JPH0315480Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本案は、例えばチユーブ容器等の合成樹脂製容
器に関する。

「従来の技術」 従来より合成樹脂製の容器は種々考案されてお
り、特にキヤツプに工夫を加えた考案の一例とし
て実開昭55−170262号公報に開示されている容器
がある。

該容器は、胴部上端より肩部を介して口頚部を
起立した容器体と、該容器体の口頚部の内外面に
嵌合した内外周壁部を一体に連設してなる開口部
付きの内栓と、該内栓の内外周壁に頂壁からそれ
ぞれ内外筒体を垂下して嵌合し、かつ該頂壁周縁
より最外筒体を垂下して前記容器体肩部に載置し
たキヤツプとからなり、上記外筒体は複数の弾性
筒形成片をを筒状に配置して形成され、前記内栓
の外周壁部の下端内面に、容器体の口部上端外周
面に突設した膨出部に係止する突条を周設すると
共に、該外周壁部の外周面複数個所に山形突部を
設け、さらに内栓の内周壁部の上端に開縁部を、
下端内周面に受止段部を形成し、一方、前記キヤ
ツプの外筒体筒形成片の下端縁に前記内栓の山形
状突部の斜面に対向して複数の逆山形状案内面を
設けると共に、該外筒体の筒形成片の内面適所に
内栓の外周壁部に周設した周溝に係脱可能な嵌合
突部を突設し、かつ前記内筒体の下端面を前記内
栓内周壁部の受止段部に当接させてなる容器であ
る。

「考案が解決しようとする課題」 上記従来のキヤツプは、容器体に対してキヤツ
プを回すと、内栓の山形状突部上面にキヤツプ外
筒体の筒形成片の逆山形状案内面が接し摺動する
ことでキヤツプが押上げられ、すると外筒体の筒
形成片内面に付設した嵌合突部が内栓外周壁部外
面の周溝から外れて開蓋するよう設けたものであ
るが、その開蓋途中の上記嵌合突部が、周溝から
抜出す前に、上記逆山形状案内面が内栓の山形状
突部上面から外れてその開蓋が不能となることが
あつた。これは、上記嵌合突部が周溝上縁部を乗
越える際、外筒体を形成する筒形成片をその上端
を支点として外方へ押し拡げることによるもので
あり、よつて上記山形状突部の上面を巾広とする
ことでその開蓋を確実とすることが出来るが、こ
のようにすると上記山形状突部の厚み巾が極めて
大となつて成形材料も多く必要とする欠点があつ
た。

本案はそのような欠点を除去して上記従来例に
比して山形状突部の厚み巾を小として、しかもそ
の開蓋が確実に行えるようにすると共に、併せて
上記開蓋方法のほか、キヤツプ外周壁を強く挟持
するだけでも開蓋できるよう設けたものである。

「課題を解決するための手段」 円筒状胴部２の上端から、テーパ状肩部３を介
して口頚部４を起立する合成樹脂製容器本体１
と、上記口頚部外面に、頂壁９裏面から垂下する
複数の弾性筒構成片１０ａを筒状に隣設配置して
形成した内筒１０を嵌合させると共に、頂壁９外
周縁から垂下する弾性外周壁１１下端面を上記肩
部３の外周部上面へ載置させた合成樹脂製キヤツ
プ８とからなり、上記口頚部４の下部を大外径部
６として、該大外径部６上端面を側面からみて連
続する山形状部５に形成すると共に、該山形状部
に合致する下端面形状を有する逆山形状部１３を
上記筒構成片の各内面に付設し、又上記山形状部
５の下方口頚部外面に凹溝７を周設すると共に、
該凹溝内へ係止させた突条１２を上記筒構成片１
０ａ内面に付設した。

「作用」 キヤツプを外すには、キヤツプ外周壁の下部を
強くまむか、又はキヤツプを僅かに回せばよく、
すると既述のように肩部のテーパ面に沿つて外周
壁１１が押上げられ、或いは山形状部５と逆山形
状部１３の斜面５ａと斜面１３ａとが接し摺動す
ることで内筒１０が押上げられ、よつて凹溝７か
ら突条１２が外れて容器体１からキヤツプ８を外
すことが出来る。キヤツプ８を施すに際しては、
口頚部４上方に内筒１０を位置させてキヤツプ８
を押下げればよく、すると斜面５ａと斜面１３ａ
とが互いにガイドすることで山形状部５と逆山形
状部１３が互いに嵌合し、また凹溝７内へ突条１
２が係合してキヤツプ８の外れを防止する。

上記キヤツプ回動による開蓋の際、キヤツプの
突条１２は容器本体口頚部の凹溝７の上外方へ引
上げられることとなるため、内筒１０を形成する
各筒構成片１０ａ……は頂壁９との連接部たる上
端を中心として外方へ弯曲揺動することとなり、
従つて逆山形状部１３下端面も外方へ移動して山
形状部５上端面との接触面が減少するが、その逆
山形状部１３は、凹溝７よりも上方に位置するた
め、逆山形状部１３の外方移動巾は突条１２の外
方移動巾よりも小となる。

