JPH0229536Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、演奏中に電源が切られると自動的に
ピンチローラとヘツドが後退するカセツト式テー
ププレーヤに関する。

従来のカセツト式テーププレーヤは演奏中に電
源を切るとピンチローラはキヤプスタンに、また
ヘツドはテープ面に圧接したままの状態を保つ機
構のものが多く、特に車載用のカーステレオでは
演奏状態でエンジンキーを抜き、電源を断つケー
スが多いことからピンチローラが歪む時、性能劣
化につながることが多い。

本考案は、この点を解決するために演奏中に電
源が切られると自動的にヘツドおよびピンチロー
ラを非演奏位置へ後退させるようにしたものであ
る。本考案のカセツト式テーププレーヤは、磁気
ヘツドを搭載したヘツド台と、該ヘツド台と連動
して前進および後退するピンチローラと、該ヘツ
ド台に後退力を与えるバネと、該ヘツド台を演奏
時の前進位置で保持するロツク機構とを備えたカ
セツト式テーププレーヤにおいて、該ロツク機構
は、演奏時に常時励磁され、且つ早送り、巻戻し
時およびエジエクト時には消磁される電磁石と、
該電磁石により一端が吸着されている期間に他端
が該ヘツド台の後退を阻止する回転式のレバー
と、該レバーに該レバーが前記ヘツド台に接触す
る方向の弾性力を与えると共に該レバーが前記電
磁石に吸着されている時には前記ヘツド台の前進
方向への弾性力を与えるバネとを備え、該電磁石
が消磁されると該レバーは該ヘツド台の後退力に
よつて該電磁石から離れる方向へ回動するもので
あることを特徴とするが、以下図示の実施例を参
照しながらこれを詳細に説明する。

第１図および第２図は本考案に係るオートリバ
ース型カセツトデツキの非演奏状態の斜視図およ
び平面図である。この状態で図示せぬカセツトパ
ツクを矢印Ａ方向に挿入すると該パツクの先端
（テープ側）が揺動部材１０１のカセツト追出し
部１０２を押込み、該揺動部材１０１を枢子１０
１ａを支軸に時計方向に回動させる。１０３ａは
カセツト支持部材１０３に植設したピンで、揺動
部材１０１が時計方向に回動するときカセツト支
持部材１０３を下降させる。この時、カセツト支
持部材１０３に一端が連結されたくの字状の上昇
操作部材１０４が軸１０５を中心に時計方向に回
動し、他端に連結された押圧操作部材１０６を矢
印Ｂ方向へ移動（前進）させる。押圧操作部材１
０６の他端は押圧片１０７の穴１０７ａに係合し
ており、操作部材１０６のＢ方向への移動に伴な
い該押圧片１０７が軸１０８を中心に時計方向に
回動すると、スイツチ１０９がオンとなつてモー
タ１１０が回転し始める。

モータ１１０が回転すると、第３図に示すよう
に一方のベルト１１１を介してギヤー１１２とプ
レイ用の巻取りギヤー２９が時計方向に回転す
る。また、もう一方のベルト１１３により右キヤ
プスタン１１４、フライホイール１１５、ギヤー
１１６が時計方向に回転し、左キヤプスタン１１
７、フライホイール１１８、ギヤー１１９が反時
計方向に回転する。この段階ではプレイ用巻取り
ギヤー２９が左リール３０にも、また右リール３
０′と噛合した伝達ギヤー１２０にも噛合できな
い中立位置にあるので、リール３０，３０′は停
止している。このため図示しないテープ終端検知
回路、例えばリール下面に固着した多極磁石と基
板１２１（第１図）側に設けたホールiCとを組合
せた回路でリール回転時に該ホールiCが発生する
パルスを検出する回路の働きによりプランジヤ１
２２が一時的にオンし、レバー１２３を軸１２４
を中心に反時計方向に回動してギヤー４のトリガ
（突起）５′との係合を解く。

第４図はこの詳細図で、非演奏状態を示したも
のである。従動ギヤー４は欠歯部４ａを有し、レ
バー１２３とトリガ５′とが係合している状態で
は駆動ギヤー２４はこの欠歯部４ａと対向してお
り、該ギヤー２４は第３図のギヤー１１２によつ
て反時計方向に自由回転している。ここで、上述
したようにプランジヤ１２２が一時的にオンして
レバー１２３とトリガ５′との係合が解かれると、
ギヤー４の背面に植設されたピン５に棒バネ１２
５から時計方向のバイアスが加わつているのでギ
ヤー４は僅かに時計方向に回動してその有歯部を
ギヤー２４に噛合させる。以後ギヤー４はギヤー
２４により時計方向に回転する。第５図はギヤー
４がギヤー２４によつて駆動され始めた状態図で
ある。棒バネ１２５を離れたピン５は磁気ヘツド
１２６を搭載したヘツド台６の後端に衝合して、
ギヤー４の回転に伴ない該ヘツド台６を演奏位置
まで前進（Ｂ方向）させる。ヘツド台ロツク用の
レバー２は図示せぬバネにより軸１２８を中心に
常時反時計方向への弾性力を受けているが、第４
図、第５図の状態ではピン１２９がヘツド台６の
側部６ａに摺接しているので反時計方向への回動
は阻止されている。しかし、第６図の様にヘツド
台が前進しきつた演奏状態になると、ヘツド台６
の側部６ａがピン１２９の位置を越えるので、レ
バー２は軸１２８を中心に反時計方向に回動し、
電磁石１３０に吸着される。この状態でピン１２
９はヘツド台６の後端部６ｂに衝合するので、該
ヘツド台６はギヤー４のピンから５の押圧力がな
くなつても演奏位置にロツクされる。尚、ヘツド
台６を前進させたギヤー４は更に時計方向に回転
してトリガ５′がレバー１２３と再度係合した位
置、つまり欠歯部４ａがギヤー２４と対向する位
置で停止する（ギヤー２４は以後も回転する）。

