JP2002003930A - 薄板用鋼板の溶製方法 - Google Patents
薄板用鋼板の溶製方法Info
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 本発明は、アルミナ介在物を生成させること
がないように、Tiを主とした脱酸を行うことにより、
確実に表面疵を防止できる薄鋼板用素材の低炭素溶鋼を
溶製する方法を提示することを課題とする。 【解決手段】 炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃
度を0.02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下
にした溶鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱
酸し、その後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを特徴
とする低炭素薄鋼板の溶製方法。Mgの添加量は、Ti
脱酸後に残留した少量の溶存酸素とTiO n 系介在物を
還元分解するに必要な量以上であって、且つMgが耐火
物やモールドパウダーと反応して溶鋼を汚染させない量
以下であり、溶鋼中のMg濃度の適正範囲は0.000
1〜0.01質量%程度である。
がないように、Tiを主とした脱酸を行うことにより、
確実に表面疵を防止できる薄鋼板用素材の低炭素溶鋼を
溶製する方法を提示することを課題とする。 【解決手段】 炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃
度を0.02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下
にした溶鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱
酸し、その後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを特徴
とする低炭素薄鋼板の溶製方法。Mgの添加量は、Ti
脱酸後に残留した少量の溶存酸素とTiO n 系介在物を
還元分解するに必要な量以上であって、且つMgが耐火
物やモールドパウダーと反応して溶鋼を汚染させない量
以下であり、溶鋼中のMg濃度の適正範囲は0.000
1〜0.01質量%程度である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加工性、成形性に
優れた低炭素薄鋼板の溶製方法に関するものである。
優れた低炭素薄鋼板の溶製方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】転炉や真空処理容器で精錬された溶鋼中
には、多量の溶存酸素が含まれており、この過剰酸素は
酸素との親和力が強い強脱酸元素であるAlにより脱酸
されるのが一般的である。しかし、Alは脱酸によりア
ルミナ系介在物を生成し、これが凝集合体して粗大なア
ルミナクラスターとなる。このアルミナクラスターは鋼
板製造時に表面疵発生の原因となり、薄鋼板の品質を大
きく劣化させる。特に、炭素濃度が低く、精錬後の溶存
酸素濃度が高い薄鋼板用素材である低炭素溶鋼では、ア
ルミナクラスターの量が非常に多く、表面疵の発生率が
極めて高く、アルミナ系介在物の低減対策は大きな課題
となっている。
には、多量の溶存酸素が含まれており、この過剰酸素は
酸素との親和力が強い強脱酸元素であるAlにより脱酸
されるのが一般的である。しかし、Alは脱酸によりア
ルミナ系介在物を生成し、これが凝集合体して粗大なア
ルミナクラスターとなる。このアルミナクラスターは鋼
板製造時に表面疵発生の原因となり、薄鋼板の品質を大
きく劣化させる。特に、炭素濃度が低く、精錬後の溶存
酸素濃度が高い薄鋼板用素材である低炭素溶鋼では、ア
ルミナクラスターの量が非常に多く、表面疵の発生率が
極めて高く、アルミナ系介在物の低減対策は大きな課題
となっている。
【0003】これに対して、従来は特開平5−1042
19号公報の介在物吸着用フラックスを溶鋼表面に添加
してアルミナ系介在物を除去する方法、或いは特開昭6
3−149057号公報の注入流を利用してCaOフラ
ックスを溶鋼中に添加し、これによりアルミナ系介在物
を吸着除去する方法が提案、実施されてきた。一方、ア
ルミナ系介在物を除去するのではなく、生成させない方
法として、特開平5−302112号公報にあるように
溶鋼をMgで脱酸し、Alでは殆ど脱酸しない薄鋼板用
溶鋼の溶製方法も開示されている。
19号公報の介在物吸着用フラックスを溶鋼表面に添加
してアルミナ系介在物を除去する方法、或いは特開昭6
3−149057号公報の注入流を利用してCaOフラ
ックスを溶鋼中に添加し、これによりアルミナ系介在物
を吸着除去する方法が提案、実施されてきた。一方、ア
ルミナ系介在物を除去するのではなく、生成させない方
法として、特開平5−302112号公報にあるように
溶鋼をMgで脱酸し、Alでは殆ど脱酸しない薄鋼板用
溶鋼の溶製方法も開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たアルミナ系介在物を除去する方法では、低炭素溶鋼中
に多量に生成したアルミナ系介在物を表面疵が発生しな
い程度まで低減することは非常に難しい。また、アルミ
