JP2000001716A - 含クロム鋼の溶製方法 - Google Patents

含クロム鋼の溶製方法

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JP2000001716A JP17127998A JP17127998A JP2000001716A JP 2000001716 A JP2000001716 A JP 2000001716A JP 17127998 A JP17127998 A JP 17127998A JP 17127998 A JP17127998 A JP 17127998A JP 2000001716 A JP2000001716 A JP 2000001716A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 含クロム鋼の溶製に際し、ガス吹き込みを行
わなくても連続鋳造時におけるノズルの詰まりを防止す
ると共に、製品板において、介在物に起因した表面欠陥
や錆の発生を防止する。 【解決手段】 脱炭処理後の含クロム溶鋼に対し、Alに
よる脱酸処理を行わず、まず溶鋼中Si量が0.15〜1.0 wt
%となるようにSiを添加し、ついで溶鋼中Ti量が0.008
〜0.5 wt%となるようにTiを添加し、ついで溶鋼中Ca量
が0.0005〜0.0050wt%となるようにCaを添加することに
より、溶鋼中の脱酸生成物に起因した介在物を、Ti酸化
物、CaOおよびSiO2からなる複合酸化物主体のものとす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、含クロム鋼の溶
製方法に関し、とくに溶鋼中の脱酸生成物に起因した酸
化物系介在物の組成を適正に改質することによって、連
続鋳造におけるノズル詰まりの発生を効果的に防止する
と共に、介在物を鋼中で微細に分散化させて巨大クラス
ター状介在物の生成を抑制し、かつ発錆の起点としての
酸化物系介在物を無害化することにより、含クロム鋼材
について、その表面性状の有利な改善を図ろうとするも
のである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼の脱酸方法としては、一般
にAlを用いて脱酸する方法またはSiを用いて脱酸する方
法が採用されている。Alで脱酸する場合、ガス攪拌や真
空脱ガス装置を用いて生成酸化物を凝集、合体させ、浮
上分離を促進する方法が取られているが、鋳片には不可
避的にAl2O3酸化物が残留する。しかも、このAl2O3
クラスター状の形状を取ることから、溶鋼に対する見か
け比重が小さく、浮上分離しにくいため、鋼中には数 1
00μm以上の大きさのクラスター状介在物が残留する。
【0003】この Al2O3クラスターが、連続鋳造のモー
ルド内で鋳片表層部に捕捉された場合、表面清浄が損な
われ、ヘゲやスリーバのような表面欠陥の生成を余儀な
くされる。また、Al脱酸で生成した固相の Al2O3は、連
続鋳造においてタンディッシュからモールドへ注入する
ために使用する浸漬ノズルの内壁に付着堆積し、該ノズ
ルの閉塞を引き起こし易い。このようなノズル詰まりの
防止対策としては、ノズル内にArガス等を吹き込む方法
が取られているが、この場合には、吹き込まれたガスが
鋼中に残留し、介在物と合体して欠陥不良となるおそれ
が大きい。
【0004】上記したような、アルミナに起因した問題
の解決策として、アルミキルドした溶鋼中にCaを添加し
てCaO, Al2O3 からなる酸化物組成とする方法が知られ
ている(例えば特開昭61−276756号公報、特開昭58−15
4447号公報および特開平6−49523 号公報等)。この方
法におけるCaの添加効果は、 Al2O3とCaを反応させて、
CaO・Al2O3 や12CaO・7Al2O3, 3CaO・Al2O3 等を主成
分とする低融点の酸化物複合体を形成させるところにあ
る。しかしながら、溶鋼中へCaを添加すると、このCaが
鋼中のSと反応してCaSを形成し、このCaSが発錆の原
因となる。また、ステンレス鋼において特に重要な特性
である耐食性に関してもその劣化が懸念される。
【0005】この点、特開平6−559 号公報では、錆の
発生を防止するために、鋼中に残留するCa量を5ppm 以
上、10ppm 未満とすることを提案しているが、たとえCa
量を10ppm 未満に制限しても、鋼中に残留する酸化物の
組成が適正でない場合、特にCaO濃度が50wt%以上の場
合には、酸化物中のSの溶解度が増加することから、温
度低下時や凝固時にCaSが介在物周囲に生成するため、
このCaSが起点となって錆が発生し、製品板において表
面性状の劣化が免れない。また、このような発錆点が残
留したままメッキあるいは塗装のような表面処理を施し
た場合には、処理後に表面ムラが生じる。
【0006】また、介在物中のCaO濃度が低く、Al2O3
濃度が高い場合、特にAl2O3 濃度が70%以上の場合に
は、介在物の融点が高くなり、かつ介在物同志が凝集し
易くなるため、連続鋳造時にノズル詰まりが発生し易く
なる。しかも、その影響を受けて、薄鋼板においてはヘ
ゲやスリバーが発生し、表面性状を著しく悪化する等の
問題がある。
【0007】上述したとおり、Alによる脱酸では問題が
