるときは糸道方向
の抵抗を生じ、断糸を生じ易い。また端面の曲率
半径Rが過度に大きくなると端面は円柱断面に近
付き糸条の施撚が主としてその到達点及び難れ点
で行なわれることから起毛摩擦体の撚遡及阻害に
打勝つて施撚することができず、得られる加工糸
の嵩性を低下させ、また毛羽も毛足が長く、かつ
きたないものとなつてしまう。また前記Rが小さ
過ぎると糸の到達点と円弧断面の最外接部との速
度差が大となり、施撚斑を生じやすい。 更に、上記の点を考慮して、十分高い撚水準が
得られるもとで、起毛摩擦体についていえば、そ
の円板の厚さT′を十分に厚くすることにより十
分多くの毛羽をたてることができるばかりでな
く、その端面の曲率半径R′を厚さT′の3/5〜1倍
とすることにより糸摺接面の応力集中の適正化を
計ることができる為、起毛効果を十分にし、かつ
断糸等の問題が起らないような加工が可能であ
る。尚、起毛摩擦体の厚さT′が厚すぎると施撚
摩擦体によつて付与された撚の遡及を阻害し、加
工糸の嵩性を低下し、かつ毛羽も毛足の長いもの
となつてしまう。また糸道方向の抵抗が増大し断
糸を生じ易い。逆に薄すぎるときは十分な起毛効
果が得られない。また端面の曲率半径R′が大き
過ぎるときは、糸摺接面での応力集中が小さすぎ
て、十分な毛羽効果が得られず、逆にR′が小さ
すぎるときは糸摺接面での応力集中が大きすぎて
断糸を生じ易くなる。 かくして得られるスパンライク様2層構造毛羽
糸の糸使い乃至構造(第8図)とそれに対応する
特性、機能との関係は以下の如く説明できる。 (A) 芯心;伸度が小さい………起毛される確率が
極めて小さいので毛羽糸全体の強度繊持
効果あり (B) 巻付糸; (i) 伸度が大きい……芯糸を被覆しやすい (ii) 毛羽……柔軟、スパンライク風合の増長 (iii) 交互撚糸状捲付……スパンライク風合の付
与 (C) 芯糸と巻付糸との部分的交絡 (i) 捲付構造の安定作用(製編織性の改良) (ii) 毛羽の安定化(ピリング防止) (iii) 捲付構造自身の安定化(ネップ防止) 尚、伸度差合糸、仮撚加工により得た複合毛羽
糸の製織性を向上させる為に加工糸を空気噴射ノ
ズルに通して交絡処理を行うことも考えられる
が、その場合、その糸構造を乱流空気で一旦破壊
して芯部の繊維を外部へ引張り出して外層部の繊
維と交絡する為、2層構造が破壊され、第7図の
如き、構造的には糸足差をもつた捲縮糸の絡み糸
となり、製織性の向上とひきかえに風合が従来の
ウーリー加工糸に毛羽を付与したものの風合の域
を出ないという別の問題をひきおこすことにな
る。これに対し、本発明の毛羽糸は第8図の如
き、部分的に絡みをもつ、2層巻付構造毛羽糸で
ある為、製織性の改善とともに、従来のウーリー
捲縮糸とは異つたスパンライクな風合の織編物が
得られるという特長がある。 以上、述べたように本発明によれば高速度で仮
撚加工した場合でも、均斉且つ安定な2層巻付構
造糸が得ることができ、しかも断糸の懸念もな
く、短い毛羽を均一且つ高密度でたてることがで
きる。しかも得られる毛羽糸も製織性を改善でき
るばかりでなく得られる織編物も均整でスパンラ
イクな風合を有するものを得ることができる。 実施例 1 紡糸速度4500m/minの紡糸によつて得られた
伸度70%のポリエステルフイラメント糸
(96de/24fils)と速度2500m/minの紡糸で得ら
れた伸度150%の黒原着ポリエステルフイラメン
ト糸(180de/48fils)とを引揃えて第5図の工
程で交絡処理及び延伸仮撚起毛加工を行なつた。 即ち前記2糸条をフイードローラ6に供給し、
第1デリベリローラ8との間で、オーバーフイー
ド率0.5%、圧空圧4Kg/cm2でインターレースノ
ズル7によりインターレース処理し、60個/mの
交絡を付与し、引続いてローラ8を介して仮撚ゾ
ーンに供給し、延伸倍率1.284倍、仮撚数2550T/
m、ヒーター温度200℃、糸速即ち第2デリベリ
ローラ11の速度250m/minで延伸仮撚加工し
た。尚、仮撚具10としては第6図に示すもので
且つ下記第1表の実験No.1のものを使用した。 このようにして得た加工糸を顕微鏡で観察する
と第8図の如き均斉な交互撚2層構造毛羽糸で、
かつ芯部を構成する糸条(伸度30%)と外層部を
構成する糸条との間に白黒のフイラメントが互い
