JPS6234801B2 - - Google Patents

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JPS6234801B2
JPS6234801B2 JP57011261A JP1126182A JPS6234801B2 JP S6234801 B2 JPS6234801 B2 JP S6234801B2 JP 57011261 A JP57011261 A JP 57011261A JP 1126182 A JP1126182 A JP 1126182A JP S6234801 B2 JPS6234801 B2 JP S6234801B2
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JP
Japan
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molten steel
slag
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sio
steel
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JP57011261A
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JPS58130215A (ja
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Masao Oguchi
Tsukasa Suzuki
Toshihiko Emi
Yasuo Mihara
Shigenori Myazaki
Kyohiko Nohara
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JFE Steel Corp
Original Assignee
Kawasaki Steel Corp
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Publication date
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Priority to JP1126182A priority Critical patent/JPS58130215A/ja
Publication of JPS58130215A publication Critical patent/JPS58130215A/ja
Publication of JPS6234801B2 publication Critical patent/JPS6234801B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C21METALLURGY OF IRON
    • C21CPROCESSING OF PIG-IRON, e.g. REFINING, MANUFACTURE OF WROUGHT-IRON OR STEEL; TREATMENT IN MOLTEN STATE OF FERROUS ALLOYS
    • C21C7/00Treating molten ferrous alloys, e.g. steel, not covered by groups C21C1/00 - C21C5/00
    • C21C7/04Removing impurities by adding a treating agent
    • C21C7/06Deoxidising, e.g. killing

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Metallurgy (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Treatment Of Steel In Its Molten State (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