多いことから、近年、含Ti極低炭素冷延鋼板の製造にお
いては、Alを添加せず、Tiで脱酸した薄鋼板の需要が高
まってきている。Ti脱酸の場合、Al脱酸に比べると、到
達酸素レベルが高く、また介在物量も多いけれども、Al
脱酸した場合に生成するクラスター状の酸化物は生成し
にくく、大きさが5〜50μm 程度の酸化物が分散した状
態で存在するので、薄鋼板においてクラスター状の介在
物に起因した表面欠陥は減少する。しかしながら、Al≦
0.005 wt%の低Al溶鋼では、Ti濃度が 0.010wt%以上の
場合、Ti酸化物は溶鋼中に固相状態で存在するため、地
金を取り込んだ形でタンディッシュノズルの内面に付着
・堆積し、ノズルの閉塞を引き起こす。
【0008】上記の問題を解決するために、特開平8−
281391号公報では、AlレスTi脱酸鋼において、タンディ
ッシュノズルの閉塞防止を目的として、ノズルを通過す
る溶鋼の酸素量を制限して、ノズル内面に成長する Ti2
O3の成長を防止する方法を提案している。しかしなが
ら、Ti脱酸鋼の場合、酸素濃度は30ppm 程度であるた
め、この場合には連続して 800 ton程度の溶鋼しか鋳造
できず、また、閉塞の進行と共にモールド内の湯面のレ
ベル制御が不安定になることから、根本的な解決にはな
っていない。
【0009】また、特開平8−281390号公報には、Alレ
スTi脱酸鋼において、タンディッシュノズルの閉塞を防
止するために、溶鋼中におけるSi濃度を適正化して介在
物をTi2O3−SiO2系にすることによって、ノズル内面に
付着堆積する Ti2O3の成長を防止する方法が提案されて
いる。しかしながら、単にSi濃度を増加しても介在物中
にSiO2を含有させることは難しく、少なくとも(%Si)
/(%Ti)>50を満足するように成分調整しなければな
らない。
【0010】従って、鋼中のTi濃度が 0.010wt%の場
合、SiO2−Ti酸化物を得るためには、Si濃度は 0.5wt%
以上とする必要がある。しかしながら、Siの増加は材質
の硬化を招き、また、めっき性の劣化を招く。このよう
に、Si濃度を増加させることは、鋼板の材質や表面性状
への悪影響が大きく、従って根本的な解決手段とはなっ
ていない。
【0011】さらに、特公平7−47764 号公報には、M
n:0.03〜1.5 wt%、Ti:0.02〜1.5wt%となるように脱
酸することによって、MnOを17〜31wt%を含有するMnO
−Ti酸化物からなる低融点の介在物を形成することから
なる非時効性冷延鋼板が提案されている。この提案の場
合、上記MnO−Ti酸化物は低融点であり、溶鋼中では液
相状態となっているため、溶鋼がタンディッシュノズル
を通過してもノズルに付着することなくモールドに注入
され、従ってタンディッシュノズルの閉塞を効果的に防
止することができる。しかしながら、森岡泰行ら:鉄と
鋼,81 (1995), p.40 に記載されているように、MnOを
17〜31%含有したMnO−Ti酸化物を得るためには、Mn,
Tiの酸素との親和力との違いから、溶鋼中のMnとTiの濃
度比を(%Mn)/(%Ti)>100 にする必要がある。
【0012】従って、鋼中のTi濃度が 0.010wt%の場
合、所要のMnO−Ti酸化物を得るためには、Mn濃度は
1.0wt%以上とする必要がある。しかしながら、Mn含有
量が1.0 wt%を超えると材質の硬化を招く。従って、介
在物を、MnOを17〜31%含有したMnO−Ti酸化物にする
ことは、実際上、極めて難しい。
【0013】その他、特開平8−281394号公報には、Al
レスTi脱酸鋼において、タンディッシュノズルの閉塞防
止策として、ノズル材質を CaO・ZrO2粒を含有する材質
とし、溶鋼中の Ti3O5がノズルに捕捉された場合に、Ti
O2−SiO2−Al2O3 −CaO−ZrO2系の低融点介在物とする
ことによって、付着物の成長を防止する方法が提案され
ている。しかしながら、この方法は、溶鋼中の酸素濃度
のバラツキによる変動が大きく、酸素が高い場合には、
付着介在物はTiO2濃度が高く十分に低融点化されないた
め、閉塞が改善されず、一方酸素濃度が低い場合には、
ノズルが溶損する問題があり、やはり十分な解決策とは
なっていない。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、上述した
現状に鑑み開発されたもので、含クロム鋼の溶製に際
し、第1に連続鋳造時のノズルの詰まりを防止するこ
と、第2に欠陥の原因となり易いArガスを用いずに鋳造
を達成すること、第3にクラスター状介在物による製品
欠陥を防止すること、第4に介在物を起点とした発錆を
有利に解決すること、を目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】さて、発明者らは、上記
の目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、溶製時、
鋼中に生成する脱酸生成物に起因した酸化物系介在物の
組成を特定の範囲に調整すれば、上記の目的を有利に達
成できること、またかような特定組成の酸化物系介在物
とするには、脱酸剤成分の添加順序が重要であることの
知見を得た。この発明は、上記の知見に立脚するもので
ある。
【0016】すなわち、この発明の要旨構成は次のとお
