JPS6243922Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はクレーン付塵芥車のフツク格納装置に
係わり、特に塵芥の収集作業中の一時期にクレー
ンのフツクを格納箱内に収容できるようにしたク
レーン付塵芥車のフツク格納装置に関する。

（従来の技術） 塵芥ステーシヨンに設置された塵芥箱の塵芥を
回収するため、近時はクレーンを装備した塵芥収
容車が多用されている。

従来、この種の塵芥車としては第１図及び第２
図に示すようなものが一般に知られていた。

即ち、フレーム１の前方にはキヤブ２が搭載さ
れる一方、後方には塵芥収容箱３が搭載されてい
る。塵芥収容箱３の後方には積込機構を内蔵した
テールゲート４が装備されている。また、上記キ
ヤブ２と塵芥収容箱３との間には、全体を符号５
で示したクレーンが装備され、このクレーン５
は、フレーム１に下端を固定されたコラム６を備
えている。コラム６の上端には伸縮可能なブーム
７の一端が枢軸８によつて枢支され、駆動リンク
装置９によつて枢軸８の回りを傾動できるように
なつている。ブーム７は固定ブーム７ａとその内
に摺動可能に挿入された可動ブーム７ｂとからな
り、可動ブーム７ｂの先端にはウインチ１０が装
備され、そのロープ１１の先にフツク１２が吊持
されている。

このように構成された塵芥車は通常走行時には
クレーン５のブーム７を水平方向に向け、フツク
１２の先をバンパ１３に引掛けた前方格納の状態
で走行している。一方、塵芥収集作業時には第２
図に示されるように、コラム６を180゜回動させ
てブーム７を後方に向けて突出し、可動ブーム７
ｂをくり出し、かつブーム７を傾動させながら塵
芥ステーシヨンに置かれた塵芥箱Ａを吊上げ塵芥
を回収している。

また、特開昭51−4726号公報には、コンテナを
クレーンで荷箱の上に吊上げ、コンテナ内の収容
物を荷箱内に投入するようにしたクレーン付車両
が実開昭49−110819号公報には、クレーン車前方
のキヤリアフレームにフツク格納用凹部を設けた
クレーン車のフツク格納装置が提案されている。

（考案が解決しようとする問題点） しかしながら、上記第１図及び第２図に示す従
来例の場合、市街地における塵芥の回収は、ほぼ
200〜300ｍの間隔で設置された塵芥ステーシヨン
の間をブーム７を後方に向けたまま移動しながら
行われるから、この間にロープ１１の先のクレー
ンフツク１２が揺動し、同乗している作業者に怪
我をさせるおそれがある。

これを回避するにはクレーン５のブームを前方
に向けて、第１図に示すよにフツク１２の先をバ
ンパ１３に引掛けた前方格納の状態にすれば良い
が、短距離のステーシヨン間でいちいちブーム７
を回動してフツク１２をバンパ１３に引掛ければ
作業能率が上がらないという問題点があつた。

また、特開昭51−4726号公報に記載されたもの
は、本願考案のようにフツクを格納箱に収納でき
るようにしたものではなく、更に特開昭51−4726
号公報に記載のものは、塵芥収集作業中の一時期
にフツクを格納するようにしたものではない。

本考案は上記に鑑み、クレーンのブームが後方
を向いたままであつても、クレーンのフツクの揺
動を容易かつ敏速に防止することによつて、作業
者の怪我の発生と作業能率の向上を図ることがで
きるとともに、フツクを格納した状態の走行で、
フツクに傷が付いたり、騒音を発してしまうこと
がないものを提供することを目的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記目的を達成するため、塵芥収容箱
の後方にテールゲートを装備すると共にコラム回
りを旋回可能なクレーンを装備した塵芥車におい
て、上記テールゲートの側板の少なくとも一方の
外側に上方を開放した有底の格納箱を取付け、こ
の格納箱の正面板の上部を切り欠いて上縁の高さ
を背面板の上縁の高さよりも低く構成すると共に
格納箱の内面の全域にゴム層をライニングしたも
のである。