「実施例」 １は合成樹脂製の容器本体である。２はその胴
部で円筒状に形成させてあり、該胴部２上端から
は、上方が小径化するテーパ状肩部３を介して、
口頚部４が起立させてある。該口頚部４の下部
は、上端面を、側面からみて連続する山形状部５
に形成させた大外径部６とする。又該大外径部６
の下方には凹溝７を周設させておく。

上記容器体口頚部４には、合成樹脂製キヤツプ
８を嵌合させる。該キヤツプ８は、頂壁９裏面か
ら垂下する複数の弾性筒構成片１０ａを筒状に隣
接配置して形成した内筒１０を口頚部４に嵌合さ
せ、又頂壁９外周縁から垂設させた外周壁１１下
端面を、容器体肩部３の外周面上に載置させたも
ので、上記筒構成片下端の内面には、突条１２を
有し、該突条を上記凹溝内に係合させている。
尚、各弾性筒構成片間には割溝１４を介在させて
もよい。又各筒構成片１０ａは、上記山形状部５
と合致する形状の逆山形状部１３を下部内面に有
し、これ等正逆山形状部５，１３は、その一方の
山部を、他方の谷部に嵌合させて互いに噛合せて
ある。これ等両山形状部５，１３は、容器本体１
に対するキヤツプ８回動によつて、両山形状部の
斜面５ａと斜面１３ａとが接し摺動することでキ
ヤツプ８が螺上昇可能に形成させる。又該螺上昇
によつて、既述凹溝７内から突条１２が離脱し、
その結果、そのままキヤツプ８を持ち上げること
で、キヤツプ８を外すことが可能に設ける。筒構
成片１０ａ下端の突条１２が、大外径部６外面上
へ乗り上げると、内筒１０下方内径は拡開して大
径化する。

既述外周壁１１は弾性変形可能であり、該外周
壁１１の下部の一部と、該部に対向する外周壁１
１下部部分とを強く挟持し、それ等部分の間隔を
狭少化させると、外周壁下端面がテーパ状肩部３
に沿つて押上げられて、その結果容器本体１に対
してキヤツプ８が上昇し、上記凹溝から突条が離
脱するよう設ける。つまりキヤツプ嵌合状態で、
凹溝７内へ突条１２が係合するが、該係合を外す
には、キヤツプ外周壁１１の下部を強くつまんで
もよく、又既述のように、キヤツプを正逆いずれ
かの方向に回してもよいこととなる。

「考案の効果」 本案は上記構成とするもので、凹溝７と突条１
２との係合部分よりも、山形状部５上面と逆山形
状部１３下面との噛合せ面を上方に設けたから、
突条１２が凹溝７上方から移動して大外径部６外
面に乗り上げることでの、該突条１２の外方移動
巾よりも、逆山形状部１３の斜面１３ａの外方移
動巾を小とすることが出来、よつてキヤツプ回動
による開蓋の際に、凹溝７内から突条１２が抜出
すに先だつて上記山形状部５と逆山形状部１３と
の係合が外れることがない。

又キヤツプ外周壁の下部を強くつまんでも、又
キヤツプを僅かに回しても、そのいずれか一方に
より容器体口頚部とキヤツプ内筒との係合を迅速
に外すことが出来、それ等二つのキヤツプ取外し
方法のうち、任意のものを選ぶことが出来るか
ら、消費者は自己の好みのキヤツプ取外しが出来
て便利であり、又その一方のキヤツプ取外し方法
が何等かり理由により困難となつた場合でも他方
の取外し方法を行うことで容易に開蓋できる便利
がある。キヤツプを行う際も、キヤツプを押下げ
るだけでよいから容易かつ迅速にキヤツプするこ
とが出来る。更に内筒１０は、頂壁９裏面から垂
下する複数の弾性筒構成片１０ａ……を筒状に隣
接配置して形成したから、口頚部４に対する内筒
１０着脱の際の内筒下部の拡開の際も、各片下部
は隣接部分ないし割溝１４部分毎に分離して別々
に弾性変形することとなり、よつてその着脱を容
易つ確実とすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案容器の縦断面図、第２図はキヤツ
プ一部を切欠いた、本案容器の分解斜視図、第３
図は第２図が示すキヤツプの底面図である。 １……容器本体、８……キヤツプ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 円筒状胴部２の上端から、テーパ状肩部３を介
   して口頚部４を起立する合成樹脂製容器本体１
   と、上記口頚部外面に、頂壁９裏面から垂下する
   複数の弾性筒構成片１０ａを筒状に隣設配置して
   形成した内筒１０を嵌合させると共に、頂壁９外
   周縁から垂下する弾性外周壁１１下端面を上記肩
   部３の外周部上面へ載置させた合成樹脂製キヤツ
   プ８とからなり、上記口頚部４の下部を大外径部
   ６として、該大外径部６上端面を側面からみて連
   続する山形状部５に形成すると共に、該山形状部
   に合致する下端面形状を有する逆山形状部１３を
   上記筒構成片の各内面に付設し、又上記山形状部
   ５の下方口頚部外面に凹溝７を周設すると共に、
   該凹溝内へ係止させた突条１２を上記筒構成片１
   ０ａ内面に付設したことを特徴とする合成樹脂製
   容器。