りである。 1.Crを5〜50wt%含有する鋼を溶製するに当たり、溶
鋼を脱炭処理したのち、Alによる脱酸処理を行わず、ま
ず溶鋼中Si量が0.15〜1.0 wt%となるようにSiを添加
し、ついで溶鋼中Ti量が 0.008〜0.5 wt%となるように
Tiを添加し、ついで溶鋼中Ca量が0.0005〜0.0050wt%と
なるようにCaを添加することにより、溶鋼中の脱酸生成
物に起因した介在物を、Ti酸化物、CaOおよびSiO2から
なる複合酸化物主体のものとすることを特徴とする含ク
ロム鋼の溶製方法。
【0017】2.上記1において、Si添加による脱酸後
のスラグ中の(T.Cr)を3wt%以下にすることを特徴と
する含クロム鋼の溶製方法。
【0018】3.上記1または2において、SiおよびTi
の添加を、攪拌動力密度が10 W/ton以上の溶鋼攪拌下で
行うことを特徴とする含クロム鋼の溶製方法。
【0019】4.上記1〜3のいずれかにおいて、複合
酸化物中におけるCaO量が5〜50wt%、Ti酸化物量がTi
O2換算で20〜90wt%、SiO2量が70wt%以下であることを
特徴とする含クロム鋼の溶製方法。
【0020】
【発明の実施の形態】さて、発明者らは、溶製時、鋼中
に生成した脱酸生成物に起因した酸化物系介在物が、低
融点で、クラスター状の巨大な介在物とならず、また錆
の発生起点ともならないような介在物組成を解明すべ
く、数多くの実験と検討を重ねた結果、このような介在
物としては、主にTi酸化物、CaOおよびSiO2からなる複
合酸化物形態のものが極めて有効であることを究明し
た。
【0021】解明された酸化物系介在物の好適組成範囲
を、Ti酸化物−CaO−SiO23元状態図で、図1に示す。
図1に示したとおり、この発明の目的を達成できる酸化
物系介在物の好適組成範囲は、Ti酸化物(TiO2換算):
20〜90wt%、CaO:5〜50wt%、SiO2:70wt%以下であ
る。
【0022】ここに、酸化物中のTi酸化物濃度が90wt%
を超えたり、CaO濃度が5wt%に満たない場合には、介
在物の融点が十分に低下せず、鋼中でクラスター状には
ならないものの、ノズル内面に付着し閉塞の原因となり
易い。従って、Ti酸化物濃度は90wt%以下、CaO濃度は
5wt%以上とすることが好ましい。特に望ましくは、Ti
酸化物濃度:80%以下、CaO濃度:10wt%以上である。
しかしながら、介在物中のCaOの濃度が50wt%を超える
と、介在物中に硫黄を含有し易くなるため、溶鋼温度が
低下し凝固する際に、介在物の周囲にCaSが生成し、鋼
板での発錆の起点となるおそれが大きい。また、耐食性
の劣化が懸念される。従って、介在物中のCaO濃度は50
wt%以下にすることが好ましい。一方、Ti酸化物濃度が
20wt%に満たないと、Ti脱酸ではなく、Si脱酸となり、
SiO2濃度が高まってノズル詰まりが発生するおそれが大
きくなるので、介在物中のTi酸化物濃度は20wt%以上と
することが好ましい。特に望ましくは、CaO濃度:45wt
%さらに、介在物中のSiO2濃度が70wt%を超えると、高
融点組成となり、ノズル閉塞が起き易くなるなどの問題
が生じるので、SiO2濃度は70wt%以下とすることが好ま
しい。より望ましくは50wt%以下である。
【0023】なお、介在物中には、Crを含有する低級酸
化物、あるいはMnOや FeOX およびMgO 等が少量含まれ
る場合がある。しかしながら、大部分は上に述べたSi
O2、Ti酸化物およびCaOの3成分である。従って、低級
酸化物やMnO等を含有する場合であっても、それを除い
たSiO2、Ti酸化物、CaOの組成が、図1の範囲に入って
いれば、この発明の要件を満足する。ここに、Ti酸化物
とは、主にTiO2, Ti2O3, Ti3O5等を意味する。
【0024】ところで、図1に示したような好適組成の
介在物とするには、脱酸剤成分の添加順序が極めて重要
で、Si、Ti、ついでCaの順で添加することが肝要であ
る。なお、上記の成分中、SiおよびTiは、単に脱酸剤と
してだけではなく、合金成分として添加される場合もあ
る。
【0025】以下、脱酸剤成分の添加順序を上記のよう
にした理由およびそれらの好適添加量について説明す
る。従来の脱酸方法で行った場合、例えばAl濃度が0.01
0 wt%を超えるようなAl脱酸を行った場合には、巨大な
Al2O3クラスターが生成し残存することになる。そこ
で、発明者らは、この点に関して研究を行った結果、ま
ずSiを用いて予備脱酸を行ったのち、比較的多量のTiを
添加してTi脱酸を行うと、脱酸生成物が巨大なクラスタ
ー状のものとはならず、5〜20μm 程度に分散した状態
で鋼中に存在することが判明した。
【0026】このように、Siによる予備脱酸を行ったの
ち、Ti合金を添加してTi脱酸を行えば、巨大なクラスタ
ー状を形成しない脱酸が可能となり、また製品板におい
てはクラスター状の介在物に起因した表面欠陥を激減さ
せることができる。ここに、Siの添加量が、溶鋼中にお
けるSi濃度で0.15wt%に満たない場合には十分な予備的
脱酸が行えず、その結果Ti歩留りを安定化させることが
できず、一方 1.0wt%を超えると延性の劣化を招くの
で、Siは溶鋼中におけるSi濃度で0.15〜1.0 wt%となる
