JPS6244853Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はリヤルーフレール構造の改良に関し、
テールゲート取付部の補強を行なうとともに軽量
化を図ろうとするものである。

従来からテールゲートを具えた車両にあつては
テールゲートを開閉するヒンジが取付けられるリ
ヤルーフレールを補強することが行なわれてい
る。例えば、ヒンジ取付部の従来構造は、第１図
にその横断面を示したように、車両の幅方向（紙
面に垂直な方向）全体にわたつてリヤルーフレー
ルアウタパネル１ａとリヤルーフレールインナパ
ネル１ｂとで断面枠状に組合されたリヤルーフレ
ール１が設けられ、このリヤルーフレールアウタ
パネル１ａの上面にそつてルーフパネル２が配設
され、さらに、幅方向の２箇所に取付けられるヒ
ンジ３の取付部を補強するため幅方向全体にわた
つて補強部材であるヒンジリンフオースメント４
が当てられ、幅方向全体が３重構造としてある。

ところが、上記構造ではリヤゲート５等の大き
な力の作用しない部分までもヒンジ３の取付部と
平行に３重構造とされる一方、リヤルーフパネル
２とリヤルーフレールアウタパネル１ａとも２重
構造とされリヤルーフレール１の前端の接合部６
ではマスチツクシーラ等のシール材７を挾んで３
枚の鉄板をスポツト溶接する必要があるなど重量
の増加とともに製造時に作業性の悪化を招いてい
る。

本考案はかかる従来の欠点を解消し、重量の軽
減をはかるとともに十分な補強がなされしかも製
作も容易なリヤルーフレール構造の提供を目的と
する。

かかる目的を達成する本考案の構成は、本体部
後端から下方に屈曲する立壁部と、該立壁部から
車両後部下方に傾斜するヒンジ取付部と、該ヒン
ジ取付部から更に車両後方に延在するフランジと
を有するルーフパネル、及び、車両の全幅にわた
つて設けられると共に前端縁を前記ルーフパネル
本体部の下面に後端縁を前記フランジにそれぞれ
接合して断面枠状のリヤルーフレールを成すリヤ
ルーフレールインナパネルを具備し、且つ前記リ
ヤルーフレールの断面枠状が前記ルーフパネルの
立壁部とヒンジ取付部との間でくびれ部を成すよ
う形成し、該くびれ部をリヤゲート開放時の逃げ
としてリヤゲートを開閉するヒンジが前記ヒンジ
取付部に取付けられるリヤルーフレールにおい
て、前記ヒンジ取付部の周辺で下方開口部が前記
リヤルーフレールインナパネル上面で且つ前記ル
ーフパネルと該リヤルーフレールインナパネルと
の前方接合部以外に接合され該リヤルーフレール
インナパネルと閉ループ断面を形成する箱状の補
強部材を設ける一方、前記閉ループ断面内に上面
は前記ヒンジ取付部に対応する前記補強部材下面
に連結され下方開口部は前記リヤルーフレールイ
ンナパネル上面に連結される箱状のブラケツトを
設け、前記ルーフパネルと該補強部材と該ブラケ
ツトとにより前記ヒンジ取付部を三重接合とした
ことを特徴とする。

以下、本考案の一実施例を第２図〜第５図に基
づき詳細に説明する。

本考案のリヤルーフレールの構造はその分解斜
視図である第２図に示すように、車両の幅方向全
体にわたつて設けられた断面凹状のリヤルーフレ
ールインナパネル１０を備え、このリヤルーフレ
ールインナパネル１０の後端縁をルーフパネル１
１の後端に延在するフランジ１１ａに接合すると
共にリヤルーフレールインナパネル１０の前端縁
をルーフパネル１１の本体部１１ｂの下面に接合
して断面が枠状をなし中空なリヤルーフレール１
２を形成させる一方、第３図に示すように、ルー
フパネル１１に本体部１１ｂ後端から下方に屈曲
する立壁部１１ｃと、立壁部１１ｃとフランジ１
１ａとの間で後部下方に傾斜するヒンジ取付部１
１ｄとを形成し、更にリヤルーフレール１２が立
壁部１１ｃとヒンジ取付部１１ｄとの間で下方に
凹んだくびれ部１１ｅを形成してある。そして、
このくびれ部１１ｅをリヤゲート１３開放時の逃
げとしてリヤゲート１３を開閉自在に支持するヒ
ンジ１４をヒンジ取付部１１ｄに取付けてある。

