JPS6334509Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、温室屋根構造の改良に関する。

この種の屋根構造は、通常屋根構造枠材に材
を複数配設し、これらの材に採光パネルを装着
して形成することが知られている。そして、採光
パネルが単体として存在する場合は一般にガラス
嵌め込みパネルであつて、室内側のガラス面が結
露しやすくなり、、この結露水が温室栽培物に悪
影響を与えている。

そこで本考案は、採光パネルを改良することに
より、上記欠点を除去することを第一の目的とす
る。すなわち、屋根構造枠材に材を配設し、こ
の材に採光パネルを装着してなる屋根構造にお
いて、採光パネルをアルミ押出型材からなる枠体
にて形成するとともに、この枠体の両面にプラス
チツク製フイルムを張着し、両面フイルムの間に
断熱空気層を介在させることにより、採光パネル
の室内側面における結露発生を阻止し、以て上記
欠点を解消するものである。第二に本考案は、上
記採光パネルの装着が容易に行われるように材
を改良し、また、装着された後は該パネルが位置
ズレを起さないようにすることを第三の目的とす
る。以下に本考案を図示の実施例に基づいて説明
する。

第１図及び第２図において、本考案の屋根構造
は、屋根構造枠材１，１に材２，２を配設し、
この材に採光パネル３，３を装着して構成され
るものであつて、本例では枠材１にＣ形の型鋼を
用い、これに材２，２が支持ボルト４１と止め
ナツト４２、或いはＬ字形部材４３によつて、前
記枠材上に載置固定される。なお、このような
材２の載着は、屋根に登らなくても作業すること
ができ、また、支持ボルト４１と止めナツト４２
を用いてＣ形型鋼の端縁に材を係着するので、
該型鋼に対するボルト加工を不要とすることがで
きる。

材２は、さらに第３図に示すように、ウエブ
２３によつて連結される上下片２１，２２と、下
片２２の端縁から上方へ立上る突片２４，２４と
からなり、その左右のパネル嵌挿部２ａにおいて
大小の呑込み寸法Ｈ，ｈを形成し、さらに該嵌挿
部に連通して樋２５を形成している。このよう
に、パネル嵌挿部２ａの呑込み寸法に大小の二種
類のものを形成するのは、材２に採光パネル
３，３を装着する場合に、第２図においてパネル
３の右側を材２に嵌装し、次いで左へ戻してパ
ネル左側をもう一方の材に嵌合させる所謂やり
くりにてパネルを挿入しやすくなるためであり、
一方、樋２５を設けることにより、かようなパネ
ル装着箇所にかりに雨水が侵入しても排水でき、
雨仕舞を良好に維持することが可能となる。

採光パネル３は、さらに第４図ないし第７図に
示すように、アルミ押出型材で枠体３１を形成す
るとともに、該枠体の両面にプラスチツク製フイ
ルム５を張着してなるものである。枠体３１は、
上枠３２、下枠３３及び左右の堅枠３４，３４を
額縁状に組合わせて形成される。また、これに張
着するフイルム５は、通常はポリエステルフイル
ムなどの硬質プラスチツクフイルムを使用してい
る。なお、枠体３１との間に両面粘着テープを介
在させてもよい。採光パネル３をこのように形成
した場合は、従来のガラス装着パネルと異なつ
て、両面フイルム５，５の間に空気層が介在する
ので室内側フイルム面が結露しにくくなり、温室
栽培物に悪影響を与える結露水の発生をおさえる
ことができるし、また、構造も簡易で安価に製作
できる利点も有する。

この両面フイルム張着の採光パネルにおいて、
単にフイルム５，５を貼着するもののほか、実施
例図で示すように、枠材内周壁に突条３２ａ，３
３ａ，３４ａを設けておき、さらにフイルム押え
６を枠材（枠体３１）にビス止めしてフイルム５
を挾着するとよい。このようにパネルを形成する
と、フイルムを単に貼つた場合に起りうる剥離現
象を完全に阻止することが可能となる。また、フ
イルムが弛まないようにパネルに熱処理を施すこ
とが考えられるが、この場合前記突条３２ａ，３
３ａ，３４ａは、引張したフイルムが規則正しく
整然と張着されるためのエツヂとして機能する。
なお、本例では、堅枠３４の内周壁３４ｂを外周
壁側へ若干段差を設けて形成している。このよう
に形成すると、これに上下枠を組合せた場合に該
内周壁３４ｂの部分が通孔となるから、前述した
パネルの熱処理時の膨張、或いは使用時において
太陽熱によるフイルムの膨張現象を阻止すること
ができる。