この発明は主として薄板バネ材用ステンレス鋼
等の溶鋼を脱酸精錬する方法に関するものであ
る。 周知のように高級薄板バネ材としてはSUS
304,SUS 301等の加工硬化能が高いオーステナ
イトステンレス鋼やSUS 631等の析出硬化型ステ
ンレス鋼等が使用されているが、この種の薄板バ
ネ材、特に厚みが0.2mm程度以下の極薄板バネ材
においては、非金属介在物の形態、大きさが耐疲
労性に重大な影響を及ぼす。すなわち鋼片を熱間
圧延および冷間圧延した後の薄板中における介在
物が微細でしかも圧延方向へ薄く延伸されている
場合には耐疲労性にはほとんど悪影響を及ぼさな
いが、延伸されずに粒状に残つた硬質かつ粗大な
非金属介在物は耐疲労性を著しく劣化させる。こ
の種の鋼における非金属介在物としては種々の組
成のものがあるが、Al2O3含有量の高い介在物、
すなわちAl2O3単独の介在物やAl2O3―MgO(ス
ピネル)系介在物は極めて硬質であつて延伸性に
欠け、そのため圧延後の薄板中において粗大な粒
状介在物として残り易いのに対し、Al2O3含有量
の少ない介在物、すなわち主としてMnO―SiO2
―Al2O3系の3元系介在物は延伸性が極めて良好
であり、したがつて耐疲労性を良好にするために
は、非金属介在物が後者の組成となるように制御
すること、換言すればAl2O3含有量が少ない非金
属介在物とすることが必要であると考えられる。 上述のような観点から、薄板バネ材用ステンレ
ス鋼の耐疲労性を向上させる方法として、本発明
者等は既に特願昭56―151963号において次のよう
な方法を提案している。すなわち、溶鋼中の酸素
含有量〔O〕をアルミニウム含有量〔Al〕より
も充分に高い値となるように脱酸を制御し、2次
脱酸生成物として生じるMnO,SiO2等によつて
Al2O3を希釈して、Al2O3含有量が少ない非金属
介在物を生成させる方法であり、この方法によれ
ば実際に耐疲労性が良好な薄板を得ることが可能
である。しかるにこの方法を実施するにあたつ
て、鋼中〔O〕が〔Al〕に対し余りに大きくな
り過ぎれば、非金属介在物の総量が大きくなつて
鋼の清浄度が低下する問題があるから、〔Al〕に
対し〔O〕の量を適切な値に制御することが望ま
しい。ところが実際の操業においては〔Al〕の
値は各ヒート毎に相当程度ばらつきが生じるか
ら、前述のようなAl2O3希釈効果を常に確実に得
るためには、安全度を見込んで〔O〕の値を充分
に高くせざるを得ず、そのため必要以上に酸化物
介在物の量が多くなつて鋼の清浄度が低下してし
まう事態の発生を確実に避け得ないのが実情であ
る。 この発明は以上の事情に鑑みてなされたもの
で、鋼中の非金属介在物をAl2O3含有量が少ない
延伸性に優れたもの(主としてMnO―SiO2
Al2O3系介在物)に制御すると同時に、非金属介
在物の総量をAl2O3希釈のための必要最小限とし
て鋼の清浄性をも確実に良好とすることを目的と
するものである。 この発明は溶鋼を脱酸処理するにあたつて、ス
ラグ量が充分に大きければスラグ中のSiO2の活
量aSiO2を調整して溶鋼中の酸素量〔O〕を制御
することが可能であること、またスラグ中の
MnO含有量(MnO)を適切に管理することによ
つて〔O〕を一層適切に調整できること、さらに
は処理中の温度降下量を適切に制御することによ
つて、その温度降下時に生じる二次脱酸生成物
(SiO2,MnO)により一次脱酸生成物(主として
Al2O3系)を適切に希釈し得ること等に着目して
なされたものである。そしてこれらの着目点に基
づいて種々実験・検討を重ねた結果、脱酸処理終
了時におけるスラグの成分、特にSiO2、CaO、
MnOおよびAl2O3のスラグ中含有量が適切な値と
なるように調整するとともに、スラグを充分な量