ルーフパネル１１のヒンジ取付部１１ｄの周辺
に補強するため補強部材として下方が開口部とな
つた箱状のリヤヒンジリンフオースメント１５を
設け、このリヤヒンジリンフオースメント１５の
後端部をルーフパネル１１に沿つて２重になるよ
うに成形するとともに前端部をリヤルーフレール
インナパネル１０上面の中間部に接合させバルク
ヘツドを形成して補強する。さらに、リヤヒンジ
リンフオースメント１５の両側端部はリヤルーフ
レールインナパネル１０に沿つて接合され、この
リヤヒンジリンフオースメント１５とリヤルーフ
レールインナパネル１０とにより前後左右に閉じ
た閉ループ断面を構成している。そして、さら
に、この閉ループ断面内におけるヒンジ１４が取
付けられる部分には下方が開口した箱状のブラケ
ツト１６が設けられ、ブラケツト１６の上面がヒ
ンジ取付部に対応するリヤヒンジリンフオースメ
ント１５の下面に当接され下方開口部周囲がリヤ
ルーフレールインナパネル１０上面にスポツト溶
接してある。すなわち、ヒンジ１４の取付部１１
ｄはルーフパネル１１とリヤヒンジリンフオース
メント１５とブラケツト１６とを重ねた三重接合
となつており、これらを共締めしてヒンジ１４を
取付けた状態においてブラケツト１６は閉ループ
断面内でリヤルーフレールインナパネル１０とリ
ヤヒンジリンフオースメント１５とを連結してい
る。

したがつて、ヒンジ１４の取付部１１ｄは３重
構造とされ従来同様補強がなされる一方、他の部
分はリヤルーフレールインナパネル１０とルーフ
パネル１１とで形成されたリヤルーフレール１２
で支持されるので、リヤルーフレールアウタパネ
ルを車両の全幅に設けた従来構造に比較して軽量
となる。また、リヤルーフレールインナパネル１
０の前端部とルーフパネル１１との接合部１７は
２枚の鉄板の接合で良く、シール面も少なく従来
のマスチツクシーラ等を多数使用するのにかえ、
接着剤を塗布するだけで済み製作も容易で安価と
なる。

以上、実施例とともに具体的に説明したように
本考案によれば、ヒンジ取付部に対しては十分な
補強がなされ軽量で製作が容易なリヤルーフレー
ルが得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のリヤルーフレール構造にかかる
ヒンジ取付部の横断面図、第２図〜第５図は本考
案のリヤルーフレール構造の一実施例にかかり、
第２図は分解斜視図、第３図はヒンジ取付部の横
断面図、第４図は第３図中の−断面図、第５
図は第３図中の−断面図である。 図面中、１０はリヤルーフレールインナパネ
ル、１１はルーフパネル、１１ａはフランジ、１
１ｂは本体部、１１ｃは立壁部、１１ｄはヒンジ
取付部、１１ｅはくびれ部、１２はリヤルーフレ
ール、１３はテールゲート、１４はヒンジ、１５
はリヤヒンジリンフオースメント、１６はブラケ
ツト、１７は接合部である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 本体部後端から下方に屈曲する立壁部と、該立
   壁部から車両後部下方に傾斜するヒンジ取付部
   と、該ヒンジ取付部から更に車両後方に延在する
   フランジとを有するルーフパネル、及び、車両の
   全幅にわたつて設けられると共に前端縁を前記ル
   ーフパネル本体部の下面に後端縁を前記フランジ
   にそれぞれ接合して断面枠状のリヤルーフレール
   を成すリヤルーフレールインナパネルを具備し、
   且つ前記リヤルーフレールの断面枠状が前記ルー
   フパネルの立壁部とヒンジ取付部との間でくびれ
   部を成すよう形成し、該くびれ部をリヤゲート開
   放時の逃げとしてリヤゲートを開閉するヒンジが
   前記ヒンジ取付部に取付けられるリヤルーフレー
   ルにおいて、前記ヒンジ取付部の周辺で下方開口
   部が前記リヤルーフレールインナパネル上面で且
   つ前記ルーフパネルと該リヤルーフレールインナ
   パネルとの前方接合部以外に接合され該リヤルー
   フレールインナパネルと閉ループ断面を形成する
   箱状の補強部材を設ける一方、前記閉ループ断面
   内に上面は前記ヒンジ取付部に対応する前記補強
   部材下面に連結され下方開口部は前記リヤルーフ
   レールインナパネル上面に連結される箱状のブラ
   ケツトを設け、前記ルーフパネルと該補強部材と
   該ブラケツトとにより前記ヒンジ取付部を三重接
   合としたことを特徴とするリヤルーフレール構
   造。