JPH11100611A - 含Ti極低炭素鋼の製造方法 - Google Patents
含Ti極低炭素鋼の製造方法Info
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- JPH11100611A JPH11100611A JP26439597A JP26439597A JPH11100611A JP H11100611 A JPH11100611 A JP H11100611A JP 26439597 A JP26439597 A JP 26439597A JP 26439597 A JP26439597 A JP 26439597A JP H11100611 A JPH11100611 A JP H11100611A
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Abstract
極低炭素鋼の円滑な鋳造を行う方法を提案する。 【解決手段】 C≦0.020 wt%, Si≦0.2 wt%, Mn≦1.
0 wt%, S≦0.050 wt%, Ti≧0.010 wt%を含み、Al≦
(wt%Ti)/5の条件を満足する組成からなる極低炭素Ti脱
酸鋼を製造するに当たり、溶鋼をまず真空脱ガス装置に
よる脱炭処理したのち、Ti含有合金によって脱酸し、そ
の後、脱酸溶鋼中にCa≧10wt%およびREM≧5wt%の1
種または2種とFe, Al, SiおよびTiのうちから選ばれる
1種または2種以上を含有する介在物組成調整用合金を
添加する。
Description
製造方法に関し、とくにAl, Si, Mnの使用が制約される
ような極低炭素Ti脱酸鋼を連続鋳造する際に、タンディ
ッシュノズルにおいてノズル詰まりを起こすことがな
く、また、製品中の非金属介在物性の欠陥が少なく、し
かも、発錆の少ない含Ti極低炭素冷延鋼板を製造する方
法を提案する。
低炭素冷延鋼板は、当初、特公昭44−18066 号公報に開
示されているように、脱ガス後にAlを用いずにFeTiで脱
酸する方式のTi脱酸鋼を製造するものであった。しか
し、近年では、含Ti極低炭素鋼を低コストで安定して製
造するために、Alを0.005 wt%以上添加するAl脱酸鋼が
主流となっている。
拌やRH脱ガス装置において生成する酸化物を凝集, 合
体させて分離浮上を図る方法が取られているが、鋳片に
は不可避的にAlの酸化物 (Al2O3)が残留する。しかも、
残留Al2O3 は、クラスター状の形状になるため、溶鋼に
対する見掛け比重が小さく分離浮上しにくいため、鋼中
には数100 μm以上のクラスター状介在物が残留しやす
くなる。このようにして生成するクラスターがもし、連
続鋳造時に鋳片表層部に捕捉された場合、ヘゲ, スリー
バのような表面欠陥になり、冷延鋼板の表面清浄を損な
うことになる。また、Al脱酸で生成した固相のAl2O
3 は、連続鋳造において、タンディッシュからモールド
へ注入するために使用するイマージョンノズルの内壁に
付着堆積し、ノズルの閉塞を起こすという問題もあっ
た。
があるため、最近では、Alを添加せずTiで脱酸するケー
スも多くなってきている。というのは、Ti脱酸の場合、
Al脱酸に比べると到達酸素濃度が高く、介在物量は多い
が、Al脱酸に比べるとクラスター状の酸化物は生成しに
くく、5〜20μm程度の酸化物が鋼中に分散した状態で
存在するようになるからである。従って、このTi脱酸で
は、クラスター状介在物による表面欠陥は減少する。し
かしながら、Ti濃度が0.010 wt%以上でTi/Al≧5の極
低炭素鋼では、Ti酸化物は溶鋼中では固相状態になるか
ら、連続鋳造時において地金を取り込んだ形でタンディ
ッシュノズルの内面に付着成長する結果、ノズル閉塞の
原因となる。
されているように、C≧0.50wt%の高炭素鋼の場合、Ti
≦0.015 wt%であってもノズル閉塞の発生は少ない。し
かし、C<0.50wt%の極低炭素鋼では、Ti濃度が0.010
wt%にしても脱酸前の初期酸素濃度が高いために生成酸
化物量が多く、かつ凝固温度も高いため、ノズル閉塞が
発生する。とくに、優れた深絞り性を確保のために、0.
