JPS6238085Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 考案の技術分野 この考案は、籾殻やおが屑を燃料とする燃焼器
における籾殻等の燃焼装置に関するものである。

考案の技術的背景 従来、この種の燃焼器においては、筒状の本体
ケース内に円筒状の回転燃焼筒を設け、この回転
燃焼筒内に籾殻等を投入して燃焼を行なつてい
る。そして、燃焼に必要な空気は、回転燃焼筒の
下方から回転燃焼筒に形成した通気孔等を通して
自然供給されるとともに、回転燃焼筒の上方に位
置して本体ケースの内周面にそつて形成された導
風室に強制的に送り込まれた空気が導風室の内壁
板に形成した通気孔から強制的に本体ケースの中
心方向に吹き出されている。

背景技術の問題点 導風室から本体ケース内に吹き出す空気の吹出
し方向が水平向きであるため、この空気によつて
回転燃焼筒内における燃焼によつて生じた燃焼ガ
スや未燃ガスの上昇が妨げられ、燃焼状態が悪く
なり燃焼効率が低下するという欠点を有してい
る。

考案の目的 この考案は、このような点に鑑みなされたもの
で、導風室から本体ケース内に吹き出す空気を斜
め上方向きに吹き出させ、燃焼ガスや未燃ガスの
上昇を妨げることなく未燃ガスの燃焼を促進し、
しかも、回転燃焼筒の下方からの自然供給による
空気の供給をも促進しうる籾殻等の燃焼装置を得
ることを目的とするものである。

考案の概要 この考案は、筒状の本体ケースの下部に籾殻等
の燃焼を行なう燃焼部を設け、燃焼部の上方にお
いて本体ケースの内周面に沿つてリング状の導風
室を形成し、導風室に送風管を接続するとともに
導風室を構成する一部品である筒状の内壁板に本
体ケースの中心部に向けて上方に傾いた軸心を有
する複数個の通気孔を形成し、導風室に導びかれ
た空気を通気孔から本体ケースに斜め上方に向け
て吹き出させることにより、この空気が燃焼部内
における燃焼によつて生じた燃焼ガスや未燃ガス
を吸い上げる作用をして燃焼部の下方から燃焼部
内への空気の流入を促進するとともに、導風室が
燃焼部の上方に位置しているので、未燃ガスへの
酸素の供給が十分に行なわれ、これにより、未燃
ガスの燃焼をも促進し、燃焼状態の向上及び燃焼
効率の向上を図りうるように構成したものであ
る。

考案の実施例 この考案の一実施例を図面に基づいて説明す
る。機枠１の上部には籾殻を収納する籾殻タンク
２，３及び本体ケース４が取付けられている。な
お、本体ケース４は機枠１に固定的に連結された
円筒状の送風筒５と、送風筒５の上部に着脱自在
に連結されるとともに上端面が閉塞された円筒状
の燃焼筒６とにより構成されている。前記本体ケ
ース４内の下部には燃焼部である回転燃焼筒７が
設けられており、この回転燃焼筒７は後述する回
転軸に固定されて回転軸の軸心回りに回転自在に
設けられている。前記回転燃焼筒７は下部側の円
筒部８と上部側の上方に向けて次第に拡開するつ
ば部９とから構成されて上下両端が開口されてお
り、円筒部８及びつば部９には複数個の通気孔１
０が形成されている。前記回転燃焼筒７の底面部
は孔調節式ロストル１１によつて覆われており、
この孔調節式ロストル１１は、放射状に複数個の
灰落下孔１２が形成されて前記機枠１の一部に固
定された円板状の固定ロストル１３と、放射状に
複数個の灰落下孔１４が形成されて回動自在に支
持された円板状の回動ロストル１５とを重合させ
て構成されている。前記固定ロストル１３及び回
動ロストル１５にはそれぞれ複数個の通気孔１６
が形成され、回動ロストル１５にはこの回動ロス
トル１５を回動操作するロストル開閉調節棒１７
が固定され、このロストル開閉調節棒１７の先端
は前記機枠１の正面側に突出している。また、前
記孔調節式ロストル１１の中央部には灰溜凹部１
８と開口１９とが形成されている。

