JPS6244916Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 この考案は、医薬品等の軟膏類をチユーブ本体
より押出しながら直接患部に塗布し得るようにし
た塗布用チユーブに関する。

周知の如くチユーブ容器には、主として練歯み
がきや医薬用の軟膏類が収容されているが、その
内、軟膏類を収容する医薬用チユーブ容器にあつ
ては、軟膏をチユーブより押出して患部に塗布す
る場合、チユーブより押出した軟膏を指先で取
り、指先で軟膏を患部に塗布していたが、軟膏を
汚れた指先で取ると不衛生になるし、塗布した
後、指先を洗わなければならない面倒がある。又
軟膏を収容するチユーブにあつては、軟膏を最初
に使用するまで完全に密封しておく必要があるた
め、例えば特開昭56−70924号の如く盲チユーブ
に収容されている。しかし盲チユーブより最初に
軟膏を取出す際、盲蓋を開口しなければならない
し、盲蓋の開口部を軟膏の取出し後に塞ぐ必要が
あるため、実開昭48−37598号、実開昭54−
173852号の如く容器も工夫されているが、一長一
短があるため更にその改良が望まれていた。

〔考案の構成〕

そこでこの考案は、軟膏を最初に使用するまで
完全に密封しておく盲チユーブにおいて、盲蓋を
中栓にて開口すると共に、中栓より軟膏を押出し
ながら直接患部に塗布し得るようにし、キヤツプ
にて中栓の注出口を軟膏の取出し毎に開閉する塗
布用チユーブを工夫し、従来盲チユーブにおける
欠点を一挙に改良することに成功したものであ
る。

次に本案塗布用チユーブの構造を実施例の図面
により説明すると、１は内容物を収容する盲チユ
ーブ本体で、本体１は上部に口部２を設け、口部
２を盲蓋３で塞ぎ、口部２の外周に雄ネジ４を有
している。５は上記チユーブ本体１の口部２に螺
合する合成樹脂製の中栓で、中栓５は上部に向け
て半球状を成す塗布部６の中心部下方に、チユー
ブ口部２の盲蓋３を上方より突破つて開口する突
起７を設け、該突起７より外側の塗布部６下部
に、突起７より長く下方に突出しチユーブ本体１
の口部雄ネジ４に螺合する雌ネジ部８を設け、塗
布部６の外縁に雌ネジ部８より下方に長く垂設す
る外周壁９を設け、外周壁９の下部外面に数個の
凸部１９を歯車状に突設し、突起７の中心に収容
物の注出口１７を貫通状態で穿設するもので、突
起７は下部に向つて先細になるように形成され、
チユーブ口部２に中栓５の雌ネジ部８を浅く螺合
する状態で、中栓５より垂設する突起７が盲蓋３
の上方に位置し、中栓５を螺進して雌ネジ部８を
口部２に深く螺合することによつて、突起７が盲
蓋３を突破つて口部２内まで突入するものであ
る。２０は中栓５の外側に嵌合する合成樹脂製の
キヤツプで、キヤツプ２０は上壁２１の中央下部
に中栓５の注出口１７に挿入する栓凸起２３を設
け、キヤツプ側壁２２の内面下部に中栓外周壁９
の凸部１９と噛み合う縦長の凹溝２４を、中栓５
の出没が可能となる範囲で形成し、縦長凹溝２４
内の中間部に浅く螺合した中栓５の下端に係止す
る上部突条２５を、又縦長凹溝２４内の下端に深
く螺合した中栓５の下端に係止する下部突条２６
を設け、側壁２２の外面にローレツト等の滑り止
め２７を施すもので、キヤツプ側壁２２の凹溝２
４と中栓５の凸部１９が噛み合い、キヤツプ２０
と中栓５が一体に回動可能となるると共に、凹溝
２４の穿設範囲内において中栓５が出入り自在と
なるものである。

