JPS6239242Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、這樋本体の出口端に取付けられる落
し樋に関するものである。

第１図は、この種這樋出口部の従来例であつ
て、一階屋根１の傾斜方向に沿つて取付けた這樋
本体２には、その出口部に、Ｌ形に屈曲したエル
ボ３が取付けられ、このエルボ３の出口側が、軒
樋４内に上方より臨ましめられている。このよう
な従来例において、落し樋として使用されるエル
ボ３は、一般に、例えば、這樋２と竪樋を接続す
る通常のエルボをそのまま使用しており、それ
故、納まりが悪く、且つ、その出口が下向きとな
つているため、雨水は軒樋４内ではね返つたり、
或いは、直接軒樋外部へ飛び散るという欠点があ
つた。本考案は、このような欠点を防止すること
を目的としてなされたものでその出口が軒樋内の
排水流れ方向に開口され、したがつて、雨水が軒
樋外方に飛び散ることがなく、しかも、軒樋の流
れ方向、即わち軒樋の傾きが逆向きとなる場合で
も、常に排水流れ方向に出口を開口することので
きる落し樋を提供するものである。

以下、本考案の構成を図示の一実施例に基づい
て説明すると、第２図は、本考案にかかる落し樋
１１の形状を示しており、図において、１２は、
這樋本体２の出口端へ接続される筒状の接続部で
あつて、この接続部１２に連続して、下向きに垂
下した袋状の本体部１３が一体に形成されてい
る。

この本体部１３は、その下端の左右側面部１３
ａ，１３ｂがやや傾斜状とされるとともに、この
傾斜状側面部１３ａ，１３ｂを囲むようにして、
該傾斜状側面部１３ａ，１３ｂの周囲に切り込み
溝１４，１４が形成され、これによつて、左右の
傾斜状側面部１３ａ，１３ｂのうち一方を選択的
に切り落し可能として、これら各側面部１３ａ，
１３ｂを含む左右両側に切り落し部１５ａ，１５
ｂを一体形成した構成としている。

このようにして形成された落し樋１１は、這樋
本体２の出口端へ接続部１２を嵌合して接続さる
とともに、本体部１３の下端が軒樋２内に臨まし
められるが、その際、軒樋２の長手方向に向いた
前記左右両側面部１３ａ，１３ｂを含む切り落し
部１５ａ，１５ｂは、その一方、即ち、軒樋２内
を流れる排水の流れ方向の下流側に向いた側が切
り落しされ、これによつて、この切り落しされた
部分が開口部１６となり、這樋本体２側からの雨
水が、この開口部１６より、軒樋４内の流れ方向
に沿つて流出するようにしている。

第４図及び第５図は、上記落し樋１１の他の実
施例を示したものであつて、この落し樋１１にお
いては、本体部１３下端の左右両側面１３ａ，１
３ｂを夫々左右両外方に膨出させ、その先端部周
りに切り落し溝１４を形成して、第５図の如く、
その一方に開口部１６を開口できるようにしたも
のである。従つて、この実施例では、排水がこの
膨出部分に沿つて流出するため、排水の流れが比
較的良好となる利点がある。

なお、上記各実施例において、切り落し溝１４
は、例えば、ミシン目、或いは、連続又は断続し
たＶ溝等を形成することによつて得られる。

以上の如く、本考案の落し樋によれば、這樋か
らの排水が、軒樋内の排水流れ方向に沿つて流出
するから、雨水が軒樋外部へ飛び散ることなく整
然と流出させることができるとともに、この流出
用の開口部は、左右両側に設けた切り落し部の一
方を選択的に切り落とすことによつて、軒樋の傾
きが逆になる場合でも常に排水流れ方向に開口す
ることができるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、従来例を示す軒先部の横断面図、第
２図は、本考案実施例を示す落し樋の斜視図、第
３図は、同じく落し樋取付け状態の縦断面図、第
４図は、本考案の他の実施例を示す落し樋の斜視
図、第５図は、同じく取付け状態の縦断面図であ
る。 ２……這樋本体、４……軒樋、１１……落し
樋、１３ａ，１３ｂ……左右の側面、１４……切
り込み溝、１５ａ，１５ｂ……切り落し部、１６
……開口部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 這樋本体の出口部に取付けられて軒樋内へ臨ま
   しめられる落し樋であつて、該落し樋下端の軒樋
   長手方向の両側に、該両側の一方を選択的に開口
   可能とした切り落し部を一体形成していることを
   特徴とする這樋用落し樋。