JPS6239649Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はビニールハウスにおいて使用される硬
質フイルムあるいはビニールシートを止着するた
めのタルキの改良に関する。

（従来の技術） 従来のビニールハウス用タルキは第１図に示す
如き断面であり、アルミ等で製造されＴボルト受
け用溝３の上方に１箇のタツピングビス止め用溝
２を設けた形状で、第３図に示すビニールハウス
において、Ｃチヤンネル等の母屋１０にタルキ１
を取付ける場合、Ｔボルト受け用溝３にＴボルト
４の頭部を嵌め、ねじ部をＣチヤンネルのボルト
孔に通してナツト締めし、さらにビニールフイル
ム５ａはタルキ１の上面に形成されたビニール受
け５で受け、タツピングビス６にてビニール押え
７を介してタルキ１に取付けるようにしていた。

（考案の解決すべき問題点） ところが上記した従来型のタルキを使用する場
合においては、たとえば第３図に示すコーナー部
１１，１２等にビニールフイルムを張るような場
合には第２図に示す如く互いに直角方向に位置さ
せて２本のタルキ１をとりつけ、しかもそれらの
各タルキ１に別々にビニールフイルム５ａ，５
a′端を個別に止着させ、更に雨じまいのためにコ
ーナープレート８で覆う必要があり、構造が複雑
でしかも施工コストが高騰するのみならず、上記
したコーナープレートの内側９に雨水が侵入しや
すく雨仕舞が良好ではなくその改善が望まれてい
た。

（問題点を解決するための手段） 本考案は上記した従来型タルキの有する問題点
を解決すべく案出されたものであり、具体的には
軸心に沿つてねじ用孔を設けた断面が略方形をし
た長尺状のタルキであつて、一側面側にはタルキ
１の長手方向に連続するＴボルト受け用溝を、ま
た他の各側面にはタルキの長手方向に連続する左
右一対の相互に平行な立ち上がり壁を垂直外方に
向けて突出させてタツピングビス止め用溝を、ま
た、上記立ち上がり壁の先端を外方に向けて略直
角に折り曲げることにより隣り合うタツピングビ
ス止め用溝の立ち上がり壁間に水滴受け溝を、そ
れぞれタルキの長手方向に沿つて設けてなるビニ
ールハウス用タルキに関する。

以下において本考案の具体的な内容の実施例を
あらわした第４〜５図の構成と、これを使用する
ビニールハウスの概略の構成をあらわした第３図
とをもとに説明する。

第４図はこの考案のタルキをコーナー部に取付
けた場合の縦断面図、第５図はこの考案のタルキ
を直角方向に組みつけた場合の説明図である。

第４図に示す如く１は断面が略方形をなした長
尺状のタルキを示す。

タルキ１はその一側面側（第４図においては底
面側）にＴボルト受け用溝３を従来品と略同様の
構成にてタルキ１の長手方向に沿つて設けるとと
もに、タルキ１の他の各側面にはタルキの長手方
向に連続する左右一対の相互に平行な立ち上がり
壁を垂直外方に向けて突出させて形成したタツピ
ングビス止め用溝２，２，２と、上記立ち上がり
壁の先端を外方に向けて略直角に折り曲げること
により隣り合うタツピングビス止め用溝２，２，
２の立ち上がり壁間に形成した水滴受け溝２ｂ，
２ｂとをそれぞれタルキ１の長手方向に沿つて設
けてなるものである。

尚タルキ１および各面の立ち上がり壁の材質に
ついては一般にアルミが使用されるが、必ずしも
これに限定されるものではなく、また形成された
各タツピングビス止め用溝２，２，２を構成する
一対の立ち上がり壁の対面には第４〜５図に示し
たようにタルキ１の長手方向にに沿わせて複数条
の突条を設けるとタルキの取りつけに際してタツ
ピングビスの喰い込みが一層良好となり、止着効
果を向上させることができる。

（作用） 上記した実施例の構成において、これを従来通
り、ビニールハウスの母屋１０、側胴縁１３、妻
胴縁１４等として使用するほか、とくにコーナー
部１１，１２についてこれを使用する場合におい
ては、たとえば第４図のように母屋１０等のＣ型
チヤンネル材に対してただ１本の本考案にかかる
タルキ１をＴボルト受け用溝３を利用してＴボル
ト４にて締付け固定した後、左右のタツピングビ
ス止め用溝２，２を利用し、側方のビニールシー
ト５a′の上部端末部を右側のタツピングビス止め
用溝２に、また上方のビニールシート５ａの端末
部を左側のタツピングビス止め用溝２に、それぞ
れシート押え部材７を介してタツピングビス６に
より締付け固定する。