ヘツド台６は常時引張りバネ２０１によつて後
退方向への力を受けている。従つてギヤー４のピ
ン５がヘツド台６を押圧せず、且つレバー２のピ
ン１２９が後退部６ｂと衝合してない第４図の状
態ではヘツド台６はこの弾性力でＡ方向に後退し
ている。第７図はヘツド台６とピンチローラホル
ダ７との関係を示す分解図である。ホルダ７は軸
１３５を中心に回動可能であり、且つ軸７ａでピ
ンチローラ１３１を回転自在に軸支する。ひねり
バネ１３は左巻きで、一端１３ｂを矢印方向に偏
倚させる弾性力を有し、該一端１３ｂをホルダ７
の後端に係合させている（他端１３ａはシヤーシ
に固定される。）このため、ホルダ７は軸１３５
を中心に反時計方向に回動しようとするが、その
動きはホルダ７下端のピン７ｂがピンチローラ圧
着バネ２０２と衝合する位置で規制される。これ
はひねりバネ１４（これは右巻き）側についても
同様である。従つて、ヘツド台６が前進するとき
はバネ２０２の作用でホルダ７も時計方向に回動
し、先端部に支持されたピンチローラ１３１を第
６図のようにキヤプスタン１１７に圧接する。但
し、左ピンチローラ１３１が左キヤプスタン１１
７に圧接するか、右ピンチローラ１３２（第４
図）が右キヤプスタン１１４（第３図）に圧接す
るかは図示せぬテープ走行方向切換機構による。

上述した電磁石１３０は演奏中は常時オンで、
早送り操作レバー３７、エジエクトレバー２６ま
たは巻戻し操作レバー３８のいずれかが押込まれ
たときにオフとなるスイツチ（図示せず）を通し
て通電されているので、演奏中に電源が断たれる
と該スイツチオフと同様の効果で電磁石１３０の
吸着力は失われる。従つてレバー２はヘツド台６
の後退を阻止できずに軸１２９を中心に時計方向
に回動し、ヘツド台６は引張りバネ２０１の弾性
で自動的に後退する。この結果、カセツトパツク
が挿入された状態でも、ヘツド１２６はテープ面
から離れ、またピンチローラ１３１，１３２はそ
れぞれキヤプスタン１１７，１１４から離れる。
尚、再度電源が投入されればモータ１１０が回転
するのでギヤー４、テープ終端検知回路、プラン
ジヤ１２２の作用でヘツド台６は前進する。

以上述べたように本考案によれば、演奏中に電
源が切れてもピンチローラとヘツドが自動的に非
演奏位置に後退するので、ピンチローラの変形等
の性能劣化を未然に防止できる利点がある。ま
た、ヘツド台の前進位置での保持を小型の電磁石
で行えるので、安価に構成できる利点もある。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は本考案の一実施例を示す
オートリバース型カセツト式テーププレーヤの斜
視図および平面図、第３図は回転駆動系の斜視
図、第４図〜第６図はヘツド台制御機構の説明
図、第７図はピンチローラ圧接機構の分解図であ
る。 図中、６はヘツド台、１２６は磁気ヘツド、１
３１，１３２はピンチローラ、１３，１４はピン
チローラ逃がし用ひねりバネ、１１４，１１７は
キヤプスタン、２はヘツド台ロツク用レバー、１
３０は電磁石、２０２はピンチローラ圧着バネで
ある。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 磁気ヘツドを搭載したヘツド台と、該ヘツド台
   と連動して前進および後退するピンチローラと、
   該ヘツド台に後退力を与えるバネと、該ヘツド台
   を演奏時の前進位置で保持するロツク機構とを備
   えたカセツト式テーププレーヤにおいて、 該ロツク機構は、 演奏時に常時励磁され、且つ早送り、巻戻し時
   およびエジエクト時には消磁される電磁石と、該
   電磁石により一端が吸着されている期間に他端が
   該ヘツド台の後退を阻止する回転式のレバーと、
   該レバーに該レバーが前記ヘツド台に接触する方
   向の弾性力を与えると共に該レバーが前記電磁石
   に吸着されている時には前記ヘツド台の前進方向
   への弾性力を与えるバネとを備え、 該電磁石が消磁されると該レバーは該ヘツド台
   の後退力によつて該電磁石から離れる方向へ回動
   するものであることを特徴とするカセツト式テー
   ププレーヤ。