JPS6239224Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は軒樋用ドレイン、更に詳しくは、軒樋
底面から雨水を排出させるために軒樋底面に設け
た取付孔に取着されるドレインに関するものであ
り、主な目的とするところはドレインに多量の雨
水が一度に流れ込んだ場合でも雨水を円滑に排出
できると共に、軒樋の長手方向に沿つて左右の両
側よりドレイン内へ流れ込む二方向からの雨水が
互いに衝突してドレイン内で雨水が滞るのを無く
して雨水を円滑に排出できる軒樋用ドレインを提
供することである。

本考案を以下図に示す実施例に基いて詳述す
る。本考案に係る軒樋用ドレインは、軒樋１の底
面に設けた取付孔２に通す内筒３の上端から取付
孔２周縁の軒樋１底面に載置される上フランジ４
が延出する形状に成形され、内筒３の上端開口部
に上下に貫通する空気導入筒１０を備えたドレイ
ン上体５と、軒樋１の下面がわで内筒３外周に螺
合する外筒６の上端より上記の上フランジ４との
間で取付孔２周縁部を挟持する下フランジ７が延
出したドレイン下体８とで構成され、上記空気導
入筒１０は内筒３上端の開口部の開口径のうち軒
樋１の長手方向に沿つた開口径の略中央に対応す
る位置で軒樋１の巾方向に沿つた開口径の略全長
を占める形で上端の開口を内筒３の開口部より上
方に位置させて内筒３上に形成され、軒樋１の長
手方向に沿つた内筒３上端の開口部両側に夫々上
記空気導入筒１０との間で雨水取入用の空間が形
成されたことを特徴とするものである。本実施例
では、ドレイン上体５として上端の開口部が長孔
形となつたものが開示される。本考案の軒樋用ド
レインが適用される軒樋１は、図に示すように、
平坦な底部の両側より側壁９が斜上方に延出する
いわゆる角樋であり、底面の一部に長孔状の取付
孔２が形成される。上記のドレイン上体５の内筒
３と上フランジ４との間にはテーパ筒１１が形成
され、ドレイン上体５は内筒３とテーパ筒１１及
び上フランジ４を有する形状に耐熱性のよい合成
樹脂で一体に成形される。テーパ筒１１の上端は
長孔形開口縁１２となり、下端は円形開口縁１３
となつており、長孔形開口縁１２の全周より略等
しい長さで上記の上フランジ４が延出し、円形開
口縁１３より下方に円筒形の内筒３が延出する。
上記の取付孔２はこの長孔形開口縁１２に合致す
る形状、すなわち、一対の互いに平行な直線部及
び両直線部の両端を閉じる半円弧状の弧状部とで
囲まれる長円形状でその長径方向を軒樋１の長手
方向に合致させて穿設されるものであつて、短径
部で軒樋１の巾方向の略全巾を占める。上記の上
フランジ４の外周縁も上記の長孔形開口縁１２と
相似形となつた長円形状となつており、巾方向両
縁の直線部を軒樋１の両側壁９内面下端に当接さ
せて取付孔２周縁の軒樋１底面に載置され、ドレ
イン上体５の回り止めを果している。また上フラ
ンジ４の周縁の一部で軒樋１の長手方向に沿つて
並ぶ二ケ所は略Ｖ字状に切欠かれ、この部分に
夫々テーパ筒１１の上端に至る雨水導入口１４が
形成され、少量の雨水が軒樋１の長手方向に沿つ
て流れる時に、この雨水導入口１４より雨水が内
筒３内へ円滑に流れ込むようになつている。一
方、空気導入筒１０は上端に巾広の矩形状開口を
有し下端に巾狭の矩形状開口を有する筒体であ
り、下方に行く程、軒樋１の長手方向に対応する
巾が狭くなつた薄形となり、上記長孔形開口縁１
２の長径部の略中央に対応する位置の内筒３上方
に合致させると共に、上記長孔形開口縁１２の短
径部の略全長を空気導入筒１０で占める形で長孔
形開口縁１２の上方に配置されるものであつて、
上端部の四隅より下方に延出するアーム１５がテ
ーパ筒１１に結合することによつてドレイン上体
５と一体化する。このように空気導入筒１０がド
レイン上体５上に配置されることによつて、第３
図に示すように、上記長孔形開口縁１２の長径部
両端とこの空気導入筒１０との間に雨水取入用の
空間Ｓが形成され、同図の矢印Ａで示すように多
量の雨水が軒樋１に沿つて流れる場合は、ドレイ
ン上体５左右の二方向から流れ込む雨水の流れ方
向を下方に変換するための整流体として空気導入
筒１０が作用し、二方向から流れ込む雨水が互い
にぶつかり合つて下方への排水に障害を起こすの