量添加する必要がある。また、Tiの添加量については、
溶鋼中におけるTi濃度で 0.008〜0.5 wt%とする必要が
ある。というのは、Ti濃度が 0.008wt%に満たないと介
在物中におけるTi酸化物の量をTiO2換算で20wt%以上と
することが難しく、一方 0.5wt%を超えるとやはり延性
の劣化を生じるだからである。
【0027】また、事前にSiによる予備脱酸を行えば、
迅速に溶鋼中の酸素濃度を低減できる利点もある。すな
わち、Tiのみで脱酸を行った場合には、Tiの酸化力がSi
に比べて弱いため、酸素濃度が安定せず、またTi歩留り
も安定しない。この点、Si添加による予備脱酸後、Ti脱
酸を行えば迅速な脱酸処理が行えるのである。
【0028】しかしながら、このTi酸化物は溶鋼中では
固相状態であり、しかも極低炭素鋼では凝固温度が高い
ために、地金を取り込んだ形で連続鋳造におけるタンデ
ィッシュのノズル内面に付着・堆積し、ノズルの閉塞が
発生し易い。そこで、この発明では、Ti合金で脱酸した
後に、さらに金属Caを含有する原料を添加することによ
って、溶綱中の酸化物組成を、SiO2が70wt%以下、Ti酸
化物が90wt%以下で、かつCaOが5wt%以上の融点の低
いTi酸化物を含有した低融点介在物組成とするのであ
る。その結果、ノズルへの地金を取り込んだTi酸化物の
付着が、効果的に防止されるのである。ここに、Caの添
加量としては、溶鋼中におけるCa濃度で0.0005〜0.0050
wt%とする必要がある。というのは、Ca濃度が0.0005wt
%に満たないと、介在物中におけるCaOの濃度を5wt%
以上とすることが難しいため、その添加効果に乏しく、
一方0.0050wt%を超えると介在物中のCaO濃度が50wt%
以上となり、発錆性の悪化が生じるからである。
【0029】ところで、上記した脱酸処理に際し、同時
にTi歩留りを安定化させるためには、スラグの制御が重
要である。ステンレス鋼などの高合金鋼は、酸化精錬時
に発生する酸化スラグの影響が高く、スラグの活性度を
極力低下させる必要がある。すなわち、ステンレス鋼の
脱炭精錬は、クロムと炭素の競合反応であり、クロムが
必然的に酸化されるため、スラグ中には酸化クロムが残
留する。このスラグが、その後の再酸化に大きく影響
し、結果的にノズル詰まりや品質の劣化を招来する。従
って、高合金鋼においては、スラグの再酸化に関しても
脱酸過程で十分な防止策を取る必要がある。以下、スラ
グの再酸化効果について説明する。
【0030】ステンレス鋼の脱炭においては、酸化精錬
が終了した後に、酸化精錬時に発生した酸化クロムを回
収するため、通常、シリコンまたはアルミニウム等の還
元剤を反応容器内に投入して、スラグの還元を図る。さ
らに、鋳造前の最終工程で、最終成分目標までの脱酸と
その他の成分調整を行う。従って、VODに代表される
二次精錬装置を用いる場合は、VODで酸化精錬を行っ
た後に、酸化クロムの還元を行うと同時に、鋼の脱酸お
よび最終成分調整を行う。一方、AODに代表される転
炉法を使う場合では、AODで最終目標まで脱炭を行っ
た後に、AODで還元を行い、その後AODまたは取鍋
ガスバブリングで最終成分調整を行う。
【0031】この時、上述したチタンを主とする脱酸法
を用いる場合には、酸化クロムを含有するスラグを制御
することが極めて重要となる。すなわち、Tiの制御が重
要となるが、スラグの酸化度が高いと鋳造期間までにTi
の酸化が進み、ノズルの詰まりにつながる。従って、そ
の点に考慮した処理が必要である。すなわち、普通鋼で
は二次精錬として通常はRH脱ガス法を採用し、極低炭
素鋼となるまで二次精錬において最終脱炭を行うことは
周知の事実である。しかしながら、例えばステンレス鋼
に代表される高合金鋼を、RHのようなスラグ−メタル
反応が小さい反応装置を用いて溶製すると、脱炭中に生
じた酸化度の高いスラグを還元することができないの
で、二次精錬後から鋳造用タンディッシュまでの過程で
スラグからの再酸化が生じる。
【0032】チタンを用いた脱酸では、チタンの成分制
御が重要であるが、このスラグからの再酸化がチタンの
成分制御に大きな影響を与える。そこで、この発明で
は、VODに代表されるスラグ−メタル反応速度の大き
い真空脱ガス装置、あるいはAODまたは低炭素濃度域
のみ減圧として最終成分まで脱炭を行う減圧AODを利
用する。いずれにせよ、このようなステンレス鋼にチタ
ンを用いる新しい脱酸制御を行う上では、溶鋼の脱酸を
行う前に十分スラグ中の酸化物を制御することが必要と
なる。
【0033】図2に示すように、まず、溶鋼に予備脱酸
剤としてSiを投入すると同時に強攪拌処理を行い、メタ
ルの脱酸とスラグの還元を十分に行う。すなわち、溶鋼
中の脱酸剤濃度を制御すると同時に、スラグ中の酸化物
を低減する。この時、鋼中におけるSi濃度が 1.0wt%を
超えないように制御する必要があることは前述したとお
りである。また、強攪拌を行うことにより同時にスラグ
中の酸化クロムが低下する。酸化クロム濃度は、その後
のチタンの再酸化を防止するために、少なくとも3wt%
以下、望ましくは1wt%以下となるまで低減しておく。
【0034】ここで、攪拌の程度は、攪拌動力密度で10
W/ton以上とすることが望ましい。なお、攪拌程度が強
ければ強いほど還元には有利となるが、ガスコストある
