JPH0825007B2 - シリンダブロックの鋳造方法およびその鋳造装置 - Google Patents

シリンダブロックの鋳造方法およびその鋳造装置

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JPH0825007B2
JPH0825007B2 JP63184661A JP18466188A JPH0825007B2 JP H0825007 B2 JPH0825007 B2 JP H0825007B2 JP 63184661 A JP63184661 A JP 63184661A JP 18466188 A JP18466188 A JP 18466188A JP H0825007 B2 JPH0825007 B2 JP H0825007B2
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敏男 中川
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、シリンダブロックの鋳造方法およびその
鋳造装置に関するものであり、とくには、シリンダブロ
ックを、アルミニウム合金溶湯その他の低圧鋳造によっ
て製造するに際し、ライナ、ウォータジャケット中子な
どの鋳ぐるみ部材を、所定位置に高い精度にて自動的に
位置決め可能ならしめるものである。
(従来の技術) 従来既知の低圧鋳造方法、とくには、中子を金型に自
動的にセットできる鋳造方法としては、たとえば、特開
昭62-179860号公報(特願昭61-20566号)に開示された
ものがある。
これは、下型を取付ける下ダイベースと、中子を一時
待機させておく中子定盤と、上型から離型される製品を
受け取る製品受け取り機構とのそれぞれを水平方向に適
宜の間隔をおいて配置し、下ダイベースおよび中子定盤
の上方に、これらの間を往復動する第1台車を設け、こ
の第1台車には中子把持機構を昇降可能に装着し、さら
に、下ダイベースおよび製品受け取り機構の上方に、こ
れらの間を往復動する第2台車を設け、この第2台車に
は上型を取り付ける上ダイベースを昇降可能に装着して
なる低圧鋳造装置を用いるものであり、ここでははじめ
に、第1台車に取り付けた前後二本のシリンダを作動さ
せて、ピストンロッドの先端を中子定盤の孔に嵌め込む
ことにより、その中子定盤を介して中子の位置決めを行
い、次いで、中子把持機構の下部を中子の孔に侵入させ
て、それの加圧膨脹下で中子を保持し、その後、ピスト
ンロッドの、中子定盤からの抜き出しと、中子把持機構
の上昇による、中子定盤からの中子の持ち上げとを順次
にもたらすとともに、第1の台車の、下型の直上位置へ
の移動と、そこへの位置決め固定とを順次にもたらし、
さらに、前述したピストンロッドを伸長させてそれを下
型の孔に嵌め込むことによって、中子把持機構、ひいて
は、そこに保持した中子の、下型に対する位置決めを行
い、しかる後、その中子把持機構を下降させて、中子
を、下型の所定穴に挿入し、そこで、その中子把持機構
から圧縮空気を排出して、そこから中子を解放し、続い
て、ピストンロッドおよび中子把持機構をともに上昇さ
せることにより、中子の、下型へのセットを完了する。
このようにして、中子の自動的なセットを終了した後
は、第1台車を中子定盤上へ退避させるとともに、第2
台車を下型の直上位置へ移動させてそこへ位置決めし、
そして、その第2台車で保持した上型を下型に重ね合わ
せることにて画成したキャビティ内へ、保持炉内の溶湯
を圧入する。
ここで、圧入された溶湯がある程度凝固した後は、上
下型の型開きを行い、上型に付着した製品を、第2台車
の走行に基づき、製品受取り機構の真上に移送し、そこ
で、その製品を、上昇姿勢とした受取り部材上に落下さ
せ、最後に、受取り部材を元位置まで下降させることに
より、一連の低圧鋳造作業を終了する。
(発明が解決しようとする課題) ところが、かかる従来技術にあっては、中子定盤上の
中子を下型へ自動供給するに際し、中子定盤上の中子に
対する中子把持機構の位置決めを、中子定盤に設けたそ
れぞれの孔への二本のピストンロッドの嵌め込みにて行
い、また、中子把持機構にて保持した中子の、下型に対
する位置決めを、これもまた、二本のピストンロッド
の、下型に設けたそれぞれの孔への二本のピストンロッ
ドの嵌めこみにて行うこととしており、中子把持機構に
