JPH081555U - 金型交換装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 鍛造成形用金型を鍛造機内に搬入して位置決
め固定したり、搬出するために、それらの作業を簡単に
する装置を提供する。 【構成】 金型２付き敷板１（車輪６、６付き＝台車
式）を鍛造機内に手押しででも押し込んで、ストツパー
１６に当たった所で、これ１を昇降用シリンダー４で降
下させると、前記車輪６が台板３の上面下に沈み、前記
敷板１と台板３とをクランブ装置７、７で固定すれば、
それで前記金型２付き敷板１の中央下面に設けられた位
置決め用キー１４が、鍛造機内の台板３上面の前記キー
１４に対応する部位に穿設されたキー溝１５に嵌合し
て、金型２の位置決め固定が完了するものである。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、プレス鍛造機による各種の金属やプラスチックスの鍛造、成形、押 出等に使用する金型を、鍛造機のフレーム内に搬入し、それらの作業を実施する ために固定し、必要に応じて金型を修理し、又は交換するために、搬出するため の装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、この種の作業を行うためには、金型をフォークリフト、クレーン等の重 量物運搬装置を利用して、鍛造機のフレーム内に搬入するが、鍛造機内では手狭 で、クレーン等が使用出来ないので、重量物である金型を人手で移動させながら 、所定の位置までの移動方向や距離を一々測定し、その上、微小な調整をして漸 く位置決めを行っている。その後、その位置に金型を固定し、これを鍛造、成形 、押出等に使用している。 対象鍛造品等の大きさ、形状等が変わる度に、折角位置決め固定したばかりの 金型を取り出し、別の金型と取り替える必要があるし、又、同じ金型を長く使用 していると、金型の偏摩耗等で、修理を必要とするために、鍛造機からやはり取 り出す必要がする。これらの場合には、前記搬入とは逆手順で鍛造機から金型を 搬出している。 これらの搬入、位置決め固定、搬出等を簡略に行う装置として、例えば、実公 昭６０−５９５０号公報が開示されている。この装置は、金型を敷板上に載置固 定し、敷板下面に車輪を突き上げ当接させて、敷板を搬入移送出来るようにし、 且つ鍛造機内に搬入したとき、敷板の進行方向前面に設けた突起が、鍛造機内に 設けた凹部に嵌合し、更に敷板の進行方向後面に設けられているコ字状の固定金 具を前進させて、敷板の上面と台板の下面とを挟んで固定するものである。

【０００３】

【解決しようとする課題】

金型は鍛造機へ搬入され、精度良く位置決めされ、容易に且つ強固に固定され る必要がある。その上、高温で振動の大きな鍛造、成形、押出等に使用されるの だが、この高温や振動に耐える構造でなければならない。そして、鍛造機から搬 出されるのであるが、この場合も容易に出来る必要がある。 前記公報技術は、一応これらの要件を備えているが、しかし、未だ作業が煩雑 であり、敷板と台板とを固定するために、前記敷板の進行方向へ押し付けて位置 決め固定をしているが、かかる構造のため、位置決めの精度が悪いし、又、金型 載置の敷板を搬出する際、その敷板の後退方向前面にコ字状固定金具があり、敷 板の退路を遮るので、この固定金具を退避させる機構を設けなければならない欠 点がある。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、上記課題を解決するために、種々検討の結果なされたもので、その 要旨とするところは、次の通りである。即ち、 金型を所定位置に載置固定し、下面に車輪を設けて台車状となした敷板と、こ の敷板の下面中央に、前記敷板が車輪で浮き上がっているときその先端が下面に 当たらない程度に突設された位置決め用キーと、前記敷板を鍛造機内において固 定するための台板と、この台板上の前記敷板を位置決め固定するときの各車輪の 各位置に対応する部位が昇降用シリンダーのロッド先端に連結されて前記車輪を 降下可能に分離された天板と、前記位置決め用キーが降下して来たときこれに対 応する前記台板中央部の部位に設けられた前記キーが嵌合可能なキー溝と、シリ ンダーにより突出するように前記台板上に配設され、前記敷板が定位置に前進し て来たときこれを停止させるストッパーと、前記台板と前記敷板とを固定するク ランプ装置とからなることを特徴とするものである。 好ましくは、敷板の平面での縦方向と横方向の各中心線の交点である芯と、金 型の芯とが芯合わせされて固定され、且つ前記敷板の芯と前記台板の芯とが予め 芯合わせされ、又、前記位置決め用キーが前記敷板の芯を通る垂線とその軸芯線 が一致し、且つ前記キーの軸芯線とキー溝の軸芯線とが一致し、且つ前記位置決 め用キーが円柱状か角柱状であれば、鍛造による高温下で膨張が起きても、位置 決めにずれが生じない。 少し俗ぽい言葉で本考案の構成を換言すれば、台車（金型付き敷板）を鍛造機 内に手押しででも押し込んで、ストツパーに当たった所で、これを座らせてクラ ンブ装置で固定すれば、それで金型の位置決め固定が完了して仕舞う構造とした 所に、本考案の最大の特徴がある。 前記位置決め用キーは、一般的な公知のキー形状に限らず、頭部切欠き円錐形 状のもの、又は頭部切欠き角錐形状のもの等でも良いし、又、かかる場合には、 前記台板上に穿設されるキー溝もこれらが嵌合出来る形状の溝であることを要す る。