だけ溶鋼と直接接触させ、しかも処理中における
温度降下量を適切に制御することによつて、上述
の目的を達成し得ることを見出し、この発明をな
したのである。 具体的には、この発明の脱酸方法は、処理終了
時の最終ラスグ中におけるCaO含有量が35〜55
%、SiO2含有量が34〜53%、MnO含有量が0.2〜
5%、Al2O3含有量が8%以下となりしかもその
最終スラグ中のCaO含有量とSiO2含有量との比
(CaO)/(SiO2)が0.85〜1.25の範囲内となるよ
うにスラグ成分を調整して、溶鋼1トン当り2〜
100Kgのスラグを溶鋼に接触させて溶鋼を処理
し、しかも処理開始時点と処理終了時点との溶鋼
温度差が10℃以上となるように溶鋼の温度降下を
生ぜしめることを特徴とするものである。 以下この発明の方法をさらに詳細に説明する。 先ずこの発明の方法が適用される鋼種について
説明すると、この発明の方法は、鋼中非金属介在
物が延伸性に優れ、圧延後あるいは伸線加工後に
おける非金属介在物が細長く伸びた微細なものと
なることを必要とするすべての鋼種に適用可能で
あるが、次に述べるように特にNi―Cr鋼すなわ
ちオーステナイト系ステンレス鋼もしくはこれに
準ずる鋼に適用して最も効果的である。 ここでオーステナイト系ステンレス鋼はC0.03
〜0.12%、Si0.25〜1.5%、Mn0.5〜2%、Cr16〜
20%、Ni6〜9.4%、残部実質的にFeなる組成に
よつて代表されるものであり、Alは特に添加し
なくても通常は溶鋼中に0.0005〜0.004%程度含
有される。このような成分の溶鋼における脱酸生
成物は、鋼中Al濃度〔Al〕が高い場合にはAl2O3
含有量が高い介在物となり、Al2O3単独の介在物
あるいはスラグが巻込まれて発生した介在物中の
MgOと反応してスピネル系の介在物(MgO―
Al2O3)を生成し易く、そのため圧延後の鋼中介
在物も粒状介在物として存在することになる。一
方〔Al〕が低い場合にはAl2O3含有量が少ない主
としてMnO―SiO2―Al2O33元系介在物となり、
そのため圧延時に塑性変形して粒状介在物は稀と
なる。ところがこの場合鋼中酸素濃度〔O〕が著
しく高くなることがある。特にオーステナイト系
ステンレス鋼のごとき高Cr含有鋼においては
〔O〕の活量係数が小さいため、鋼中に残留溶解
している〔O〕が同程度の〔Si〕含有量の普通鋼
の6倍以上の〔O〕となる。すなわち普通鋼の場
合の6倍以上の二次脱酸生成物が生じることにな
るから、鋼中に残留する介在物の総量を規制して
清浄度を良好に保つ必要性がオーステナイト系ス
テンレス鋼では特に高くなる。このような理由か
らこの発明の方法はオーステナイト系ステンレス
鋼に適用した場合に最も顕著な効果が期待される
のである。 次にこの発明の方法において調整すべき最終ス
ラグ成分について説明する。 まずスラグ中SiO2含有量(SiO2)については、
(SiO2)が高過ぎればスラグが粘稠となつて溶鋼
との反応性が不良となる。一方(SiO2)が低過ぎ
る場合には他のスラグ成分の含有量の変化に応じ
てスラグの特性が変化し易くなり、例えばMgO
含有量が高くなればスラグの流動性が失なわれる
などの問題が生じ、目的とする介在物組成(主と
してMnO―SiO2―Al2O33元系介在物)が得られ
なくなるおそれがある。これらの観点から
(SiO2)は34〜53%の範囲とした。 CaO含有量(CaO)は、55%を越えれば
(SiO2)の場合と同様にスラグの流動性が低下し
て溶鋼との反応性が低下し、一方35%未満では
(SiO2)の場合と同様にスラグ中の他の成分の影
響を受け易くなるに加えて、(CaO)と(SiO2
の比(CaO)/(SiO2)を後述するような適切な
範囲に保つことが困難となる。したがつて
(CaO)は35〜55%の範囲とする。 (CaO)/(SiO2)の濃度比は、スラグ中の
SiO2活量aSiO2の値に影響を及ぼすから、Si脱酸