いは耐火物のスラグラインの損耗、さらにはガス吹き込
み羽口の寿命の点では強攪拌は不利となる。従って、ガ
ス吹き込み量としては 0.2〜5.0 Nl/min/ton(攪拌動力
密度で20〜400 W/ton)程度が最も好適である。
【0035】そして、Si濃度が0.15wt%以上となり、酸
素濃度が低下し、かつスラグが十分に還元されたところ
でチタンを添加する。このチタン添加も、Al添加と同
様、攪拌動力密度≧10 W/tonの強攪拌下で行うことが望
ましい。なお、攪拌時間は、脱酸生成物の浮上時間も考
慮して、最低5分間程度は確保する必要がある。図3
に、予備脱酸時のSi濃度と溶存酸素量との関係について
調べた結果を示す。同図に示したとおり、Si濃度を0.15
wt%以上とすることによって、溶存酸素量を70〜150 pp
m 程度に制御することができる。
【0036】上記のようにして、チタン脱酸が終了した
時点で、他の成分を調整し、二次精錬処理を終了する。
真空下でここまで述べた還元処理等を行った場合には、
ここで大気処理に戻してCa添加を行う。この段階で大気
処理とする理由は、真空下での蒸発を防止し、Ca歩留り
を高めることにある。また、鋼中のTi酸化物と反応させ
て低融点介在物とするためには、極度の攪拌は不要であ
ることが判明したからでもある。AOD等で酸化精錬が
終了する場合は、その後に炉内にFe−Siを投入しスラグ
の還元と同時に予備脱酸を行い、さらにチタンを添加す
れば良いし、スラグの還元が十分に行えていれば、その
後のチタンによる脱酸と最終成分調整およびCa添加を、
バブリングやLF(レードルファーネス)で行うことも
可能である。
【0037】上記のようにして、この発明に従う脱酸処
理を施すことにより、脱酸生成物に起因した酸化物系介
在物を、Ti酸化物−CaO−SiO2系複合酸化物主体のもの
とすることができる。かくして得られた介在物は、大き
さが5〜50μm 程度の低融点介在物であるので、Arガス
等の吹き込みを行わなくても連続鋳造時のノズルの詰ま
りを効果的に防止することができ、またクラスター状介
在物に起因した製品板における表面欠陥や錆発生のおそ
れもない。なお、この発明では、鋼中の全ての介在物
を、上記したTi酸化物−CaO−SiO2系複合酸化物主体の
ものとする必要はなく、少なくとも50%、好ましくは70
%以上がかかる複合酸化物主体のものになっていれば良
い。また、50μm を超える大きさの介在物は、スラグか
モールドパウダーに起因するものであるが、その割合が
多くなると表面欠陥やノズル詰まりの原因となるので、
極力低減することが望ましい。
【0038】次に、この発明で対象とする鋼種について
説明する。この発明は、Crを5〜50wt%の範囲で含有す
る、主用途がステンレス鋼や耐熱鋼である、いわゆる含
クロム鋼を対象とする。ここに、Cr含有量を5〜50wt%
の範囲に限定したのは、Crは耐食性や耐高温酸化性を確
保するのに必要不可欠な元素であるが、含有量が5wt%
に満たないとその添加効果に乏しく、一方50wt%を超え
ると延性や靱性の劣化が著しくなるからである。
【0039】その他の成分の目標範囲は、次のとおりで
ある。 C:0.02wt%以下 特に限定されないけれども、薄鋼板に適用するために
は、0.02wt%以下とすることが望ましい。 Si:1.0 wt%以下 脱酸の面では高い方が有利であるが、過剰に添加すると
延性が劣化する。従って1.0 wt%以下とする必要があ
る。 Mn:1.0 wt%以下 オーステナイト形成元素であり、過剰の添加は高温でγ
相が生成し、最終冷延焼鈍板の延性を劣化させるので、
1.0 wt%以下程度とするのが好ましい。 P:0.05wt%以下 Pは、延性や靱性に有害な元素であり、含有量が0.05wt
%を超えるとその弊害が顕著となるので、0.05wt%以下
程度に制限することが好ましい。 S:0.015 wt%以下 S量が 0.015wt%を超えると、介在物組成を制御したと
しても、溶鋼中でCaSが多くなり、製品である冷延鋼板
において錆が発生し易くなるので、0.015 wt%以下まで
低減することが望ましい。 N:0.02wt%以下 Nも、Cと同様、r値や伸びに有害な元素であり、低け
れば低いほど好ましいが、Ti添加を行う場合でも0.02wt
%を超えるとその悪影響が出るので、0.02wt%以下に抑
制することが好ましい。
【0040】Ti:0.008 wt%以上かつ6×(C+N)以
上、0.5 wt%以下 Tiは、この発明における主要脱酸剤であるだけでなく、
成形加工性の向上に有用な元素である。脱酸剤として
は、少なくとも 0.008wt%の添加が必要であり、また加
工性向上の面からは6×(C+N)以上の添加が必要で
ある。従って、これらの数値のうち大きい値が下限とな
る。一方、上限については、0.5 wt%を超えると延性の
低下を生じるので、0.5 wt%とした。なお、この発明で
は、Alは無添加でSiおよびTiにより脱酸を行うが、Al
は、スラグ中の Al2O3から精錬条件によって溶鋼中に還
元されることもある。従って、Al<0.002 wt%程度の微
量Alが含まれることがある。
【0041】
【実施例】実施例1 180ton上底吹き転炉より出鋼後、VOD真空脱ガス装置
にて処理を行った。なお、出鋼後の溶鋼成分は、C:0.