に入りくんでなる部分的交絡(51ケ/M)を有す
る毛羽様加工糸であつた。またこの糸を使つて製
織した所、製織工程でのネップ発生等のトラブル
もなく、得られた織物もスパンライクな風合を有
していた。 更に、仮撚具10の条件を種々変えて仮撚起毛
した際の結果を第1表に示す。
【表】
比較例 1
伸度27%の延伸ポリエステルフイラメント糸
(75de/15fils)と紡糸速度3500m/minで紡糸し
た、伸度120%のポリエステルフイラメント糸
(115de/36fils)とを引揃えて、第5図の工程で
交絡処理及び仮撚起毛加工を行なつた。 ここでは交絡処理は実施例1と同様に行ない、
仮撚条件は伸度27%の延伸糸が延伸仮撚できない
糸である為、オーバーフイード率3%で、撚数
2400T/m、ヒーター温度220℃で、糸速200m/
minで仮撚起毛加工を行つた。 このようにして得た毛羽様加工糸は第10図の
如きもので、伸度差は本発明の要件を満足するも
のの、延伸仮撚できる糸条を採用していないた
め、2層構造の程度が悪く、しかも交互撚構造を
も有しない糸であつた。また、この糸を使つて製
織した所、製織工程でのトラブルはなかつたが、
織物はスパンライクな風合に欠け、普通のウーリ
ー糸織物と大差なかつた。 比較例 2 紡糸速度4500m/minで紡糸した伸度70%のポ
リエステルフイラメント糸(96de/24fils)と紡
糸速度3000m/minで紡糸した伸度130%のポリ
エステルフイラメント糸(180de/48fils)とを
引揃えて、第5図の工程で交絡処理及び仮撚毛羽
加工を行なつた。加工条件はインターレース、仮
撚とも実施例1と同条件で加工した。 このようにして得た加工糸は第9図の如き糸
で、一応芯部を構成する糸条と外層部を構成する
糸条とからなつていたが、糸条間の伸度差が60%
であつて本発明の下限とする80%には及ばないた
め、交互撚巻付構造は殆んどできなかつた。ま
た、この糸を使つて製織した所、製織工程でのト
ラブルは殆んどなかつたが、織物はスパンライク
な風合に欠け、普通のウーリー糸織物と大差なか
つた。 実施例 2 紡糸速度3500m/minの紡糸によつて得られた
伸度112%のポリエステルフイラメント糸
(115de/24fils)と紡糸速度1500m/minの紡糸
によつて得られた伸度350%の黒原着ポリエステ
ルフイラメント糸(220de/72fils)とを引揃え
て、第5図の工程で交絡処理及び延伸仮撚起毛加
工を行なつた。 その際、インターレースノズルによりオーバー
フイード率0.5%、圧空圧4Kg/cm2で52個/mの
交絡を付与し、引続いて延伸倍率1.55倍、仮撚数
2500T/m、ヒーター温度180℃、糸速350m/
minで延伸仮撚起毛加工を行つた。 このようにして得た加工糸は第8図の如き、均
斉な交互撚2層構造毛羽で、かつ芯部を構成する
糸条(伸度39%)と外層部を構成する糸条との間
に部分的交絡(交絡点41ケ/M)を有する糸であ
つた。また、この糸を使つて製織した所、製織工
程でのネツプ発生等トラブルもなく、得られた織
物もスパンライクでソフトな風合を有していた。 実施例 3 紡糸速度2500m/minの紡糸によつて得られた
伸度150%のポリエステルフイラメント糸
(140de/fils)と速度1500m/minの紡糸で得ら
れた伸度350%のポリエステルフイラメント糸
(220de/72fils)とを引揃えて、第5図の工程で
交絡処理及び延伸仮撚起毛加工を行なつた。 その際、インターレースノズルによりオーバー
フイード率1.0%、圧空圧3.5Kg/cm2で、38個/m
の交絡を付与し、引続いて延伸倍率1.892倍、仮
撚数2450T/m、ヒーター温度200℃、糸速400
m/minで延伸仮撚起毛加工を行つた。 このようにして得た加工糸は第8図の如きもの
(芯糸の伸度28%、交絡数32個/m)で、製織上
のトラブルもなく、得られた織物はスパンライク
でソフトな風合を有していた。 実施例 4 第6図に示したような仮撚・起用摩擦体を施撚
摩擦円板と起毛摩擦円板とから構成した装置を用
い、摩擦板の配置、最後に摺接する摩擦体を起用
作用をもたない施撚摩擦板とした場合と、起毛作
用をもつ起毛摩擦板とした場合の効果について比
