JPS624364Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は鍛造プレスの金型交換装置に関す
る。

一般に鍛造プレスの金型交換及び金型・ダイホ
ルダの同時交換装置としては従来より種々の方法
が知られている。そして、交換時間の短縮を図る
ため、複数の待機位置を設け、これを交互に利用
するようにしたものがある。この待機位置の設置
には建家の制約等から第１の待機位置と第２の待
機位置とを、プレスの前面において併設したもの
があり、この場合第２の待機位置へ出入りする金
型交換装置の動きは複雑になる。

台車を自走式にすると台車に油圧や電気等の動
力源を装備せねばならず、このため該台車上で金
型を予熱する場合、甚だ不都合となる。又作業床
上に設置したシリンダで台車の移行及び金型の出
入れを行うものにあつては、全ての作動をシリン
ダで行わせるようにすると、ストロークが長大な
シリンダを必要とする等の不都合があり、何れの
場合も確実な作動を迅速に行う経済的な装置を得
ることは難しかつた。

この考案はこうした従来の問題点を除去するこ
とを目的としてなされたもので、以下図面に示す
実施例にもとづいて詳細に説明する。

１はプレスフレームのベツド、２は該ベツド１
上に設けられたハードプレート、３は該ハードプ
レート内に構成されたダイホルダ押上シリンダ、
４は車輪付ダイホルダ、５は該ダイホルダ上に搭
載したハードプレートで、さらにその上に複数個
の金型６，７積載されている。９は金型押出し用
シリンダで、そのロツド１０先端をハードプレー
ト５とダイホルダ４の側方に臨ませる如く基台８
上に設置され、シリンダロツド１０の押出し操作
によりハードプレート５と共に金型６，７を、プ
レス内から機外に押出す。１１は金型台車で、プ
レスに接続して金型取出方向と同方向に配設した
固定レール２１に直交する第１待機レール１２上
に車輪１３を介して走行可能に支承され、該金型
台車１１に連結したシリンダ１４の操作により金
型取出位置Ｂと台車待機位置Ｄ間を移動する。

固定レール２１には、第１待機レール１２と平
行なもう一組の第２待機レール１８が併設されて
おり、この第２待機レール１８上に走行方向の異
なる２種の車輪１６，１７をそなえた金型台車１
５が走行可能に支承され、該金型台車１５に取付
金具を介して装置されたピン１９とこれに自動的
に係合するシリンダ２０の操作により固定レール
２１と直交点Ｃと、台車待機位置Ｅ間を移動す
る。この金型台車１５とシリンダ２０との係合
は、第５図に示すようにＣ−Ｅ方向に対しては係
合するがＣ−Ｂ方向に対してはフリーになるよう
な構成にしてある。

２２は第２待機レールの一部を構成する昇降レ
ール、２３はたとえばウオームジヤツキからなる
昇降装置で、昇降レール２２は４ケ所に設けたウ
オームジヤツキ２３の同調操作によつて昇降し、
該昇降レール２２上に位置する台車車輪１６また
は１７の当接の如何により金型台車１５の走行方
向が決まる。第２待機レール１８のレール上面
は、昇降レール２２がストロークＳ一杯に上昇し
たときのレール上面と同一レベルになるようにつ
くられている。又、上昇した昇降レール２２上に
車輪１６が支承されているとき車輪１７は固定レ
ール２１に接することなく浮いており、昇降レー
ル２２を降下して車輪１７を固定レール２１上に
当接させることにより金型台車１５は走行可能と
なる。

２４は金型装入用シリンダで、旋回シリンダ２
６の操作により支持ピン２７を支点に該シリンダ
２４を起伏自在となし、図示鎖線の如く倒伏させ
た状態でシリンダロツド２５の押出操作により、
金型取出位置Ｂに移送された金型台車上から該台
車上に搭載された金型をハードプレート５と共に
プレス内金型設置位置Ａに装入する。

２８は金型台車１５を昇降レール上Ｃ位置と金
型取出位置Ｂとの間を移送させるスクリユで、回
転自在に支承されたカツプリング２９を介して油
圧モータ３０に連結され、該スクリユ２８に螺挿
されたナツト３１と、これに係合する爪３２を介
して、油圧モータ３０の正逆回転により爪３２を
固設した金型台車１５をＣ・Ｂ間に移行させる。
３３はナツト廻り止め金物、３４は位置検出器
で、金型台車１５のＣ点位置を確認する役目をな
し、検出器３５はナツト３１が爪３２の中立位置
にあることを確認する役目をなす。

