JPS605207Y2 - 籾殻燃焼炉 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、燃焼の進行に伴ない発生した煤塵が炉本体内
を上向きに旋回する空気流に乗って排焔筒より外部に排
出されるのを極力防止しながら供給された籾殻を能率的
に完全燃焼させることができる籾殻燃焼炉の改良に関す
る。

穀類調整加工作業時に発生した籾殻を、炉本体内部を旋
回状に移行する空気流の補給作用で完全燃焼させようと
した籾殻燃焼炉は今迄に数多く開発されている。

ところで従前の籾殻燃焼炉にあっては、炉本体内部には
、籾殻の燃焼に応じて発生した煤塵が外部に排出される
のを極力防止しようとする手段が何等講じられていない
ので完全燃焼された軽い煤塵や不完全燃焼状態の煤塵等
が炉本体内部をおき床から排焔筒に向かって移行する上
向き旋回空気流に乗って速かに外部へ排出され、その結
果、種々の弊害を起すことが生じ、これが改善を強く望
まれていた。

本考案は前記に鑑み、底部に蓄熱通気層からなるおき床
を形威し、上方内部中心には直立状の排焔筒を深く挿通
した炉本体内部に、該炉本体の内周に沿って上方よりお
き床に向は移行する下向き旋回空気流と、該下向き旋回
空気流の中心部を、おき床より排焔筒に向は移行する上
向き旋回空気流とを連続して起風させて、おき床上に供
給した籾殻を能率的に、完全燃焼させるようにしたもの
であっても、前記炉本体内部へ深く挿通した排焔筒の直
径を上向き旋回空気流の直径と略同−か若しくはそれよ
りもやや小さな径となるよう構成したことで炉本体内部
に発生した完全燃焼成は不完全燃焼状態の煤塵が排焔筒
より外部に排出されるのを極力防止して、おき床上に堆
積させ、もっておき床温度をより高温状態に維持させて
籾殻の燃焼をより向上させることができる籾殻燃焼炉を
提供しようとしたものであって、以下に本考案の籾殻燃
焼炉の構成を添附図面に示された好適な一実施例につい
て説明する。

図面において、１は断面が円筒、多角形その他任意の形
状からなる直立の炉本体であって、該炉本体１の上壁１
ａの中心には炉本体１内部へ深く挿通開口した排焔筒２
を直立状に装着位置せしめる。

そして炉本体１内の底部側には多数の通気孔４を全面に
亘り穿孔した通気板３を水平に敷設して、通気板３の上
方部におき床５を形成せしめると共に通気板３の下方部
に送風室６を配設する。

上記のおき床５は送風室６から通気孔４を経て炉本体１
の内部に噴出された燃焼用空気が全面に亘り均等化され
たり或は燃焼熱の一部を効果的に蓄熱させておくための
役目を持った蓄熱通気層７で形成されており、この蓄熱
通気層７はガラス玉、小石等の粗大粒蓄熱材８の上部に
砂又は石英等の細粒蓄熱材８′を適当厚さに亘り重積し
て構成する。

９は基端が送風機１０に接続された送気管であって、該
送気管９の吐出側は分岐管１１ａ、１１ｂ、１１ｃ・・
・・・・・・・を接続して分岐させると共に、上段の分
岐管１１ａは炉本体１の上部接線位置に、又中段の分岐
管１１ｂは炉本体１の下部接線位置に、又下段の分岐管
１１ｃは送風室６にそれぞれ開口せしめて、炉本体１の
内周に沿って上方よりおき床５に向は移行する下向き旋
回空気流Ａと該下向き旋回空気流Ａの中心部を、おき床
５より排焔筒２に向は移行する上向き旋回空気流Ｂとを
連続して起風させると共におき床５より均等風を炉本体
１内へ噴上せしめる。

１２はおき床５より上方の炉本体１内に吐出側をのぞま
せた籾殻供給装置であり、又１３はおき床５上に供給堆
積された籾殻ａを攪拌するための攪拌体である。

この攪拌体１３は電動機１４の動力で低速回転される詐
りか、攪拌体１３の内部を中空となして、送風機１５に
より起風された風を攪拌体１３内部を通して多数の噴気
口１６より噴気させて攪拌体１３の焼損防止と燃焼用空
気の補給作用を行わせる。

１７は籾殻ａの燃焼ガスを排出する排出筒であり、該排
出筒１７はおき床５と略同高位置に上端を開口せしめる
と共に排出筒１７の途中には排出調節バルブ１８を設け
る。

炉本体１の中心部に上方より深く挿通開口した排焔筒２
はその直径りを上向き旋回空気流Ｂの直径ｌと略同−か
若しくはそれよりもやや小さくなる様に形成して、上向
き旋回空気流Ｂに乗って舞い上がった煤塵を、遠心分離
作用を使用して排焔筒２の開口始端部において分離し、
排焔筒２を介し外部に排出されるのを極力防止せしめる
。

