JPS624093Y2

JPS624093Y2 -

Info

Publication number: JPS624093Y2
Application number: JP1980040782U
Authority: JP
Priority date: 1980-03-25
Filing date: 1980-03-25
Publication date: 1987-01-29
Also published as: JPS56140613U

Description

【考案の詳細な説明】本考案は、建築、構築物の内壁と外壁との間に
介在させる断熱材に関する。

従来から木造家屋において、例えば間柱と内、
外壁下地間の空隙に断熱材、例えばガラス繊維マ
ツトを装填し、その端縁を内壁下地にピンで固着
した構造になつていた。しかしながら、この構造
では、内、外壁下地間を密封すること自体困難で
あり、しかも綿状のため自立性に欠けるので装着
に長時間を要する欠点があつた。また断熱材の表
面に設けた基材が単なるシート状物のため、外気
の流通構造が存在せず、内外壁面の温度差によつ
てシート状物表面に結露を発生することが多々あ
つた。しかも断熱材自体は、吸放湿性を有するが
放湿の環境に到ることがなく、結局断熱材が「ヌ
レ雑布」状態で存在し、断熱性能を低下すると共
に間柱、下地を湿気により腐食する不都合があつ
た。さらにこの状態が続くと、ピンの係止力に重
さが勝つて落下し、根太部分に嵩を大幅に縮小し
て堆積し、本来断熱材が充填されていた部分が実
質上の空隙となる欠点があつた。

本考案は、このような欠点を除去し、自立性を
有することにより装着作業を簡易化すると共に内
外壁間を密封し、断熱材本来の特性を永続的に発
揮せしめ、かつ断熱材自体の調湿機能を有効に活
用し、通気構造が付与された防水基材との相剰効
果により結露の発生を阻止して胴縁、間柱の腐食
等を防止した断熱材を提案する。

以下に図面を用いて、本考案に係る断熱材の一
実施例について詳細に説明する。第１図ａ〜ｂは
上記断熱材の一例を示す斜視図であり、１は防水
基材で防水性と通気路と断熱材自体の自立性と装
着性を具備せしめた段ボール構造の部材である。
具体的には、ターポリン紙、アスフアルトフエル
ト、防水処理済クラフト紙、合成樹脂シート、防
水処理アスベスト紙、金属箔の一種以上を用いて
片面段ボール、両面段ボール、複数面段ボール、
トリウオール段ボール構造に形成し、これを例え
ばＷ×Ｌ＝470×900mmに形成する。

なお、この防水基材１は、少なくとも内、外壁
側のライナーあるいは中心面が防水処理されてい
る。この防水基材１の左右端縁は間柱に固着する
ものであり、端縁形状によつてａ図に示すように
段ボール状態、ｂ図に示すように片面段ボール状
態、ｃ図に示すように両面段ボールの内壁側のラ
イナーを除去した状態、ｄ図に示すように段ボー
ル構造を端部だけ破壊して密実状態に形成する。
これは間柱間に断熱材を装着した際に、外壁材の
装着に支障を与えない構造とするためである。２
は通気性シートで防水基材１より突出せず、かつ
間柱間隔にマツチした大きさの断面長方形状の凹
部３を成形等によつて形成し、その端縁３ａを防
水基材１に貼着する。なおｌは間柱の厚さであ
る。このシート状物としては、クラフト紙、アス
ベスト紙、不織布、ターフエルト、穴明き合成樹
脂シート、金属箔の一種もしくは二種以上をラミ
ネートしたものである。また、このシート状物２
は、後記するインシユレーシヨンボード５の調湿
作用を十分に作用させるものである。４は空隙
で、防水基材１と成形した通気性シート２によつ
て断面を長方形状に形成したものであり、この内
部にインシユレーシヨンボード５を装填する。こ
のインシユレーシヨンボード５は断熱性、調湿
性、吸湿性及び防音性を有するものである。

次に装着順序について説明すると、第２図に示
すように断熱材を間柱Ａ，A′間に収納し端縁を
釘Ｂで固着する。このような作業を壁面全部に行
うことによつて断熱材層を内外壁間に形成でき
る。

以上説明したのは、本考案の一実施例にすぎ
ず、防水基材１と通気性シート２間を糸で縫製
し、断熱素材５の下方への収縮を皆無としたり、
段ボール構造の通気路１ａを間柱と同一方向に、
あるいは直交する方向に積層することもできる。

上述したように、本考案に係る断熱材の構成に
よれば、装着が非常に容易となり、作業能率が
大きく改善される。すなわち、自立性のある防水
基材を用いているため一人で施工できる特徴があ
る。結露を阻止できる。換言すれば、防水基材
は補強と同時に通気路１ａを具備するため外気の
流通と、インシユレーシヨンボード５との相乗効
果により結露の発生を阻止できる特徴がある。
断熱材の性能劣化を抑制できる。すなわち、調湿
が確実に行なわれるため「ヌレ雑布」になること
がない。胴縁、間柱等の構成枠体を腐食するこ
とがなく耐久性に富む。これはのように水分が
この空間の長期に亘つて、大量に存在することが
なくなるためである。吸音性にすぐれている。
すなわち、インシユレーシヨンボードの特性を十
分に活用できる等の特徴がある。

【図面の簡単な説明】

第１図ａ〜ｄは本考案に係る断熱材の一例を示
す斜視図、第２図は装着状態を示す斜視図であ
る。１……防水基材、２……通気性シート、３……
凹部。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

段ボール構造の防水基材の片面に、該防水基材
より小さい通気性シートの端縁のみを貼着し断面
長方形状の空隙を形成し、該空隙にインシユレー
シヨンボードを装填したことを特徴とする断熱
材。