JPS6237Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、主としてテープレコーダに適用され
る磁気ヘツドスライド制御装置に関し、停止状態
から「再生」の動作状態へ、そして、「再生」の
動作状態から「レビユー」または「キユー」の動
作状態へ移行させる過程での磁気ヘツド装着基板
のスライド制御を、主として電動機動力で行なわ
せることにより、当該押釦に対する操作性を改善
したものである。

つぎに、本考案の磁気ヘツドスライド制御装置
を、その実施例を示した図面とともに詳細に説明
する。

第１図および第２図において、電動機１の回転
軸１ａにベルト２を介して連結されたフライホイ
ール３は、欠歯ギヤ４の外周面に形成されたギヤ
部４ａと噛合しうるギヤ部３ａを有し、その噛合
が成立したときにかぎり電動機１の回転動力が欠
歯ギヤ４の伝達され、欠歯ギヤ４は時計方向へ回
転する。しかし、第１図に示す停止状態ではギヤ
部３ａが欠歯ギヤ４の外周面のギヤ欠損部分４ｂ
に対応しているので、前記噛合は成立しない。

磁気ヘツド装着基板６は、シヤーシ上のガイド
ピン７，８，９によつて規制される一定寸法内で
前後方向にスライド自在に設けられており、スプ
リング１０により常時停止位置方向へ付勢されて
いる。また、磁気ヘツド装着基板６から起立した
ピン１１が、欠歯ギヤ４のカム部１２の傾斜面に
図示のように係合しているので、スプリング１０
の張力は、基板６およびピン１１を通じてカム部
１２に加わり、欠歯ギヤ４を時計方向へ回転させ
ようとする力になつている。しかし、欠歯ギヤ４
に設けられた第１の凸部１３ａが、その周回軌道
内に入り込んだ第１レバー１４の先端折曲部１４
ａに係合ているため、この係合が解かれないかぎ
り欠歯ギヤ４は回転できない。また、第１レバー
１４は軸１５を支軸として回動自在に設けられて
おり、スプリング１６により常時反時計方向へ付
勢されている。しかし、第１レバー１４の尾端部
１４ｂが再生操作レバー１７の後端縁折曲部１７
ａと係合しているので、第１レバー１４は回動で
きない。

欠歯ギヤ４には、第２レバー１９の先端折曲部
１９ａと係合しうる第２凸部１３ｂが設けられて
いる。第２レバー１９は軸２０を支軸として回動
自在に設けられており、その分岐端縁１９ｂは、
左右方向へのスライドが可能なスライド板２１の
２つの折曲部２１ａによつて両側からルーズに挟
まれている。このため、スライド板２１が左方ま
たは右方へスライドしたとき、第２レバー１９は
時計方向または反時計方向へ回動する。スライド
板２１の他の折曲部２１ｂ，２１ｃは、巻戻し及
び早送りの各操作レバー２２，２３にそれぞれ係
合しており、巻戻し操作レバー２２又は早送り操
作レバー２３が押圧操作されたとき、スライド板
２１が左方へ若千スライドし、これによつて時計
方向へ回動した第２レバー１９の先端折曲部１９
ａが、第２の凸部１３ｂの周回軌道内に入り込
む。

第１レバー１４の分岐端縁１４ｃに対して分岐
端縁２４ａを係合させた第３レバー２４は、先端
折曲部２４ｂおよび尾端縁２４ｃを有し、軸２５
を支軸として回動自在に設けられている。そし
て、第３レバー２４は、スプリング２６により常
時反時計方向へ付勢されている。

このような停止状態から、再生操作レバー１７
を押圧操作すると、第３図に示すように、ロツク
され、その後端折曲部１７ａが第１レバー１４の
尾端部１４ｂを押し込み、第１レバー１４は時計
方向へ回動する。そして、第１レバー１４の先端
折曲部１４ａが第１の凸部１３ａの周回軌道から
外れ、凸部１３ａとの係合を解くので、欠歯ギヤ
４は、前述のように、スプリング１０の張力によ
り時計方向へわずかに回転する。これによつて、
欠歯ギヤ４のギヤ部４ａとフライホイールのギヤ
部３ａとの噛合が成立し、欠歯ギヤ４は電動機動
力によつてさらに時計方向へ回転する。また、第
１レバー１４と係合している第３レバー２４も反
時計方向へ回動し、第３レバー２４の先端折曲部
２４ｂが、第１の凸部１３ａの周回軌道内に入り
込む。