【０００５】

【作用及び効果】

本考案は、上記のように構成されている。従って、先ず、鍛造機の外で金型が 敷板上の所定位置に、公知の金具で固定される。次いで、前記敷板が、鍛造機の 中に予め所定の位置に載置されている台板の上面と、同じ高さの上面を有する台 車上に載せられる。次いで、この台車が進められて前記台板に当接される。次い で、搬入搬出用ロッドを押して敷板がその車輪を利用して、前記台車上から前記 台板上に移載され、なお前進されて、予めシリンダーによって前記台板上に突出 させられたストッパーに進行方向前面を当接されて停止する。 この停止したときの敷板の各車輪の位置が、前記台板の各天板の上になる。こ の状態のとき、昇降用シリンダーが作動されて敷板の各車輪を載せた状態で降下 し、前記敷板の下面が前記台板の上面に当接したとき停止される。他方、台車式 の敷板の中央下面に突設された位置決め用キーが、敷板が降下するに連れて、前 記台板上に穿設されたキー溝に嵌合する。そして、この位置決めされた敷板は、 前記台板とクランプ装置で固定される。 このキー溝に位置決め用キーが嵌合することによって、予めそれぞれの芯合わ せが成されているので、前記敷板上の金型の芯出し位置決めがなされたことにな る。従って、鍛造機内でクレーン等が使用できなくても、台車式の敷板を押すこ とによって、前記台板上に移載出来、前記ストッパーに当たった所で、昇降用シ リンダーを作動させると、前記台車式敷板が降下するだけで、容易に搬入、位置 決めが出来て、一々微調整をする必要もなければ、人手で重量物である金型とか 金型付き敷板を移動させる必要もない。なお、昇降用シリンダーやシリンダーは 、鍛造機内にあって長く使用しても、鍛造作業による振動や高温によってその障 害が発生することがない。 又、取出しのときもクランプ装置を外して、昇降用シリンダーを作動させると 、車輪が上昇して敷板が台車に早代わりすると共に、位置決め装置としての位置 決め用キーが、キー溝の嵌合から外れる。そして、シリンダーを作用させるだけ で、ストッパーは、前記台板上に突出している状態から、上記台板の上面から陥 没し、前記台車式敷板の退出の妨害とはならない。 この状態で、前記台車状になった敷板を、鍛造機の外に手押しででも搬出が可 能となる。この敷板は、手押しにより前記台車に移載され、この台車を移動させ て鍛造機外の広い所で、敷板から金型を自由にクレーン等を利用して外すことが 出来る。 又、前後に貫通する構造を有する鍛造機の場合、取り出す敷板と装入する敷板 とをワイヤー等で連結して置けば、鍛造機の前面側の台車に、新金型を固定した 敷板を載せたものを用意し、鍛造機の中の旧金型を固定した敷板を上昇させて置 いて、鍛造機の後方へ前記鍛造機内の敷板をその台車式機能を利用して引き出し て、鍛造機外に予め用意された台車に移載させることによって、鍛造機の中の旧 金型を固定した敷板を引き出すと同時に新しい金型を載置した敷板を鍛造機内に 搬入し、且つその位置決めをすることが出来るものである。換言すれば、同時に 新旧の金型を交換することが可能である。