010 wt%以上のTiを含有させるような場合、一般には、
タンディッシュノズルの閉塞は避けられないのが実情で
ある。
従来、特開平8−281391号公報では、AlレスTi脱酸鋼に
おいて、タンディッシュノズルの閉塞の防止策として、
ノズルを通過する溶鋼の酸素量を制限することにより、
ノズル内面に成長するTi2O3の成長を防止する方法を提
案している。しかし、Ti脱酸鋼の場合、酸素濃度は30pp
m 程度であり、この場合、800 トン程度までしか鋳造で
きず、また、閉塞の進行とともにモールド内の湯面のレ
ベル制御が不安定になるため、根本的な解決にはなって
いない。
スTi脱酸鋼においてタンディッシュノズルの閉塞の防止
策として、溶鋼Si濃度の適正化と、介在物組成をTi3O5
- SiO2形にすることにより、ノズル内面に成長するTi2O
3 の成長を防止する方法を提案している。しかし、Siの
増加は材質の硬化を招き、また、めっき性が悪化するた
め、望ましい方法とは言えず、ノズル閉塞の防止に対す
る根本的な解決にはなっていない。
0.03〜1.5 wt%、Ti:0.02〜1.5 wt%となるように脱酸
し、鋼中の介在物をMnO :17〜31wt%のMnO −Ti系酸化
物からなる低融点組成の介在物とした非時効性冷延鋼板
を提案している。たしかに、この技術については、溶鋼
中において液相状態である低融点組成のMnO −Ti系酸化
物を介在物として生成させるので、この介在物を含んだ
溶鋼をタンディッシュノズルに通過させてもノズルに付
着することなくモールドに注入でき、タンディッシュノ
ズルの閉塞防止には有効であると言える。
て、MnO を17〜31wt%含有するMnO −Ti系酸化物を得る
ためには、溶鋼中のMn濃度とTi濃度の関係において、Mn
およびTiと酸素との親和力の違いから、溶鋼中のMnとTi
の濃度比を、wt%Mn/wt%Ti≧100 とする必要がある
(森岡泰行, 森田一樹ら:鉄と鋼, 81(1995), p40 ) 。
したがって、鋼中のTi濃度が0.010 wt%の場合、MnO を
17〜31wt%含有するMnO −Ti系酸化物を得るためには、
Mn濃度は1.0 wt%以上が必要となる。しかし、Mn含有量
が1.0 wt%を超えると材質が硬化し、また、Ti含有量が
0.010 wt%未満だと優れた深絞り性が得られないという
問題がある。したがって、介在物を、MnO :17〜31wt%
含有するMnO −Ti系酸化物にすることは、実際には困難
である。
レスTi脱酸鋼において、タンディッシュノズル閉塞の防
止策として、ノズル部材にCaO ・ZrO2粒を含有する耐火
物を用いることにより、溶鋼中のTi3O5 がノズルに捕捉
された場合、TiO2−SiO2−Al 2O3 −CaO −ZrO2系の低融
点介在物となるようにしてその成長を防止する方法を提
案している。しかしながら、この技術では、溶鋼中の酸
素濃度のバラツキにより、酸素が高いと付着介在物中の
TiO2濃度が高くなり、十分に低融点化されないため、ノ
ズル閉塞の改善にはつながらず、一方で酸素濃度が低い
とノズルが溶損する問題があり、十分な対策にはなって
いない。
鋳造時にノズル閉塞を招くことなく含Ti極低炭素鋼の円
滑な鋳造を行う方法を提案する。本発明の他の目的は、
表面清浄に優れた含Ti極低炭素冷延鋼板を提供すること
にある。本発明のさらに他の目的は、発錆が少なく表面
欠陥の少ない自動車用薄鋼板を提供することにある。
抱えている上述した問題点を解決するために実験, 研究
を重ねた結果、以下に述べるような要旨構成で示すこと
ができる含Ti極低炭素鋼の製造方法を開発するに至っ
た。即ち、本発明は、C≦0.020 wt%, Si≦0.2 wt%,
Mn≦1.0 wt%, S≦0.050wt%, Ti≧0.010 wt%を含
み、Al≦(wt%Ti)/5の条件を満足する組成からなる極低
炭素Ti脱酸鋼を製造するに当たり、溶鋼をまず真空脱ガ
ス装置による脱炭処理したのち、Ti含有合金によって脱
酸し、その後、脱酸溶鋼中にCa≧10wt%およびREM ≧5
wt%の1種または2種とFe, Al, SiおよびTiのうちから
選ばれる1種または2種以上を含有する介在物組成調整
用合金を添加することにより、該溶鋼中の酸化物組成を
Ti酸化物が90wt%以下、CaO , REM 酸化物のいずれか少
なくとも1種の含有量が10wt%以上50wt%以下で、Al2O
3 が70wt%以下にすることを特徴とする含Ti極低炭素鋼
の製造方法である。
Ti含有合金による脱酸処理に先立って、Al, Si, Mnのい
ずれかにて予備脱酸することにより、溶鋼中の溶存酸素
濃度を予め200 ppm 以下にすることがより好ましい実施
態様となる。なお、本発明は、不可避に混入するSiO2,
MgOを5wt%以下の範囲内で含有するものであってもよ
い。
するTi脱酸極低炭素鋼を対象とし、とりわけそのTiの含
有量に応じてAlの添加量を調整することにより、介在物
の組成ならびに形態を制御するようにした点に特徴があ
る。
脱酸極低炭素鋼である。この点、上記の範囲を外れる
と、Ti脱酸ではなくAl脱酸となり、Al2O3 クラスターが
大量に生成する。本発明では、介在物をTi酸化物を主体
とした酸化物にて構成し、鋼中に5〜20μm程度の大き
さのTi酸化物が分散した状態で存在させることにより、
冷延用鋼板の介在物性表面欠陥を防止する。
では、C≦0.020 wt%の極低炭素鋼の場合、深絞り性の
確保が難しくなり、また、脱酸素能力が弱く、全酸素濃
度が高くなる。一方、このTi濃度は、TiNの大量の生成
によるイマージョンノズルの防止を図るには、0.15wt%
以下が望ましい。従って、好ましいTi含有量は、Ti=0.
