JPS641250Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、飲料液体等に用いる元栓保証キヤツ
プ付き注出口を備えたバツグインボツクスに関す
るものである。

（従来の技術） 従来、カートンに内袋を収納してなるバツグイ
ンボツクスにおいては内袋に充填された内容物を
注出するために注出口が取付けられているが、こ
のような注出口の取り付けにおける一般技術は、
実開昭54−182256号公報に示されているように、
カートンの注出口取着部に孔をあけ、カートンお
よび内袋の開口周辺部分を互いに嵌合し合う外部
固定具と内部固定具とで内外から挾着して容器の
注出口を形成し、外部固定具の開口部にキヤツプ
を被冠させるようにするものである。そして、内
容液の注出は開口栓で内袋を突き刺すことにより
行われる。

ところで、バツグインボツクス以外の缶などの
金属製外殻内に柔軟性を有する可塑物質よりなる
袋を挿入してなる容器は、実公昭37−23191号公
報に示すように、フランジ部およびねじ部より構
成し中央に流出入口を設けた流出入口体部を袋に
封入し、このねじ部を袋の切口より外方に突出さ
せ、容器上板の嵌入口に上記ねじ部を嵌め、ナツ
トにより容器外殻、袋および上記流出入口体部を
一体に締着し、上記流出入口体部には螺蓋を被
せ、さらにその上から外蓋を上記上板にビス止め
して構成されている。

また、瓶口を密栓する手段としては、実開昭53
−144446号公報に示すように、容器の首部周面に
蓋体が螺合係止される螺子条を設け、その螺子条
の下部に逆止歯部を設け、下端には逆止歯部に噛
合する掛合歯部を有した環体を切離自在に連結さ
せた蓋体を容器首部の螺合係止するようにしたも
のがある。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、実開昭54−182256号公報に示す
ような注出口付きバツグインボツクスにおいて
は、外部固定具と内部固定具の取り付け等が煩雑
となるばかりでなく、開口栓で内袋を突き刺すた
めに開封が煩わしいという問題点があつた。

また、実公昭37−23191号公報に示すような金
属製の缶等においては、ナツトにより容器外殻、
袋および流出入口体部を一体に締着し流出入口体
部には螺蓋を被せたのみであるため、内容液を密
封することができず、さらに螺蓋の上から外蓋を
ビス止めしているため、その取り付けが極めて煩
雑であるのみならずバツグインボツクスの注出口
としては極めて体裁が悪いという問題点があつ
た。

さらに、実開昭53−144446号公報に示すような
瓶口の密栓手段は、カートンと内袋からなる二重
構造のバツグインボツクスには適用できないとい
う問題点があつた。

本考案は上述の問題点に鑑みてなされたもの
で、バツグインボツクスの製造にあたつて注出口
の取り付けが極めて容易になるとともに、密封さ
れた内容物を注出するにあたつてその開封が容易
であり、かつ不容易なキヤツプの螺脱を防いで内
容物の保証をすることができるバツグインボツク
スを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） この目的達成のため本考案は、合成樹脂で射出
成型された注出口本体および元栓保証キヤツプが
取り付けられたバツグインボツクスであつて、注
出口本体を形成する注出用螺筒１をバツグインボ
ツクスの内袋に設けられた透孔１７内およびカー
トンに設けられた透孔１８内へ内側より貫挿さ
せ、注出口用螺筒１の下端に設けられた鍔２を内
袋の透孔１７の内側周縁部に溶着させ、上方キヤ
ツプ８および鍔１３を有する下方係止部９よりな
る元栓保証キヤツプを前詰注出口本体に被冠さ
せ、注出口用螺筒１の鍔２と下方係止部９の鍔１
３により前記内袋の透孔１７およびカートンの透
孔１８の周縁部を挟着するようにし、注出用螺筒
１の外側には雄螺子部５および第一係止突起６が
設けられ、注出用螺筒１の内側にはプルリング３
が取り付けられた肉薄部を有する閉塞部４が設け
られ、上方キヤツプ８および下方係止部９の内側
には雄螺子部５に螺着する雌螺子部７が設けら
れ、上方キヤツプ８の下端には第一係合突起１１
が設けられ、下方係止部９の上端には第二係合突
起１２が設けられ、第一係合突起１１と第二係合
突起１２とは上方キヤツプ８を前記注出口本体に
対して螺入方向に回転するときのみ係合し、上方
キヤツプ８と下方係止部９とは上方キヤツプ８の
前記注出口本体に対する螺脱方向の回転でちぎれ
る連結部１０で互いに連結され、下方係止部９の
内側には下方係止部９を前記注出口本体に対して
螺脱方向に回転するときにのみ第一係止突起６と
係合する第二係止突起１４が設けられてなる元栓
保証キヤツプ付き注出口を備えたバツグインボツ
クスを提供する。