10wt%、Si:0.15wt%、Mn:0.20wt%、P:0.025 wt
%、S:0.005 wt%およびCr:10.9〜11.2wt%であっ
た。まず、脱炭処理により、C≦0.0050wt%とした。こ
の時、スラグ中のクロム酸化物(T.Cr)は3〜5wt%であ
った。
【0042】この溶鋼中に、Fe−Siを 6.0〜8.0 kg/ton
添加し、Si濃度を0.25〜0.30wt%とした。この処理に要
した時間は約15分であり、終了時点でスラグ中の酸化物
は(T.Cr), (MnO), (FeO)<1.0 wt%となっていた。つい
で、この溶鋼に、70%Ti−Fe合金を 5.5 kg/ton 添加し
て脱酸した。ついで、5分間攪拌後、復圧したのち、溶
鋼中に30%Ca−70%Si−Fe被覆ワイヤーを0.3 kg/ton
添加すると共に、Fe−Si追加などの最終成分調整を行っ
た。処理後のTi濃度は 0.220〜0.330 wt%、Si濃度は
0.320wt%、Ca濃度は5〜29 ppmであった。なお、Si脱
酸、Ti脱酸時は、底吹きガス量:400 Nl/minで処理した
が、その際の攪拌動力密度は 190 W/tonであった。
【0043】次に、1ストランドスラブ連続鋳造装置を
用いて連続鋳造を行った。スラブ厚は200mm 、幅は1000
mmであった。この時、タンディッシュ内の介在物を調査
したところ、40〜75%Ti2O3 −7〜20%CaO−20%SiO2
組成の球状介在物となっていて、全て図1に示した好適
範囲に含まれていた。また、介在物の粒径は2〜70μm
の範囲にわたって分布しており、そのうち50μm 以下が
90%以上で、50μm 以上のものはほとんど観察されなか
った。なお、鋳造はガス吹き込みを一切行わずに実施し
たが、鋳造後の浸漬ノズル内には付着物はほとんど見ら
れなかった。
【0044】実施例2 180ton上底吹き転炉より出鋼後、VOD真空脱ガス装置
にて処理を行った。なお、処理前の溶鋼成分は、C:0.