ナ系介在物を全く生成しないMg脱酸では、Mgの蒸気
圧が高く、溶鋼への歩留まりが非常に低いため、低炭素
鋼のように溶存酸素濃度が高い溶鋼をMgだけで脱酸す
るには多量のMgを必要とし、製造コストを考えると実
用的なプロセスとは言えない。
たアルミナ系介在物を除去する方法では、低炭素溶鋼中
に多量に生成したアルミナ系介在物を表面疵が発生しな
い程度まで低減することは非常に難しい。また、アルミ
ナ系介在物を全く生成しないMg脱酸では、Mgの蒸気
圧が高く、溶鋼への歩留まりが非常に低いため、低炭素
鋼のように溶存酸素濃度が高い溶鋼をMgだけで脱酸す
るには多量のMgを必要とし、製造コストを考えると実
用的なプロセスとは言えない。
【0005】これらの問題を鑑み、本発明はアルミナ系
介在物を生成させることがないように、Tiを主とした
脱酸を行うことにより、確実に表面疵を防止できる薄鋼
板用素材の低炭素溶鋼を溶製する方法を提示することを
課題とする。
介在物を生成させることがないように、Tiを主とした
脱酸を行うことにより、確実に表面疵を防止できる薄鋼
板用素材の低炭素溶鋼を溶製する方法を提示することを
課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明は下記(1)〜(6)を要旨とする。 (1)炭素濃度0.01質量%以下まで脱炭した後、該
溶鋼にTiを添加して脱酸し、その後Mgを添加した溶
鋼を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方
法。
に、本発明は下記(1)〜(6)を要旨とする。 (1)炭素濃度0.01質量%以下まで脱炭した後、該
溶鋼にTiを添加して脱酸し、その後Mgを添加した溶
鋼を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方
法。
【0007】(2)真空脱ガス処理により炭素濃度0.
01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にTiを添加し
て脱酸し、その後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを
特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方法。 (3)炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃度を0.
02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下にした溶
鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、そ
の後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする低
炭素薄鋼板の溶製方法。
01質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にTiを添加し
て脱酸し、その後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを
特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方法。 (3)炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃度を0.
02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下にした溶
鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、そ
の後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを特徴とする低
炭素薄鋼板の溶製方法。
【0008】(4)真空脱ガス処理により炭素濃度を
0.01質量%以下、Si濃度を0.02質量%以下、
Mn濃度を0.2質量%以下にした溶鋼に0.005質
量%以上のTiを添加して脱酸し、その後Mgを添加し
た溶鋼を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶製
方法。 (5)炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃度を0.
02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下にした溶
鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、そ
の後Mgを0.0001〜0.01質量%添加した溶鋼
を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方法。
0.01質量%以下、Si濃度を0.02質量%以下、
Mn濃度を0.2質量%以下にした溶鋼に0.005質
量%以上のTiを添加して脱酸し、その後Mgを添加し
た溶鋼を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶製
方法。 (5)炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃度を0.