を防ぎ、多量の雨水を下方へ円滑に排出するよう
になつている。更に、多量の雨水が連続的に上ド
レイン５に流れ込んで上記の雨水取入用の空間Ｓ
を塞いでしまうような場合は、同図の矢印Ｂで示
すように、空気導入筒１０上端より空気を取り込
み、この空気の作用によつて多量の雨水がドレイ
ン上体５内で滞ることなく円滑に下方へ排出でき
る。また雨水と共に運ばれるごみなどど上記の雨
水取入用の空間が塞がれた時には、雨水をこの空
気導入筒１０の上端開口を通して内筒３に流すこ
とができ、雨水が軒樋１より溢れ出ることが無い
ものである。一方、ドレイン下体８は軒樋１下面
がわで内筒３外周に螺合する外筒６の上端全周よ
り斜め上方に向けて下フランジ７が延出する形状
に合成樹脂で成形され、外筒６の周壁が周方向に
離れた複数箇所で外方に突出して内面がわと外面
がわとに夫々上下の全長に亘る凹溝２０と突条２
１とを形成しており、凹溝２０を除く内筒３の内
面にねじが刻設される。下フランジ７の上端は、
第３図及び第４図に示すように、軒樋１の下面に
当接して下フランジ７と上記テーパ筒１１との間
に環状溝２２を形成し、軒樋１底面から内筒３内
に入り込み損ねた雨水、すなわち、雨水導入口１
４や上フランジ４の下面がわの隙間から内筒３の
外側に進む雨水をこの環状溝２２内で捉え、外筒
６外周に嵌着するエルボや竪樋がわへ、上記の凹
溝２０を通して排出する。このエルボや竪樋は、
外筒６外面に突出する上記の突条２１に内面を当
接させて外筒６に嵌着されるものであり、従つ
て、上端を下フランジ７より下方に離しておけ
ば、隣り合う突条２１間にできる凹所を通して内
部に外気を導入することができ、この空気の導入
によつてドレインから下方への雨水の流れをよく
することができるものである。また、外筒６の下
端縁の直径方向に対応する位置には、一対の切欠
２５が形成され、ドレイン下体３をドレイン上体
５に螺合する際、両切欠２５に一本の捧を通して
この捧を回転させることにより、容易に且つ強固
にドレイン下体３を締め付けることができるもの
であり、ドレイン上体５とドレイン下体３との間
にコーキング剤を詰める場合に、締め付けが簡単
に行なえるものである。

本考案は以上のように、ドレイン上体の中央部
に軒樋の巾方向に空気導入筒が配向されて、軒樋
の長手方向に沿つて流れ込む二方向からの雨水を
夫々下方に導くための整流材として空気導入筒が
作用するため、内筒内に流れ込む雨水に空気に送
り込んで雨水の排出を円滑にしたり、或いは内筒
上端がごみなどで塞がれた時に雨水を取り入れて
雨水が軒樋より溢れ出すのを防ぐという空気導入
筒の本来の作用に加え、軒樋の長手方向に沿つて
流れ込む二方向からの雨水が互いに衝突するのを
無くし、両方向からの雨水を内筒内で滞らすこと
なく円滑に下方へ排出させることができるという
利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す分解斜視図、
第２図は同上の軒樋への取付時を示す上面図、第
３図は第２図中のＡ−Ａ線断面図、第４図は第２
図中のＢ−Ｂ線断面図であり、１は軒樋、２は取
付孔、３は内筒、４は上フランジ、５はドレイン
上体、６は外筒、７は下フランジ、８はドレイン
下体、１０は空気導入筒である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 軒樋の底面に設けた取付孔に通す内筒の上端か
   ら取付孔周縁の軒樋底面に載置される上フランジ
   が延出する形状に成形され、内筒の上端開口部に
   上下に貫通する空気導入筒を備えたドレイン上体
   と、軒樋の下面がわで内筒外周に螺合する外筒の
   上端より上記の上フランジとの間で取付孔周縁部
   を挟持する下フランジが延出したドレイン下体と
   で構成され、上記空気導入筒は内筒上端の開口径
   のうち軒樋の長手方向に沿つた開口径の略中央に
   対応する位置で軒樋の巾方向に沿つた開口径の略
   全長を占める形で上端の開口を内筒の開口部より
   上方に位置させて内筒上に形成され、軒樋の長手
   方向に沿つた内筒上端の開口部両側に夫々上記空
   気導入筒との間で雨水取入用の空間が形成された
   軒樋用ドレイン。