JPS6250126B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 技術分野 本発明は、流し台に用いられその流し台の左右
に移動して調理や料理道具置台などのために用い
られる調理作業板を設置した流し台に関する。

背景技術 典型的な先行技術は、ステンレス鋼から成り多
数の水切り用の瞳孔が形成された板状体である。
このような先行技術では、その上で包丁を用いて
調理などを行なうことが困難であり、ヤカンなど
の料理道具を乗載するための強度性を欠き、単に
食器などの水切りのためにしか用いることができ
ず利用価値が低い。しかも表面から流れ落ちる水
が流し台に円滑に流れ落ちず、周囲が水で汚損さ
れることとなつた。たとえば実公昭47−35086で
は、食器洗浄部にローラを設けて、流し台上で移
動可能としており、そのため移動が円滑すぎて、
これを調理作業板として用いるときには、包丁を
使用することを考慮すると、危険な場合も生じ、
また調理作業板を流し台上で移動しないように固
定することが望まれる。

目 的 本発明の目的は、強度性および作業面での安定
性を有し、かつ流し台の案内部における移動を円
滑にする調理作業板を設置した流し台を提供する
ことである。

実施例 第１図は、本発明の一実施例の斜視図である。
流し台１の上部の手前側と背後側とには、その流
し台１の左右に延びる平行な案内部２，３がそれ
ぞれ形成される。この案内部２，３によつて左右
方向に移動自在の調理作業板４が設けられる。

第２図は、第１図の切断面線−から見た案
内部２，３および調理作業板４の断面図である。
案内部２，３は相互に対向した立上り面５，６と
この立上り面に連なり、相互の近接方向に延びる
水平な支持面７，８とを含む。支持面７，８のそ
れぞれの下方側には支持面７，８に沿つて棒状ま
たは断片状の永久磁石９，１０がそれぞれ埋設さ
れる。

調理作業板４は、その下方側の表面１１の前記
案内部２，３付近の端部１２，１３が案内部２，
３によつて支持される。調理作業板４の上方側の
表面の案内部２，３付近の端部１４，１５が、残
余の調理作業用表面１６および立上り面５，６の
上端部１７，１８よりも下方に距離ａだけ窪んで
いる。この距離ａは、たとえば２〜10ミリであ
る。調理作業板における水は、この窪みを通じて
流し台のシンクに流れ込み、水の飛散による流し
台周辺の汚損が防止される。この実施例では、調
理作業板４は裏返しても使うことができるように
するために、水平面および鉛直面に関して対称に
構成される。下方側の裏返しに用いられるときに
おける調理作業用表面１１と上方側の調理作業用
表面１６との厚みｄは、たとえば10〜30ミリであ
り、これによつて本件調理作業板がステンレス鋼
に覆われた合成樹脂から成る場合、十分な強度が
得られる。また調理作業用表面１６を立上り部
５，６の上端部１７，１８よりも上方に突出して
形成することによつて、その調理作業用表面１６
上で包丁を用いて調理を行なう際に、その包丁の
刃面が上端部１７，１８にあたることがなく、し
たがつて作業性が良い。

調理作業板４の表面は、ステンレス鋼から成る
カバー部材１９によつて覆われており、これによ
つて調理作業用表面１６が形成される。調理作業
板４の内部には発泡ウレタンなどの充填材２０が
充填されている。調理作業板４には流し台１の手
前側および背後側に延在する取付片２１，２２が
形成される。この取付片２１，２２には端部材２
３，２４が固着される。この端部材２３，２４は
硬質の合成樹脂性材料から成り、たとえばABS
などである。この端部材２３，２４の中に、取付
片２１，２２に沿つて棒状または断片状の永久磁
石２５，２６を、磁気方向を調理作業板４の水平
面に対し鉛直方向に向けてそれぞれ埋設する。こ
の永久磁石２５，２６は、案内部２，３にそれぞ
れ埋設された永久磁石９，１０と支持面７，８を
通じて相互に作用し合うこととなる。各永久磁石
２５，２６の磁極は、厚み方向（第２図の上下方
向）に同一であり、また同様に各永久磁石９，１
０の磁極は鉛直方向に同一である。そのため端部
材１４，１５の第２図における左右が逆になつた
状態で板４が設けられても、各永久磁石２５，２
６；９，１０は同時に磁気反発力および磁気吸着
力を発生することができる。

効 果 以上のように本発明によれば、調理作業板を流
し台に表向きに設置したときは、調理作業板と案
内部とにそれぞれ埋設された永久磁石によつて相
互に反発し合う磁気力が作用して、調理作業板を
案内部に沿つて円滑に移動することができ、調理
作業板を流し台に裏向きに設置したときは、調理
作業板と案内部とに相互に引き合う磁気力が作用
して調理作業板を流し台に密着することができ、
調理などの作業を安定して行なうことができる。
また調理作業板の強度性は、耐熱性、耐衝撃性を
有するステンレス鋼のカバー部材の使用によつて
得られる。永久磁石を端部材に埋め込んで構成す
ることによる利点は、(1)樹脂で被覆することによ
り調理作業板の磁石が直接金属や下方の磁石に密
着しないので、磁力を緩和調整でき、引着いて離
れない等ということが使用上起らない、また(2)永
久磁石が取付けられる部分は摺動部となるが露出
させてないので磁石取付け部の摺動等によるはが
れや破損は起り得ないことである。さらに本発明
は、包丁による固いものの切断や、料理材料をこ
ねる等のかなり力のかかる作業をする場合には磁
気的に着密する面で調理板を使用し、材料を置く
など力のかからない用途に使用する場合は調理板
を裏板して磁気的に離反させ、左右に摺動が軽く
できる面を使用するのであり、この表裏の使い方
は、普通に行われていることとは言えず、本発明
の優れた利点である。なお、本調理作業板は上記
作業に使うもので重量はかなり重くなり、かつ第
１図にある様に流し台の全面に渡つて摺動させ、
切る、洗う、かたずける等の行為に対して位置を
自在に設定して行なうことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の斜視図、第２図は
第１図の切断面線−から見た断面図である。 １……流し台、２，３……案内部、４……調理
作業板、５，６……立上り面、７，８……支持
面、２３，２４……調理作業板の端部、９，１
０，２５，２６……永久磁石。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 相互に対向した立上り面と、この立上り面に
   連なり相互の近接方向に延びる水平な支持面とを
   含む各案内部が、流し台の上部の手前側と背後側
   とに左右に平行に延在し、前記案内部に支持され
   て移動自在である調理作業板を設置した流し台に
   おいて、 前記案内部付近における調理作業板の両端部
   は、支持面に支持されて左右に摺動する硬質合成
   樹脂材料から成る端部材と、各端部材にそれぞれ
   内蔵されかつ厚み方向に磁化された永久磁石とか
   ら成り、各永久磁石の磁極は、厚み方向に同一で
   あり、 前記調理作業板の両端部がそれぞれ接する流し
   台の前記支持面の下方側に支持面に鉛直方向に磁
   化されかつ磁極は鉛直方向に同一である永久磁石
   を固着し、 前記各永久磁石によつて、調理作業板を流し台
   の前記案内部に磁気的に密着させまた離反させる
   ことを特徴とする調理作業板を設置した流し台。