（作 用） 而して、塵芥収集の作業時であつて、比較的短
い塵芥ステーシヨン間を走行する時にクレーンの
フツク収納箱内に、この正面板の上部を通過させ
ることにより、容易かつ敏速に落とし込んで収納
することにより、作業性の向上と走行時にクレー
ンのフツクが揺動してしまうことを防止するとと
もに、ゴム層内に収納することによりフツクを傷
付けたり騒音を発生させることを防止するもので
ある。

（実施例） 第３図及び第４図は本考案の一実施例を示すも
ので、上記第１図及び第２図に示す従来例に以下
の構成を加えたものである。

即ち、テールゲート４は、その両側に一対の側
板１４を有しており、両側板１４，１４の幅は塵
芥収容箱３の幅より狭く構成されている。本考案
によれば、少なくとも一方の側板１４の外側に、
不使用時のクレーン５のフツク１２を収容するた
めの上方に開口した有底の収容箱１５が装着され
る。この格納箱１５は、第５図に明示されるよう
に、矩形状の底板１６を有し、この底板１６の周
囲には、正面板１７、背面板１８及び一対の側板
１９，２０が設けられている。これらの正面板１
７、背面板１８及び一対の側板１９，２０は夫々
上方に向かつて間口を広げるように構成しておく
と好都合である。また、上記正面板１７の上部は
切り欠かれ上縁の高さは背面板１８の上縁の高さ
よりも低くなつている。更に、上記格納箱１５を
構成する正面板１７、背面板１８及び一対の側板
１９，２０の内周面の全域には、所定厚のゴム層
２１がライニングされている。

このように構成された収納箱１５は、第４図に
示されたように、テールゲート４の側板１４上に
取付けられたホルダ２２に対した、例えばボルト
及びナツトを使つて固定される。ホルダ２２は、
例えば帯状の板材の両端部を折曲げて脚部とな
し、この脚部をテールゲート４の側板１４に対し
て溶接結合しておけば良い。

（考案の効果） 本考案は上記のような構成であるので、塵芥収
集の作業時であつて、比較的短距離の塵芥ステー
シヨン間を走行する時、クレーンのフツクを第３
図に示したように格納箱の内に収納しておくこと
ができ、これにより走行時にクレーンのフツクが
揺動して作業者に怪我させることを防止すること
ができる。更に、クレーンのフツクを収納箱内に
落とし込むだけでよく、この落とし込みを容易に
行うことができるから、極めて敏速容易にフツク
の格納を行つて、作業性の向上を図ることができ
る。

また、収納箱の内面にゴム層をライニングした
ので、走行時にフツクを傷付けることもなく、し
かも騒音を発生させることもないといつた効果が
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図及び第２図は従来の塵芥車を示し、第１
図はブームを前方に向けた状態を示す側面図、第
２図はブームを後方に向けて作業中の状態を示す
側面図、第３図乃至第５図は本考案の一実施例を
示し、第３図はフツクを収納箱に収納した状態の
塵芥車を示す側面図、第４図は収納箱を取付けた
部分を上方より見た平面図、第５図は格納箱を示
す斜視図である。 ３……塵芥収容箱、４……テールゲート、５…
…クレーン、６……コラム、７……ブーム、１２
……フツク、１５……格納箱、１６……同底板、
１７……同正面板、１８……同背面板、１９，２
０……同側板、２１……ゴム層。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 塵芥収容箱の後方にテールゲートを装備すると
   共にコラム回りを旋回可能なクレーンを装備した
   塵芥車において、上記テールゲートの側板の少な
   くとも一方の外側に上方を開放した有底の格納箱
   を取付け、この格納箱の正面板の上部を切り欠い
   て上縁の高さを背面板の上縁の高さよりも低く構
   成すると共に格納箱の内面の全域にゴム層をライ
   ニングしたことを特徴とするクレーン付塵芥車の
   フツク格納装置。