作用、ひいては鋼中の酸素量〔O〕に影響を及ぼ
す。(CaO)/(SiO2)の値が小さければ〔O〕
が高くなり、その結果介在物量が多くなつて鋼の
清浄度が低下する。本発明者等の実験によればオ
ーステナイト系ステンレス鋼における圧延材の清
浄度(学振法による介在物面積率d(%))と
(CaO)/(SiO2)の値との関係は第1図に示す
ように表わされ、特に(CaO)/(SiO2)の値が
0.85よりも小さくなれば著しく清浄度が悪化する
ことが判明した。一方(CaO)/(SiO2)の値が
大きくなれば第1図に示すように鋼の清浄度は良
好となるが、その反面、その値が過大となれば非
金属介在物中のAl2O3濃度が高くなつて、圧延材
中の介在物中に占める粒状介在物の比率が高くな
る。本発明者等のオーステナイト系ステンレス鋼
における実験によれば、第2図に示すように特に
(CaO)/(SiO2)の値が1.25を越えれば圧延材中
の粒状介在物の比率が急激に高くなることが判明
した。介在物中のAl2O3濃度が高くなる原因は、
(CaO)/(SiO2)の値が1.25を越えて大きくなれ
ば〔O〕が著しく低くなり、それに伴つてスラグ
や耐火物中のAl2O3が一旦溶鋼中に溶解し、これ
が引続く温度降下を伴う過程で再び酸化物となつ
て析出して介在物中に混入するためであると考え
られる。したがつて(CaO)/(SiO2)の値は上
限を1.25、下限を0.85とした。 スラグ中のMnO含有量(MnO)は鋼中〔O〕
の管理に極めて重要な要素である。すなわち前述
のスラグ中SiO2活量aSiO2の値はスラグ中の他の
成分の濃度にも影響されるから、前述の
(CaO)/(SiO2)濃度比の制御だけでは充分な
脱酸管理を行うことは困難であるが、これに対し
てスラグ中(MnO)は鋼中〔O〕により直接的
に作用する。本発明者等がオーステナイト系ステ
ンレス鋼についてスラグ中(MnO)と鋼中酸素
量〔O〕との関係を調べたところ、第3図に示す
結果が得られた。すなわち、(MnO)が0.2%よ
り低い場合には鋼中〔O〕が低くなり過ぎて、前
述のように介在物中のAl2O3濃度が高くなり、圧
延材中の粒状介在物量が多くなる。一方
(MnO)が5%を越えれば鋼中〔O〕が高くなり
過ぎて前述のように鋼の清浄度が低下する。した
がつて(MnO)は0.2〜5%の範囲とする必要が
ある。このように(NnO)を管理することによ
つて、鋼中〔O〕が適切に調節され、その結果介
在物中のAl2O3含有量を少なくすると同時に鋼の
清浄度を良好にすることが可能となつたのであ
る。 一方スラグ中のAl2O3含有量(Al2O3)は、その
量が過大となれば、圧延材中における粒状介在物
が増大する。本発明者等のオーステナイト系ステ
ンレス鋼における実験によれば、第4図に示すよ
うに(Al2O3)が8%を越えれば圧延材中の粒状
介在物数が急激に増大することが確認された。し
たがつて(Al2O3)は8%以下に規制する必要が
ある。なお第4図に示すように(Al2O3)が0.4%
以下となれば圧延材中の粒状介在物数が再び増加
してしまうことがある。その原因は介在物が実質
的にAl2O3を含有しないものとなつて逆に熱間圧
延時に変形し難くなるためであると思われる。し
たがつて(Al2O3)は0.4%以上とすることが望ま
しい。 またこのほか、スラグ中のMgOはAl2O3と結合
してスピネル系化合物を生成し、粒状介在物を発
生し易いから、スラグ中MgO含有量(MgO)は
低値に抑えることが望ましい。本発明者等の実験
によれば、(MgO)が15%以下であれば粒状のス
ピネル系介在物の発生が少なくなつて実質上無害
となることが判明した。したがつて(MgO)は
15%以下に抑えることが望ましい。 次に本発明方法において溶鋼と接触させるスラ
グの量について説明すると、スラグ量が少な過ぎ
る場合には溶鋼とスラグとの反応が進むにしたが
つてスラグ組成が変化し易く、目標とする前述の
ようなスラグ組成に調整維持することが困難とな