本考案は以上のような構成であつて、プレス内
に組込まれた金型を交換するには、まずダイホル
ダ４から図示されてない金型クランパを解除する
と共に、シリンダ１４を操作して金型台車１１を
待機位置Ｄから金型取出位置Ｂに移送する。次に
シリンダロツド１０の押出し操作により、プレス
内Ａにある金型６，７をハードプレート５と共に
金型取出位置Ｂに移送された金型台車１１上に押
出した後、金型台車１１をシリンダ操作により待
機位置Ｄに移送させることによつて金型の取出し
を完了する。

次に昇降装置２３の操作により昇降レール２２
を上動してそのレール上面を、第２待機レール１
８のレール面と一致させ、第２待機レール１８の
待機位置Ｅにある金型台車１５上にて予熱した金
型６，７及びハードプレート５を、金型台車１５
と共に待機位置Ｅから昇降レール２２上Ｃ位置に
移送する。しかる後昇降装置２３により昇降レー
ル２２を降下して車輪１７を固定レール２１上に
支承させる。この昇降レール２２の降下動作によ
りナツト３１と爪３２は自動的に係合する。

次に油圧モータ３０を駆動してナツト３１を図
示右方に移動させ、該ナツトに当り面Ｆ１にて当
接する爪３２を介して金型台車１５をＢ位置に移
行する。しかる後、旋回シリンダ２６の操作によ
りシリンダ２４を図示鎖線の如く倒伏し、シリン
ダロツド２５の押出し操作により、金型台車１５
上の金型６，７をハードプレートと共に、プレス
内に装入し、金型交換を完了する。

この交換作業の完了後、ダイホルダ４に金型
６，７をクランプし、金型台車１５を前記操作と
逆の手順操作により元位置に移行する。

上記金型交換順序は、逆に第２待機レール１８
上の金型台車１５を金型取出位置Ｂに先行して、
該台車上に、プレス内の金型を取出し、これを退
避させた後、第１待機レール１２上の金型台車１
１により、装入しようとする予熱金型をＢ位置に
移送して、前記装入操作と同様の手段により、プ
レス内に装入するようにしても同じである。

又、上記説明では固定レール２１の走行端に近
接して先端を上下動する起伏自在の金型装入シリ
ンダ２４を設けたものについて説明したが、これ
は装入シリンダのストロークの縮減を図る手段で
あつて、本考案はこれに限定されるものではな
く、金型台車の移行に支障をきたさないように、
シリンダを固定レール間に横設したままの状態で
水平に上下動する装入シリンダに代えても同効で
ある。

本考案は以上詳述したように金型台車に動力源
を搭載することなく、機外に設けたシリンダとス
クリユ機構との協同操作により金型の交換を行わ
せるようにしたため、クレーン等の荷役作業を必
要とせず、又金型台車上での金型の予熱が可能と
なる等金型の交換に極めて有利である。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
本考案を施した鍛造プレス全体の平面概念図、第
２図は側断面図、第３図は第１図の−視側断
面図、第４図は第３図の−視正断面図、第５
図は第１図の−視断面図である。 １……ベツト、４……ダイホルダ、５……ハー
ドプレート、６，７……金型、９……シリンダ、
１０……シリンダロツド、１１，１５……金型台
車、１２……第１待機レール、１３……車輪、１
４，２０，２４，２６……シリンダ、１６，１７
……車輪１８……第２待機レール、１９……ピ
ン、２１……固定レール、２２……昇降レール、
２３……昇降装置、２７……支持ピン、２８……
スクリユ、２９……カツプリング、３０……油圧
モータ、３１……ナツト、３２……爪。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 鍛造プレスの金型取出方向と同方向に延在する
   固定レールと、該固定レールに直交してプレスに
   近接する第１待機レールと、該第１待機レールと
   平行に配設した第２待機レールと、各待機レール
   上に走行可能に支承した金型台車と、各金型台車
   を固定レールと各待機レールとの直交点まで移送
   するシリンダとを有し、固定レールには該固定レ
   ールに沿つて、第２待機レールから固定レールに
   移送された金型台車と自動的に係合して固定レー
   ルと第１待機レールとの直交点金型取出位置Ｂに
   移送するスクリユ機構と、該金型取出位置Ｂに移
   送された金型台車上からハードプレートと共に金
   型をプレス内定位置Ａに装入する上下動可能な金
   型装入シリンダとを有し、プレスの反固定レール
   側にはプレス内から金型取出位置に待機する金型
   台車上にハードプレートと共に金型を押送する金
   型押出しシリンダを設けてなる鍛造プレスの金型
   交換装置。