JPH0138024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、紙製容器、バツクインボツクス等の
液体容器の注出口栓で、特にはガスバリヤ性に優
れた注出口栓に関する。

（従来の技術） 従来より、紙製容器、バツクインボツクス型等
の液体容器には、牛乳、清酒、ジユース等の内容
物を注出するための手段として、注出口栓が取り
付けられており、清酒等の長期保存する食品の場
合には完全な密封性が要求され、例えば、アルミ
箔等のガスバリヤー性層を有する屋根型の紙製容
器の屋根部に易開口性を有する注出栓が取り付け
られた容器が使用されている。

この容器においては紙製容器自身はガスバリヤ
ー性を有するが、容器の開口部に取り付けられた
注出口栓は一般的には、プラスチツク単体のイン
ジエクシヨン成形品であり、この注出口栓からガ
ス透過を許し、これにより内容液は空気中の酸素
により酸化され、腐蝕されるので商品価値を低下
してしまつていた。

また、アルミ箔を含むバリヤー性膜を合成樹脂
製の蓋に開口のために設けた薄肉部裏面に付着し
て、薄肉部より容器の内外ににわたる気体を遮断
する瓶蓋が実開昭59−186254号公報に示されてい
る。しかしながら上記した公報の瓶蓋は、プルリ
ングを引つ張つて開口するものであり、再封する
ためにはオーバーキヤツプ等の別部品が必要であ
つて、二つの部品を別に製造してセツトしなけれ
ばならないため、その製造工程が複雑になり、高
価になるものであつた。

（解決しようとする問題点） 本考案は上記したような問題点を解決するもの
であつて、内容物が酸化されることがなく、従来
のように、再封のために別部品を必要としない簡
単な構成の注出口栓を提供するものである。

（問題点を解決する手段） 本考案は上記問題点を解消したもので、容器の
開口部に取り付けられるフランジ部を有する注出
栓で、該フランジ部にはアルミ箔を含むバリヤー
性膜が付着され、該フランジ部の内周縁からフラ
ンジ部を下端として上方に円筒状の注出部が突設
され、該注出部上端内面から、薄肉部を有する環
状の連結部を介して上方には再封用の内筒部が延
設され、かつ該内筒部の内側開口部を閉鎖するよ
うな天壁部が形成され、該天壁部裏面には先端が
鋭角となつた突刺部が垂設されていることを特徴
とする注出口栓である。

（作用） 上記バリヤー性膜の存在により、注出口栓から
のガス透過を防止でき、しかもこのバリヤー性膜
は突刺部で簡単に開口できる。

また、開口後、再封用の内筒部により簡単再封
できる。

（実施例） 以下、図面に示した実施例により本考案を詳細
に説明する。

第１図は本考案の第１の実施例を示すもので、
本考案の注出口栓Ａは、アルミ箔ａを含む紙製容
器Ｂの開口部の内側より取り付けられるフランジ
部１を有し、このフランジ部１の裏面にはその周
縁ｂを被覆されるようにアルミ箔ｃを含むバリヤ
ー性膜２が溶着等の手段により付着され、その開
口部を閉鎖している。このバリヤー性膜２として
はポリエチレン／アルミ箔／ポリエチレン等の層
構成のものを使用することが好ましい。

次に、上記フランジ部１の内周縁から上方に向
つて円筒状の注出部３が突設され、この注出外周
下方には保持用のリブ４が設けられ、このリブ４
は紙製容器Ｂの開口部に注出口栓Ａを内側より挿
入して溶着するときの仮止め用である。またこの
注出部３の内壁には再封用のネジ５が設けられて
いる。前記注出部３上端内側から、薄肉部６を有
する連結部７を介して上方には再封用の内筒部８
が延設され、この内筒部８の外壁には前記注出部
４の内壁のネジ５と螺合するネジ９が設けられて
いる。この内筒部８の上端を閉鎖するように天壁
部１０が形成され、この天壁部１０周縁には外側
に突設した鍔部１１が形成され、かつこの天壁部
１０の裏面からは先端ｄが鋭角な円筒形の突刺部
１２が垂設されている。

次に開口方法および再封方法を説明すると、前
記天壁部を下方に押込むことにより、前記薄肉部
７が切断され、さらに前記ネジ５，９を利用して
下方に回動すると、前記突刺部１２がバリヤー性
膜２を破つて開口する。次にネジを逆に回わして
内筒部８等を外せば注出可能となり、再度ネジを
回して内筒部８等で再封できる。

次に、第２図を用いて他の実施例を説明する
と、第１図の実施例と同様に、注出口栓A′は、
アルミ箔a′を含む紙製容器Ｂの開口部の内側より
取り付けられるフランジ部２１を有し、このフラ
ンジ部２１の裏面にはその周縁を被覆されるよう
にアルミ箔c′を含むバリヤー性膜２２が溶着等の
手段により付着され、その開口部を閉鎖してい
る。このバリヤー性膜としては、例えばポリエチ
レン／アルミ箔／ポリエチレン等の層構成のもの
を使用することが好ましい。

次に、上記フランジ部２１の内周縁から上方に
向つて、円筒状の注出部２３が突設され、この注
出外周下方には保持用リブ２４が設けられ、この
リブ４は紙製容器B′の開口部に注出口栓A′を内
側より挿入して溶着するときの仮止め用である。
また注出部２３上端内側から薄肉部２６を連結部
２７を介して上方には再封用の内筒部２８が延設
され、この内筒部２８の外壁には開口後に残つた
前記連結部２７と嵌合する突条２９が設けられて
いる。この内筒部２８の下端を閉鎖するよう天壁
部３０が形成され、他方上端外周には鍔部３１が
形成され、かつこの天壁部３０の裏面からは第３
図に示す如く断面十字状で、先端が鋭角な突刺部
３２が垂設されている。

この実施例においては、開口方法は第１の実施
例と略同じで、再封も前記突条２９を後に残つた
連結部２７に嵌合することでできる。

（効果） 本考案は上記のごとき構成であつて、突刺部お
よび再封部が一体に形成されているため製造が容
易であつて、またフランジ部にその開口部を閉鎖
するようにバリヤー性膜が付着されているので注
出口栓からガス透過を防止でき、しかも開口が容
易で再封も可能であるなど実用上優れた中出口栓
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の第１の実施例を示す縦断面
図、第２図は第２の実施例を示す縦断面図、第３
図は第２の実施例の突刺部の横断面図である。 Ａ，A′……注出口栓、Ｂ，B′……紙製容器、
ａ……アルミ箔、ｂ……アルミ箔、１，２１……
フランジ部、２，２２……天壁部、３，２３……
注出部、６，２６……薄肉部、７，２７……連結
部、８，２８……内筒部、１０，３０……天壁
部、１２，３２……突刺部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 容器の開口部に取り付けられるフランジ部を有
   する注出栓で、該フランジ部にはアルミ箔を含む
   バリヤー性膜が付着され、該フランジ部の内周縁
   からフランジ部を下端として上方に円筒状の注出
   部が突設され、注出部上端内面から、薄肉部を有
   する環状の連結部を介して上方には再封用の内筒
   部が延設され、かつ該内筒部の内側の開口部を閉
   鎖するような天壁部が形成され、該天壁部裏面に
   は先端が鋭角となつた突刺部が垂設されているこ
   とを特徴とする注出口栓。