JPH0127142Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、カセツト式テープレコーダーに関
し、特に電動機の回転力により動作切換を行なう
ように構成されたカセツト式テープレコーダーの
動作切換機構に係る。

カセツト式テープレコーダーの動作切換機構は
操作釦への押圧力によつて駆動機構を切換えるよ
うにした機械式のものとプランジヤーの吸引力に
よつて切換えるようにした電子式のものとが一般
的であるが、最近では電動機の回転力を利用して
動作切換を行なうように構成されたテープレコー
ダーが普及しつつある。斯かる電動機の回転力を
利用してカセツト式テープレコーダーの再生動作
切換を行なう場合磁気ヘツドが固定されている摺
動基板を演奏位置まで変位せしめるため、カセツ
トテープが演奏位置に正確に装着されていない状
態において再生操作をすると電動機の回転力によ
つて磁気ヘツドがカセツトテープに当接せしめら
れることになり、磁気ヘツドやカセツトテープが
損傷を受けるだけでなく電動機等の切換機構に過
大な負荷が加わるという問題がある。

本考案は前述した問題を解決した動作切換機構
を提供しようとするものであり、以下図面を参照
して詳細に説明する。図面は何れも本考案の動作
切換機構に関し、第１図はカセツトテープを装着
した状態を示す平面図、第２図はカセツトテープ
を装着していない状態を示す平面図である。図に
おいて、１はピン２及び３によつて固定基板４に
摺動可能に取付けられていると共にスプリング５
によつて非動作位置である矢印Ａ方向に付勢され
ている再生用操作レバー、６はピン７等によつて
固定基板４に摺動可能に取付けられているロツク
部材であり、スプリング８によつてロツク位置で
ある矢印Ｂ方向に付勢されていると共に前記操作
レバー１に形成されているロツク部９と係合し該
操作レバー１を動作位置にロツクするロツク片１
０が形成されている。１１は前記固定基板４に軸
１２によつて回転可能に取付けられていると共に
電動機（図示せず）の回転がベルト等によつて伝
達される駆動歯車、１３は再生動作切換時前記駆
動歯車１１に噛合つて回転駆動されると共にテー
プレコーダーを再生状態に切換える切換歯車であ
り、その歯の一部には欠歯部１４が設けられてい
る。前記切換歯車１３には動作切換を行なう第１
カム１５、前記駆動歯車１１との噛合いを阻止す
る阻止片１６及び前記駆動歯車１１に噛合わせる
べく作用する第２カム１７が形成されている。１
８は固定基板４に設けられたピン１９，２０によ
つて固定支持されていると共に前記切換歯車１３
に形成されている第２カム１７に押圧当接し該切
換歯車１３を前記駆動歯車１１に噛合わせる方向
に回動付勢せしめるスプリングである。２１は固
定基板４に軸２２によつて回動可能に取付けられ
ていると共にスプリング２３により時計方向に付
勢されている制御部材であり、制御突部２４及び
前記切換歯車１３に形成されている阻止片１６と
係合し、該切換歯車１３の前記駆動歯車１１との
噛合いを阻止する阻止部２５が形成されている。
２６は前記再生用操作レバー１上に回動可能に取
付けられていると共にスプリング２７により反時
計方向に付勢されているトリガー用部材であり、
前記制御部材２１に形成されている制御突部２４
に当接しトリガー作用を成すトリガー突部２８及
び当接部２９が形成されている。前記制御部材２
１の制御突部２４には第１及び第２の傾斜部２４
ａ及び２４ｂが形成され、トリガー用部材２６の
トリガー突部２８には第１及び第２の傾斜部２８
ａ及び２８ｂが形成されている。３０は固定基板
４に軸３１によつて回動可能に取付けられている
と共に、スプリング３２により反時計方向に回動
付勢され、且つカセツトテープＴが演奏位置に装
着されているか否かを検出する検出部材であり、
そのセンサー部３３は固定基板４に形成されてい
る孔３４を通してカセツトテープＴが装着される
側に配置されている。３５は前記検出部材３０に
形成されている押圧部であり、カセツトテープＴ
が装着されていないとき前記トリガー用部材２６
の当接部２９に当接し該トリガー用部材２６を第
２図に示す位置即ち該トリガー用部材２６のトリ
ガー突部２８が制御部材２１の制御突部２４に当
接しない位置になるように回動変位せしめる作用
を有している。３６は固定基板４に形成された長
孔３７を通して磁気ヘツドが固定されている摺動
基板（図示せず）に連結されている制御ピンであ
り、前記切換歯車１３に形成されている第１カム
１５の回転に伴なつて矢印Ｃ方向への変位力を受
け摺動基板を演奏位置に変位せしめる作用を有す
るものである。また前記摺動基板は演奏位置まで
摺動変位するとロツク機構（図示せず）によつて
演奏位置にロツク保持されると共に停止操作が成
されるとそのロツク機構が解除されるように構成
されている。

