JP2004143510A - 表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法および連続鋳造鋳片 - Google Patents

表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法および連続鋳造鋳片 Download PDF

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Abstract

【課題】アルミナ介在物を生成させることがないように、Tiを主とした脱酸を行うことにより、確実に表面疵を防止できる薄鋼板用素材の極低炭素溶鋼または低炭素溶鋼を溶製する方法を提供すること。
【解決手段】転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸溶鋼を真空脱ガス処理により炭素濃度を0.01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態でTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする極低炭素薄鋼板の溶製方法。
【選択図】   なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、加工性、成形性、表面品位に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
転炉や真空処理容器で精錬された溶鋼中には、多量の溶存酸素が含まれており、この過剰酸素は酸素との親和力が強い強脱酸元素であるAlにより脱酸されるのが一般的である。しかし、Alは脱酸によりアルミナ系介在物を生成し、これが擬集合体して粗大なアルミナクラスターとなる。
【0003】
このアルミナクラスターは連続鋳造設備で鋳造中に浸漬ノズル内に付着し、ノズル詰まりの原因となるだけでなく、鋼板製造時に表面庇発生の原因となり、薄鋼板の品質を大きく劣化させる。
【0004】
特に、炭素濃度が低く、精錬後の溶存酸素濃度が高い薄鋼板用素材である低炭素溶鋼では、アルミナクラスターの量が非常に多く、表面庇の発生率が極めて高く、アルミナ系介在物の低減対策は大きな課題となっている。
【0005】
これに対して、従来は、介在物吸着用フラックスを溶鋼表面に添加してアルミナ系介在物を除去する方法(特許文献1、参照)が、或いは、注入流を利用してCaOフラックスを溶鋼中に添加し、これによりアルミナ系介在物を吸着除去する方法(特許文献2、参照)が提案され、実施されてきた。
【0006】
一方、アルミナ系介在物を除去するのではなく、生成させない方法としては、溶鋼をTiで脱酸し、Alでは殆ど脱酸しない薄板用鋼の溶製方法があり(特許文献3、参照)、また、溶鋼をTiで脱酸した後Ca処理を実施し、介在物組成をCaO−TiO2−Alの低融点組成領域に組成制御する薄鋼板用溶鋼の溶製方法がある(特許文献4、参照)。
【0007】
【特許文献1】
特開平5−104219号公報
【特許文献2】
特開昭63−149057号公報
【特許文献3】
特許第2991796号公報
【特許文献4】
特開平11−302772号公報
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したアルミナ系介在物を除去する方法では、低炭素溶鋼中に多量に生成したアルミナ系介在物を表面庇が発生しない程度まで低減することは非常に難しい。
【0009】
また、アルミナ系介在物を全く生成しないTi脱酸では、浸漬ノズル詰まりは発生しないものの、取鍋注入末期に取鍋ノズル詰まりが発生し、操業上問題があり、また、Ti脱酸を行った後にCa添加を実施する場合には、操業性に問題はないものの、Caの蒸気圧が高く、溶鋼への歩留まりが非常に低いため、製造コストを考えると実用的なプロセスとは言えない。
【0010】
これらの問題に鑑み、本発明は、アルミナ系介在物を生成させることがないように、Alでの予備脱酸を前提として、Tiを主とした脱酸を行うことにより、確実に表面疵を防止できる薄鋼板用素材の極低炭素溶鋼または低炭素溶鋼を溶製する方法を提示することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を要旨とする。
【0012】
(1)転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸溶鋼を真空脱ガス処理により炭素濃度を0.01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態でTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
【0013】
(2)転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態でTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
【0014】
(3)転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸溶鋼を真空脱ガス処理により炭素濃度を0.01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
【0015】
(4)転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
【0016】
(5)転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸溶鋼を真空脱ガス処理により炭素濃度を0.01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加しCe、La、Nd、Pr、Smの濃度の総和を0.0010〜0.030質量%とした溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
【0017】
(6)転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加しCe、La、Nd、Pr、Smの濃度の総和を0.0010〜0.030質量%とした溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
【0018】
(7)上記(1)〜(6)の何れかに記載の表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法で溶製し、連続鋳造して得られた鋳片において、スライム法により計測されるパウダー系介在物を除く非金属介在物の最大粒子径が250μm以下で、鋳片表層から30mm以内の鋳片中の円相当径106μm以下の微細介在物量が5000個/kg以下であることを特徴とする連続鋳造鋳片。
【0019】
(8)上記(7)記載の連続鋳造鋳片において、顕微鏡で観察される円相当径10μm以上の非金属介在物の70%以上が下式の組成範囲内であることを特徴とする連続鋳造鋳片
30%≦TiO/(TiO+Al+REM酸化物)≦50%…(1)
0≦Al≦20%                    …(2)
50%≦REM酸化物≦70%                …(3)
TiO;鋳片の非金属介在物中のTi酸化物の濃度。Ti酸化物としてはTi、Tiの形態のものも存在するが、TiOとして換算したTi酸化物濃度。
【0020】
Al;鋳片の非金属介在物中のAl酸化物の濃度。
【0021】