（実施例） 以下図面に基づいて本考案の実施例について説
明する。

第１図は本考案のバツグインボツクスの一部を
切欠した斜視図である。図示の如く、カートンＤ
の内側には内袋Ｃが収納され、その外側には元栓
保証キヤツプＢが被冠された注出口が設けられて
いる。

第２図は本考案のバツグインボツクスの注出口
部分の一部を断面にした拡大正面図、第３図は本
考案にかかる注出口を構成する元栓保証キヤツプ
の一部切断正面図、第４図は本考案にかかる注出
口を構成する注出口本体の切断正面図、第５図お
よび第６図は上記元栓保証キヤツプおよび注出口
本体の斜視図である。

図示の如く、本考案にかかる注出口は、注出口
本体Ａと、これに螺着する元栓保証キヤツプＢと
よりなるもので、これらは何れも合成樹脂にて射
出成形されるものである。

注出口本体Ａは、第４図および第６図に示すよ
うに、注出用螺筒１とその下端の鍔２と、その内
部のプルリング３付の閉塞部４とからなり、注出
用螺筒１には外面の雄螺子部５に続いて第一係止
突起６が設けられている。

元栓保証キヤツプＢは、第３図および第５図に
示すように、その内側に、注出口本体Ａの注出用
螺筒１の雄螺子部５に螺着する雌螺子部７を有す
る上方キヤツプ８と、下方係止部９とからなり、
これらの両部分は細い連結部１０で連結されてお
り、上方キヤツプ８の下端には第一係合突起１１
が設けられ、下方係止部９の上端には第二係合突
起１２が設けられている。下方係止部９には外方
に鍔１３が、また内側の雌螺子部７に続いて、注
出口本体Ａの第一係止突起６に係合する第二係止
突起１４がそれぞれ設けられている。さらに、上
方キヤツプ部８の天板１５の内面には、パツキン
グ１６が設けられている。

そして、第一係合突起１１と第二係合突起１２
とは、上方キヤツプ部８を注出口本体Ａに対して
螺入方向に回転するときのみに係合するようにな
つており、第一係止突起６と第二係止突起１４と
は、下方係止部９を注出口本体Ａに対して螺脱方
向に回転するときのみ係合するようになつてい
る。

このような注出口本体Ａと元栓保証キヤツプＢ
とから構成される注出口は、これをバツグインボ
ツクスの製造過程において、バツグインボツクス
本体に取着けるには、次のような工程を経るもの
である。

一方が開放されている内袋Ｃの閉塞側に設けら
れた透孔１７内に、内袋Ｃの内側より注出口本体
Ａの注出用螺筒１を貫挿して、その鍔２をもつて
内袋Ｃの透孔１７の周縁部に溶着する。

この状態のものの注出用螺筒１を、ブランク板
から打抜いて展開状態あるいは本組立状態になる
カートンＤの透孔１８より突出させ、これの雄螺
子部５に、元栓保証キヤツプＢを、その内側の雌
螺子部７をもつて螺着し、下方係止部９の外側の
鍔１３をもつて内袋Ｃの透孔１７およびカートン
Ｄの透孔１８の周縁部を鍔２との間に挟着する。

この際、元栓保証キヤツプＢの螺着は、上方キ
ヤツプ部８を螺入方向に回転すると、上方キヤツ
プ部８と下方係止部９とは、第一係合突起１１と
第二係合突起１２が係合状態にあるから、上方キ
ヤツプ部８の螺入方向の回転は、下方係止部９に
そのまま伝わり、下方係止部９は、その内側の第
二係止突起１４が注出口本体Ａの第一係止突起６
上を滑つて螺入されるのである。

容器メーカにおいては、このようなカートンの
組立て前の状態で製品として使用者側に渡すので
ある。

使用者側としては、内袋Ｃの開放端より内容物
を充填してシールし、カートンを組立てることに
より、内容物が充填包装されたバツグインボツク
ス製品とするのである。

また、注出口本体Ａを溶着した内袋Ｃ、カート
ンＤおよび元栓保証キヤツプＢを別々に使用者側
に納めることができる。この場合、使用者側は、
先ず内袋Ｃに内容物を充填し、シールしたもの
を、あらかじめ側部および底部を組立て貼着した
カートンＤ内に上方より挿入し、しかる後に上面
板の透孔１８より注出用螺筒１を突出させて上面
板を組立て貼着すると共に、注出用螺筒１に元栓
保証キヤツプＢを螺着し、鍔板１３をもつてカー
トンＤを、その透孔１８の孔縁を挟着することに
より、バツグインボツクス製品とする。