前記孔調節式ロストル１１の下方には前記機枠
１の一部に固定された灰受皿２０と灰冷却皿２１
とが上下二段に配置して設けられている。これら
の灰受皿２０と灰冷却皿２１との中央部には軸心
回りに回動自在な回転軸２２が上下方向の軸心を
もつて挿通され、この回転軸２２には、前記機枠
１内に位置するプーリ２３と、前記灰冷却皿２１
内に位置する複数枚の集灰羽根２４と、前記灰受
皿２０内に位置する複数枚の集灰羽根２５とが固
定され、さらに、回転軸２２の上端部には複数本
のスポーク２６により前記回転燃焼筒７が固定さ
れている。また、前記スポーク２６には下面が開
口されるとともに複数個の通気孔２７が形成され
た通気筒２８が前記開口１９を覆いつつ固定さ
れ、さらに、スポーク２６には灰かき羽根２９が
固定されている。

前記送風筒５の外壁３０の内周面には送風筒５
の中心方向に向けて突出するつば状の支切板３１
と、下端が仕切板３１の先端縁に固定されるとと
もに上方に向けて次第に拡開する筒状の内壁板３
２の上端部とが固定され、これらの内壁板３２と
仕切板３１及び外壁３０によりリング状の導風室
３３が形成され、この導風室３３にはフアン（図
示せず）により強制的に空気を送る送風管３４が
接続されている。そして、前記内壁板３２にはこ
の内壁板３２と直交する向きに複数個の通気孔３
５が形成され、また、内壁板３２には下方に位置
する前記回転燃焼筒７内へ突出する籾殻撹拌棒３
６が固定されている。

前記送風筒５の外壁３０には籾殻導入口３７と
点火口３８とが形成されており、籾殻導入口３７
には前記籾殻タンク２の下部に形成された籾殻導
入部３９が接続されている。前記籾殻導入部３９
の構成部品の一つである前記籾殻タンク２の底蓋
４０は円形に形成され、その中心部には上下方向
の軸心を有する駆動軸４１が回転自在に挿通され
ている。そして、駆動軸４１の上端部には周縁部
に複数個の突起４２を形成した円板状の籾殻移送
板４３が前記底蓋４０と近接した平行状態で固定
され、駆動軸４１の下端部には上下二段にプーリ
４４，４５が固定されている。なお、前記籾殻移
送板４３はその一端が常に前記籾殻導入部３９の
外方端に臨む寸法に形成され、また、前記籾殻導
入部３９の外方端には籾殻導入部３９の開口幅を
調節する開口幅調節板４６と調節レバー４７とが
設けられ、さらに、前記籾殻導入部３９の外方端
には前記回転燃焼筒７の中央部に向けて下方下が
りに傾斜しつつ突出する案内板４８が固定されて
いる。

しかして、前記機枠１内にはモータ４９が設け
られており、上下方向の軸心をもつて下方に延出
したモータ軸５０に固定されたプーリ５１と前記
プーリ４４との間にはベルト５２が張設され、ま
た、前記プーリ４５と前記プーリ２３との間にも
ベルト５３が張設されている。

前記灰受皿２０の底面部には前記回転燃焼筒７
から落下した灰をさらに前記灰冷却皿２１に落下
させるための落下口５４が形成され、灰冷却皿２
１の底面部にも同様の落下口５５が形成されてい
る。そして、落下口５５には吸引パイプ５６の上
端部が接続され、吸引パイプ５６の下端部は灰冷
却皿２１の下方に配設された搬送パイプ５７に接
続されている。この搬送パイプ５７の一端には前
記機枠１内に設けられたブロワー５８の排気側が
接続され、搬送パイプ５７の他端側は機枠１外に
延出し、その先端部は灰収納装置５９のサイクロ
ン６０に接続されている。

前記燃焼筒６の上部には排煙パイプ６１の一端
が接続されており、この排煙パイプ６１は下方に
延出してその他端が前記搬送パイプ５７に接続さ
れている。

このような構成において、まず、籾殻を籾殻タ
ンク２，３内に投入してモータ４９を駆動させ
る。モータ４９の駆動により籾殻移送板４３が回
転し、籾殻タンク２内の籾殻は籾殻導入部３９内
に移送され、さらに、案内板４８上を滑り落ちて
回転燃焼筒７内に供給される。一方、モータ４９
の駆動により回転軸２２及び回転燃焼筒７等も回
転し、回転燃焼筒７内に供給された籾殻は灰かき
羽根２９によつて均平にならされる。そして、回
転燃焼筒７内に適量の籾殻が入つた時点でモータ
４９を一旦停止し、点火口３８より灯油等の着火
促進剤を滴下し点火する。着火が完了し火勢が付
いた後にモータ４９を再び駆動し、回転燃焼筒７
内への籾殻の供給を連続的に行なう。