【０００６】

【実施例】

次に、本考案の１実施例をその図面に基づいて以下に説明する。 １は、敷板であり、２は、金型であり、３は、台板である。４は、前記台板３に ロッド方向を上向きに垂直に埋設され、敷板１を昇降させる油圧シリンダーであ る。 ５は、前記敷板１の下面に設けられた車輪６を支持する車輪支持板（天板）で あり、前記油圧シリンダー４のロッドに連結されて、上限は、前記台板３の上面 と同一面まで、下限は、前記車輪６が降下して前記敷板１の下面が前記台板３の 上面に当接したとき、車輪６との間が当接しているか、又は少し間隙を有する所 まで昇降可能となっている。 ７は、クランプ装置で、前記敷板１が前記台板３上に載置されたとき、両者１ 、３を固定するクランプ装置である。８〜１１は、それぞれ公知の前記敷板１に 金型２を固定する固定金具であり、１２は、前記固定金具８、１０を前記別の固 定金具９でもって楔状に前記敷板１に螺子止めするボルトである。１３は、前記 台車式の前記敷板１を走行牽引又は押し進めるために前記敷板１に設けられたロ ッドである。 １４は、前記敷板１の中央下面に垂直に突出した円柱状の位置決め用キーであ る。１５は、前記敷板１が前記台板１上の所定位置に停止させられたとき、前記 位置決め用キー１４に対応する前記台板３の部位の上面に、これを嵌合出来るよ うに穿設されたキー溝である。 本実施例の金型交換装置は、上記のように構成されている。従って、先ず、鍛 造機（図示ぜず）の外で、金型２が敷板１上の所定位置に、公知の固定金具１１ にその突起を嵌合した後、前記敷板１の反対側を公知のテイパー付きの固定金具 ８と１０との間に、楔形の公知の固定金具９を介してボルト１２をもって敷板１ に緊締される。他方、台板３が、鍛造機の中に予め所定の位置に載置されている 。前記敷板１が、前記台板３の上面と同じ高さの上面を有する台車（図示せず） 上に載せられる。次いで、前記台車を進めて前記台板３に当接させる。次いで、 敷板１が前記台車上から図示しないシリンダーの搬入搬出用ロッド１３によって 押されて、前記敷板１の車輪６、６を利用して前記台板３上に移載され、なお台 板３上を前進されてその進行方向前面が、予めシリンダー１７によって前記台板 ３上に突出させられているストッパー１６に当接されて停止される。 この停止したときの敷板１の各車輪６、６の位置が、前記台板３の各車輪支持 板（天板）５、５の上になる。この状態のとき、昇降用油圧シリンダー４、４が 作動されて敷板１の各車輪６、６を載せた状態で降下し、前記敷板１の下面が前 記台板３の上面に当接したとき停止される。他方、前記台車式の敷板１の中央下 面に突設された位置決め用キー１４が、敷板１が降下するに連れて、前記台板３ 上に穿設されたキー溝１５に嵌合する。この状態のとき、前記台車式の敷板１が 前記台板３にその一端を固定されたクランプ装置７、７の他端をもって係合され て固定される。この状態で、鍛造作業が直ちに開始出来、その上、鍛造中でも位 置ずれを起こさず、従って、金型２の位置ずれが生じて、鍛造作業を一旦停止し て、位置補正をする必要がない。 このキー溝１５に位置決め用キー１４が嵌合することによって、予めそれぞれ の芯合わせが成されているので、前記敷板１上の金型２の芯出し位置決めがなさ れたことになり、その上、クランプ装置７、７でもって、この位置決め状態が強 固に固定される。従って、鍛造機内でクレーン等が使用できなくても、車輪６、 ６付きの（台車式の）敷板１を人手でも押すことによって、容易に前記台板３上 に移載出来、前記ストッパー１６に当たった所で、昇降用シリンダー４、４を作 動させると、前記台車式敷板１が、浮き上がっている車輪６、６の高さ分だけ降 下することによって、容易に搬入、位置決め固定が出来て、一々微調整をする必 要もなければ、人手によって重量物である金型２とか、金型２付き敷板１を移動 させる必要もない。なお、昇降用シリンダー４、４や、シリンダー１７は、鍛造 機内にあって長く使用しても、鍛造作業による振動や高温によってその障害が発 生することがない。 又、取出しのときも、クランプ装置７、７を外して昇降用シリンダー４、４を 作動させると、敷板１がその車輪６、６が機能するようになって台車に早代わり すると共に、位置決め装置としての位置決め用キー１４が、キー溝１５の嵌合か ら外れる。そして、シリンダー１６を作用させるだけで、ストッパー１７は、前 記台板３上に突出している状態から、上記台板３の上面から陥没し、前記台車式 敷板１の退出の妨害とはならなくなる。 この状態で、前記台車状になった敷板１を、鍛造機の外に手押しででも搬出が 可能となる。この敷板１は、手押しにより前記台車に移載され、この台車を移動 させて鍛造機外の広い所で、敷板１から金型２を自由にクレーン等を利用して外 すことが出来る。 又、図示しない他の実施例として、前後に貫通する構造を有する鍛造機の場合 、装入する鍛造機の前面側の台車に、新金型を固定して載せた敷板と、鍛造機の 中の取り出す旧金型２を固定して、上昇させて置いた敷板１とを、ワイヤー（図 示せず）等で連結して置いて、鍛造機の後方へ前記鍛造機内の敷板１をその台車 式機能を利用して引き出し、予め鍛造機外に用意された台車に移載させることに よって、同時に新しい金型を載置した敷板を鍛造機内に搬入し、且つその位置決 め固定をすることが出来るものである。換言すれば、新旧２つの金型２を同時に 交換することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】１実施例の位置決め状態を示す側面図である。