このようなバツグインボツクスは、その内容物
を使用するに際して、元栓保証キヤツプＢの上方
キヤツプ部８を螺脱するのであるが、下方係止部
９は、その螺脱方向において、その内部の第二係
止突起１４が、注出口本体Ａの第一係止突起６と
係合しているから、螺脱されることがなく、ま
た、上方キヤツプ８の螺脱方向の回転は、係合突
起１１と１２とが係合しないで滑るようになつて
いるから、上方キヤツプ部８と下方係止部９とを
連結する細い連結部１０は、上方キヤツプ部８の
螺脱方向の回転でちぎれて、上方キヤツプ部８
は、注出口本体Ａより容易に螺脱される。

次いで、プルリング３を把持して引つ張ること
により、閉塞部４は、肉薄部より容易に切離され
て開封され、内容物を注出することができる。内
容物の使用が途中にして、再び上方キヤツプ８を
注出口本体Ａに螺着するときは、パツキング１６
をもつて注出用螺筒１の開口端は閉塞される。

（考案の効果） 以上のように本考案においては、注出口本体と
元栓保証キヤツプとが共に合成樹脂で射出成形さ
れたものであり、注出口本体の鍔を内袋に溶着
し、この注出口本体をカートンの透孔に挿入し
て、元栓保証キヤツプの下方係止部に設けた鍔に
て内袋とカートンとを注出口本体に設けた鍔との
間に挟着して注出口が取り着けられているため、
注出口本体とこれに螺着する元栓保証キヤツプと
の協働により、バツグインボツクスへの注出口の
取り付けが極めて容易になるとともに、不容易な
キヤツプの螺脱を防いで内容物の保証をすること
ができ、さらに、注出口本体の内側にはプルリン
グが取り付けられた肉薄部を有する閉塞部が設け
られているため、密封された内容物を注出するに
あたつてその開封が極めて容易であるという効果
を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案のバツグインボツクスの一部を
切欠した斜視図、第２図は本考案のバツグインボ
ツクスの注出口部分の一部を断面にした拡大正面
図、第３図は本考案にかかる注出口を構成する元
栓保証キヤツプの一部切断正面図、第４図は本考
案に係る注出口を構成する注出口本体の切断正面
図、第５図および第６図は上記元栓保証キヤツプ
および注出口本体の斜視図である。 Ａ……注出口本体、Ｂ……元栓保証キヤツプ、
Ｃ……内袋、Ｄ……カートン、１……注出用螺
筒、２，１３……鍔、３……プルリング、４……
閉塞部、５……雄螺子部、６……第一係止突起、
７……雌螺子部、８……上方キヤツプ、９……下
方係止部、１０……連結部、１１……第一係合突
起、１２……第二係合突起、１４……第二係止突
起、１７……内袋の透孔、１８……カートンの透
孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 合成樹脂で射出成型された注出口本体および元
   栓保証キヤツプが取り付けられたバツグインボツ
   クスであつて、注出口本体を形成する注出用螺筒
   １をバツグインボツクスの内袋に設けられた透孔
   １７内およびカートンに設けられた透孔１８内へ
   内側より貫挿させ、注出口用螺筒１の下端に設け
   られた鍔２を内袋の透孔１７の内側周縁部に溶着
   させ、上方キヤツプ８および鍔１３を有する下方
   係止部９よりなる元栓保証キヤツプを前記注出口
   本体に被冠させ、注出口用螺筒１の鍔２と下方係
   止部９の鍔１３により前記内袋の透孔１７および
   カートンの透孔１８の周縁部を挟着するように
   し、注出用螺筒１の外側には雄螺子部５および第
   一係止突起６が設けられ、注出用螺筒１の内側に
   はプルリング３が取り付けられた肉薄部を有する
   閉塞部４が設けられ、上方キヤツプ８および下方
   係止部９の内側には雄螺子部５に螺着する雌螺子
   部７が設けられ、上方キヤツプ８の下端には第一
   係合突起１１が設けられ、下方係止部９の上端に
   は第二係合突起１２が設けられ、第一係合突起１
   １と第二係合突起１２とは上方キヤツプ８を前記
   注出口本体に対して螺入方向に回転するときのみ
   係合し、上方キヤツプ８と下方係止部９とは上方
   キヤツプ８の前記注出口本体に対する螺脱方向の
   回転でちぎれる連結部１０で互いに連結され、下
   方係止部９の内側には下方係止部９を前記注出口
   本体に対して螺脱方向に回転するときにのみ第一
   係止突起６と係合する第二係止突起１４が設けら
   れてなる元栓保証キヤツプ付き注出口を備えたバ
   ツグインボツクス。