なお排焔筒２の排出側は適当に折曲して熱交換器（図示
せず）へ接続せしめる。

次に本考案の作用について説明する。

今、籾殻供給装置１２を始動して籾殻ａをおき床５上へ
適当量供給せしめると共に攪拌体１３を低速回転させて
均平状態に堆積し、次いで籾殻ａを適宜の火種により引
火させると同時に送風機１０．１５を始動する。

さすれば送風機１０により起風された燃焼用空気は送気
管９内を流通した後分岐管１１ａ＝ １ｌｂｔ １
１ｃを経て炉本体１内へ接線状に噴出されると共に送風
室６内に噴出される。

その結果炉本体１内においては炉本体１の周壁に沿い上
方よりおき床５に向は移行する下向き旋回空気流Ａと該
下向き旋回空気流Ａの中心部を、おき床５より排焔筒２
に向は移行する上向き旋回空気流Ｂとが連続に起風され
ると同時に送風室６より多数の通気孔４を経た燃焼用空
気が均等圧をもって蓄熱通気層７を通過して炉本体１内
へ噴出される。

そして一方の送風機１５により起風された強制風は攪拌
体１３内部に送られた後、多数の噴気口１６より籾殻ａ
中に噴出される。

したがって引火されたおき床５上の籾殻ａは上記旋回す
る空気流Ａ、 Ｂおき床５底部より噴出する燃焼用空気
および、噴気口１６から噴出する燃焼用空気の補給を受
は良好に燃焼される許りか、蓄熱通気層７からなるおき
床５に燃焼熱が次第に蓄熱されて高温化される。

その結果、燃焼の始動以後にあっては、籾殻供給装置１
２により適当量宛供給された籾殻ａは蓄熱作用と燃焼用
空気の補給作用で完全燃焼化され、煤塵を上向き旋回空
気流Ｂに乗せ、燃焼焔と共に、排焔筒２を経て外部に排
出しようとする。

ところが排焔筒２は上部より炉本体１の内部に深く挿通
され、しかもその直径ｌが上向き旋回空気流Ｂの直径で
と略同−か若しくはやや小さく形成されていることと、
上向き旋回空気流Ｂに乗って旋回される煤塵には遠心力
作用が与えられて小さな比重の煤塵であっても上向き旋
回空気流Ｂの外側に沿って旋回されるという現象により
、上向き旋回空気流Ｂと共に舞い上がった煤塵は排焔筒
２の開口部において旋回空気流Ｂと分離され、燃焼熱気
のみが排焔筒２を経て外部に排出され、分離された煤塵
は排焔筒２の周りを旋回する間に燃焼熱気でさらに完全
燃焼された後、おき床５上に堆積される。

この様な燃焼の反復でおき床５上に所定量の燃焼ガスが
堆積されたら排出調節バルブ１８を開き攪拌体１３の回
転作用で外部に排出させればよい。

要するに本考案は、炉本体１内部へ深く挿通した排焔筒
２の直径りを上向き旋回空気流Ｂの直径ｌと略同−か若
しくはそれよりもやや小さな径としたから、蓄熱通気層
７からなるおき床５上に堆積された籾殻ａを、炉本体１
の内周に沿って上方よりおき床５に向は移行する下向き
旋回空気流Ａと該下向き旋回空気流Ａの中心部を、おき
床５より排焔筒２に向は移行する上向き旋回空気流Ｂに
よって燃焼せしめた際にあっても、燃焼中に発生した煤
塵を排焔筒２の開口始端部において上向き旋回空気流Ｂ
と無理なく分離し、これを炉本体１内部において旋回燃
焼させて、排焔筒２より外部に排出させるのを極力防止
させることができる許りか、籾殻ａの完全燃焼化をより
遠戚させることができる効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係る籾殻燃焼炉の一実施例を示すもので
あって、要部を破断した正面図である。 １・・・・・・炉本体、２・・・・・・排焔筒、５・・
・・・・おき床、７・・・・・・蓄熱通気層、Ａ・・・
・・・下向き旋回空気流、Ｂ・・・・・・上向き旋回空
気流、Ｌ・・・・・・排焔筒の直径、ｅ・・・・・・上
向き旋回空気流の直径。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 底部に蓄熱通気層からなるおき床を形威し、上方内部中
   心には直立状の排焔筒を深く挿通した炉本体内部に、該
   炉本体の内周に沿って上方よりおき床に向は移行する下
   向き旋回空気流と、該下向き旋回空気流の中心部を、お
   き床より排焔筒に向は移行する上向き旋回空気流とを連
   続して起風せしめたものにおいて、前記炉本体内部へ深
   く挿通した排焔筒の直径を上向き旋回空気流の直径と略
   同−か若しくはそれよりもやや小さな径としたことを特
   徴とする籾殻燃焼炉。