り、その結果鋼中の〔Al〕と〔O〕の調節が難
かしくなる。一方スラグ量が多過ぎれば耐火物の
損傷が著しくなつて耐火物寿命が短かくなり、経
済的不利益を招く。これらの理由からスラグ量は
溶鋼1トン当り2〜100Kgが適当である。 この発明の方法においては上述のようなスラグ
組成の調整およびスラグ量の規制のみならず、処
理中の温度管理も極めて重要である。すなわち、
スラグと溶鋼との接触処理開始時点から接触処理
終了時点までの温度降下量を10℃以上に制御する
必要がある。このような温度降下に伴つて溶鋼中
から二次脱酸生成物が析出され、これにより鋼中
に溶解状態で存在する〔Al〕が減少し、その結
果、その後の過程で析出する生成物中のAl2O3
有量が少なくなる。さらに、温度降下に伴つて析
出した二次脱酸生成物が溶鋼中に浮遊している主
にAl2O3系の一次脱酸生成物(ここで一次脱酸生
成物とは、温度降下以前に既に存在した介在物を
意味する)と合体してその浮上分離が促進され、
また浮上分離されない一次脱酸生成物も二次脱酸
生成物との合体によりAl2O3含有量が少なくな
る。したがつて最終的に鋼塊中に残る非金属介在
物のAl2O3含有量が少なくなり、圧延材中の粒状
介在物が少なくなるのである。このような効果を
確実に得るためには、溶鋼がスラグと接触してい
る間に少くとも10℃温度降下する必要がある。 また、処理終了時の溶鋼温度は、1600℃以下、
より最適には1570℃以下とすることが望ましい。
処理終了時の溶鋼温度が高過ぎれば、処理終了時
の溶鋼中酸素含有量〔O〕が高過ぎ、そのため製
品中の非金属介在物の総量が高くなつて鋼の清浄
度が不良となる。 一方処理開始時には、処理中の温度降下に伴う
二次脱酸生成物の析出を充分に行なわせるため、
溶鋼温度を1600℃以上の高温とすることが望まし
い。1600℃以上であれば溶鋼中に存在する〔O〕
が充分に高く(通常は100ppm以上)、そのため
処理中の温度降下により充分な量の二次脱酸生成
物が析出されて、前述の温度降下による効果が充
分に得られる。 結局、処理時の温度管理は、処理開始時の温度
を1600℃以上の高温とし、処理中の温度降下量を
10℃以上とし、処理終了時の温度を1600℃以下、
望ましくは1570゜以下とするのが適当である。 前述のような組成にスラグを調整する具体的手
段は任意であり、要は転炉等の精錬炉から混入し
た既存スラグの成分および量、耐火物の損傷によ
り混入する成分および量、さらには溶鋼の酸化に
より発生する成分(主としてSiO2)および量を考
慮して、処理終了時の組成が前記範囲となるよう
に処理時に添加する造滓材の成分、量を決定すれ
ば良い。換言すれば、精錬開始(処理開始)にあ
たつて添加する造滓材の種類(成分)と量は、既
存スラグの成分、量を勘案し、その後の精錬中に
生成するSiO2量(推算値)と、目標とする最終
スラグ組成に応じて決定できる。なお添加する造
滓材は、処理開始時またはその直前に一括投入し
ても良いが、スラグ組成は処理中に漸次変化する
から、処理中にスラグ性状を観察し、あるいはス
ラグを分析して、適正組成となるように造滓材を
追加調整することが望ましい。 この発明の方法を実施するにあたつては、スラ
グと溶鋼とを充分に接触させるため、溶鋼を何等
かの手段により撹拌することが望ましい。そのた
めの手段としては例えば後述する実施例で示すよ
うに、底部にポーラスプラグまたは羽口等の流体
吸込装置、すなわち底吹き装置を設けた取鍋等の
容器を用い、アルゴンガス等の不活性ガスを前記
底吹き装置から溶鋼中に吹込んで溶鋼を撹拌すれ
ば良い。この場合、充分に撹拌するためには、底
吹きガス流量を溶鋼1トン当り少くとも1Nl/
min以上とすることが望ましい。なお不活性ガス
吹込みによる撹拌は真空雰囲気下で行なうことが
望ましいが、場合によつては大気圧下、例えば不
活性ガス雰囲気の大気圧下で行つても良い。また
造滓材の添加方法としては、粉末状の造滓材を不
活性ガス等の搬送ガスとともに溶鋼中に吹込むい
