JPH054461Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の目的〕 （産業上の利用分野） この考案は、フロントドアを開閉自在に支持す
るフロントピラーがフロントピラーアウタアツパ
とフロントピラーアウタロアとからなる車体構造
の改良に関する。

（従来の技術） 以下、従来における乗用車両のフロントピラー
アウタ１の構造について説明する。このフロント
ピラーアウタ１は第２図に示される乗用車両のフ
ロントドア２の前側に設けられるフロントピラー
３の外側部である。

そして、このフロントピラーアウタ１はフロン
トフエンダ４の後部に位置して、その側部には上
記フロントドア２のヒンジ５が設けられている。

また、このフロントピラーアウタ１はフロント
ピラーアウタアツパ６およびフロントピラーアウ
タロア７を結合することによつて構成されてい
る。さらにこのフロントピラーアウタロア６に
は、その側部にフロントドア２のドアヒンジ５の
取付け部８が３つのボルト孔８ａ……を有して設
けられている。

その構造は、第３図に示されるような構造であ
る、２は上記フロントドアでありヒンジ５によつ
て図示しない車体に対して開閉可能に枢支されて
いる。

そして、上記ヒンジ５は略Ｌ字状の断面を有す
るメイル９およびフイメール１０をピン１１によ
つて回動可能に連結して構成されている。

また、上記メイル９には上記フロントピラーア
ウタロア７の取付け部８に対応する取付け部９ａ
が設けられている。つまり、メイル９の上記フロ
ントピラーアウタ１に結合する面には、この取付
け部９ａの取付け時の車幅方向に貫通する３つの
ボルト孔９ｂ……が上記フロントピラーアウタロ
ア７のボルト孔８ａに対応して設けられ、双方が
ボルト５ａ……によつて結合されている。

また、上記フロントピラーアウタアツパ６およ
びフロントピラーアウタロア７の結合部と上記取
付け部８を補強するためにリンフオースメント１
２が設けられている。このリンフオースメント１
２の取付け構造は第４図に示されるように、上記
フロントピラーアウタロア７のボルト孔８ａ……
に対応するボルト孔１２ａ……を有するリンフオ
ースメント１２を上記フロントピラーアウタアツ
パ６の下部とフロントピラーアウタロア７の取付
け部８の位置までを内側より一体に結合して補強
している。

このように、リンフオースメント１２を設ける
ことによつて、フロントピラーアウタアツパ６と
フロントピラーアウタロア７の結合を強化するこ
とでフロントピラーアウタ１の剛性を向上させる
とともに、フロントドア２の開閉に対する上記取
付け部８の強度を向上させる構造としている。

上述のような構造のフロントピラーアウタ１は
そのフロントピラーアウタアツパ６とフロントピ
ラーアウタロアの結合部付近にリンフオースメン
ト１２を必要とするため部品数および工数を増加
し車体の製造時における作業を複雑にしていた。
また、上記各部品をプレス加工することがプレス
材の歩留りを低下させていた。

（考案が解決しようとする問題点） 上述のように従来における車体構造は、そのフ
ロントピラーアウタにおけるフロントピラーアウ
タアツパおよびフロントピラーアウタロアの結合
部付近にリンフオースメントを有するため、車体
製造時のフロントピラーアウタ部分の部品数およ
び工数を増加するとともに作業を複雑にし、さら
に、プレス材の歩留りを低下させるという事情が
あつた。

この考案は上記事情に着目してなされたもの
で、フロントピラーアウタの部品数を低減するこ
とにより、工数を減少するとともに作業を簡単に
し、プレス材の歩留りを向上する車体構造を提供
することを目的とする。

〔考案の構成〕

（問題点を解決するための手段及び作用） この考案は、フロントピラーアウタアツパの下
縁とドアヒンジの取付け部を有するフロントピラ
ーアウタロアの上縁を結合することにより構成さ
れたフロントピラーアウタを有する車体構造にお
いて、上記フロントピラーアウタアツパの下縁を
上記ドアヒンジの取付け部と対応する位置まで延
長することにより重合部を設け、この重合部に上
記ドアヒンジ取付け部を補強する複数の横ビード
を設けることにより、リンフオースメントを必要
としないフロントピラーアウタとすることにより
部品数と製造工数を低減し、さらにプレス材の歩
留りを向上する車体構造を提供することにある。