較した。即ち第6図の実施態様の通り、摩擦板2
4,28,29,30,31,32を施撚摩擦
板、25,26,27を起毛摩擦板とした場合
と、摩擦板24,27,28,29,30,31
を施撚摩擦板とし、25,26,32を起毛摩擦
板とした場合を比較した。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点40個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は、 延伸倍率 :1.55倍 ヒーター温度 :200℃ 施撚・起毛摩擦体の表面速度 :700m/min 糸速度 :350m/min で加工した。結果を第2表に示す。
(75de/15fils)と紡糸速度3500m/minで紡糸し
た、伸度120%のポリエステルフイラメント糸
(115de/36fils)とを引揃えて、第5図の工程で
交絡処理及び仮撚起毛加工を行なつた。 ここでは交絡処理は実施例1と同様に行ない、
仮撚条件は伸度27%の延伸糸が延伸仮撚できない
糸である為、オーバーフイード率3%で、撚数
2400T/m、ヒーター温度220℃で、糸速200m/
minで仮撚起毛加工を行つた。 このようにして得た毛羽様加工糸は第10図の
如きもので、伸度差は本発明の要件を満足するも
のの、延伸仮撚できる糸条を採用していないた
め、2層構造の程度が悪く、しかも交互撚構造を
も有しない糸であつた。また、この糸を使つて製
織した所、製織工程でのトラブルはなかつたが、
織物はスパンライクな風合に欠け、普通のウーリ
ー糸織物と大差なかつた。 比較例 2 紡糸速度4500m/minで紡糸した伸度70%のポ
リエステルフイラメント糸(96de/24fils)と紡
糸速度3000m/minで紡糸した伸度130%のポリ
エステルフイラメント糸(180de/48fils)とを
引揃えて、第5図の工程で交絡処理及び仮撚毛羽
加工を行なつた。加工条件はインターレース、仮
撚とも実施例1と同条件で加工した。 このようにして得た加工糸は第9図の如き糸
で、一応芯部を構成する糸条と外層部を構成する
糸条とからなつていたが、糸条間の伸度差が60%
であつて本発明の下限とする80%には及ばないた
め、交互撚巻付構造は殆んどできなかつた。ま
た、この糸を使つて製織した所、製織工程でのト
ラブルは殆んどなかつたが、織物はスパンライク
な風合に欠け、普通のウーリー糸織物と大差なか
つた。 実施例 2 紡糸速度3500m/minの紡糸によつて得られた
伸度112%のポリエステルフイラメント糸
(115de/24fils)と紡糸速度1500m/minの紡糸
によつて得られた伸度350%の黒原着ポリエステ
ルフイラメント糸(220de/72fils)とを引揃え
て、第5図の工程で交絡処理及び延伸仮撚起毛加
工を行なつた。 その際、インターレースノズルによりオーバー
フイード率0.5%、圧空圧4Kg/cm2で52個/mの
交絡を付与し、引続いて延伸倍率1.55倍、仮撚数
2500T/m、ヒーター温度180℃、糸速350m/
minで延伸仮撚起毛加工を行つた。 このようにして得た加工糸は第8図の如き、均
斉な交互撚2層構造毛羽で、かつ芯部を構成する
糸条(伸度39%)と外層部を構成する糸条との間
に部分的交絡(交絡点41ケ/M)を有する糸であ
つた。また、この糸を使つて製織した所、製織工
程でのネツプ発生等トラブルもなく、得られた織
物もスパンライクでソフトな風合を有していた。 実施例 3 紡糸速度2500m/minの紡糸によつて得られた
伸度150%のポリエステルフイラメント糸
(140de/fils)と速度1500m/minの紡糸で得ら
れた伸度350%のポリエステルフイラメント糸
(220de/72fils)とを引揃えて、第5図の工程で
交絡処理及び延伸仮撚起毛加工を行なつた。 その際、インターレースノズルによりオーバー
フイード率1.0%、圧空圧3.5Kg/cm2で、38個/m
の交絡を付与し、引続いて延伸倍率1.892倍、仮
撚数2450T/m、ヒーター温度200℃、糸速400
m/minで延伸仮撚起毛加工を行つた。 このようにして得た加工糸は第8図の如きもの
(芯糸の伸度28%、交絡数32個/m)で、製織上
のトラブルもなく、得られた織物はスパンライク