以上の如く本考案の動作切換機構は構成されて
おり、次に動作について説明する。カセツトテー
プＴが演奏位置に装着された状態では第１図に示
したように検出部材３０のセンサー部３３がカセ
ツトテープＴの前端部Taにて押圧されるので、
該検出部材３０はスプリング３２の付勢力に抗し
て時計方向に回動変位せしめられる。従つて斯か
る状態では、トリガー用部材２６はそのトリガー
突部２８が制御部材２１の制御突部２４に当接可
能な位置にある。第１図に示した停止状態では、
再生操作レバー１は非動作位置にあり、制御部材
２１に形成されている阻止部２５は切換歯車１３
に形成されている阻止片１６と係合し該切換歯車
１３の駆動歯車１１との噛合いを阻止する状態に
ある。斯かる状態において、使用者が再生操作を
すると再生用操作レバー１がスプリング５の付勢
力に抗して矢印Ｄ方向へ変位せしめられる。前記
再生用操作レバー１が矢印Ｄ方向へ変位すると該
操作レバー１上に取付けられているトリガー用部
材２６も同様に矢印Ｄ方向に変位する。該トリガ
ー用部材２６が矢印Ｄ方向に変位すると該トリガ
ー用部材２６に形成されているトリガー突部２８
の第１傾斜部２８ａが制御部材２１に形成されて
いる制御突部２４の第２傾斜部２４ｂに当接す
る。その結果制御部材２１は前記トリガー用部材
２６によつてスプリング２３の付勢力に抗して反
時計方向に回動変位せしめられる。該制御部材２
１が反時計方向に回動変位すると該制御部材２１
に形成されている阻止部２５と切換歯車１３に形
成されている阻止片１６との係合が解かれる。そ
の結果、切換歯車１３がスプリング１８の付勢力
によつて少しく時計方向に回動変位し駆動歯車１
１と噛合うと共に前記再生用操作レバー１による
スイツチ切換によつて電動機に電源が供給されて
該電動機が回転を開始する。前記切換歯車１３が
駆動歯車１１に噛合うと該駆動歯車１１の回転が
切換歯車１３に伝達され、該切換歯車１３は時計
方向に回転せしめられる。前記再生用操作レバー
１が矢印Ｄ方向である動作位置まで変位するとロ
ツク部材６に形成されているロツク片１０とロツ
ク部９との係合により該操作レバー１は動作位置
にロツクされる。そして斯かる状態ではトリガー
用部材２６のトリガー突部２８と制御部材２１の
制御突部２４との当接関係が解かれるので、制御
部材２１はスプリング２３の付勢力によつて時計
方向に回動変位せしめられる。従つて前記切換歯
車１３が前記駆動歯車１１との噛合いによつて一
回転すると前記制御部材２１の阻止部２５が阻止
片１６に係合するため、該切換歯車１３の駆動歯
車１１との欠歯部１４による噛合い解除後の再度
の噛合い動作が阻止される。前記切換歯車１３が
一回転すると該切換歯車１３に形成されている第
１カム１５も一回転するので、その回転に伴なつ
て制御ピン３６は矢印Ｃ方向への変位力を受けて
変位せしめられる。該制御ピン３６が矢印Ｃ方向
へ変位する結果、該制御ピン３６に連結されてい
る摺動基板が矢印Ｃ方向である演奏位置に変位せ
しめられると共にロツク機構によつて該演奏位置
にロツクされテープレコーダーの再生動作状態が
構成される。