よる中子の保持から、その中子の、下型への挿入までの
間に二回の位置決めが必要となるため、中子の下型に対
する最終的な位置決め精度を十分に高めることができな
いという問題があった他、加熱された下型に対して中子
の位置決めを行う場合には、その下型の熱変形により、
二本のピストンロッドを、その下型に設けたそれぞれの
孔に、同時に嵌め込むことが甚だ困難であるという問題
があった。
この発明は、従来技術のかかる問題点に着目してなさ
れたものであり、下型が加熱されていると否とを問わ
ず、中子その他鋳ぐるみ部材の、下型に対する位置決め
精度を十分に向上させることができ、かつ、その位置決
めを、極めて簡易・迅速に行うことができるシリンダブ
ロックの鋳造方法およびその鋳造装置を提供するもので
ある。
(課題を解決するための手段) この発明の、シリンダブロックの鋳造方法は、鋳ぐる
み部材を用いたシリンダブロックを、たとえば、アルミ
ニウム合金溶湯の低圧鋳造によって製造するに際し、注
湯位置の一方側に隣接する所定の待機位置で、セット治
具上に位置決め配置した鋳ぐるみ部材、たとえばライナ
およびウォータジャケット中子のそれぞれを、そのセッ
ト治具の直上位置に、上型主部及びこれに対して進退可
能な上型副部からなる可動上型を移動させた後、上型副
部を可動上型に対し進出させて鋳ぐるみ部材を保持し、
上型副部に鋳ぐるみ部材を保持したままの状態の可動上
型を、固定下型に対応する位置に移動させてセットする
とともに、固定下型に対して進退可能な可動横型を、進
出させて固定下型に対応する位置にセットすることで、
金型キャビティを形成し、この金型キャビティ内に低圧
注湯を行うものである。
なおここで、鋳ぐるみ部材というときは、ライナのみ
ならず、ウォータジャケット中子その他のように、シリ
ンダブロック内の所定位置に一旦鋳ぐるまれる部材の全
てを含むものとし、この発明では、ライナもしくはウォ
ータジャケット中子のいずれか一方のみを鋳ぐるみ部材
とすることもあり得る。
また、この発明のシリンダブロック鋳造装置は、注湯
位置で、下部固定プレートに取り付けた固定下型と、金
型取付フレームに固定され、前記固定下型に対して昇降
作動される上型主部と、上型主部に対して進退可能であ
り、ボア型および前後型からなる上型副部と、固定下型
に対して進退可能な可動横型とを具える鋳造装置におい
て、前記注湯位置の一方側に隣接する待機位置に、ライ
ナおよびウォータジャケット中子を位置決め支持するセ
ット治具を配設する一方、前記下部固定プレートに、そ
こに設けた固定下型に対して進退可能に可動横型を取付
け、また、前記金型取付けフレームを、少なくとも、注
湯位置と待機位置との間で水平運動する走行台車に昇降
可能に連結するとともに、その金型取付フレームに、そ
こに設けた上型主部に対して進退可能に、ボア型および
前後型のそれぞれを取付け、さらに、ボア型の周面に、
減圧手段に接続されて、前記ライナをボア型上に吸着す
る吸引開口を設けるとともに、前記前後型に、ウォータ
ジャケット中子に形成した幅木の差込部を設けたもので
ある。
(作用) 上述した発明によれば、待機位置で、治具上に位置決
め配置した鋳ぐるみ部材、たとえばライナおよびウォー
タジャケット中子のそれぞれを、進出姿勢としたボア型
による、ライナ内への十分密な嵌入と、そのライナの、
ボア型周面への減圧吸着、ならびに、これまた進出姿勢
とした前後型の差込部への、中子幅木の嵌まり込みによ
って、高い精度をもって直接的に位置決め保持した後
は、注湯位置で、上型主部ならびに、進出状態のボア型
および前後型からなる上型副部を、固定下型に対して所
定位置にセットするだけで、ライナおよびウォータジャ
ケット中子の、固定下型に対する特別の位置決めを必要
とすることなく、それらを、固定下型に対して十分正確
に位置決めすることができるので、従来技術に比し、ラ
イナおよびウォータジャケット中子の最終的な位置決め
精度を大きく向上させることができる。
しかもここでは、上型主部と、それに関連する上型副
部との固定下型の対するセットは、その固定下型が加熱
されていると否とを問わず、固定下型に対する、それら
の型の所定量の下降によって、簡単に、かつ正確に行う
ことができるので、ライナおよびウォータジャケット中
子の高精度の位置決めを、常に簡易・迅速に行うことが
できる。
