JPH042812Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案は、フロントドアのドアガラスを昇降
自在に案内するサツシユの前端隅部を補強するサ
ツシユリンフオースを有した車両フロクトドア構
造に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ フロントドアのサツシユの前端隅部を補強する
サツシユリンフオースを有した車両のドアは、一
般に第２図および第３図に示すように構成されて
いる。すなわち、１は車体であり、２は乗降口を
開閉するフロント側のドアである。このドア２は
車体１に対してヒンジ３，３によつて開閉自在に
枢支されたドア本体４と、ドアガラス５を昇降自
在に支持するサツシユ６とから構成されている。
そして、前記ドア本体４はインナパネル７とアウ
タパネル８とから構成され、両パネル７，８間に
は空洞部９が設けられている。また、ドア本体４
の前記ヒンジ３，３側に位置する空洞部９内に
は、ドア本体４のヒンジ３，３が取り付けられる
部位を補強するヒンジリンフオース１０、および
サツシユ６の前端隅部１２を補強するサツシユリ
ンフオース１１が収納されている。そして、ヒン
ジリンフオース１０とサツシユリンフオース１１
の下端部は前記インナパネル７の内面にスポツト
もしくはアーク溶接されている。さらに、サツシ
ユリンフオース１１はインナパネル７の上縁より
上方へ突出しており、その中途部はインナパネル
７のフランジ部７ａにスポツトもしくはアーク溶
接されている。また、サツシユリンフオース１１
の上端は前記サツシユ６に溶接され、サツシユ６
の前端隅部１２を閉塞しており、この前端隅部１
２における前記サツシユリンフオース１１の後部
は前記ドアガラス５の前部の昇降を案内する隅部
サツシユ１３によつて支持されている。

しかしながら、ドア本体４を補強するヒンジリ
ンフオース１０がインナパネル７の内面に沿つて
溶接されているだけであるとともに、サツシユリ
ンフオース１１はその下端部および中途部がイン
ナパネル７に溶接されているだけであり、ドア本
体４のアウタパネル８は何等補強されていないと
ともに、サツシユリンフオース１１もインナパネ
ル７に補強されているだけで、充分な剛性が得ら
れてないという問題がある。

［考案の目的］ この考案は、前記事情に着目してなされたもの
で、その目的とするところは、別部材を設けるこ
となくドア本体およびサツシユリンフオースを補
強して剛性をアツプすることができる車両のドア
構造を提供することにある。

［考案の概要］ この考案は、前記目的を達成するために、サツ
シユリンフオースおよびヒンジリンフオースは、
ドア本体のインナパネルとアウタパネルとの間に
位置して下端部を前記インナパネルの内面に溶接
し、上部をドア本体の上縁より上方へ突出して設
け、前記サツシユリンフオースの中途部を前記ア
ウタパネルの上縁に溶接し、前記ヒンジリンフオ
ースの中途部を前記インナパネルの上縁に前記ヒ
ンジリンフオースの上端を前記サツシユリンフオ
ースの前記上部にそれぞれ溶接すると共に、前記
ドア本体内部において前記ヒンジリンフオースと
前記サツシユフオースとの間に空間を形成した車
両のフロントドア構造にある。

［考案の実施例］ 以下、この考案の一実施例を第１図に基づいて
説明するが、第２図および第３図と同一構成部分
は同一番号を付して説明を省略する。

すなわち、ドア本体４の空洞部９に収納された
ヒンジリンフオース１０およびサツシユリンフオ
ース１１の下端部は重合した状態で、インナパネ
ル７の内面に溶接されている。そして、サツシユ
リンフオース１１は空洞部９内においてアウタパ
ネル８側に折曲して膨出しており、この膨出部１
１ａの上端は前記アウタパネル８の上縁に形成さ
れたフランジ部８ａに溶接されている。さらに、
サツシユリンフオース１１の上部はアウタパネル
８の上縁より上方へ突出しており、上端はサツシ
ユ６に固定されている。また、ヒンジリンフオー
ス１０は空洞部９内において前記サツシユリンフ
オース１１の膨出部１１ａとの間に空間を存しな
がら前記サツシユリンフオース１１側へ折曲され
ており、この折曲部１０ａの上端はインナパネル
７の上縁に形成されたフランジ部７ａに溶接され
ている。さらに、ヒンジリンフオース１０の上端
部はインナパネル７の上端より上方へ突出してお
り、この突出部は前記アウタパネル８の上縁より
突出したサツシユリンフオース１１の上端部に溶
接されている。したがつて、サツシユリンフオー
ス１１は中途部がアウタパネル８によつて支持さ
れており、ヒンジリンフオース１０は中途部がイ
ンナパネル７によつて上端がサツシユリンフオー
ス１１によつてそれぞれ支持されている。

［考案の効果］ 以上説明したように、この考案によれば、サツ
シユリンフオースをアウタパネルの上縁に、ヒン
ジリンフオースをインナパネルの上縁にそれぞれ
溶接すると共にドア本体の上縁より上方で両リン
フオースを溶接し、しかもドア本体内部において
両リンフオース間に空間を形成しながら両リンフ
オース下端部をインナパネルに溶接したから、ヒ
ンジリンフオースとサツシユリンフオースを有効
活用して別部材を設けることなく、ドア本体を効
率良く補強することができると同時にヒンジ取付
部補強用のヒンジリンフオースを利用してサツシ
ユリンフオースの剛性を効果的にアツプさせるこ
ともできるという効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例を示すもので、第
３図の従来例に対応した断面図、第２図は従来の
車両を示す側面図、第３図は第２図のａ−ａ線に
沿う断面図である。 １……車体、２……ドア本体、６……サツシ
ユ、７……インナパネル、８……アウタパネル、
１０……ヒンジリンフオース、１１……サツシユ
リンフオース。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ヒンジを介して前部が車体に枢支され、開閉自
   在に設けられたドア本体と、ドアガラスを昇降自
   在に支持するサツシユと、前記ドア本体と前記サ
   ツシユの前部との間に設けられ前記ドアガラスの
   前部を昇降案内すると共に前記ドア本体及び前記
   サツシユとの間に三角形状の前端隅部を形成する
   隅部サツシユと、前記ドア本体と前記サツシユと
   前記隅部サツシユとに接続されて前記前端隅部を
   閉塞するサツシユリンフオースと、前記ドア本体
   の前記ヒンジ取付部を補強するよう前記ドア本体
   の内部に取り付けられたヒンジリンフオースとか
   らなる車両のフロントドア構造において、前記サ
   ツシユリンフオースおよびヒンジリンフオースは
   前記ドア本体のインナパネルとアウタパネルとの
   間に位置して下端部を前記インナパネルの内面に
   溶接し、上部をドア本体の上縁より上方へ突出し
   て設けられ、前記サツシユリンフオースの中途部
   を前記アウタパネルの上縁に溶接し、前記ヒンジ
   リンフオースの中途部を前記インナパネルの上縁
   に前記ヒンジリンフオースの上端を前記サツシユ
   リンフオースの前記上部にそれぞれ溶接すると共
   に、前記ドア本体内部において前記ヒンジリンフ
   オースと前記サツシユリンフオースとの間に空間
   を形成したことを特徴とする車両のフロントドア
   構造。