（実施例） 以下、この考案の一実施例を第１図を参照して
説明するが、その基本的構造は第２図乃至第４図
に示した従来例と同様のため、同一構成部分につ
いては同一符号を付して説明を省略する。

第１図において１はフロントピラーアウタであ
る。このフロントピラーアウタ１は上部をフロン
トピラーアウタアツパ１３によつて構成され、さ
らに下部をフロントピラーアウタロア７によつて
構成されている。

以下、上記フロントピラーアウタアツパ１３お
よびフロントピラーアウタロア７の結合構造につ
いて説明する。上記フロントピラーアウタアツパ
１３の下縁部分は第１図に示されるようにフロン
トピラーアウタロア７におけるドアヒンジの取付
け部８の位置まで延長されている。そして、この
フロントピラーアウタアツパ１３は上記フロント
ピラーアウタロア７との結合部に重合部１５を設
けて剛性を向上させている。

また、フロントピラーアウタアツパ１３におけ
る上記重合部１５の取付け部８に対応する位置に
はフロントピラーアウタロア７に設けられたドア
ヒンジの取付け部８の３つのボルト孔８ａ……に
対応するボルト孔１３ａ……が設けられている。
そして、このボルト孔１３ａ……の後方には車幅
方向外側に凹部を有する横ビード１６が車体の前
後方向へ向けて複数設けられている。

上述のようにフロントピラーアウタアツパ１３
にフロントピラーアウタロア７との重合部１５を
設けることにより、リンフオースメントを使用せ
ずに、上記フロントピラーアウタ１の剛性を向上
させることができるとともに、フロントピラーア
ウタアツパ１３の上記ドアヒンジの取付け部８に
対応するボルト孔１３ａ……の後方に横ビード１
６を設けることにより、リンフオースメントを使
用せずにドアヒンジの取付けに耐える強度を得る
ことができる。また、上記横ビード１６によつて
重合部１５に隙間ができ塗装時の電着付き回りを
向上させることができる。さらに、上記リンフオ
ースメントが不要のため部品数および作業工数が
減少するとともに、各部品のプレス材の歩留りを
向上させることができる。

なお、この考案は上記一実施例に限定されるも
のではない。例えば上記一実施例において対象と
なる車両は乗用車両に限定しているが、荷物車両
等にも適用することができる。また、横ビード１
６を設ける位置も上記一実施例に限定されるもの
ではなくフロントピラーアウタアツパ１３の重合
部１５に設けられて上記取付け部８の補強をする
ものであればよい。

〔考案の効果〕 以上説明したように、この考案によれば、フロ
ントピラーアウタアツパの下部を延長することに
よつて重合部を設け、フロントピラーアウタロア
との結合を強化することができるとともに上記重
合部に横ビードを設けることによつて、ドアヒン
ジ取付け部の強度の向上と塗装時の電着付き回り
を向上させることができる。さらに、上記重合部
が上述の効果を有するため、従来必要とされてい
たリンフオースメントが不要となり、部品数を低
減することができる。このためプレス材の歩留り
を向上させることができ、さらに、車体製造時の
作業工数を減少する車体構造を提供できる。

【図面の簡単な説明】

第１図はこの考案の一実施例におけるフロント
ピラーアウタの分解斜視図、第２図乃至第４図は
従来例であり、第２図は乗用車両の側面図、第３
図は第２図における−線部分の断面図、第４
図はフロントピラーアウタの分解斜視図である。 ７……フロントピラーアウタロア、８……取付
け部、１３……フロントピラーアウタアツパ、１
５……重合部、１６……横ビード。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. フロントピラーアウタアツパの下縁とドアヒン
   ジの取付け部を有するフロントピラーアウタロア
   の上縁を結合した車体構造において、上記フロン
   トピラーアウタアツパの下縁を上記ドアヒンジの
   取付け部と対応する位置まで延長することにより
   重合部を設け、この重合部に上記ドアヒンジの取
   付け部を補強する複数の横ビードを設けたことを
   特徴とする車体構造。