尚ビニールハウス内において発生した水蒸気等
の水分は水滴受け溝２ｂ，２ｂを伝つてタルキの
長手方向に導かれて処理される。

さらに本案のタルキ１は第５図に示したように
一方のタルキの側面に対し、他方のタルキの長手
方向端面を直角方向に突き当てて組みつけること
も可能である。

この場合には上記した一方のタルキの側面部に
おける突き当て個所に対応するところの互いに背
反方向に位置するタツピングビス止め用溝２，２
をドリル等の穿孔手段により長手方向に交さする
方向に貫通させて貫通孔を設け、該貫通孔にタツ
ピングビス６を挿通するとともに、該ビス６の先
端部を他方のタルキの突き当て端面に有するねじ
用孔２ａ内に螺入させて締めつける。

（考案の効果） 以上詳述した通り、本願の考案は断面が略方形
をした長尺状タルキの一側面側にはタルキの長手
方向に連続するＴボルト受け用溝を、また他の各
側面にはタルキの長手方向に連続する左右一対の
相互に平行な立ち上がり壁を垂直外方に向けて突
出させてタツピングビス止め用溝をそれぞれタル
キの長手方向に沿つて設けたものであるために、
１本のタルキについて３方向に突出する各対の立
ち上がり壁による３本のタツピングビス止め用溝
を有し、ビニールハウスの平面部（第３図の母屋
１０、足胴縁１３、妻胴縁１４等）の部材として
共用が可能であるばかりでなく、とくにビニール
ハウス等建屋コーナー部などに使用すると僅か１
本のタルキにより側方あるいは上方より展張され
るビニールフイルム・シート等の端部処理をおこ
なうことができ、従来のような複雑な雨仕舞の構
造とする必要がないほか、施工が簡略化されてコ
ストの低減をはかることができる。

また上記立ち上がり壁の先端を外方に向けて略
直角に折り曲げることにより隣り合うタツピング
ビス止め用溝の立ち上がり壁間に水滴受け溝を設
けたために、ビニールハウス内において生じた水
蒸気等の水分は該水滴受け溝を伝つてその長手方
向に移送して処理することができる。

さらに長尺状のタルキにはその軸心に沿つてね
じ用孔を設けたために、一方のタルキの側面に対
し、他方のタルキの長手方向端面を直角方向に突
き当て、さらに該突き当て個所に対応する一方の
タルキの側面における互いに背反方向に位置する
タツピングビス止め用溝の底部を長手方向に交さ
する方向に貫通させて該部分とこれに突きあてる
他方のタルキのねじ用孔を利用してタツピングビ
スにより相互に強固に組つけることができるので
ビニールハウスにおける大部分の構成部材を共用
することができる結果、部品の多種保存の必要が
なくなり、また在庫管理が容易になる等種々の有
益な効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のタルキを母屋等に使用した場合
の縦断面図、第２図は従来のタルキを建家のコー
ナー部等に使用した場合の縦断面図、第３図はビ
ニールハウスの斜視図、第４図はこの考案のタル
キを建屋のコーナー部に取付けた場合の縦断面
図、第５図はこの考案のタルキを直角方向に突き
当てて組みつけた状態の要部を断面であらわした
説明図である。 １……タルキ、２……タツピングビス止め用
溝、２ａ……ねじ用孔、２ｂ……水滴受け溝、３
……Ｔボルト受け用溝。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軸心に沿つてねじ用孔を設けた断面が略方形を
   した長尺状のタルキであつて、一側面側にはタル
   キの長手方向に連続するＴボルト受け用溝を、ま
   た他の各側面にはタルキの長手方向に連続する左
   右一対の相互に平行な立ち上がり壁を垂直外方に
   向けて突出させてタツピングビス止め用溝を、ま
   た上記立ち上がり壁の先端を外方に向けて略直角
   に折り曲げることにより隣り合うタツピングビス
   止め用溝の立ち上がり壁間に水滴受け溝を、それ
   ぞれタルキの長手方向に沿つて設けてなるビニー
   ルハウス用タルキ。