JPS6235647Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〈産業上の利用分野〉 開示技術はエンジンフードを支えるロツドの構
造技術分野に属する。

而して、この考案は基端側が車体側に枢支され
る一方、先端側がフードの裏面のフードインナ等
の止め穴と車体のラジエータアツパサポート等の
格納部とに選択的に係脱自在にされているフード
サポートロツド構造に関する考案であり、特に、
クリツプ本体の中央外周に止め穴の縁部に当接す
るフランジが固設されると共に、クリツプ本体の
先端側に格納部に対する止め溝が形成され、且
つ、該クリツプ本体に対してインテグラルヒンジ
を介して一体的、且つ、弾性的にクリツプレバー
が取り付けられ、該クリツプレバーにはフード裏
面の止め穴の縁部に対するフツクが形成され、ク
リツプ本体とクリツプレバーとから成るクリツプ
が該クリツプ本体内部の穴を介してロツド本体に
嵌着されているフードサポートロツド構造に係る
考案である。

〈従来技術〉 一般に、自動車のエンジンルームのフードは該
エンジンルーム内の点検等のためにフードサポー
トロツドによつて、開状態で支持されるようにな
つている態様のものがある。

該種態様のものについて第１〜３図により略説
すると、周知の如く、自動車１には車体側に基端
が枢支されたフードサポートロツド２が起伏自在
に設けられており、該フードサポートロツド２の
先端側が自動車１の車体の格納部としてのラジエ
ータアツパサポート３とフード４の裏面に設けら
れたフードインナの止め穴５とに選択的に係脱自
在にされている。

〈考案が解決しようとする問題点〉 さりながら、上述従来態様のフードサポートロ
ツド２にあつてはフード４を支持する際に該フー
ドサポートロツド２の先端側がフード４の裏面の
フードインナの止め穴５、及び、その周縁部の支
持面と接触するという点から、樹脂等でコーテイ
ングされてはいるものの、接触面積が小さいこと
もあつて、経時的反復使用によりコーテイング層
が剥離して消失する欠点があつた。

又、フードインナの穴５に対して係止する必要
から第３図に示す様に、先端部が屈曲形成されて
いるために、製作時曲げ工数がかかる難点があつ
た。

更に、車体側のラジエータアツパサポート３に
係止して格納した際に、フードサポートロツド２
がガタツキを起こさないよう、該ラジエータアツ
パサポート３にクリツプ等を付設してフードサポ
ートロツド２を固定する必要があり、したがつ
て、コストアツプになる不利点もあつた。

この考案の目的は上述従来技術に基づくフード
サポートロツドの問題点を解決すべき技術的課題
とし、フードを支持するに際して反復使用によつ
ても機能が変わらず、錆等が発生するようなこと
がないばかりでなく、確実にフードを支持し、
又、車体側に格納されるに際し他の部品を用いな
くともガタツキなく確実に格納出来るようにして
自動車産業における取付技術利用分野に益する優
れたフードサポートロツド構造を提供せんとする
ものである。

〈問題点を解決するための手段・作用〉 上述目的に沿い先述実用新案登録請求の範囲を
要旨とするこの考案の構成は前述問題点を解決す
るために、まず、プラグ交換等の必要から、エン
ジンルームのフードを開状態でフードサポートロ
ツドにより支持する場合にはフードをエンジンル
ームに対して開いた後該フードサポートロツドを
その車体側に枢支された基部を中心にして、旋回
動させて立ち上がらせ、該フードサポートロツド
のロツド本体の先端に嵌着されているクリツプの
クリツプ本体をフードのフードインナの止め穴に
対して挿入係止させると、フードはクリツプ本体
の中央部に形成されたフランジに上方から載置さ
れて支持されると共に、クリツプ本体にインテグ
ラルヒンジを介して付設されたクリツプレバーの
フツクが該インテグラルヒンジの弾性力により上
側から止め穴の縁部に係合してフードとフードサ
ポートロツドとはロツクされ、かくして、フード
が開状態に維持され、エンジンルームに対する所
定の作業が終了した後、クリツプレバーを押し上
げてフツクと止め穴の縁部との係合を解除し、フ
ードサポートロツドとフードを解除してフードサ
ポートロツドを下降旋回動し、クリツプ本体の先
端側に形成された止め溝を車体側の格納部に係合
させた後、フードを閉じるようにした技術的手段
を講じたものである。

〈実施例〉 次に、この考案の１実施例を第１，２図を援用
して第４図以下の図面に基づいて説明すれば以下
の通りである。尚、第１〜３図と同一態様部分は
同一符号を用いて説明するものとする。

２′は、この考案の要旨の中心を成すフードサ
ポートロツドであり、自動車１の車体側にその基
端が回動自在に枢支されたロツド本体６の先端に
は樹脂製のクリツプ７がそのクリツプ本体８をし
てピン９により該クリツプ本体８内部の係止穴
８′に取り付けられているものである。

而して、クリツプ本体８には、その中央外周
に、フード４の裏面の係合部としてのフードイン
ナの止め穴５に対しその縁部に当接する止め具と
してのフランジ１０が一体形成され、該フランジ
１０の上面１１が、フード４の開状態での角度に
応じてロツド本体６の長手方向に対して所定の角
度で傾斜して安定してフード４を開状態に支持す
るように形成されている。

又、クリツプ本体８の先端側には、車体側の格
納部とてのラジエータアツパサポート３が挿入さ
れる止め溝１２がロツド本体６の長手方向に沿う
ように刻設され、その内壁の一方側には、ラジエ
ータアツパサポート３を押圧固定するための突出
部１３が形成されている。