(実施例) 以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
第1図はこの発明の鋳造装置を、一部を破断除去して
示す斜視図であり、第2図はその要部断面正面図および
側面図である。
図中P1は注湯ステーションを、P2は、注湯ステーショ
ンP1の一方側、図では左側に隣接する待機ステーション
を、P3は、注湯ステーションP1の他方側、図では右側に
隣接する金型交換ステーションをそれぞれ示す。
ここでは、注湯ステーションP1に、下部固定プレート
1を水平に配設して、この下部固定プレート上に、固定
下型2を固設するとともに、その固定下型2に対し、よ
り正確には、固定下型2の中央部に対し、水平シリンダ
3の作用下で、左右方向から進退駆動される可動横型4
を設け、そして、その下部固定プレート1の下方には溶
湯保持炉5を配置する。
また、上述したそれぞれのステーションP1,P2,P3
は、二本で一対をなす軌道レール6を掛け渡し、この軌
道レール6により、そこに掛合させた走行台車7を支持
するとともに、その走行台車7の、待機ステーションP2
と金型交換ステーションP3との間で走行を案内する。と
ころで、走行台車7には、それを走行駆動するためのモ
ータ8を設けるとともに、昇降シリンダ9によって、金
型取付フレーム10を昇降駆動可能に連結し、この金型取
付フレーム10の走行台車7に対する上下動を、それに貫
通する複数本のガイドロッド11にて案内する。そしてか
かる金型取付フレーム10の下面中央部分には上型主部12
を固定し、それの下面両側部分には、ボア型13を上型主
部12に対して斜め上方から進退させるボア型開閉シリン
ダ14を、また下面前後部分には、第2図(b)に示すと
ころから明らかなように、前型15および後型16を上型主
部12に対して水平に進退させる前型開閉シリンダ17およ
び後型開閉シリンダ18をそれぞれ取り付ける。
ここで、注湯ステーションP1の左側に隣接する待機ス
テーションP2には、リフター19およびトラバースレール
20をそれぞれ配設し、このトラバースレール20を、待機
ステーションP2を経てその前後方向へ延在させる。そし
て、そのトラバースレール20には、中子搬送台車21とワ
ーク積載台車22との2台の台車をそれぞれ掛合させ、中
子搬送台車上にはセット治具23を、ワイヤ積載台車上に
はワーク受け治具24をそれぞれ位置決め載置する。これ
らのそれぞれの台車21,22は、ロータリアクチュエータ2
5,26を、クランク機構27,28を介して台車21,22にそれぞ
れ連結することにより、各ロータリアクチュエータ25,2
6の作動に基づきトラバースレール20のそれぞれの端部
分から、待機ステーション位置、いいかえれば、リフタ
ー19の直上位置までの間で走行することができる。なお
ここにおいて、リフター19は、いずれかの台車がその直
上位置にもたらされたときに作動して、台車上のセット
治具を、そこに設けた窪み29と、リフター19のロケート
ピン30との掛合下にて所定の高さまで持ち上げるべく機
能する。
そしてさらに、金型交換ステーションP3には、その前
後方向へ延在する走行レール31を敷設し、この走行レー
ル上には金型交換台車32を載置する。
以上のような鋳造装置の要部を第3,4図に基づいて以
下に詳述する。
第3図に示すところでは、下部固定プレート上の固定
下型4に設けた注湯口33を、フィーダ34およびストーク
35を介して、第1,2図に示す溶湯保持炉5に接続する一
方、昇降シリンダ9に、箱状のブラケット36を介して連
結した金型取付フレーム10の下面に、上型主部12を、ス
ペーサとしても機能する上型取付板37を介して、自動着
脱機能を有する図示しないクランパにより取付け、そし
て、この上型主部12に上下方向に貫通させて配置したエ
ジェクターピン38を、連結板39を介して、金型取付フレ
ーム10の上面に取付けた製品押出シリンダ40に連結す
る。
またボア型13は、ボア型開閉シリンダ14のロッド端に
設けた金型取付板41に、これもまた、自動着脱機能を有
する図示しないクランパにより連結し、このボア型13の
先端周面には、第3図(b)に示すように、真空ポンプ
42に、電磁弁43およびライナ吸着回路44を介して連通す
る吸引開口45を、そして、その縮径端壁には、真空ポン
プ42に、電磁弁46およびガス吸引回路47を介して連通
