JPS588689Y2 - 不正防止中栓付容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は化粧品、薬品、食品等の容器の内容物を使用
前に取出したり交換するなどの不正行為を防止する不正
防止中栓付容器に関する。

化粧品、薬品、食品等の容器は容器口部を中栓によって
閉塞し、その外側に蓋体を取付けている。

使用時には中栓による密封状態を解除して使用されるも
のであるが、中栓による密封方法が不充分であるために
一度開封した容器であっても中栓を元に戻しておくと外
見上開封の有無を確認できなかった。

即ち、一度開封して内容物が減少したり変質したりして
もメーカー出荷状態のような印象で販売されてしまうな
どの不都合があった。

この考案は上記事情を改善するためになされたもので、
その目的とするところは中栓に開口部と薄肉部を形成し
、薄肉部を使用時に切断して開封するとともに、一度開
封したら外見上から容易に判別し得る構造にして開封に
よる不正やトラブルを防止し、かつ、使用方法も簡単な
容器を提供しようとするものである。

以下、この考案を図示した実施例に基づき詳細に説明す
る。

図中１は合成樹脂または硝子等より形成された容器で、
この容器１の口部２の開口端近傍の外周面に係止部３を
環状（必ずしも全周でなくてもよい）に形成する。

この口部２内に円筒状に形成した中栓本体４を嵌挿し、
その円筒部５の外周面に環状の鍔部６を形成して前記係
止部３に嵌着する。

さらに、中栓本体４の円筒部５に開口部７を形成する。

前記中栓本体４の円筒部５内に略円筒状の押込中栓８（
第１図、第３図、第４図に示す形状または円柱状でもよ
い。

）を嵌挿し、その円筒部９の上部外周面に、前記中栓本
体４の鍔部６の上面に重ねられる環状の鍔部１０を形成
するとともに、円筒部９と鍔部１０の接続部８ａを薄肉
状または細いリブ数個所で接続するように形成する。

この接続部８ａは後に切り落とされるので引き裂き可能
な程度の強度に形成される。

また、前記押込中栓８は、接続部８ａを前記中栓本体４
の円筒部５の上端内縁の角部５ａに当接させて、前記中
栓本体４に嵌入されている。

一方、前記中栓本体４および押込中栓８の外側には蓋体
１１が被せられ、蓋体１１の内周面に形成されためねじ
１１ａと、前記口部２の外周面に形成されたおねじ２ａ
とによって螺合し取付けられる。

また、図中４ａは口部２を液密に保持するための密封片
、４ｂは円筒部９の落下を押さえ保−持するための中栓
底部、１１ｂは蓋体１１に形成され中栓本体４の鍔部６
などを密封するための密封片である。

なお、中栓本体４、押込中栓８、蓋体１１などはポリエ
チレン、ポリプロピレン等の比較的柔軟性のある合成樹
脂を適宜に組合わせ形成することが望ましい。

上記のようにして構成された容器の作用について説明す
る。

容器の内容物を取出すには、まず蓋体１１を回して取外
す。

この状態で蓋体１１の密封片１１ｂと押込中栓８の鍔部
１０の液密状態は解除されるが、内容物は口部２、密封
片４ａ、円筒部５、および円筒部９によって密封された
ままである。

なお、中栓本体４はその鍔部６が口部２の係止部３に嵌
着しているため手指などでは容易に取外せないようにな
っている。

次いで押込中栓８の底部を手指などにより下方に強く押
下げると、接続部８ａが、中栓本体４の円筒部５の上端
内縁の角部５ａに当接させられつつ引裂かれ、さらに、
押込中栓８の円筒部９が中栓本体４の円筒部５の内周面
を滑落し中栓底部４ｂに接して停止する。

円筒部９が第１図仮想線で示すように中栓底部４ｂまで
押下げられ保持されると、矢印のように開口部７を介し
て内容物と外気は直接流通する（密封状態が解除される
）ようになる。

この状態において鍔部１０はリング状となって中栓本体
４上に残されるが、取除き廃棄される。

また、中栓本体４と鍔部１０をアンダーカット状に係合
しておいて廃棄する手数を省きそのまま使用するように
してもよい。

このように押込中栓８を手指で押込むだけの簡単な操作
で容易に開封することができる。

開封が完了したら容器１を傾けることによって内容物を
開口部７より自由に取出すことができる。

この開口部７は第２図のように円筒部５の数個所に形成
し、内容物の種類（粘度、目的）などによってその太き
さや形状を適宜選定するのが望ましい。

一度開封すると押込中栓８は中栓本体４の中栓底部４ｂ
に押込まれたままとなるので容器１が開封されたかどう
かの確認は接続部８ａが切断されているかどうかを見る
だけで判別することができる。

開封後は蓋体１１に形成された密封片１１ｂを中栓本体
４の鍔部６に圧接して密封することができる。

なお、第３図および第４図はこの考案の他の実施例を示
すもので、前記実施例においてその底部が閉塞されてい
た押込中栓８の上端部（第３図参照）もしくは中間部（
第４図参照）を閉塞するようにしたものである。

以上の説明で明らかなように、この考案によれば押込中
栓の接続部が切れているかどうかを確認するだけで、一
度でも開封されたかどうかを判断することができ、中栓
の開封による内容物の取出しゃ交換などの不正行為を防
止してメーカー出荷状態の品質を保証して安心してユー
ザーに届けることができるとともに、開封するときは押
込中栓を手指で押込むだけの簡単な操作でできるなどの
不正防止中栓付容器を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示す部分断面図、第２図
は第１図の符号４部分の斜視図、第３図および第４図は
符号８部分の他の実施例を示す片側を省略した断面図で
ある。 １・・・・・・容器、２・・・・・・口部、３・・・・
・・係止部、４・・・・・・中栓本体、５・・・・・・
円筒部、５ａ・・・・・・角部、７・・・・・・開口部
、８・・・・・・押込中栓、８ａ・・・・・・接続部、
９・・・・・・円筒部、１０・・・・・・鍔部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器１の口部２に嵌入される有底円筒状の中栓本体４の
   円筒部５の下部に開口部７を形成し、前記円筒部５の上
   部に押込中栓８の円筒部９を嵌入して前記中栓本体４を
   閉塞させ、前記押込中栓８の円筒部９の上部外周に、前
   記中栓本体４の上面に接触して前記円筒部９の押込方向
   への移動を規制する鍔部１０を形成し、この鍔部１０と
   前記円筒部９との接続部８ａを薄肉状に形成するととも
   に、前記中栓本体４の円筒部５の上端内縁の角部５ａに
   当接させ、前記押込中栓８を押圧した際に、前記接続部
   ８ａが前記角部５ａに当接しつつ切断されることによっ
   て前記押込中栓８が押動まれで前記中栓本体４を開口す
   ることを特徴とする不正使用防止中栓付容器。