燃焼時における空気の供給は、回転燃焼筒７に
形成した通気孔１０及び孔調節式ロストル１１に
形成した通気孔１６を通して回転燃焼筒７の下方
から自然供給が行なわれる。さらに、フアンによ
り送風管３４を通して導風室３３に強制的に送り
込まれた空気が通気孔３５から本体ケース４内に
吹き出す。通気孔３５から本体ケース４内に吹き
出す空気の吹出し方向は通気孔３５の軸心に沿つ
た斜め上方向きであるため、この空気の吹出しに
よつて内壁板３２より下方に位置する燃焼ガスや
未燃ガスは上方に吸い上げられる状態となり、し
たがつて、通気孔１０，１６から回転燃焼筒７内
への空気の流入が促進され、回転燃焼筒７内にお
ける燃焼状態が向上する。また、通気孔３５から
吹出す空気と未燃ガスとの混合により未燃ガスの
燃焼が促進され、燃焼効率が向上する。

なお、本実施例においては、内壁板３２を上方
に向けて次第に拡開する筒状とし、内壁板３２と
直交する状態に通気孔３５を形成することにより
空気の吹出し方向を斜め上方向きに定めている
が、内壁板を円筒状に形成し、その内壁板に本体
ケース４の中心方向に向けて上方に傾斜した通気
孔を形成することにより、空気の吹出し方向を斜
め上方向きとしてもよいものである。さらに、内
壁板に円筒部と上方に向けて次第に拡開する筒部
とを形成し、上方に向けて拡開する筒部にその面
と直交する向きの通気孔を形成することにより、
空気の吹出し方向を斜め上方向きとしてもよいも
のである。

考案の効果 この考案は、上述のように燃焼部の上方に位置
させて本体ケースの内周面に沿つたリング状の導
風室を形成し、導風室を構成する内壁板に本体ケ
ースの中心部に向けて上方に傾いた軸心を有する
複数個の通気孔を形成し、送風管から導風室内に
導びかれた空気を通気孔から本体ケース内に斜め
上方向きに吹き出させたことにより、この空気が
燃焼部内における燃焼により生じた燃焼ガスや未
燃ガスを上方に吸い上げる作用をし、したがつ
て、燃焼部の下方から燃焼部内への空気の流入を
促進して燃焼部内における燃焼状態を向上させる
ことができ、また、通気孔から吹き出す空気が未
燃ガスの燃焼を促進して燃焼効率を向上させるこ
とができる等の効果を有するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の一実施例を示すもので、第１
図は全体の正面図、第２図はその一部を拡大して
断面にした正面図、第３図は籾殻移送板及び回転
燃焼筒等を拡大して示した平面図、第４図は全体
の背面図、第５図は機枠の側板を外してその一部
を拡大した背面図、第６図はその一部を拡大した
水平断面図である。 ４……本体ケース、７……回転燃焼筒（燃焼
部）、３０……外壁、３１……仕切板、３２……
内壁板、３３……導風室、３４……送風管、３５
……通気孔。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 筒状の本体ケースの下部に籾殻等の燃焼を行
   なう燃焼部を設け、前記燃焼部の上方に前記本
   体ケースの外壁とこの本体ケースの外壁内面か
   ら中心方向に向けて突出する輪状の仕切板と一
   端がこの仕切板の先端縁に固定され他端が前記
   本体ケースの上方内面に固定された筒状の内壁
   板とにより囲まれたリング状の導風室を形成
   し、前記導風室に送風管を接続するとともに前
   記内壁板に前記本体ケースの中心部に向けて上
   方に傾いた軸心を有する複数個の通気孔を形成
   したことを特徴とする籾殻等の燃焼装置。 ２ 内壁板を上方に向うにつれ次第に拡開させる
   とともに通気孔を前記内壁板と略直交する状態
   に形成したことを特徴とする実用新案登録請求
   の範囲第１項記載の籾殻等の燃焼装置。 ３ 内壁板を円筒状に形成するとともに通気孔を
   前記内壁板に対して傾斜状態に形成したことを
   特徴とする実用新案登録請求の範囲第１項記載
   の籾殻等の燃焼装置。