欠歯ギヤ４は第１の凸部１３ａが第３レバー２
４の先端折曲部２４ｂに係合するまでの間、電動
機動力により時計方向へ回転する。そして、この
回転の過程で、欠歯ギヤ４のカム部１２が、これ
に当接するピン１１により磁気ヘツド装着基板６
をスプリング１０の張力に抗して再生位置に前進
スライドさせることになる。

そして、第４図に示すように、フライホイール
のギヤ部３ａが欠歯ギヤ４のギヤ部４ａを離れた
直後、すなわち、ピン１１がカム部１２の頂点を
少し越えた時点で、第１の凸部１３ａが第３レバ
ー２４の先端折曲部２４ｂに係合し、これによて
欠歯ギヤ４の回転が止まる。この間に、基板６上
の磁気ヘツドはカセツトハーフ内に進入し、「再
生」の定位置にセツトされる。

第４図に示す「再生」の動作状態から、巻戻し
操作レバー２２を押圧操作すると、この操作レバ
ー２２とスライド板２１の折曲部２１ｂとの当接
により、スライド板２１が第５図に示すように左
方へスライドし、第２レバー１９が時計方向へ回
動しその先端折曲部１９ａが第２の凸部１３ｂの
周回軌道内に入り込む。また、スライド板２１の
折曲部２１ｂが第３レバー２４の尾端縁２４ｃと
係合し、第３レバー２４が時計方向へ回動してそ
の先端折曲部２４ｂと第１の凸部１３ａとの係合
が解かれる。このため、欠歯ギヤ４は再びスプリ
ング１０の張力によりギヤ欠損部分４ｂの範囲内
で僅かだけ時計方向へ回転し、そしてカム部１２
とピン１１との摺動により磁気ヘツド装着基板６
が僅か後退する。前記欠歯ギヤ４の僅かな回転
は、第２の凸部１３ｂが第２レバー１９の先端折
曲部１９ａに対して係合した時点で停止する。こ
のとき、磁気ヘツド装着基板６は第４図に示した
「再生」の動作状態のための再生位置により停止
位置方向に僅かだけ後退した位置を占める。すな
わち、磁気ヘツドは巻戻しの定位置を占めるの
で、磁気テープは大きい抵抗を受けることなく高
速で走行できる。

このようなレビユー動作状態において、巻戻し
操作レバー２２の操作を解除すると、この操作レ
バー２２とスライド板２１との係合が解かれ、ス
ライド板２１は右方へスライドして復帰する。ま
た、第３レバー２４はスプリング２６の張力によ
り反時計方向へ回動し、その先端折曲部２４ｂが
第１の凸部１３ａの周回軌道内に入る。さらに、
第２レバー１９も反時計方向へ回動するから、第
２の凸部１３ｂとの係合が解かれる。このため、
欠歯ギヤ４は再びスプリング１０の張力により時
計方向へ回転し、そのギヤ部４ａが再びフライホ
イール３のギヤ部３ａと噛合した時点で再び電動
機動力による回転を行なう。そして、ピン１１と
カム部１２との摺動により磁気ヘツド装着基板６
が再び再生位置まで前進し、第１の凸部１３ａが
第３レバー２４の先端折曲部２４ｂに係合するこ
とにより第４図に示すような「再生」の動作状態
に復帰する。

