JPS6237553Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案はフイルター除塵装置を備えた電気掃除
機に関するものである。

従来例の構成とその問題点 従来、電気掃除機のフイルター装置の除塵手段
には、大別して２通りがあつた。即ち、電気掃除
機に内蔵したコードリール装置と連動したもの
で、コードを引き出すと同時に歯車構造等を利用
してフイルター装置にとりつけたフイルター除塵
体を稼動し、フイルターを除塵させるものと、フ
イルター装置に取り付けたフイルター除塵体を手
動で動作させて除塵を行うものである。後者の除
塵方式のものは、第１図に示すように構成されて
いた。即ち、１は捕集した塵埃を内部に溜める集
塵ケース、２は基枠３と一体に形成されたフイル
ター４の頂部を横方向にはじいてこれに振動を与
え、付着した塵埃を落下させるためのフイルター
除塵体である。５はフイルター除塵体２の摺動を
案内するための除塵体支えで、基枠３に取り付け
られている。基枠３はこの外周に巻き付けられた
基枠パツキン６を介して集塵ケース１の内面に空
気タイトされて固定されている。これらの構成の
ため、フイルター除塵体２とフイルター４の当た
り具合は、除塵体支え５の仕上り寸法精度や、基
枠３への取付具合に大きく左右されることとなつ
ていた。またフイルター除塵体２を摺動案内し、
かつこれを支持している除塵体支え５を必要とし
ていたため、部品点数の増加・組立工数の増加を
まねいていた。

これらの欠点を解消するものに基枠の上部中央
を中心として扇形運動するフイルター除塵体をと
り付け、回動中心と逆の端部に設けた除塵子でフ
イルター頂部をはじいて除塵を行わせ、同時に、
このフイルター除塵体をフイルター装置の取り外
し、取り着けの時の操作部とした除塵構造が提案
されている（例えば特開昭53−137563号公報）。

ところが、上記の構造のフイルター除塵体は、
除塵子を裏側に設けた部分を持ち、フイルター方
向に押しつけて扇形状往復運動をさせることが除
塵性能を確保するうえで不可欠であり、この除塵
操作部は指先で持ち易く、フイルター方向に押し
付け易い形状でなければならない。他方、このフ
イルター除塵体の取付構成上、除塵操作部は基枠
との回動自在取付部とは大きくはなれるため、除
塵操作部をつまんで、フイルターとはなれる方向
へ力を加えると、モーメントの関係で小さな力で
あつても回動取付部には大きな力が加わりフイル
ター除塵体、或いは基枠、或いは両部品が破損し
てしまうという欠点が生じた。

考案の目的 本考案は、このような欠点を解消して、簡単な
構成で、確実な除塵性能を発揮するとともに、誤
操作による故障発生を防止したものである。

考案の構成 本考案は、基枠に回動自在に取着されるフイル
ター除塵体のフイルターをはじく除塵子の裏面部
を除塵操作部とし、この除塵操作部の断面形状を
フイルター側で幅が大きく、また逆方向に幅が小
さくなるようテーパ状にすることにより、フイル
ター除塵の際、フイルター側へ押しつけ易くし逆
方向には持ちにくくしたものである。

実施例の説明 以下その実施例を添付図面とともに説明する。

第２〜６図において、１１は電動送風機１２を
内蔵した送風機ケース、１３は送風機ケース１１
に尾錠１４を介して着脱自在に結合した集塵ケー
スである。集塵ケース１３の内部構造は次のとう
りになつている。すなわち、前面にホース接続口
１５が形成され、また送風機ケース１１に連結す
る後面部には開口１６が形成されていて、フイル
ター装置１７が嵌着してある。１８はフイルター
装置１７の基枠で、集塵ケース１３の内面及び送
風機ケース１１の前面に密着する基枠パツキン１
９が外周に装着される。２０は二次フイルター
で、断面波形に折曲され、基枠１８に一体に取り
付けられて細塵を捕獲する。２１は上下一対の係
合部２２，２３により基枠１８の前面に着脱自在
に取り付けられた一次フイルターで、二次フイル
ター２０の前方部分は網目に形成されていて、粗
塵を分離し、集塵ケース１３内に溜める。２４は
二次フイルター２０の本体ケース１１側に配置さ
れたフイルター除塵体で、つまみ部２５、除塵操
作部２６、これらを結ぶ接合部２７からなる。除
塵操作部２６の二次フイルター２０側には二次フ
イルター２０の襞をはじいて、これに付着した細
塵を落下させるべく除塵子２８が形成されてい
る。またフイルター除塵体２４のつまみ部２５の
端部には、基枠１８の上部中央に形設した軸２９
に嵌合し、回動中心軸を形成するための軸止部３
０が配設され、締付ネジ３１により抜止めが行わ
れるようになつている。