でソフトな風合を有していた。 実施例 4 第6図に示したような仮撚・起用摩擦体を施撚
摩擦円板と起毛摩擦円板とから構成した装置を用
い、摩擦板の配置、最後に摺接する摩擦体を起用
作用をもたない施撚摩擦板とした場合と、起毛作
用をもつ起毛摩擦板とした場合の効果について比
較した。即ち第6図の実施態様の通り、摩擦板2
4,28,29,30,31,32を施撚摩擦
板、25,26,27を起毛摩擦板とした場合
と、摩擦板24,27,28,29,30,31
を施撚摩擦板とし、25,26,32を起毛摩擦
板とした場合を比較した。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点40個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は、 延伸倍率 :1.55倍 ヒーター温度 :200℃ 施撚・起毛摩擦体の表面速度 :700m/min 糸速度 :350m/min で加工した。結果を第2表に示す。
【表】
上記の表から糸が最後に摺接する摩擦板を施撚
摩擦板とした場合(No.5)には、起毛摩擦板にし
た場合に比べて、毛羽長は短かく、断糸回数も少
なくなることが判る。 実施例 5 第6図に示したような仮撚・起毛摩擦体を施撚
摩擦体と起毛摩擦とから構成した装置を用い、摩
擦板の配置は第6図の態様の如く、摩擦板24,
28,29,30,31,32を施撚摩擦板、2
5,26,27は起毛摩擦板とし、起毛摩擦板の
直径の効果について検討した。尚、施撚摩擦板の
直径は50mmとし、軸17,18及び19のお互い
の間の間隔は37mmとした。また施撚摩擦板の表面
粗さは2Sを使用した。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点40個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は、 延伸倍率 :1.56倍 ヒーター温度 :195℃ 施撚、起毛摩擦体の表面速度 :700m/min 糸速度 :350m/min で加工した。結果を第3表に示す。
摩擦板とした場合(No.5)には、起毛摩擦板にし
た場合に比べて、毛羽長は短かく、断糸回数も少
なくなることが判る。 実施例 5 第6図に示したような仮撚・起毛摩擦体を施撚
摩擦体と起毛摩擦とから構成した装置を用い、摩
擦板の配置は第6図の態様の如く、摩擦板24,
28,29,30,31,32を施撚摩擦板、2
5,26,27は起毛摩擦板とし、起毛摩擦板の
直径の効果について検討した。尚、施撚摩擦板の
直径は50mmとし、軸17,18及び19のお互い
の間の間隔は37mmとした。また施撚摩擦板の表面
粗さは2Sを使用した。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点40個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は、 延伸倍率 :1.56倍 ヒーター温度 :195℃ 施撚、起毛摩擦体の表面速度 :700m/min 糸速度 :350m/min で加工した。結果を第3表に示す。
【表】
上記表から明らかなように、施撚摩擦体の直径
が50mmの時或いはそれより直径が小さいときは、
よく仮撚が入り、毛羽も長いものの割合が少なく
て良好な効果が得られる。特に起毛摩擦板の表面
が粗い場合にその効果が大きい。 実施例 6 第6図に示したような仮撚・起毛摩擦体を施撚
摩擦円板と起毛摩擦円板とから構成した装置を用
い、施撚摩擦板と起毛摩擦板の枚数構成について
その効果について検討した。第6図の如く、摩擦
板は軸17,18,19にそれぞれ3枚ずつ止着
し、その中24と32の摩擦板は施撚摩擦板と
し、25〜31の摩擦板を初めは25のみを起毛
摩擦板とし、順次25及び26、25,26及び
27というように1枚ずつ起毛摩擦板の枚数を増
やしていつた。施撚摩擦板は表面粗さ2S、起毛
摩擦板はダイヤモンドコートの粗さ800メツシユ
のものを用いた。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点42個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は 延伸倍率 :1.56倍 ヒーター温度 :210℃ 施撚・起毛摩擦体の表面速度 :870m/min 糸速度 :450m/min で加工した。結果を第4表に示す。