010 〜0.15wt%となる。
が、その脱酸の方法は、まず、Fe−Ti等のTi含有合金に
より溶鋼を脱酸し、主としてTi酸化物からなる介在物を
生成させる。その結果、介在物はAlで脱酸した時のよう
なクラスター状にならず、5〜20μm程度の大きさとな
って鋼中に分散した状態で存在する。これに対しても
し、Al濃度が0.005 wt%を超えるまでAlで脱酸すると、
巨大なAl2O3 クラスターが生成するので、たとえその後
に上記Ti含有合金を添加してTi濃度を増加させても十分
な還元ができず、鋼中にクラスター状介在物として残存
する。このような理由で本発明では、溶鋼をまずTiで脱
酸し、Ti2O4≧80wt%のTi酸化物を生成させる必要があ
る。
のTi酸化物は、5 〜20μm程度の大きさで鋼中に分散し
ていて、クラスター状に巨大化しない。そのため、本発
明法に従って得られる冷延用鋼板においては、クラスタ
ー状介在物による表面欠陥がほとんど見当たらない。し
かしながら、Ti酸化物は溶鋼中では固相状態であり、ま
た、極低炭素鋼は鋼の凝固温度が高いために、連続鋳造
時、このTi酸化物はタンディッシュのノズル内面に地金
を取り込んだ形で成長し、ノズルの閉塞を招く。
脱酸した後に、10wt%以上のCa、5wt%以上のREM(希土
類元素) のいずれか少なくとも1種を含有するFe, Al,
SiおよびTiのうちから選ばれる1種または2種以上を含
有する介在物組成調整用合金を添加し、溶鋼中の酸化物
組成を、Ti酸化物が90wt%以下でCaO , REM酸化物の
1種以上が10wt%以上50wt%以下、Al2O3 が70wt%以下
のTi酸化物を含有する低融点の介在物組成とする。その
結果、タンディッシュノズルへのTi酸化物の付着を効果
的に防止することができるようになる。
調整用合金の組成限定の理由を説明する。まず、図1
は、本発明法の下で溶鋼中に生成させる酸化物の好まし
い組成の範囲を示すものである。この図からわかるよう
に、本発明において、脱酸処理後の溶鋼中に上記介在物
組成調整用合金を添加して介在物制御を行うことによ
り、溶鋼中の介在物 (酸化物) の組成を、Ti酸化物≦90
wt%、CaO , REM 酸化物:10〜50wt%、Al2O3 ≦70wt%
にすることが良いことがわかる。以下にこの点について
さらに詳しく説明する。
Al, Si, Tiのうちの少なくともいずれか一種を含有する
介在物組成調整用合金中のCa濃度が10wt%未満、Ce, La
等のREM が5wt%未満で、酸化物中のTi2O3 濃度が90wt
%以上、CaO , REM 酸化物 (La2O3, Ce2O3等) の濃度が
10wt%未満となり、介在物の融点は充分に低下しない。
その結果、介在物は鋼中においてクラスター状にはなら
ないが、ノズル内面に付着し閉塞の原因となる。
溶鋼中酸化物の組成は、Ti2O3 が80wt%以下、CaO , RE
M 酸化物 (La2O3, Ce2O3等) は10wt%以上にすることが
望ましい。しかし、溶鋼中の介在物中のCaO , REM 酸化
物 (La2O3, Ce2O3等) の濃度が50wt%を超えると、介在
物が液相状態で硫黄を含有しやすくなる。その結果、液
相介在物が固まる際に介在物の周囲にCaS, REM硫化物
(LaS, CeS) を生成し、鋼板での発錆の起点となり、鋼
板の発錆量が著しく増加する知見が得られている。した
がって、介在物中のCaO , REM 酸化物 (La2O3, Ce2O
3等) の濃度は50wt%以下にする必要がある。なお、REM
酸化物 (La2O3, Ce2O3) の比重は他の酸化物に比べ大
きいために、このREM 酸化物が50wt%を超えると介在物
の溶鋼中での浮上性が悪くなり、鋼中の全酸素濃度が高
く、冷延鋼板での清浄性を悪化する。
えると、高融点組成となり、ノズル閉塞が起きるだけで
なく、介在物はクラスター状になり、製品板での非金属
介在物性の欠陥が増加する。