つまみ部２５は、周壁３２より幅方向に約６mm
ずつ突出していて手指が掛かり易く形成されてお
り、フイルター装置１７の着脱時の操作部とな
る。

除塵操作部２６は二次フイルター２０に接触す
る側の幅が約40mm、送風機ケース１１側頭部の幅
は約10mmで、二次フイルター２０側に近ずくにつ
れて幅が広くなるようなテーパ状に形成され、そ
の頭部及び裾部には丸みがつけてある。

また接合部２７は高さ幅とも、つまみ部２５、
除塵操作部２６よりも小さく、手指でつかめない
よう形成されている。

上記の構成において、二次フイルター２０に付
着した細塵を落下させるための除塵は、まず、送
風機ケース１１より分離した集塵ケース１３を開
口１６を上にして持ち、次に、手指でフイルター
除塵体２４の除塵操作部２６を二次フイルター２
０側に押しつけるようにしながら扇形状往復摺動
させ、その除塵子２８で二次フイルター２０の襞
をはじいて振動を与えて行う。このとき、除塵操
作部２６の断面形状は、二次フイルター２０側に
なるにつれて幅が広くなるテーパ状をしているた
め、手指ではさみ持つと、二次フイルター２０側
に押しつける力が分力として作用し、特に、フイ
ルター除塵体２４を押しつけるように無理をしな
くとも、常に一様に除塵を十分に行うことができ
る。また、フイルター装置１７を集塵ケース１３
から取り外すときは、つまみ部２５を手指ではさ
み持つて基枠１８の下端面を回動軸として円弧を
描くように引き出すが、このとき、まちがつて、
除塵操作部２６を手指ではさみ持つて引き出そう
としても、同部が断面テーパ状をしているため十
分にはさみ持つことができず、指がすべりはずれ
て引き出すことが不可能となり、その結果、軸２
９、軸止部３０、締付ネジ３１の基枠１８とフイ
ルター除塵体２４の取着部に無理な力を加えて破
損させることもない。

考案の効果 上記の実施例からわかるように、本考案は、除
塵操作部の形状をフイルター側が幅広となるよう
なテーパー状とすることによつて、効率的なフイ
ルター除塵が可能となり、操作性も向上する。ま
た上記除塵操作部のテーパ形状によつて同部を持
つてフイルター離脱を行うことが不可能となり、
したがつて、誤操作によるフイルター除塵体或い
は基枠などの破損、故障をも確実に防止できるも
のである。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の集塵ケース、フイルター装置の
背面図、第２図は本考案の実施例における電気掃
除機の側面図、第３図は同要部の一部欠截断面
図、第４図はフイルター除塵体の斜視図、第５図
は集塵ケース、フイルター装置部の背面図、第６
図はフイルター除塵体の操作説明図である。 １１……送風機ケース、１２……電動送風機、
１３……集塵ケース、１８……基枠、２０……フ
イルター（二次フイルター）、２４……フイルタ
ー除塵体、２５……つまみ部、２６……除塵操作
部、２８……除塵子。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 電動送風機を内蔵した送風機ケースと、この送
   風機ケースに着脱自在に設けられた集塵ケース
   と、同集塵ケース内部に配設した断面波状のフイ
   ルターと、このフイルターを支持する基枠と、扇
   形往復運動をするよう上端を上記基枠に回動自在
   に取付けたフイルター除塵体とを備え、前記フイ
   ルター除塵体は、回動中心軸近傍に基枠の集塵ケ
   ースに対する着脱操作を行うための手指の掛かり
   部を有するつまみ部を、他端のフイルター側にフ
   イルターの除塵を行う除塵子をそれぞれ有し、か
   つ同除塵子の背面にはフイルター側を幅広とした
   テーパ状の除塵操作部を形成した電気掃除機。