本案の塗布用チユーブは上記構造であるから、
軟膏類を収容した盲チユーブ本体１の口部雄ネジ
４に、先ず中栓５の雌ネジ部８を螺合し、中栓５
の突起７が盲蓋３の上方に位置するまで浅く螺合
した後、キヤツプ２０を中栓５に向けて嵌合し、
その際、中栓外周壁９の下部に設けた凸部１９
と、キヤツプ側壁２２の内面に設けた縦長凹溝２
４が相対するようにして押込み、キヤツプ２０の
押込みによつて中栓５の凸部１９が上下突条２５
と２６を乗越え、上部突条２５より上方の縦長凹
溝２４に挿入するまで嵌合すれば、上部突条２５
は第１図の如く中栓外周壁９の下端に係止してキ
ヤツプ２０の離脱を困難にする。キヤツプ２０の
嵌合によつて、キヤツプ２０の中心部に設けた栓
凸起２３が中栓５の注出口１７内に挿入し、注出
口１７を栓凸起２３にて塞ぐ。又キヤツプ２０内
に予め中栓５を嵌合しておき、キヤツプ２０内に
嵌合した中栓５の雌ネジ部８をチユーブ口部２に
螺合することもできる。上記の如くチユーブ口部
２に中栓５を浅く螺合し、その中栓５の外側にキ
ヤツプ２０を嵌合する状態で輸送又は移送する。

本案チユーブより最初に内容物を押出す際、先
ずキヤツプ２０を中栓５の螺進方向に回動し、キ
ヤツプ側壁２２の縦長凹溝２４に噛合している中
栓５をキヤツプ２０と共に回動すれば、中栓５は
チユーブ口部２の雄ネジ４に螺合しているため、
キヤツプ２０の回動に従つて中栓５が口部２に深
く螺進し、中栓５の螺進によつて中央部に設けた
突起７が口部２の盲蓋３を突破つて開口すると同
時に、中栓５の螺進に従つて外周壁９下部に設け
た凸部１９が、キヤツプ２０の縦長凹溝２４より
上部突条２５を乗越えて、第２図の如く突条２５
と２６間の縦長凹溝２４に嵌合する。キヤツプ２
０の回動によつて中栓５が口部２に深く螺合し、
突起７で盲蓋３を開口しても、キヤツプ２０の栓
突起２３は深く螺合した中栓５の注出口１７に今
だ浅く挿入しているので、チユーブ本体１に収容
されている軟膏は、盲蓋３の開口によつて直ちに
外部へ漏出したり、外気に触れて硬化することは
ない。また中栓５よりキヤツプ２０を抜き取り、
中栓５を直接回動し、中栓５をチユーブ口部２に
深く螺進しても口部２の盲蓋３を開口することが
できる。中栓５の螺進によつてチユーブ口部２の
盲蓋３を一度開口した以後は、中栓５の注出口１
７を塞いでいるキヤツプ２０を抜き取り、中栓５
の注出口１７を開口し、中栓５の注出口１７より
軟膏を押出しながら半球状を成す塗布部６で直接
患部に塗布する。軟膏の塗布後、中栓５にキヤツ
プ２０を嵌合すれば、キヤツプ２０の中央部に設
けた栓突起２３は、口部２に深く螺合している中
栓５の注出口１７内に浅く挿入し、注出口１７よ
り軟膏が漏れ出ないように塞ぎ、キヤツプ側壁２
２の縦長凹溝２４に設けた下部突条２６が、中栓
５の外周壁９下端に係止してキヤツプ２０の離脱
を困難にするものである。

尚中栓外周壁９の下部に設ける凸部１９を螺線
状にし、中栓５の外側に嵌合するキヤツプ２０の
側壁２２に、中栓外周壁９の螺線凸部１９に螺合
する螺線凹溝２４を設け、チユーブ口部２の雄ネ
ジ４に螺線凸部１９を有する中栓５を螺合し、中
栓５の螺線凸部１９に、該凸部１９と噛み合う螺
線凹溝２４を有するキヤツプ２０を螺合してお
き、チユーブ口部２の盲蓋３を開口する際、先ず
キヤツプ２０を回動すれば、キヤツプ２０の螺線
凹溝２４に中栓５の螺線凸部１９が噛み合つてい
るため、中栓５はキヤツプ２０と一緒に回動し、
キヤツプ２０より抜け出ながらチユーブ口部２に
深く螺入し、深く螺入した中栓５の突起７によつ
て盲蓋３が開口される。口部２に深く螺入した中
栓５の螺線凸部１９は、キヤツプ２０の側壁２２
下部まで達しているので、盲蓋３の開口後は、キ
ヤツプ２０を僅かに回動するだけで中栓５より離
脱し得る。