以上の如く再生動作状態への切換は行なわれる
が、次に斯かる再生状態より停止操作を行なつた
場合の動作について説明する。停止操作をすると
停止用操作レバー（図示せず）によりロツク部材
６が矢印Ｃ方向へ変位せしめられロツク片１０と
ロツク部９との係合が解かれるので、動作位置に
あつた再生用操作レバー１がスプリング５の付勢
力によつて矢印Ａ方向へ変位せしめられる。前記
再生用操作レバー１が矢印Ａ方向に変位すると該
操作レバー１上に取付けられているトリガー用部
材２６も同様に矢印Ａ方向に変位する。該トリガ
ー用部材２６が矢印Ａ方向に変位すると該トリガ
ー用部材２６に形成されているトリガー突部２８
の第２傾斜部２８ｂが制御部材２１に形成されて
いる制御突部２４の第１傾斜部２４ａに当接す
る。その結果前記トリガー用部材２６は前記制御
部材２１によりスプリング２７の付勢力に抗して
時計方向に回動変位せしめられる。このように再
生操作レバー１が動作位置より非動作位置に復帰
する場合にはトリガー用部材２６の方が回動変位
し、制御部材２１は回動変位せしめられないの
で、切換歯車１３が駆動歯車１１に噛合うという
誤動作が生じることはない。また停止操作が行な
われると摺動基板の演奏位置におけるロツク機構
のロツクが解除され該摺動基板は非演奏位置に復
帰せしめられる。

以上の如くカセツトテープＴが演奏位置に装着
されている場合の再生動作切換及び停止動作切換
は行なわれるが、次にカセツトテープＴが演奏位
置に装着されていない場合について説明する。カ
セツトテープＴが演奏位置に装着されていない状
態では第２図に示す如く検出部材３０がスプリン
グ３２の付勢力によつて反時計方向に変位されて
おり、その押圧部３５がトリガー用部材２６の当
接部２９を押圧するので、該トリガー用部材２６
はスプリング２７の付勢力に抗して時計方向に変
位せしめられた状態にある。斯かる状態において
再生操作をすると前述したように再生用操作レバ
ー１が矢印Ｄ方向へ変位せしめられて動作位置に
ロツク部材６によつてロツクされるが、トリガー
用部材２６に形成されているトリガー突部２８が
制御部材２１に形成されている制御突部２４に当
接しないので、該制御部材２１は反時計方向に回
動変位せしめられることはない。従つて切換歯車
１３が駆動歯車１１に噛合うことはなく、摺動基
板が演奏位置に摺動変位せしめられることはな
い。カセツトテープが演奏位置に装着されていな
い場合の動作はこのように行なわれるが、カセツ
トテープが正確に装着されていない場合にも検出
部材３０がトリガー用部材２６をトリガー不能状
態にするので、摺動基板が演奏位置に変位せしめ
られることはない。

以上に説明したように本考案の動作切換機構は
カセツトテープが演奏位置に装着されていない場
合や正確に装着されていない場合に再生操作を行
なつても、摺動基板を演奏位置に変位せしめる切
換機構が動作しないので無駄な動作が行なわれな
いだけでなく、磁気ヘツドがカセツトテープに当
接して損傷を受けたり、電動機等の切換機構に過
大な負荷が加わるという問題を解決することが出
来るものである。従つて本考案は電動機の回転力
を利用してソフトタツチ操作で動作切換を行なう
ポータブルカセツト式テープレコーダーで、カセ
ツト未装着のまゝ携帯している際不用意に再生用
操作レバーに外力が加わつても誤動作を起生させ
ることがなく、電源電池の消耗を防止するのに効
果的なものである。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本考案の動作切換機構に関し、第
１図はカセツトテープを装着した状態を示す平面
図、第２図はカセツトテープを装着していない状
態を示す平面図である。 主な図番の説明、１……再生用操作レバー、４
……固定基板、６……ロツク部材、１１……駆動
歯車、１３……切換歯車、１５……第１カム、１
６……阻止片、１７……第２カム、２１……制御
部材、２５……阻止部、２６……トリガー用部
材、２８……トリガー突部、３０……検出部材、
３３……センサー部、３６……制御ピン、Ｔ……
カセツトテープ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動機の回転力により動作切換を行なうように
   構成されたカセツト式テープレコーダーにおい
   て、電動機の回転が伝達される駆動歯車と、再生
   操作時に動作するトリガー用部材と、該トリガー
   用部材のトリガー動作に関連して前記駆動歯車に
   噛合うと共に、その回転により磁気ヘツドが固定
   されている摺動基板を演奏位置に摺動変位せしめ
   る切換歯車と、カセツトテープが演奏位置に装着
   されているか否かを検出すると共に前記トリガー
   用部材の動作を制御する検出部材とより成り、カ
   セツトテープが装着されていない時前記検出部材
   により前記トリガー用部材のトリガー動作を阻止
   するように構成したことを特徴とするカセツト式
   テープレコーダーの動作切換機構。