来方法に比べると、Ti合金の歩留りが悪く、しかも、C
a, REM を含有するため介在物組成調整用合金は高価で
ある。このことから、かかる合金の溶鋼中への添加は、
介在物の組成制御が可能な範囲でできるだけ少量で済む
ように行うのが経済的で好ましい。
加前の溶鋼中の溶存酸素濃度を200ppm 以下になるよう
にして予備脱酸する。この予備脱酸は、真空中での溶鋼
攪拌や、脱酸後のAl≦0.005 wt%となるような少量のAl
による脱酸, SiやFeSi, MnやFeMnの添加によって行われ
る。
下に説明する。 C:0.020 wt%を超えると、製品での深絞り性が確保で
きなくなるため、0.020 wt%以下にする必要がある。 Si:0.20wt%を超えると、めっき性が劣化し表面清浄が
悪化するので、0.20wt% 以下にする必要がある。 Mn:1.0 wt%を超えると材質が硬化するので1.0 wt%以
下にした。また、1.0wt%を超えると介在物はTi酸化物
−MnO の低融点組成の介在物となり、本発明のような合
金を添加する必要はなくなる。 S:0.050 wt%を超えると、溶鋼中でCaSやREM 硫化物
が多くなり、深絞り性が確保できないだけでなく、製品
である冷延鋼板において非常に錆が発生しやすくなる。 また、本発明においては、冷延板の材質の必要に応じて
B, Nbの1種または2種をさらに含有することはなんら
問題ない。
脱炭処理し、溶鋼の成分組成を、C=0.0035wt%, Si=
0.02wt%,Mn=0.20wt%, P= 0.015wt%, S= 0.010
wt%、温度を1600℃に調整した。この溶鋼中に、Alを0.
5 kg/トン添加し、溶鋼中の溶存酸素濃度を150 ppm ま
で低下させた。この時の溶鋼中のAl濃度は0.003 wt%で
あった。そしてこの溶鋼に、70wt%Ti−Fe合金を1.2 kg
/トン添加し脱酸した。その後、溶鋼中に20wt%Ca−10
wt%REM −50wt%Ti−Fe合金を0.5 kg/ton添加し、成分
調整を行った。この処理後のTi濃度は、0.050 wt%、Al
濃度は0.003 wt%であった。次に、2ストランドスラブ
連続鋳造装置にて鋳造実験を行った。このときの、タン
ディッシュ内の介在物を調査した結果、65wt%Ti2O3 −
15wt%CaO −10wt%Ce2O3 −10wt%Al2O3 の球状介在物
であった。鋳造後、イマージョンノズル内には付着物は
ほとんどなかった。このスラブを3.5 mmまで熱間圧延
し、0.8 mmまで冷間圧延し、さらに、780 ℃で45sec 間
焼鈍を行った。この焼鈍板には非金属介在物性の欠陥は
0.1 個/1000m 以下のコイルしか認められなかった。ま
た、発錆は、従来のAl脱酸と同じく問題はなかった。
脱炭処理し、C=0.0030wt%, Si=0.02wt%,Mn=0.25
wt%, P= 0.020wt%, S= 0.012wt%に、温度を1600
℃に調整した。この溶鋼中に、Alを0.5 kg/ton添加し、
溶鋼中の溶存酸素濃度を170 ppm まで低下させた。この
時の溶鋼中のAl濃度は0.002 wt%であった。そしてこの
溶鋼に、70wt%Ti- Fe合金を1.4 kg/ton添加し脱酸し
た。その後、溶鋼中に20wt%Ca−15wt%REM −40wt%Al
−Fe合金を0.3 kg/ton添加し、成分調整を行った。この
処理後のTi濃度は、0.030 wt%、Al濃度は0.004 wt%で
あった。次に、2ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳
造を行った。このときの、タンディッシュ内の介在物を
調査した結果、50wt%Ti2O3 −15wt%CaO −10wt%Ce2O
3 −25wt%Al2O3 の球状介在物であった。鋳造後、イマ
ージョンノズル内には付着物はほとんどなかった。この
スラブを3.5 mmまで熱間圧延し、0.8 mmまで冷間圧延