し、後述するウォータジャケット中子48の幅木部分か
ら、発生ガスを吸引除去する排ガス開口49をそれぞれ設
ける。
ここで好ましくは、ボア型13の縮径端壁に、ウォータ
ジャケット中子48の幅木50を嵌め込み得る条溝51を設
け、このことにて、排ガス開口49でのガスの吸引効率を
有利に向上させる。
さらにここでは、前後の型15,16をもまた、第4図に
示すところから明らかなように、開閉シリンダ17,18の
各ロッド端に設けた金型取付板52,53に、上述したと同
様の図示しないクランパによって連結し、それらの型1
5,16の型面に、ウォータジャケット中子48のそれぞれの
幅木50,54の端部分を嵌め込むための差込穴55,56をそれ
ぞれ設ける。
そして、この例では、両可動横型4を、水平シリンダ
3のロッド端に設けた金型取付板57に、他のそれぞれの
型と同様にして連結する。
このように、上型副部を上型主部12に対して進出姿勢
とするとともに、その上型主部12を、固定下型2に対し
て所定位置まで接近させ、さらに、可動横型4を、その
固定下型2に対して進出させることにより、それらの型
間に、所要の三次元形状をを有する金型キャビティ58が
区画されることになる。
以下に、上述した鋳造装置の作用について説明する。
たとえば、V型8気筒エンジン用シリンダブロックを
製造するに際しては、はじめに、中子搬送台車21および
セット治具23を、トラバースレール20の一端部に、第1
図および第2図(b)に示すように位置させた状態で、
そのセット治具23の所定位置に、第5図(a)に斜視図
で示すような鋳鉄製のライナ59の8本と、第5図(b)
に示すようなウォータジャケット中子48の二個とを、と
もに500℃前後の温度に加熱して位置決め載置し、次い
で、中子搬送台車21を、ロータリアクチュエータ25の作
動に基づいて待機ステーションP2へ移動させ、そこに
て、セット治具23を、そこに位置決め載置したライナ59
およびウォータジャケット中子48とともに、リフター19
によって、第6図(a)に仮想線で示すその上限位置ま
で上昇させる。
なお、この時点においては、金型取付フレーム10に取
付けられた、上型主部12、ボア型13および前後型15,16
は、昇降シリンダ9の伸長ストロークに基づき、第6図
(a)に実線で示すように、ボア型13および前後15,16
を上型主部12に対して後退姿勢とした状態で下限位置に
待機している。
そこでその後は、ボア型開閉シリンダ14の作動に基づ
き、ボア型13を上型主部12に対し進出させて、そのボア
型13の、ライナ内への進入をもたらし、併せて、第3図
(b)に示す電磁弁43を解放して、吸引開口45を真空ポ
ンプ42に連通させ、それぞれのライナ59をボア型13の周
面に真空吸着する。
なおここで、ライナ59の内周面は、第7図に示すよう
に、ボア型13の、そこへの進入部分の抜き勾配と対応す
る勾配を有していることから、そのボア型13のライナ59
への進入が、極めて円滑に行われることになる一方、ボ
ア型13がの進出限に達したときには、ボア型周面へのラ
イナ59の密着に基づき、ボア型13に対するライナ59の正
確な位置決めが行われるとともに、それらの両者間への
溶湯の差込みが完全に防止されることになる。
またここでは、前後型15,16をも同時に、上型主部12
に対して進出作動させることにより、治具上のウォータ
ジャケット中子48のそれぞれの幅木50,54を、第4図に
示すように、前後型15,16のそれぞれの差込穴55,56内へ
十分に進入させて、そのウォータジャケット中子48の正
確な位置決めと、確実な保持とを行う。
このようにして、ライナ59およびウォータジャケット
中子48のそれぞれをボア型13および前後型15,16によっ
て高精度に位置決め保持した後は、昇降シリンダ9の収
縮ストロークにより、金型取付フレーム10を、それらの
ボア型13および前後型15,16とともに、ひいては、ライ
ナ59およびウォータジャケット中子48とともに、第6図
(a)に仮想線で示す位置まで持ち上げ、引き続く、走
行台車7の所定量の走行運動に基づき、ライナ59および
ウォータジャケット中子48を第6図(b)に実線で示す
ように、注湯ステーションP1位置へ正確に位置決めす
る。
そしてさらには、昇降シリンダ9の再度の伸長ストロ
ークに基づき、上型主部12、ボア型13および前後型15,1