わゆるインジエクシヨン法を採用しても良く、こ
の場合には造滓材の添加と同時に溶鋼とスラグと
の撹拌が行なわれることになる。 なおこの発明の方法においては、最終スラグ組
成が前述のようにCaO35〜55%、SiO234〜53
%、MnO0.2〜5%、Al2O38%以下となれば良い
のであるが、実際の操業にあたつては、処理終了
の5分以上前にはこの組成範囲となつていること
が望ましい。また処理開始時のスラグ組成は上述
の最終スラグ組成範囲に限定されないが、その最
終スラグ組成範囲に近いことが望ましい。 以下にこの発明の実施例および比較例を記す。 実施例 SUS 301鋼種のオーステナイト系ステンレス鋼
を溶製するにあたり、50トン取鍋にて酸化精錬し
た後、脱酸剤とともに溶鋼1トン当りCaO18Kgお
よびSiO212Kgの造滓材(但し不純物として造滓
材1トン当りAl2O32.5Kg、Fe酸化物0.8Kgが含ま
れる)を添加し、取鍋底部の底吹き装置からアル
ゴンガスを溶鋼1トン当り4.5Nl/min吹込み、
約10分間溶鋼およびスラグを激しく撹拌した。但
し前記造滓材添加前には溶鋼1トン当り17Kgの既
存スラグが存在し、またその既存スラグの組成は
CaO14.8%、SiO238.7%、MgO23.7%その他であ
つた。 上記実施例による処理前後の溶鋼成分および溶
鋼温度を第1表に示し、また処理終了時の最終ス
ラグ組成を第2表に示す。第1表から溶鋼中
〔Al〕は18ppmの低値であり、〔O〕も48ppmに
低下しており、また第2表から最終スラグ組成が
この発明の範囲内となつていることが明らかであ
る。 さらに、上述の実施例により処理された溶鋼を
鋼塊とし、5mmの板厚に熱間圧延して、その圧延
材中の非金属介在物を調べたところ、そのほとん
どがAl2O3を5〜20%程度含有するMnO―Al2O3
―SiO2系のものであり、またそのほとんどが圧
延方向に細く延びていた。すなわち圧延方向に対
し直交する方向の幅dと圧延方向に沿つた長さl
との比d/lが0.3以上の粒状に近い非金属介在
物の全非金属介在物に占める比率を調べたとこ
ろ、第1表に示すようにわずかに2.8%であつ
た。一方、その圧延材の清浄度を調べたところ、
0.052%と充分に低い値であつた。 比較例 1 造滓材として溶鋼1トン当りCaO19Kg、
SiO27.5Kgを添加した以外は実施例とほぼ同じ条
件で実施例とほぼ同じ成分の溶鋼を処理した。そ
の結果処理終了時のスラグは(CaO)/
(SiO2)の値が1.43となり、この発明の範囲を外れ
た。そのため非金属介在物としてはAl2O3―MgO
系とAl2O3―SiO2―MgO―CaO系の2種類が多く
現われ、厚さ5mmの熱間圧延材中における粒状介
在物比率は15%に達した。なおこの場合清浄度は
0.039%と良好であつた。 比較例 2 溶鋼の温度条件以外は実施例とほぼ同じ条件で
実施例とほぼ同じ成分の溶鋼を処理した。すなわ
ち処理開始時の温度は1599℃、処理終了時の温度
は1593℃、処理中の温度降下量は6℃であつた。
その結果非金属介在物のAl2O3含有量が高く、粒
状介在物比率は8%に達した。 比較例 3 実施例とほぼ同じ成分の溶鋼を酸化精錬後、一
旦除滓した。次いでCaOとSiO2をほぼ等量配合
した合成滓を溶鋼1トン当り約1.9Kg添加し、取
鍋底部の底吹き装置からアルゴンガスを実施例と
同様な条件で吹込んでスラグと溶鋼を約10分間撹
拌した。処理後のスラグ量はさらに減少して半量
程度となり、この発明のスラグ量範囲よりも著し
く少なくなつた。またスラグ組成が添加スラグと
大幅に変化して、処理終了時のスラグの
(CaO)/(SiO2)は0.65とこの発明の範囲を外
れ、またスラグ中(MgO)も24.3%と著しく増
大していた。その結果造塊および熱間圧延後の5
mmの圧延材中の介在物量は清浄度0.112%と著し
く高い値となつた。 上述の実施例および比較例からこの発明の方法