し、さらに、780 ℃で45sec 間焼鈍を行った。この焼鈍
板には表面欠陥非金属介在物性の欠陥は0.02個/1000m
以下のコイルしか認められなかった。また、発錆は、従
来のAl脱酸と同じく問題はなかった。
脱炭処理し、C=0.0030wt%, Si=0.02wt%, Mn=0.20
wt%, P= 0.015wt%, S= 0.010wt%に、温度を1600
℃に調整した。この溶鋼中に、Alを0.7 kg/ton添加し、
溶鋼中の溶存酸素濃度を170 ppm まで低下させた。この
時の溶鋼中のAl濃度は0.003 wt%であった。そしてこの
溶鋼に、75wt%Ti−25wt%Fe合金を1.2 kg/ton添加し脱
酸および成分調整を行った。処理後のTi濃度は0.040 wt
%、Al濃度は0.002 wt%であった。次に、この溶鋼を2
ストランドスラブ連続鋳造装置にて鋳造を行った。この
ときの、タンディッシュ内の介在物を調査した結果、組
成が90wt%Ti2O3 −10wt%Al2O3 の微小介在物が分散し
ていた。鋳造後、イマージョンノズル内にはTi2O3−Al2
O3 の付着物が認められた。このスラブを3.5 mmまで熱
間圧延し、0.8 mmまで冷間圧延し、さらに、780 ℃で45
sec 間焼鈍を行った。この焼鈍板には表面欠陥非金属介
在物性の欠陥が0.05個/1000m のコイルに認められた。
また、発錆は、従来のAl脱酸と同じく問題はなかった。
脱炭処理し、C=0.0030wt%, Mn=0.20wt%, P= 0.0
15wt%, S= 0.010wt%に、温度を1600℃に調整した。
この溶鋼中に、Alを1.5 kg/ton添加後75wt%Ti−25wt%
Fe合金を0.5 kg/ton添加し脱酸および成分調整を行っ
た。処理後のTi濃度は0.040 wt%、Al濃度は0.035 wt%
であった。次に、この溶鋼を2ストランドスラブ連続鋳
造装置にて鋳造を行った。このときの、タンディッシュ
内の介在物を調査した結果、5wt%Ti2O3 −95wt%Al2O
3のクラスター状の介在物であった。鋳造後、イマージ
ョンノズル内にはAl2O3 の付着物が認められた。このス
ラブを3.5 mmまで熱間圧延し、0.8 mmまで冷間圧延し、
さらに、780 ℃で45sec 間焼鈍を行った。この焼鈍板に
は表面欠陥非金属介在物性の欠陥が0.4 個/1000m のコ
イルに認められた。
極低炭素鋼の製造方法によれば、連続鋳造時におけるイ
マージョンノズルの閉塞は起こらず、また、その後の圧
延, 焼鈍, めっき処理を施した冷延自動車用薄鋼板は、
極めて表面清浄が優れており、発錆も少なく、非金属介
在物に起因する表面欠陥はほとんど皆無であった。
る。
Claims (2)
- 【請求項1】 C≦0.020 wt%, Si≦0.2 wt%, Mn≦1.
0 wt%, S≦0.050wt%, Ti≧0.010 wt%を含み、Al≦
(wt%Ti)/5の条件を満足する組成からなる極低炭素Ti脱
酸鋼を製造するに当たり、溶鋼をまず真空脱ガス装置に
よる脱炭処理したのち、Ti含有合金によって脱酸し、そ
の後、脱酸溶鋼中にCa≧10wt%およびREM ≧5wt%の1
種または2種とFe, Al, SiおよびTiのうちから選ばれる
1種または2種以上を含有する介在物組成調整用合金を
添加することにより、該溶鋼中の酸化物組成をTi酸化物
が90wt%以下、CaO , REM 酸化物のいずれか少なくとも
1種の含有量が10wt%以上50wt%以下で、Al2O3 が70wt
%以下にすることを特徴とする含Ti極低炭素鋼の製造方
法。 - 【請求項2】 脱炭処理後の溶鋼を、Ti含有合金による
脱酸処理に先立って、Al, Si, Mnのいずれかにて予備脱
酸することにより、溶鋼中の溶存酸素濃度を予め200 pp
m 以下にすることを特徴とする請求項1記載の製造方
法。
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