が50mmの時或いはそれより直径が小さいときは、
よく仮撚が入り、毛羽も長いものの割合が少なく
て良好な効果が得られる。特に起毛摩擦板の表面
が粗い場合にその効果が大きい。 実施例 6 第6図に示したような仮撚・起毛摩擦体を施撚
摩擦円板と起毛摩擦円板とから構成した装置を用
い、施撚摩擦板と起毛摩擦板の枚数構成について
その効果について検討した。第6図の如く、摩擦
板は軸17,18,19にそれぞれ3枚ずつ止着
し、その中24と32の摩擦板は施撚摩擦板と
し、25〜31の摩擦板を初めは25のみを起毛
摩擦板とし、順次25及び26、25,26及び
27というように1枚ずつ起毛摩擦板の枚数を増
やしていつた。施撚摩擦板は表面粗さ2S、起毛
摩擦板はダイヤモンドコートの粗さ800メツシユ
のものを用いた。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点42個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は 延伸倍率 :1.56倍 ヒーター温度 :210℃ 施撚・起毛摩擦体の表面速度 :870m/min 糸速度 :450m/min で加工した。結果を第4表に示す。
【表】
上記表から明らかなように、施撚摩擦体の枚数
は起毛摩擦板の枚数より多いとき、特に2倍以上
の枚数をもつとき(No.15〜17)、仮撚数が多く入
り、(毛羽長も短いものが多くなつて極めて良好
な結果が得られる。 実施例 7 第5図に示したような仮撚・起毛摩擦体を施撚
摩擦体と起毛摩擦体とから構成した装置を用い、
摩擦板の配置は第6図の態様の如く、摩擦板2
4,28,29,30,31,32を施撚摩擦板
25,26,27を起毛摩擦板とし、それぞれの
摩擦板の厚さT,T′、端面の円弧断面の曲率半
径R,R′の効果について検討した。尚、摩擦板
直径はいずれも50mmとし、軸17,18及び19
のお互いの間の間隔は37mmとした。また施撚摩擦
体はセラミツク製で表面粗さ2Sのものを、起毛
摩擦板はダイヤモンドコート製で粗さ600メツシ
ユのものを用いた。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点40個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は 延伸倍率 :1.56倍 ヒーター温度 :200℃ 施撚・起毛摩擦体の表面速度 :970m/min 糸速度 :500m/min で加工した。結果を第5表に示す。
は起毛摩擦板の枚数より多いとき、特に2倍以上
の枚数をもつとき(No.15〜17)、仮撚数が多く入
り、(毛羽長も短いものが多くなつて極めて良好
な結果が得られる。 実施例 7 第5図に示したような仮撚・起毛摩擦体を施撚
摩擦体と起毛摩擦体とから構成した装置を用い、
摩擦板の配置は第6図の態様の如く、摩擦板2
4,28,29,30,31,32を施撚摩擦板
25,26,27を起毛摩擦板とし、それぞれの
摩擦板の厚さT,T′、端面の円弧断面の曲率半
径R,R′の効果について検討した。尚、摩擦板
直径はいずれも50mmとし、軸17,18及び19
のお互いの間の間隔は37mmとした。また施撚摩擦
体はセラミツク製で表面粗さ2Sのものを、起毛
摩擦板はダイヤモンドコート製で粗さ600メツシ
ユのものを用いた。 原糸は伸度350%の未延伸ポリエステルフイラ
メント(220de/72fils)と伸度120%の部分配向
ポリエステルフイラメント(115de/24fils)と
を引揃えて通常の方法でインターレース処理(絡
み点40個/m)した糸を用い、第5図に示す工程
で延伸仮撚起毛加工を行つた。加工条件は 延伸倍率 :1.56倍 ヒーター温度 :200℃ 施撚・起毛摩擦体の表面速度 :970m/min 糸速度 :500m/min で加工した。結果を第5表に示す。
【表】
上表の如く、施撚摩擦円板と起毛摩擦円板の形
状がT=5〜10mm、T′=5〜10mm、R/T=3/4〜
1、R′/T′=3/5〜1を同時に満足する場合(No.