REM酸化物;鋳片の非金属介在物中のCe、La、Nd、Pr、Sm酸化物の総和の濃度。Ce、La、Nd、Pr、Smとして換算した酸化物量。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。本発明の溶製法では、転炉や電気炉等の製鋼炉で精錬し、脱炭した後、鋼の要求される材質特性に応じてさらに真空脱ガス処理して炭素濃度を0.01質量%以下とした溶鋼に、Alで予備脱酸を実施し酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態で、Tiを0.005質量%以上添加して脱酸を行った上で、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加する。
【0023】
この溶製方法の基本思想は、溶存酸素濃度の高い溶鋼を酸素活量150ppm以上までAlで予備脱酸することにより、介在物としてアルミナクラスターが溶鋼中に残存しない条件を整え、その条件下でTiを添加して脱酸し、固相のTiO系介在物を生成させることにより、Tiの歩留まりを安定化させ、これに、Ce、La、Nd、Pr、Smを添加することによりTiO−Al−REM酸化物とし、クラスターを形成し粗大化しない微細な非金属介在物を溶鋼中に分散させることにある。
【0024】
溶鋼中の溶存酸素濃度が高い状態で添加されたTiは、溶鋼中の溶存酸素と反応し、TiO系介在物を生成する。TiO系介在物は溶鋼中で固相であり、擬集合体し難いため、比較的微細な介在物となる。一旦生成したTiO系介在物は浮上分離し難いので、Ti脱酸を行う前に、アルミナクラスターが生成しない範囲で、Alで予備脱酸する。この予備脱酸により、TiO系介在物量を削減し、T・Oを低減することが可能となる。なお、T・Oは、溶鋼中のトータル酸素量(全酸素量)である。
【0025】
TiO系介在物量が少なくなれば、改質のために添加されるCe、La、Nd、Pr、Smの量も少量で十分となるので経済的である。溶鋼は事前にTiで脱酸されているため、残存している少量の溶存酸素とTiO系介在物を改質するに必要なCe、La、Nd、Pr、Sm量を添加すればよい。
【0026】
このため、精錬後もしくは真空脱ガス処理後の溶存酸素濃度が非常に高い溶鋼をCe、La、Nd、Pr、Smだけで単独脱酸する溶製方法に比べて、Ce添加量を大幅に低減できる。さらに、Ce、La、Nd、Pr、Smの沸点は2000℃以上であり、溶鋼に添加しても蒸発することがないので、Caの添加に比べて歩留まりが非常に高く、コスト面でも有利である。
【0027】
REM酸化物系介在物は非常に擬集合体し難い性質を有しているため、上記溶製方法で、一度微細なREM酸化物系介在物を生成させれば、取鍋内、タンデイッシュ内及び鋳型内でも介在物は粗大化することなく、溶鋼中に微細に分散する。
【0028】
本発明によって得られた鋳片表層0から30mm内の非金属介在物をスライム法で評価したところ、最大介在物粒子径は250μm以下であり、円相当径106μm以下の微細酸化物量が5000個/kg以下で分散してることが分かった。その結果、鋼板製造時に、介在物は表面庇発生の原因とならず、薄鋼板の品質は大きく向上する。
【0029】
自動車用外板向けの加工が厳しい極低炭素鋼板等では、加工性を付加するためにCをできるだけ低くする必要があり、C濃度は0.01質量%以下、好ましくは、0.005質量%以下にするのがよい。
【0030】
Ti濃度は0.005質量%以上にすることが好ましく、Ti濃度が0.005質量%未満になると、TiO−FeOm系の液相介在物となるため、擬集合体の形成が促進され、粗大な液相介在物となってしまう。添加するTiは、スポンジ状Tiのような高純度Tiに限られるものではなく、Fe−Tiのような合金として添加しても上記効果は損なわれない。
【0031】
Ce、La、Nd、Pr、Smの添加量は、Ti脱酸後に残留した少量の溶存酸素とTiO系介在物を改質するのに必要な量以上で、且つ、REM酸化物濃度が90%以上とならない量以下とする。実験的検討では、タンディッシュ溶鋼中のCe濃度で0.0010〜0.030質量%程度が適正範囲である。
【0032】
取鍋内でCe、La、Nd、Pr、Smを添加する場合、Ti添加から1分以上間隔をあけ、確実にTiO系介在物が生成し、且つ、浮上する時間を確保した後Ce、La、Nd、Pr、Smを添加し、TiO系介在物を改質する方が、Ce、La、Nd、Pr、Smの歩留まりおよび微細化効果は高い。
【0033】
また、Ce、La、Nd、Pr、Smの添加は、必ずしも取鍋内で添加する必要はなく、Ti脱酸後から鋳型内に流入するまでの間で添加すればよく、例えば、タンデイッシュ内で添加することも可能である。さらに、Ce、La、Nd、Pr、Smの添加は、単体金属で行うことも可能であるが、ミッシュメタル等のCe、La、Nd、Pr、Smを含む合金で添加してもよい。
【0034】
Ti酸化物の量に対しCe、La、Nd、Pr、Smの添加量が少ないと、介在物組成はTiO−Al系介在物が主となり、取鍋注入末期に、85%TiO−15%Alの組成の介在物により取鍋ノズル詰まりが発生して溶鋼の注入が不可能となり、溶鋼返送が発生する。
【0035】
また、Ce、La、Nd、Pr、Smの添加量が多すぎると、REM酸化物濃度が90%以上の酸化物が主体となり、浸漬ノズルが詰まり、鋳造不可能となる。
【0036】
鋳片を顕微鏡観察で調査して、円相当径10μm以上の介在物の70%以上が前記(1)式から(3)式の範囲内である場合は、操業中、取鍋ノズルも浸漬ノズルも詰まることがない。
【0037】
溶鋼中にアルミナクラスターが残存しないことは重要であるが、Al予備脱酸後の酸素活量が150ppm以上確保できれば、アルミナクラスターとして溶鋼中に残存しないので、本発明の効果は損なわれない。
【0038】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明について説明する。
【0039】
(実施例)
転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により炭素濃度を0.003質量%とした取鍋内溶鋼をTiで脱酸し、Ti濃度0.030質量%とした。Ti添加から3分後に、取鍋内溶鋼中にCe、La含有合金を添加し、Ce濃度0.0015質量%、La濃度0.0010質量%の溶鋼を溶製した。
【0040】
この溶鋼を連続鋳造法で厚み242mm、幅1600mのスラブに鋳造した。鋳造した鋳片は6000mm長さに切断し、1コイル単位とした。
【0041】
このようにして得られたスラブを、常法により、熱間圧延、冷間圧延し、最終的には、0.7m厚みで幅1500mmコイルの冷延鋼板とした。
【0042】
鋼板品質については、冷問圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、表面欠陥は発生しなかった。
【0043】
(比較例)
転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により炭素濃度を0.003質量%とした取鍋内溶鋼をAlで脱酸し、Al濃度0.02質量%とした。さらに、Tiを添加し、Ti濃度0.03質量%の溶鋼を溶製した。この溶鋼を連続鋳造法で厚み242mm、幅1600mmのスラブに鋳造した。鋳造した鋳片は6000mm長さに切断し、1コイル単位とした。
【0044】
このようにして得られたスラブは、常法により、熱間圧延、冷間圧延し、最終的には、0.7mm厚みで幅1500mmコイルの冷延鋼板とした。
【0045】
鋼板品質については、冷間圧延後の検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、スラブ平均で4個/コイルの表面欠陥が発生した。
【0046】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明によると、アルミナ系介在物を生成することなく、溶鋼中の介在物を微細化することができるため、確実に表面庇を防止することができて、加工性、成形性に優れた薄鋼板用の極低炭素溶鋼または低炭素溶鋼を溶製することが可能となる。