そして、止め溝１２の底部の一側寄りには、イ
ンテグラルヒンジ１４を介してクリツプ本体８と
一体のクリツプレバー１５が形成され、その中途
の屈曲部１６の外側には、フランジ１０に対応し
てフツク１７が形成され、インテグラルヒンジ１
４の弾性により、フード４のフードインナの止め
穴５の縁部からクリツプ本体８が容易に離脱しな
いようにされている。

尚、クリツプレバー１４の屈曲部１５の先部分
の外側には、フツク１７のフードインナの止め穴
５からの離脱時に該クリツプレバー１４の押圧に
際し手の滑り止め用の凸部１８，１８…が波状に
突設されている。

上述構成において、図示しないエンジンのプラ
グ交換等の要から、フード４をエンジンルームの
上方に開放し、フードサポートロツド２′にて該
フード４を開放状態に支持させる際には、車体側
のラジエータアツパサポート３からクリツプ７の
止め溝１２を引き上げ解離させた後、ロツド本体
６をその先端を支軸にして軸まわりに90゜回動さ
せ、クリツプ７の頭部をフード４のフードインナ
の止め穴５内に入れ係合させる。

すると、第５図に示す様に、上方からフードイ
ンナの止め穴５の縁部はクリツプ７に形成された
フランジ１０に上方から係合してフード４の重量
を支持し、フツク１７も止め穴５の縁部に上側か
らオーバーハング状にインテグラルヒンジ１４を
介して弾性的に係止されフランジ１０が止め穴５
の縁部の支持面に当接してフード４を開状態に支
持される。

そして、プラグ交換等の所定の作業が終了した
後、クリツプレバー１５の凸部１８，１８…付近
を上方に押し、フツク１７をフード４のフードイ
ンナの止め穴５の縁部から上方に外して前述と逆
操作によりロツド本体６を回動させ、第６，７図
に示す様に、車体側のラジエータアツパサポート
３にクリツプレバー１５を押圧してクリツプ７の
止め溝１２を係合させ、突出部１３によつて確実
にロツクさせた後フード４を閉じる。

尚、この考案の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、例えば、クリツプレ
バー側にもフランシを形成させる等種々の態様が
採用可能である。

〈考案の効果〉 以上、この考案によれば、基本的に自動車のエ
ンジンルームに対するフードサポートロツドをフ
ードの開放時にはフードを開状態で支持させるば
かりでなく、確実にロツクさせる一方、フードサ
ポートロツドを車体側に格納する際にはガタツキ
なく確実に倒伏姿勢で固定することが出来るとい
う優れた効果が奏される。

又、クリツプ本体の外周にフードの表面のフー
ドインナの止め穴に対するフランジが形成されて
いることにより、該フランジによりフードインナ
の止め穴縁部周囲面に対する接触面を多くして安
定したフード支持を行える優れた効果が奏され
る。

更に、クリツプ本体の先端側に車体の格納部に
対する止め溝が形成されていることにより、フー
ドに対してのみならず、車体側にフードサポート
ロツドを格納する際にもガタツキなく確実に固定
姿勢で支持することが出来る優れた効果が奏され
るばかりでなく、ラジエータアツパサポートの格
納部に他の部品を付設する必要がなく、該部の構
造がすつきりする効果もある。

更に又、クリツプ本体に対しインテグラルヒン
ジを介して一体弾性的にクリツプレバーが取り付
けられ、該クリツプレバーにクリツプ本体のフラ
ンジに対応するフツクが形成されていることによ
り、フードを支持するのみならず、フードインナ
の止め穴縁部に対する止め付けが確実に行われ、
フードサポートロツドをフードに固定姿勢でフツ
クさせることが出来る効果が奏される。

加えて、クリツプ本体とクリツプレバーとから
成るクリツプが該クリツプ本体内部の穴を介して
ロツド本体に嵌着されていることにより、ロツド
に対して曲げ成形等を施さなくとも良く、コスト
がかからないというメリツトもある。

【図面の簡単な説明】

第１図は自動車の全体斜視図、第２図はフード
の開放斜視図、第３図は従来態様のフードサポー
トロツドの部分断面図、第４図以下はこの考案の
１実施例を示すものであり、第４図はフードサポ
ートロツドのクリツプの斜視図、第５図はフード
サポート時の部分正面図、第６図はフードサポー
トロツド格納時の正面図、第７図は第６図の−
断面図である。 ４……フード、５……止め穴、３……格納部、
２′……フードサポートロツド、８……クリツプ
本体、１０……フランジ、１２……止め溝、１４
……インテグラルヒンジ、１５……クリツプレバ
ー、１７……フツク、７……クリツプ、８′……
穴。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 基端側が車体側に旋回動自在に枢支される一方
   先端側がフード裏面のフードインナの止め穴と車
   体の格納部とに選択的に係脱自在にされているフ
   ードサポートロツド構造において、クリツプ本体
   の中央外周に上記フードインナの止め穴の縁部に
   当接するフランジが形成されると共に先端側に上
   記格納部に対する止め溝が形成され且つ上記クリ
   ツプ本体に対しインテグラルヒンジを介して一体
   的且つ弾性的にクリツプレバーが取り付けられ、
   該クリツプレバーには上記フランジに対応するフ
   ツクが上記フードインナの止め穴の縁部に係脱自
   在に形成され、上記クリツプ本体とクリツプレバ
   ーとから成るクリツプが該クリツプ本体内部の穴
   を介してロツド本体に嵌着されていることを特徴
   とするフードサポートロツド構造。