JPS58583Y2 - スライドドアの全開位置保持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、パン型自動車などに設けられるスライドドア
を全開した際にその全開位置に確実に保持せしめるスラ
イドドアの全開位置保持装置に関するものである。

一般に、第１図に示すようなパン型自動車などにおいて
、後部荷物室の出入口開閉用としてサイドボディ１に、
該サイドボディ１の外側面に沿って前後方向に移動する
スライドドア２が設けられている。

このスライドドア２は、例えば第２図に示すように、サ
イドボディ１の出入口の上端及び下端位置にそれぞれ装
設されたガイドレール３゜３に、スライドドア２の内側
前端の上部及び下部にそれぞれ支持部材４，４を介して
支持されたガイドローラ５，５を摺動自在に嵌合し、更
に、スライドドア２の内側中央部に装設されたガイドレ
ール６に、サイドボディ１の出入口の後端中央部に支持
部材７を介して支持されたガイドローラ８を摺動自在に
嵌合し、サイドボディ１の外側面に沿って前後移動する
ように構成されている。

上記スライドドア１において、従来、スライドドアを全
開位置に保持せしめる係止装置はサイドボディ１に設け
られた上部或いは下部のガイドレール３の後端に設けら
れている。

この係止装置は、第３図に示すように、前記ガイドレー
ル３の一側面に穿設された開口部９に板バネ１０がその
一端にて鋲止めされ、該板バネ１０はく字状に屈曲され
、その屈曲部が僅かに前記ガイドレール３内に没入し、
スライドドア２を全開にすると、ガイドローラ５が板バ
ネ１０を乗り越えて停止し、スライドドア２を全開位置
に保持するようにしている。

しかしながら、前下りの傾斜地などにおいてスライドド
ア２を全開にした際には、スライドドア２は自重或いは
衝撃などにより、ガイドローラ５が板バネ１０を乗り越
えて閉まる場合があり、非常に危険であった。

然して、スライドドア２が容易に閉らないように板バネ
１０のバネ力を強くすると、全開しようとする際、ガイ
ドローラ５が板バネ１０を乗り越えずにスライドドア２
が完全に全開していない状態が生じたり、ガイドローラ
５が板バネ１０を乗り越すための操作力が大きくなるな
ど、平地での操作感が悪くなるという不具合が生じてい
た。

本考案はかかる点に鑑みてなされたもので、係止装置と
は別個に、スライドドアのインナーハンドルに保持具を
設け、スライドドアの全開時にこの保持具の係止部をボ
ディ側に設けられた係止具に係合させることにより、ス
ライドドアを全開位置に確実に保持できるようにしたス
ライドドアの全開位置保持装置を提供するものである。

以下、図面に示す実施例に基づいて本考案を説明する。

尚、本考案を適用する自動車のスライドドアについては
既述している。

（第１図乃至第３図参照）のでその詳細な説明は省略す
る。

〈実施例 １〉 本実施例は第４図及び第５図に示し、１１はスライドド
ア２の内側前端に設けられたインナーハンドルであって
、そのハンドル軸１２に変形自在なゴム平板よりなる保
持具１３がその一端にて回転自在に取り付けられ、その
他端の自由端にはＵ字状の係止金物１４が固着されてい
る。

前記サイドボディ１の出入口後端は、アウターパネル１
ａの端部が内側に傾斜し、その先端がインナーパネル１
ｂの先端と固着され、そのアウターパネル１ａの傾斜部
に、保持具１３の係止金物１４が係止されると共にスラ
イドドア２のドアロックストライカとして併用される係
止具１５が設けられ、該係止具１５は固定基部１５ａに
Ｕ字状の係合片１５ｂが一体成形されてなり、該係合片
１５ｂに前記保持具１３の係止金物１４が係合され、ス
ライドドア２を全開した際にその全開位置に確実に保持
する。

この係止具１５はドアロックストライカと併用されるの
で新たに別部品として設ける必要はない。

１６はサイドボディ１の出入口の先端部にシーミングウ
ェルト１７により取り付けられるウェザ−ストリップで
ある。

〈実施例 ２〉 本実施例は第６図に示すように、保持具１８はその一端
がスライドドア２のインナーハンドル１１のハンドル軸
１３に回転自在に取り付けられ、その他端の自由端に係
止孔１９が設けられている。

一方、係止孔１９に係合する係止具２０はサイドボディ
１のインナーパネル１ｂの内側端部に設けられ、ボルト
の頭部を上部が膨出し、中央部が凹んだ瓢箪形に形成し
てなり、インナーパネル１ｂの裏側に溶接固定されたナ
ツト２１に螺合固定され、前記保持具１８の係止孔１９
がボルト頭部にむり嵌合され、その中央部にて安定係合
し、スライドドア２を全開位置に確実に保持する。

その他は実施例１と同様である。

第７図及び第８図は実施例２における他の係止具２２，
２３を例示し、第７図に示す係止具２２はサイドボディ
１のインナーパネル１ｂの一部を凸状に突出し、その突
出部の先端周縁にフランジ状に抜は止め２２ａを固着し
てなり、その突出部に保持具１８の係止孔１９がむり嵌
合され、抜は止め２２ａにて容易に抜けないように係合
される。

又、第８図に示す係止具２３は円柱体２３ａの頭部にフ
ランジを形成し、底面にネジ部を設け、ホイドボテ゛イ
１のインナーパネル１ｂに凹設した凹所に前記円柱体２
３ａを挿入し、凹所の底面に設けられたネジ穴に前記ネ
ジ部を螺合固定してなり、円柱体２３ａに保持具１８の
係止孔１９がむり嵌合され、その円柱体２３ａの胴部に
て安定係合する。

尚、実施例１及び実施例２において、保持具１３及び１
８はゴムより形成したが、革や布、ワイヤ、ナイロンな
どにより形成してもよい。

以上のように本考案スライドドアの全開位置保持装置に
よれば、保持具をハンドル軸に取り付けるようにしたた
めに、保持具を取り付けるための新たな別部品は不要で
あるので、部品点数が少なくて済み、また、スライドド
アを開ける動作、即ちハンドル操作より引き続いて保持
具の係止部を係止具に係合させる動作に移れるから、迅
速且つ確実に行なうことができる。

更に、手動にて行なうので、必要時のみ使用することが
でき、且つ機構部品がないため、故障の恐れがなく、更
に、製作、組み付けが容易で安価であるなどの利点を有
するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施態様を例示するものであり、第１図
は自動車の側面図、第２図はスライドドアの斜視図、第
３図は係止装置の平面図、第４図は実施例１における保
持具と係止具との係合時を示す平面図、第５図は第４図
■−■線における断面図、第６図は実施例２における保
持具と係止具との係合時を示す平面図、第７図及び第８
図は他の係止具を示す断面図である。 １・・・・・・サイドボディ、２・・・・・・スライド
ドア、３゜６・・・・・・ガイドレール、５，８・・・
・・・ガイドローラ、１０・・・・・・板バネ、１１・
・・・・・インナーハンドル、１２・・・・・・ハンド
ル軸、１３，１８・・・・・・保持具、１４・・・・・
・係止金物、１５，２０，２２，２３・・・・・・係止
具。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 自動車用スライドドアの内側前端に設けられたインナー
   ハンドルのハンドル軸に一端を回転自在に取り付け、他
   端の自由端にボディ側に設けた係止具に着脱自在に係合
   する係止部を形成した保持具を設け、前記スライドドア
   の全開時に保持具の係止部を係止具に係合させることを
   特徴とするスライドドアの全開位置保持装置。