Claims (8)

  1. 転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸溶鋼を真空脱ガス処理により炭素濃度を0.01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態でTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
  2. 転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態でTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
  3. 転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸溶鋼を真空脱ガス処理により炭素濃度を0.01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
  4. 転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
  5. 転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸溶鋼を真空脱ガス処理により炭素濃度を0.01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加し、Ce、La、Nd、Pr、Smの濃度の総和を0.0010〜0.030質量%とした溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
  6. 転炉もしくは電気炉によって溶製した未脱酸鋼にAlを添加して酸素活量として150ppm以上の酸素濃度に制御した状態で0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、その後、Ce、La、Nd、Pr、Smの1種類以上を添加し、Ce、La、Nd、Pr、Smの濃度の総和を0.0010〜0.030質量%とした溶鋼を鋳造することを特徴とする表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法。
  7. 請求項1〜6の何れか1項に記載の表面品質に優れた極低炭素または低炭素薄板用鋼板の溶製方法で溶製し、連続鋳造して得られた鋳片において、スライム法により計測されるパウダー系介在物を除く非金属介在物の最大粒子径が250μm以下で、鋳片表層から30mm以内の鋳片中の円相当径106μm以下の微細介在物量が5000個/kg以下であることを特徴とする連続鋳造鋳片。
  8. 請求項7記載の連続鋳造鋳片において、顕微鏡で観察される円相当径10μm以上の非金属介在物の70%以上が、下式の組成範囲内であることを特徴とする連続鋳造鋳片。
    30%≦TiO/(TiO+Al+REM酸化物)≦50%…(1)
    0≦Al≦20%                    …(2)
    50%≦REM酸化物≦70%                …(3)
    TiO;鋳片の非金属介在物中のTi酸化物の濃度。Ti酸化物としてはTi、Tiの形態のものも存在するが、TiOとして換算したTi酸化物濃度。
    Al;鋳片の非金属介在物中のAl酸化物の濃度。
    REM酸化物;鋳片の非金属介在物中のCe、La、Nd、Pr、Sm酸化物の総和の濃度。Ce、La、Nd、Pr、Smとして換算した酸化物量。
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