6を次第に下降させ、ついには、それらを、第8図
(a)に仮想線で示すように、固定下型2に対する所定
位置に正確にセットすることによって、ボア型13および
前後型15,16のそれぞれにて保持したライナ59およびウ
ォータジャケット中子48をもまた、固定下型2が加熱さ
れていると否とを問わず、極めて円滑に、しかも、高い
精度にて、固定下型2に対する所定位置にセットし、し
かる後、水平シリンダ3によって、可動横型4を固定下
型2に対して進出させることにより、第3図(a)に示
すようにそれぞれの型間に、所要の三次元形状を有する
金型キャビティ58を区画する。
かかる金型キャビティ58に対しては、溶湯保持炉内の
溶湯を、ストーク35、フィーダ34および注湯口33を経て
注湯するとともに、この注湯から溶湯の凝固までの間
に、キャビティ内に発生する燃焼ガスその他を、一方の
電磁弁43の閉止下での他方の電磁弁46の解放に基づき、
ウォータジャケット中子48の幅木50から排ガス開口49を
経て、真空ポンプ42で吸引排気することにより、鋳造製
品としてのシリンダブロックへのガス欠陥の発生を十分
に防止する。
ここで、溶湯が完全に凝固して所要のシリンダブロッ
クとなった後は、まず、可動横型4を固定下型2に対し
て後退させ、次いで、昇降シリンダ9によって、上型主
部12、ボア型13および前後型15,16を、第8図(a)に
実線で示すように、シリンダブロックWとともに持ち上
げ、しかる後、それらの型12,13,15,16およびシリンダ
ブロックWを、走行台車7によって待機ステーションP2
へ移送すにとともに、その位置で、昇降シリンダ9を伸
長ストロークさせて、それらの下限位置にもたらす。
さらにその後は、トラバースレール上を待機ステーシ
ョンP2位置へ、第8図(b)に示すように予め移動させ
たワーク載置台車22に対してリッター19を作動させにこ
とにより、その台車上に位置決め配置したワーク受け治
具24を、図の仮想線位置まで上昇させて、その治具24に
てシリンダブロックWを仮受けし、そこでボア型13を図
示のように後退作動させるとともに、図示しない前後型
15,16をもまた後退作動させることによって、シリンダ
ブロックWの、上型主部12のみへの付着状態をもたら
し、続いて、製品押出シリンダ40の作動によって、エジ
ェクターピン38を上型主部12から突出させることによ
り、シリンダブロックWをその上型主部12から離型させ
る。
なお、かかる離型に際して、はたとえばエジェクター
ピン38の突出速度と、ワーク受け治具24の下降速度とを
同調させることにより、シリンダブロックWの損傷を極
めて有効に防止することができる。
このようにしてシリンダブロックWを受け取ったワー
ク受け治具24は、リフター19によって、ワーク積載台車
上に再び位置決め配置された後、その台車22によってト
ラバースレール20の一方の端部分へ、第1図に示すよう
に移送され、そこにて、第9図に斜視図で示すようなシ
リンダブロックWを次工程へ引き渡す。
また、この装置での、それぞれの型の交換は、たとえ
ば、下部固定プレート1から取り外した固定下型2およ
び金型取付板57から取外した可動横型4を、上型主部1
2、ボア型13および前後型15,16とともに、金型交換ステ
ーションP3へ搬送し、そこでそれらを金型交換台車32上
へ吊り降ろすとともに、その台車上に取外し、しかる
後、他の台車で搬送されてきたそれぞれの型の、上型主
部を金型取付フレーム10に、また、ボア型および前後型
をシリンダ14,17,18にそれぞれ取付けて、固定下型およ
び可動横型をそれらとともに注湯ステーションP1へ搬入
し、そこにて、それらの固定下型および可動横型のそれ
ぞれを、下型固定プレート1およびシリンダ3に取り付
けることにより行う。
以上この発明を図示例に基づいて説明したが、上述し
たところから金型交換ステーションP3を省くこともで
き、またボア型13に形成した排ガス開口49を省くことも
できる。そしてまた、ウォータジャケット中子48の幅木
50,54および前後型15,16の差込み穴55,56をいずれか一
方のみとすることもできる。
(発明の効果) かくして、この発明によれば、セット治具上に位置決
め配置した鋳ぐるみ部材をボア型および/または前後型
にて位置決め保持することにより、その鋳ぐるみ部材
を、ボア型および前後型のみならず、上型主部に対して