21〜25)、より高水準の仮撚数、短かくかつ多い
毛羽数を同時に満足する良好な結果が得られる。
状がT=5〜10mm、T′=5〜10mm、R/T=3/4〜
1、R′/T′=3/5〜1を同時に満足する場合(No.
21〜25)、より高水準の仮撚数、短かくかつ多い
毛羽数を同時に満足する良好な結果が得られる。
第1図〜第4図は伸度差のある2本の糸条を引
揃え仮撚捲縮加工した場合、加工速度に対応して
得られる加工糸の構造(比較例)を示す拡大側面
図、第5図は本発明を実施する装置の一態様を示
す概略図、第6図は本発明で、好適に用いられる
起毛・摩擦仮撚具の正面図、第7図は伸度差のあ
る2本の糸条を引揃え仮撚捲縮、起毛加工をして
得られた毛羽様加工糸をインターレース処理した
糸の構造を示す拡大側面図、第8図は本発明の糸
構造を示す拡大側面図であり、第9〜10図は第
8図糸構造の比較として示した不完全な糸構造を
示す拡大側面図である。 図において、1:原糸の伸度が低い方の糸、
2:原糸の伸度が高い方の糸、2′:伸度の高い
方の糸の切断自由端(毛羽)、3,3′:原糸、
4:ガイド、5:張力装置、6:フイードロー
ラ、7:インターレースノズル、8:第1デリベ
リローラ、9:ヒーター、10:仮撚具、11:
第2デリベリローラ、12:巻取ローラ、1
2′:巻取チーズ、13:ブラケツト、14〜1
6:軸受、17〜19:摩擦体止着軸、17a:
プーリー、18a:プーリー、18b:プーリ
ー、19a:プーリー、20:駆動輪、21〜2
2:タイミングベルト、23:駆動ベルト、2
4:施撚摩擦板、25〜27:起毛摩擦板、28
〜32:施撚摩擦板、33〜34:糸ガイド、
D:施撚摩擦板の直径、T:施撚摩擦板の厚さ、
R:施撚摩擦板端面の曲率半径、T′:起毛摩擦
板の厚さ、R′:起毛摩擦板端面の曲率半径、
t:隣合う摩擦円板間の距離、Y:糸。
揃え仮撚捲縮加工した場合、加工速度に対応して
得られる加工糸の構造(比較例)を示す拡大側面
図、第5図は本発明を実施する装置の一態様を示
す概略図、第6図は本発明で、好適に用いられる
起毛・摩擦仮撚具の正面図、第7図は伸度差のあ
る2本の糸条を引揃え仮撚捲縮、起毛加工をして
得られた毛羽様加工糸をインターレース処理した
糸の構造を示す拡大側面図、第8図は本発明の糸
構造を示す拡大側面図であり、第9〜10図は第
8図糸構造の比較として示した不完全な糸構造を
示す拡大側面図である。 図において、1:原糸の伸度が低い方の糸、
2:原糸の伸度が高い方の糸、2′:伸度の高い
方の糸の切断自由端(毛羽)、3,3′:原糸、
4:ガイド、5:張力装置、6:フイードロー
ラ、7:インターレースノズル、8:第1デリベ
リローラ、9:ヒーター、10:仮撚具、11:
第2デリベリローラ、12:巻取ローラ、1
2′:巻取チーズ、13:ブラケツト、14〜1
6:軸受、17〜19:摩擦体止着軸、17a:
プーリー、18a:プーリー、18b:プーリ
ー、19a:プーリー、20:駆動輪、21〜2
2:タイミングベルト、23:駆動ベルト、2
4:施撚摩擦板、25〜27:起毛摩擦板、28
〜32:施撚摩擦板、33〜34:糸ガイド、
D:施撚摩擦板の直径、T:施撚摩擦板の厚さ、
R:施撚摩擦板端面の曲率半径、T′:起毛摩擦
板の厚さ、R′:起毛摩擦板端面の曲率半径、
t:隣合う摩擦円板間の距離、Y:糸。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 少くとも1.2倍以上の延伸倍率での延伸が可
能で、かつ伸度差が少くとも80%以上ある2種以
上のフイラメント糸を両糸の間に糸足差をつける
ことなく引揃え状態で、ループ、たるみの形成を
伴わないインターレース処理に付して互いに混
繊、交絡させて少くとも20個/Mの交絡を付与し
た状態で1.2倍以上の延伸倍率で同時延伸仮撚捲
縮加工に附して交互撚糸状の巻付2層構造糸を形
成するとともに仮撚中の糸に起毛処理を施すこと
を特徴とするスパンライク様2層構造毛羽糸の製
造法。 2 一方のフイラメント糸が伸度100〜250%の部
分配向糸で構成され、他方のフイラメント糸が伸
度250%以上の未延伸糸で構成され、かつ両糸条
間に少くとも80%以上の伸度差が存在する特許請
求の範囲第1項記載のスパンライク様2層構造毛
羽糸の製造法。 3 交絡点が30ケ/M〜100ケ/Mの範囲にある
特許請求の範囲第1項または第2項記載のスパン
ライク様2層構造毛羽糸の製造法。 4 延伸倍率が1.2〜2.5である特許請求の範囲第