10wt%、Si:0.15%、Mn:0.20wt%、P:0.025 wt%、
S:0.005 wt%およびCr:16.2%であった。まず、脱炭
処理により、C:0.070 wt%とした。この時、スラグ中
のクロム酸化物(T.Cr)は 2.5wt%であった。
【0045】この溶鋼中に、Fe−Siを 4.7〜5.8 kg/ton
添加して、溶鋼中のSi濃度を0.21〜0.35wt%とした。こ
の処理に要した時間は約10分であり、終了時点でスラグ
中の酸化物は(T.Cr), (MnO), (FeO)<1.0 wt%となって
いた。ついで、この溶鋼に、75%Ti−Fe合金を 1.2 kg/
ton 添加し、脱酸した。ついで、復圧後、溶鋼中に30%
Ca−70%Si−Fe合金ワイヤーを 0.3 kg/ton 添加すると
共に、最終成分調整を行った。処理後のTi濃度は 0.140
〜0.330 wt%、Si濃度は 0.280〜0.450 wt%、Ca濃度は
15〜20 ppmであった。なお、Al脱酸、Ti脱酸時における
攪拌条件は実施例1と同様とした。以下、後述する比較
例1〜3も、同様の攪拌動力密度で攪拌した。
【0046】次に、1ストランドスラブ連続鋳造装置を
用いて連続鋳造を行った。この時、タンディッシュ内の
介在物を調査したところ、40〜75%Ti2O3 −7〜20%Ca
O−20%SiO2組成の球状介在物となっていて、全て図1
に示した好適範囲に含まれていた。また、介在物の平均
粒径は50μm 以下であった。なお、鋳造はガス吹き込み
を一切行わずに実施したが、鋳造後の浸漬ノズル内には
付着物はほとんど見られなかった。
【0047】ついで、上記の2条件で得られたスラブ
を、手入れすることなく、次の条件で熱間圧延を行っ
た。 スラブ加熱温度:1100〜1200℃、加熱時間:30〜90分、
粗7パス、粗仕上げ厚み:25mm、粗圧延終了温度:960
〜1060℃、仕上げ7段ミル、仕上げ厚:3mm、FDT:
800 〜950 ℃、CT:460 〜680 ℃。得られた熱延コイ
ルを、 900〜1000℃で連続焼鈍し、酸洗後、冷間圧延に
より板厚:0.6 mmに仕上げたのち、 870〜1000℃で連続
焼鈍後、酸洗して、冷延焼鈍コイルとした。かくして得
られた冷延コイルにおける非金属介在物に起因した表面
欠陥は、従来のアルミキルド鋼に比べて 0.1〜0.15倍ま
で低減していた。また、発錆程度は、従来のAl脱酸とほ
とんど同じであった。
【0048】比較例1 実施例と同じ上底吹き転炉およびVOD真空脱ガス装置
を用いて処理を行った。なお、出鋼後の溶鋼成分は、
C:0.12wt%、Si:0.17wt%、Mn:0.22wt%、P:0.02
8 wt%、S:0.005 wt%およびCr:11wt%,17wt%の2
水準である。まず、脱炭処理により、C<0.0050wt%と
した。この時、スラグ中のクロム酸化物(T.Cr)は3〜5
wt%であった。この溶鋼中に、Alを 2.2〜3.7 kg/ton添
加し、脱酸処理を行った。ついで、この溶鋼に、70%Ti
−Fe合金を 4.4〜4.7 kg/ton添加し、脱酸した。その
後、溶鋼中に30%Ca−70%Si−Fe被覆ワイヤーを 0.3 k
g/ton 添加すると共に、Fe−Si追加などの最終成分調整
を行った。処理後のTi濃度は0.280, 0.310wt%、Al濃度
は0.020, 0.022wt%、Ca濃度は15, 17 ppmであった。
【0049】次に、2ストランドスラブ連続鋳造装置を
用いて連続鋳造を行った。この時、タンディッシュ内の
介在物を調査したところ、45%CaO−53%Al2O3 −2%
Ti酸化物(11%Crの場合)、48%CaO−37%Al2O3 −15
%Ti酸化物(17%Crの場合)のクラスター状介在物にな
っていることが判明した。また、かかる球状介在物の粒
径は2〜80μm の範囲にわたって分布しており、そのう
ち50μm 以下は80%であった。なお、鋳造は、ガス吹き
込みを一切行わずに行ったが、鋳造後の浸漬ノズル内へ
のアルミナ付着は無かった。
【0050】ついで、実施例と同じ条件で冷延板を製造
したのち、その表面性状について調査したところ、実施
例と比べて、表面欠陥はほほ同等であったものの、発錆
状況はアルミ脱酸鋼に比べて著しく劣化し、500 時間後
の試験では50倍以上の発錆試験結果となった。
【0051】比較例2 実施例と同じ上底吹き転炉およびVOD真空脱ガス装置
を用いて処理を行った。なお、出鋼後の溶鋼成分は、
C:0.10wt%、Si:0.15wt%、Mn:0.20wt%、P:0.02
5 wt%、S:0.005 wt%およびCr:11wt%,17wt%の2
水準である。まず、脱炭処理により、C<0.0050wt%と
した。この時、スラグ中のクロム酸化物(T.Cr)は3〜5
wt%であった。この溶鋼中に、Alを 2.2〜3.7 kg/ton添
加して脱酸処理を行った。ついで、この溶鋼に、70%Ti
−Fe合金を 4.4〜4.7 kg/ton添加して脱酸した。処理後
のTi濃度は0.260, 0.250wt%、Al濃度は0.025, 0.029wt
%であった。なお、スラグ中の酸化物は(T.Cr), (MnO),
(FeO)<1.0 wt%となっていた。
【0052】次に、2ストランドスラブ連続鋳造装置を
用いて連続鋳造を行った。この時、タンディッシュ内の
介在物を調査したところ、95〜98%Al2O3 −2〜5%Ti
2O3のクラスター状介在物(粒径範囲:2μm 〜1mm、5
0μm 以下:約60%)であることが判明した。鋳造に際
し、ガス吹き込みを一切行わずに鋳造したところ、ノズ
ル内へのアルミナの付着が著しく、3チャージ目を鋳造
中にスライディングノズルの開度が増加し、ノズル詰ま
りにより鋳込みの中止を余儀なくされた。また、アルゴ
ンガスを5〜10 l/min吹き込みながら鋳造した場合も、
ノズル内には Ti2O3−Al2O3 の付着物が認められた。そ
の結果、4チャージ目に湯面変動が激しくなり、鋳造を