も、高精度に直接的に位置決めすることができ、しか
も、それらの型を、固定下型に対して所定位置にセット
することによって、鋳ぐるみ部材もまた、固定下型に対
し、所定位置に正確に位置決めされるので、その鋳ぐる
み部材の最終的な位置決め精度を従来技術に比して著し
く向上させることができる。
加えて、ここでは、上型主部、及び上型副部の、固定
下型に対するセットは、ロケート孔その他を一切用いる
ことなく、それらの、固定下型に対する所定量の下降に
よって行われるので、固定下型が加熱されていると否と
を問わず、鋳ぐるみ部材の高精度の位置決めを、常に、
かつ簡易・迅速に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、この発明の鋳造装置を、一部を破断除去して
例示する斜視図、 第2図は、第1図に示す装置の要部断面正面図および側
面図、 第3,4図はそれぞれ、装置の要部を示す拡大図、 第5図は、ライナおよびウォータジャケット中子を示す
斜視図、 第6図および第8図は、この発明の鋳造工程を例示する
図、 第7図は、ライナとボア型との関係を示す拡大図、 第9図は、シリンダブロックを例示する斜視図である。 P1…注湯位置、P2…待機位置 W…シリンダブロック、1…下部固定プレート 2…固定下型、3…水平シリンダ 4…可動横型、5…溶湯保持炉 6…軌道レール、7…走行台車 8…モータ、9…昇降シリンダ 10…金型取付フレーム、12…上型主部 13…ボア型、14…ボア型開閉シリンダ 15…前型、16…後型 17…前型開閉シリンダ、18…後型開閉シリンダ 19…リフター、21…中子搬送台車 23…セット治具、42…真空ポンプ 43…電磁弁、44…ライナ吸着回路 45…吸引開口、48…ウォータジャケット中子 50,54…幅木、55,56…差込み穴 59…ライナ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鋳ぐるみ部材を用いてシリンダブロックを
    鋳造するに際し、 鋳ぐるみ部材を位置決め配置したセット治具を、所定の
    待機位置まで移動させ、次いで、このセット治具の直上
    位置に、上型主部及びこれに対して進退可能な上型副部
    からなる可動上型を移動させた後、上型副部を可動上型
    に対し進出させて鋳ぐるみ部材を保持し、上型副部に鋳
    ぐるみ部材を保持したままの状態の可動上型を、固定下
    型に対応する位置に移動させてセットするとともに、固
    定下型に対して進退可能な可動横型を、進出させて固定
    下型に対応する位置にセットすることで、金型キャビテ
    ィを形成し、この金型キャビティ内に注湯を行うことを
    特徴とするシリンダブロックの鋳造方法。
  2. 【請求項2】注湯位置(P1)で、下部固定プレート
    (1)に取り付けた固定下型(2)と、金型取付フレー
    ム(10)に固定され、前記固定下型に対して昇降作動さ
    れる上型主部(12)と、上型主部(12)に対して進退可
    能であり、ボア型(13)および前後型(15,16)からな
    る上型副部と、固定下型(2)に対して進退可能な可動
    横型(4)とを具える鋳造装置において、 前記注湯位置(P1)の一方側に隣接する待機位置(P2
    に、ライナ(59)およびウォータジャケット中子(48)
    を位置決め支持するセット治具(23)を配設する一方、
    前記下部固定プレート(1)に、そこに設けた固定下型
    (2)に対して進退可能に可動横型(4)を取付け、ま
    た、前記金型取付けフレーム(10)を、少なくとも、注
    湯位置と待機位置との間で水平運動する走行台車(7)
    に昇降可能に連結するとともに、その金型取付フレーム
    に、そこに設けた上型主部(12)に対して進退可能に、
    ボア型(13)および前後型(15,16)のそれぞれを取付
    け、さらに、ボア型の周面に、減圧手段に接続されて、
    前記ライナをボア型上に吸着する吸引開口(45)を設け
    るとともに、前記前後型に、ウォータジャケット中子に
    形成した幅木(50,54)の差込部(55,56)を設けてなる
    シリンダブロック鋳造装置。
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