尚、「再生」の動作状態から早送り操作レバー
２３を押圧操作した場合には、前述のギヤ回転動
作と同様の回転動作でキユー動作状態を実行させ
ることが出来る。

「再生」の動作状態から、停止操作レバーを押
圧操作し、再生操作レバー１７の押圧ロツクを解
除させて非操作位置に操作レバー１７が復帰する
ことにより、第１レバー１４が反時計方向へ回動
し、第１レバー１４の先端折曲部１４ａが第１の
凸部１３ａの周回軌道内に入り込む。そして、第
３レバー２４が時計方向へ回動し、その先端折曲
部２４ｂと第１の凸部１３ａとの係合が解かれる
ので、欠歯ギヤ４は、ギヤ欠損部分４ｂの範囲内
でその第１の凸部１３ａが第１レバー１４の先端
折曲部１４ａに係合するまでの間、時計方向へ回
転する。また、磁気ヘツド装着基板６はこれに伴
ない後退し、磁気ヘツドがカセツトハーフから脱
出して、第１図に示す停止位置に復帰する。

以上のように、本考案の磁気ヘツドスライド制
御装置によると、前述のように構成されているの
で、停止状態から「再生」の動作状態へ、そし
て、「再生」の動作状態から「レビユー」または
「キユー」の動作状態へ移行させる過程での磁気
ヘツド装着基板のスライド制御が、主として電動
機動力で行なわれ、当該操作レバーに対する操作
性が改善され、短かいストロークで軽快に押圧操
作をすることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の磁気ヘツドスライド制御装置の
１実施例を示し、第１図は停止状態の平面図、第
２図は第１図の側面図、第３図は再生操作レバー
を押圧操作した直後の平面図、第４図は再生動作
状態の平面図、第５図はレビユー動作状態の平面
図である。 １……電動機、３……フライホイール、３ａ…
…電動ギヤとしてのギヤ部、４……欠歯ギヤ、６
……磁気ヘツド装着基板、１０……スプリング、
１１……ピン、１２……カム部、１３ａ……第１
の凸部、１３ｂ……第２の凸部、１４……第１レ
バー、１７……再生操作レバー、１９……第２レ
バー、２１……スライド板、２２……巻戻し操作
レバー、２４……第３レバー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. スプリングによつて停止位置方向へ附勢されて
   いる磁気ヘツド装着基板と、該磁気ヘツド装着基
   板上のピンと係合するカム部を有し且つ該カム部
   を介して前記スプリングにより回転力が付与され
   ている欠歯ギヤと、前記磁気ヘツド装着基板の再
   生位置から停止位置に関連した欠歯ギヤ回転範囲
   に形成されたギヤ欠損部分と、前記欠歯ギヤに回
   転力を伝達する駆動ギヤと、前記欠歯ギヤに設け
   られた第１及び第２の凸部と、前記欠歯ギヤの第
   １凸部の周回軌道に対して係合端が出入可能に設
   けられ且つ該第１の凸部に係合端が係合した時欠
   歯ギヤのギヤ欠損部分を駆動ギヤに対向せしめる
   と同時にカム部分を介して磁気ヘツド装着基板を
   停止位置に設定する第１レバーと、操作位置にロ
   ツクされた時前記第１レバーの係合端と第１の凸
   部との係合を解く再生操作レバーと、前記欠歯ギ
   ヤの第２の凸部の周回軌道に対して係合端が出入
   可能に設けられた第２レバーと、前記第１レバー
   と連動して前記欠歯ギヤの第１の凸部の周回軌道
   に対して係合端が出入可能に設けられ且つ該第１
   の凸部に係合端が係合した時欠歯ギヤのギヤ欠損
   部分を駆動ギヤに対向せしめると同時にカム部を
   介して磁気ヘツド装着基板を再生位置に設定する
   第３レバーと、操作された時前記第２レバーの係
   合端を第２の凸部の周回軌道に入り込ませると同
   時に前記第３レバーの係合端と第１の凸部との係
   合を解く巻戻し又は早送り操作レバーとを具備
   し、再生状態から巻戻し又は早送り操作レバーを
   操作した時欠歯ギヤをギヤ欠損部分内で駆動ギヤ
   に対して非噛合状態のまゝ前記スプリングによつ
   て僅かだけ回転させ第２の凸部に第２レバーが係
   合することによりカム部を介して磁気ヘツド装着
   基板を再生位置より停止位置方向に僅かだけ後退
   した位置に設定するように構成したことを特徴と
   する磁気ヘツドスライド制御装置。