中止した。また、実施例と同じ条件で冷延板を製造した
が、実施例と比べると、10倍以上の表面欠陥が発生し
た。
【0053】比較例3 実施例と同じ上底吹き転炉およびVOD真空脱ガス装置
を用いて処理を行った。なお、出鋼後の溶鋼成分は、
C:0.10wt%、Si:0.15wt%、Mn:0.20wt%、P:0.02
5 wt%、S:0.005 wt%およびCr:11wt%,17wt%の2
水準である。まず、脱炭処理により、C<0.0050wt%と
した。この時、スラグ中のクロム酸化物(T.Cr)は3〜5
wt%であった。この溶鋼中に、70%Ti−Fe合金を 6.5〜
9.0 kg/ton添加して脱酸した。処理後のTi濃度は0.330,
0.270wt%であった。また、スラグ中の酸化物は(T.Cr)
=2.5wt%であった。
【0054】次に、2ストランドスラブ連続鋳造装置を
用いて連続鋳造を行った。この時、タンディッシュ内の
介在物を調査したところ、88〜92%Ti2O3 −8〜12%Al
2O3のクラスター状介在物(粒径範囲:2〜200 μm 、5
0μm 以下:約60%)であることが判明した。鋳造に際
し、ガス吹き込みを一切行わずに鋳造したところ、ノズ
ル内への介在物の付着が著しく、3チャージ目を鋳造中
にスライディングノズルの開度が増加し、ノズル詰まり
により鋳込みの中止を余儀なくされた。また、アルゴン
ガスを5〜10 l/min吹き込みながら鋳造した場合も、ノ
ズル内には Ti2O3−Al2O3 の付着物が認められた。その
結果、4チャージ目に湯面変動が激しくなり、鋳造を中
止した。また、実施例と同じ条件で冷延板を製造した
が、実施例と比べると、10倍以上の表面欠陥が発生し
た。
【0055】以上、実施例1〜2および比較例1〜3に
述べた溶製処理で得られた溶鋼の成分組成を表1に、ま
たスラグの成分組成を表2に、さらに脱酸処理により得
られた酸化物系介在物の組成、浸漬ノズルにおける介在
物の付着状況、冷延コイルにおける表面欠陥の発生状況
および発錆面積率について調べた結果を表3に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】表3から明らかなように、この発明に従い
溶製した場合には、連続鋳造において、介在物の付着・
堆積に起因したノズル詰まりは全く発生せず、また製品
板においても表面欠陥や錆の発生はほとんど見られなか
った。
【0060】
【発明の効果】かくして、この発明によれば、含クロム
鋼の溶製段階において、脱酸生成物に起因した酸化物系
介在物を、Ti酸化物、CaOおよびSiO2からなる複合酸化
物主体すなわち大きさが5〜50μm 程度で低融点の介在
物に改質することができ、その結果、Arガス等の吹き込
みを行わなくても連続鋳造時におけるノズルの詰まりを
効果的に防止することができ、またクラスター状介在物
に起因した製品板における表面欠陥や錆の発生を格段に
低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に従う、Ti酸化物−CaO−SiO2系複合
酸化物の好適組成範囲を示すTi酸化物−CaO−SiO23元
状態図である。
【図2】この発明に従う脱酸処理中における溶鋼とスラ
グ中の成分の変化を示した図である。
【図3】RH処理後の鋼中Si濃度と溶存酸素量との関係
を示したグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 33/04 C22C 33/04 L // C22C 38/00 302 38/00 302Z 38/28 38/28 (72)発明者 反町 健一 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K013 AA02 AA09 BA02 BA08 BA14 CA01 CA11 CC02 CE06 CE08 CF02 DA03 DA08 DA12 DA13 EA18 EA25 EA28 FA02 FA05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Crを5〜50wt%含有する鋼を溶製するに
    当たり、溶鋼を脱炭処理したのち、Alによる脱酸処理を
    行わず、まず溶鋼中Si量が0.15〜1.0 wt%となるように
    Siを添加し、ついで溶鋼中Ti量が 0.008〜0.5 wt%とな
    るようにTiを添加し、ついで溶鋼中Ca量が0.0005〜0.00
    50wt%となるようにCaを添加することにより、溶鋼中の
    脱酸生成物に起因した介在物を、Ti酸化物、CaOおよび
    SiO2からなる複合酸化物主体のものとすることを特徴と
    する含クロム鋼の溶製方法。
  2. 【請求項2】 Si添加による脱酸後のスラグ中の(T.C
    r)を3wt%以下にすることを特徴とする請求項1記載
    の含クロム鋼の溶製方法。
  3. 【請求項3】 SiおよびTiの添加を、攪拌動力密度が10
    W/ton以上の溶鋼攪拌下で行うことを特徴とする請求項
    1または2記載の含クロム鋼の溶製方法。
  4. 【請求項4】 複合酸化物中におけるCaO量が5〜50wt
    %、Ti酸化物量がTiO2換算で20〜90wt%、SiO2量が70wt
    %以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    に記載の含クロム鋼の溶製方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP3524704A4 (en) * 2016-10-04 2020-03-25 Nippon Yakin Kogyo Co., Ltd. FE-CR-NI ALLOY AND METHOD FOR PRODUCING THE SAME

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