〔考案の効果〕

従つて本案の塗布用チユーブは、チユーブ口部
にキヤツプの回動にて螺進する中栓を螺合し、キ
ヤツプを嵌合したまま中栓を螺進して口部の盲蓋
を開口するものであるから、中栓にて盲蓋を破断
するまで、例え口部に対する中栓の螺合が緩んで
も、口部から軟膏が漏れ出ないし、チユーブ本体
に対する軟膏の充填も著しく容易となるばかり
か、盲蓋の開口が簡単でしかも衛生的である。又
盲蓋を開口した中栓の突起には注出口が穿設さ
れ、中栓の上部が半球状の塗布部に形成されてい
るので、盲蓋を開口した中栓の突起注出口より軟
膏を押出しながら、塗布部で直接患部に軟膏を塗
布することもできる。しかも塗布部は半球状を成
しているので滑らかに塗布し得るし、指先で軟膏
を塗布する場合より非常に衛生的で、指先を後で
洗う必要もない。又中栓の注出口は、中栓にキヤ
ツプを嵌合した際、キヤツプの栓凸起によつて塞
がれるため、注出口より軟膏が漏れ出ることもな
いし、外気に触れて硬化したり変質することもな
い等、本案の塗布用チユーブは、チユーブより収
容物を押出しながら塗布しなければならない練状
医薬品類の容器として特に実用的顕著な効果を奏
するものである。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本案塗布用チユーブの一部
を切欠して要部構造を示す正面図で、第１図は盲
蓋開口前の状態を、第２図は盲蓋開口後の状態示
し、第３図はキヤツプを取外して塗布する状態を
示す。第４図はチユーブ本体の縦断面図、第５図
は中栓を嵌合したキヤツプの一部切欠正面図、第
６図はキヤツプの一部切欠正面図、第７図は第６
図のＡーＡ断面図、第８図と第９図はキヤツプの
類例を示す一部切欠正面図、第１０図は中栓の一
部切欠正面図、第１１図は中栓の平面図、第１２
図と第１３図は類例塗布用チユーブの一部切欠正
面図で、第１２図は盲蓋開口前の状態を、第１３
図は盲蓋開口後の状態を示す。第１４図は類例中
栓の一部切欠正面図、第１５図は類例キヤツプの
一部切欠正面図である。 １……盲チユーブ本体、２……口部、３……盲
蓋、４……雄ネジ、５……中栓、６……塗布部、
７……突起、１７……注出口、８……雌ネジ部、
９……外周壁、１９……凸部、２０……キヤツ
プ、２１……上壁、２２……側壁、２３……栓突
起、２４……凹溝、２５，２６……突条、２７…
…滑り止め。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 口部２を盲蓋３によつて塞ぐ盲チユーブにおい
   て、口部２の外周に雄ネジ４を設け、この口部２
   に螺合する合成樹脂製の中栓５が、上部に向けて
   半球状を成す塗布部６の中心部下方に、中栓５の
   螺進によつて口部２の盲蓋３を突き破つて開口す
   る突起７を、又突起７より外側の塗布部６下方に
   口部雄ネジ４に螺合する雌ネジ部８を設け、突起
   ７の中心に収容物の注出口１７を貫通し、塗布部
   外周壁９の下端部外面に凸部１９を歯車状に設
   け、中栓５の外側に嵌合する合成樹脂製キヤツプ
   ２０の中心に中栓５の注出口１７に挿入する栓凸
   起２３を、キヤツプ側壁２２の内面に中栓外周壁
   ９の凸部１９と噛み合う凹溝２４を、中栓５の出
   没が可能となる範囲で設けた塗布用チユーブ。