1項記載のスパンライク様2層構造毛羽糸の製造
法。 5 仮撚具が外接式摩擦仮撚具である特許請求の
範囲第1項記載のスパンライク様2層構造毛羽糸
の製造法。 6 仮撚具が複数個の円板摩擦体を装着した3本
又はそれ以上の軸を、各軸の円板が互いに部分的
に重合交叉して、螺旋に沿つて位置するように平
行に設けその際複数個の円板摩擦体を糸に仮撚の
みを入れる施撚摩擦体と、糸に毛羽を与える起毛
摩擦体とから構成したものである特許請求の範囲
第5項記載のスパンライク様2層構造毛羽糸の製
造法。 7 糸が最後に摺接する摩擦体が起毛作用をもた
ない施撚摩擦体よりなる特許請求の範囲第6項記
載のスパンライク様2層構造毛羽糸の製造法。 8 起毛摩擦体の直径が施撚摩擦体の直径以下で
ある特許請求の範囲第6項または第7項記載のス
パンライク様2層構造毛羽糸の製造法。 8 フイラメント糸がポリエステル系重合体より
成る特許請求の範囲第1項または第2項記載のス
パンライク様2層構造毛羽糸の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27693385A JPS61146830A (ja) | 1985-12-11 | 1985-12-11 | スパンライク様2層構造毛羽糸の製造法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27693385A JPS61146830A (ja) | 1985-12-11 | 1985-12-11 | スパンライク様2層構造毛羽糸の製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61146830A JPS61146830A (ja) | 1986-07-04 |
JPH0262611B2 true JPH0262611B2 (ja) | 1990-12-26 |
Family
ID=17576426
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP27693385A Granted JPS61146830A (ja) | 1985-12-11 | 1985-12-11 | スパンライク様2層構造毛羽糸の製造法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS61146830A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2892649B2 (ja) * | 1987-12-10 | 1999-05-17 | 株式会社クラレ | 交絡構造仮撚加工糸 |
JP2659380B2 (ja) * | 1987-12-23 | 1997-09-30 | 帝人株式会社 | 均染性混繊仮撚加工糸 |
JP2687513B2 (ja) * | 1988-11-25 | 1997-12-08 | 東レ株式会社 | カサ高毛羽系の製造方法 |
JP2009544859A (ja) * | 2006-07-27 | 2009-12-17 | エーリコン テクスティル ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト | 捲縮された合成糸を製造する方法 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5246141A (en) * | 1975-10-09 | 1977-04-12 | Toray Industries | Method of producing special touch bulk processed yarn |
-
1985
- 1985-12-11 JP JP27693385A patent/JPS61146830A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5246141A (en) * | 1975-10-09 | 1977-04-12 | Toray Industries | Method of producing special touch bulk processed yarn |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61146830A (ja) | 1986-07-04 |
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