によれば圧延材中の粒状介在物が少なくしかも清
浄度が高い鋼を得ることができることが明らかで
ある。
【表】
【表】
【表】 以上のようにこの発明の脱酸方法によれば、最
終スラグ組成が適切な範囲内となるように調整し
て、所定量のスラグを溶鋼と接触させ、かつその
接触処理中における温度降下量を10℃以上とする
ことによつて、鋼中の非金属介在物をAl2O3含有
量が少ない延伸性の良好なものに制御できると同
時に鋼中非金属介在物総量を少なくして清浄度を
良好にすることができる顕著な効果が得られる。 なおこの発明の方法は前述のように薄板バネ材
用オーステナイト系ステンレス鋼に適用した場合
に極めて優れた効果を得ることができるが、それ
に限らず要は鋼中非金属介在物が細長く延びた極
めて微細なものであることを必要とする鋼種の製
造にすべて適用できることは勿論である。例えば
厚みが0.2mm程度以下となる各種用途の極薄板
材、あるいは直径0.2mm程度以下の極細線材の製
造等に適用でき、また電子部品等に使用される高
Ni合金薄板の製造や、液化ガス貯槽用の高Ni鋼
薄板の製造等にも適用可能である。さらには、薄
板材用の鋼のみならず、軸受鋼等においても粗大
な粒状介在物による疲労寿命の低下を防止でき
る。
【図面の簡単な説明】
第1図はスラグ中の(CaO)/(SiO2)の濃度
比と圧延材の清浄度との関係を示す相関図、第2
図はスラグ中の(CaO)/(SiO2)の濃度比と圧
延材中における介在物中に占める粒状介在物の存
在比率との関系を示す相関図、第3図はスラグ中
のMnO含有量(MnO)と溶鋼中の酸素含有量
〔O〕との関係を示す相関図、第4図はスラグ中
のAl2O3含有量(Al2O3)と熱間圧延材中の粒状介
在物個数との関係を示す相関図である。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 処理終了時の最終スラグ中におけるCaO含有
    量が35〜55%(重量%、以下同じ)、SiO2含有量
    が34〜53%、MnO含有量が0.2〜5%、Al2O3
    有量が8%以下となりしかもその最終スラグにお
    けるCaO含有量とSiO2含有量との比(CaO)/
    (SiO2)が0.85〜1.25の範囲内となるようにスラグ
    成分を調整して、溶鋼1トンあたり2〜100Kgの
    スラグを溶鋼に接触させて溶鋼を処理し、しかも
    その処理開始時点と処理終了時点との溶鋼温度差
    が10℃以上となるように溶鋼の温度降下を生ぜし
    めることを特徴とする溶鋼の脱酸方法。 2 処理開始時点の溶鋼温度を1600℃以上とする
    特許請求の範囲第1項記載の溶鋼の脱酸方法。 3 処理終了時点の溶鋼温度を1600℃以下とする
    特許請求の範囲第1項記載の溶鋼の脱酸方法。 4 処理終了時点の溶鋼温度を1570℃以下とする
    特許請求の範囲第3項記載の溶鋼の脱酸方法。 5 処理終了時の最終スラグ中におけるMgO含
    有量を15%以下とする特許請求の範囲第1項記載
    の溶鋼の脱酸方法。 6 処理すべき溶鋼を収容する容器として底部に
    流体吹込み用の底吹き装置を設けた容器を用い、
    その底吹き装置から不活性ガスを吹込んでスラグ
    と溶鋼を撹拌させることによりスラグと溶鋼との
    接触処理を行う特許請求の範囲第1項記載の溶鋼
    の脱酸方法。 7 前記不活性ガスの吹込みによる撹拌を真空雰
    囲気下で行う特許請求の範囲第6項記載の溶鋼の
    脱酸方法。 8 粉体状のスラグを搬送ガスとともに溶鋼中に
    吹込んでスラグと溶鋼との接触処理を行なう特許
    請求の範囲第1項記載の溶鋼の脱酸方法。 9 オーステナイト系ステンレス鋼バネ材溶鋼の
    製造に適用する特許請求の範囲第1項記載の溶鋼
    の脱酸方法。
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