【図２】上記実施例の正面断面ずである。

【符号の説明】

１ 敷板 ２ 金型 ３ 台板 ４ 昇降用油圧シリンダー ５ 車輪支持板（天板） ６ 車輪 ７ クランプ装置 ８、９、１０、１１ 固定金具 １２ ボルト １３ 搬入搬出用ロッド １４ 位置決め用キー １５ キー溝 １６ ストッパー １７ シリンダー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 金型を所定位置に載置固定し、下面に車
   輪を設けて台車状となした敷板と、この敷板の下面中央
   に、前記敷板が車輪で浮き上がっているときその先端が
   下面に当たらない程度に突設された位置決め用キーと、
   前記敷板を鍛造機内において固定するための台板と、前
   記台板上の前記敷板を位置決め固定するときの各車輪の
   各位置に対応する部位が昇降用シリンダーのロッド先端
   に連結されて前記車輪を降下可能に分離された天板と、
   前記位置決め用キーが降下して来たときこれに対応する
   前記台板中央部の部位に設けられた前記キーが嵌合可能
   なキー溝と、シリンダーにより突出するように前記台板
   上に配設され、前記敷板が定位置に前進して来たときこ
   れを停止させるストッパーと、前記台板と前記敷板とを
   連結固定するクランプ装置とからなることを特徴とする
   金型交換装置。