さらに、フイルム押え６の背面には、合成樹脂
製のすべり止め突条６１を形成する。この突条
は、主にポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリス
チレン、ポリプロピレンなどの熱可塑性合成樹脂
を用い、押出し成形或いは射出成形などにより設
けるもので、通常はヒレ状を呈する軟質弾性材製
のものをフイルム押え６の背面に複数形成する。
このようにフイルム押え６に突条６１を形成した
場合は、材２のパネル嵌挿部２ａに嵌装した採
光パネル３が、片２１，２４間において掛り止め
されて、位置ズレの生じる事態を阻止することが
できるものである。

第９図はフイルム押え６の他の実施例図で、そ
の背面の適所に凹溝６ａを形成する一方、突条６
１を多数形成した弾性材本体６１ａが前記フイル
ム押え６の背面に設けられている。この場合、押
出成形されたフイルム押え６にローラなどにより
弾性材６１ａを順次接着し、或いは両者を各々押
出成形して一挙同時に相互接着することになる
が、いずれにしても弾性材６１ａはフイルム押え
６の凹溝６ａ内に充填されるので、経時変化によ
る該弾性材の位置ズレ防止が図られる。

第１０図は枠体３１とフイルム押え６との係合
状態を示す他の実施例図で、枠体３１の外側面適
所に突起３１ａを形成し、一方フイルム押え６の
内側面には該突起３１ａに対応する箇所に凹所６
ｂを形成し、さらにフイルム押え６の後端部６ｃ
を鉤状に折曲して、これらの突起３１ａと凹所６
ｂ、および後端部６ｃの折曲部分にてフイルム５
の挾着が確実に行わるようにしている。

第１１図は採光パネルを装着する材２の他の
実施例図で、本例では材２を二部材に分割し、
それぞれの上下片２１，２２でパネル３，３を挾
着するように構成したものである。この場合も一
方の呑込み寸法を他方よりも大きく形成し、やり
くりによるパネルの挿入を行いやすくしている。

本考案に係る温室の屋根構造は以上説明したよ
うに、屋根構造枠材に材を配設するとともに、
これに採光パネルを装着して構成され、採光パネ
ルは枠体の両面にプラスチツク製フイルムを張着
してなるものであるから、両面フイルムの間に断
熱空気層が存在することとなつて、採光パネルの
室内側面における結露発生を阻止することがで
き、しかも、前記フイルムはフイルム押えによつ
て枠体に挾着されているので、フイルムを単に貼
つた場合に起りうる剥離現象を完全に回避するこ
とができるようになつた。さらに、前記材は大
小の呑込み寸法を有するパネル嵌挿部を備えてな
るものであるから、採光パネルの装着が所謂やり
くり方式にて容易に行うことができ、また、この
ようにして装着した採光パネルは、フイルム押え
の軟質弾性材製突条によつてすべり止めがなさ
れ、これによりパネル位置ズレの生じる事態を回
避することができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図は温室屋根の平面図、第２図は第１図の
Ｘ−Ｘ断面図、第３図は本考案に用いる材を示
す側面図、第４図は採光パネルを示す斜視図、第
５図は同上の部分斜視図、第６図及び第７図は第
４図のＹ−Ｙ、Ｚ−Ｚ断面図、第８図は枠体の構
成部材で、１〜３は順に、上下枠、堅枠及びフイ
ルム押え、第９図はフイルム押えの他の実施例
図、第１０図は枠体とフイルム押えとの係合状態
を示す他の実施例図、第１１図は材の他の実施
例を示す図である。 １……屋根構造枠材、２……材、３……採光
パネル、３１……枠体、５……フイルム、６……
フイルム押え、６１……突条、６１ａ……弾性
材、Ｈ，ｈ……呑込み寸法。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 屋根構造枠材１，１に材２，２を配設し、こ
   の材に採光パネル３，３を装着して構成され、
   前記材２は、大小の呑込み寸法Ｈ，ｈを有する
   パネル嵌挿部２ａを備えてなり、また、前記採光
   パネル３は、アルミ押出型材で枠体３１を形成す
   るとともに、該枠体の両面にプラスチツク製フイ
   ルム５を張着し、フイルム押え６を枠体３１にビ
   ス止めすることにより該フイルムを挾着してな
   り、さらに、前記フイルム５を上下方向から挾着
   する前記フイルム押え６の中、少なくとも一方の
   背面には、軟質弾性材よりなるすべり止め突条６
   １を形成したことを特徴とする温室の屋根構造。