02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下にした溶
鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱酸し、そ
の後Mgを0.0001〜0.01質量%添加した溶鋼
を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方法。
【0009】(6)真空脱ガス処理により炭素濃度を
0.01質量%以下、Si濃度を0.02質量%以下、
Mn濃度を0.2質量%以下にした溶鋼に0.005質
量%以上のTiを添加して脱酸し、その後Mgを0.0
001〜0.01質量%添加した溶鋼を鋳造することを
特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方法。
0.01質量%以下、Si濃度を0.02質量%以下、
Mn濃度を0.2質量%以下にした溶鋼に0.005質
量%以上のTiを添加して脱酸し、その後Mgを0.0
001〜0.01質量%添加した溶鋼を鋳造することを
特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方法。
【0010】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の溶製法では、転炉や電気炉等の製鋼炉で精錬
し、その後真空脱ガス処理してMn濃度を0.2質量%
以下、Si濃度を0.2質量%以下、炭素濃度を0.0
1質量%以下とした溶鋼に、Tiを0.005質量%以
上添加して脱酸を行った上で、Mgを添加する。この溶
製法の基本思想は、Mnの低い溶鋼にTiを添加して、
固相のTiOn 系介在物を生成させ、これをMgで還元
分解することにより微細なMgO系介在物を溶鋼中に分
散させることにある。
本発明の溶製法では、転炉や電気炉等の製鋼炉で精錬
し、その後真空脱ガス処理してMn濃度を0.2質量%
以下、Si濃度を0.2質量%以下、炭素濃度を0.0
1質量%以下とした溶鋼に、Tiを0.005質量%以
上添加して脱酸を行った上で、Mgを添加する。この溶
製法の基本思想は、Mnの低い溶鋼にTiを添加して、
固相のTiOn 系介在物を生成させ、これをMgで還元
分解することにより微細なMgO系介在物を溶鋼中に分
散させることにある。
【0011】溶鋼中の溶存酸素濃度が高く、Mn濃度と
Si濃度が低い状態で添加されたTiは溶鋼中の溶存酸
素と反応し、TiOn 系介在物を生成する。TiOn 系
介在物は溶鋼中で固相であり、凝集合体し難いため、比
較的微細な介在物となる。このTiOn 系介在物はさら
に添加されたMgにより還元分解され、より微細なMg
O系介在物を生成する。溶鋼は事前にTiで脱酸されて
いるため、残存している少量の溶存酸素とTiOn 系介
在物を還元分解するに必要なMg量を添加すれば良い。
このため、真空脱ガス処理後の溶存酸素濃度が非常に高
い溶鋼をMgだけで単独脱酸する溶製方法に比べてMg
添加量を大幅に低減できる。MgO系介在物は非常に凝
集合体し難い性質を有しているため、上記溶製方法で一
度微細なMgO系介在物を生成させれば、取鍋内、タン
ディッシュ内及び鋳型内でも介在物は粗大化することな
く、溶鋼中に微細に分散する。その結果、鋼板製造時
に、介在物は表面疵発生の原因とならず、薄鋼板の品質
は大きく向上する。
Si濃度が低い状態で添加されたTiは溶鋼中の溶存酸
素と反応し、TiOn 系介在物を生成する。TiOn 系
介在物は溶鋼中で固相であり、凝集合体し難いため、比
較的微細な介在物となる。このTiOn 系介在物はさら
に添加されたMgにより還元分解され、より微細なMg
O系介在物を生成する。溶鋼は事前にTiで脱酸されて
いるため、残存している少量の溶存酸素とTiOn 系介
在物を還元分解するに必要なMg量を添加すれば良い。
このため、真空脱ガス処理後の溶存酸素濃度が非常に高
い溶鋼をMgだけで単独脱酸する溶製方法に比べてMg
添加量を大幅に低減できる。MgO系介在物は非常に凝
集合体し難い性質を有しているため、上記溶製方法で一
度微細なMgO系介在物を生成させれば、取鍋内、タン
ディッシュ内及び鋳型内でも介在物は粗大化することな
く、溶鋼中に微細に分散する。その結果、鋼板製造時
に、介在物は表面疵発生の原因とならず、薄鋼板の品質
は大きく向上する。
【0012】自動車用外板向けの加工が厳しい極低炭素
鋼板等では、加工性を付加するためにCをできるだけ低
くする必要があり、C濃度は0.01質量%以下、好ま
しくは0.005質量%以下にするのが良い。溶鋼中の
Mn濃度とSi濃度が各々0.2質量%と0.02質量
%を超えると、Ti添加によりTiOn −MnO−Si
O2 −FeOm 系の液相介在物が生成し、凝集合体が促
進されるため、粗大な液相介在物となる。このような粗
大な液相介在物では、表層部だけがMgにより還元され
MgO系介在物に置き換わるが、反応はそれ以上進ま
ず、介在物は微細に分解されないため、粗大なMgO−
MnO−FeO−TiOn 系の介在物となる。よって、
Ti添加前のMn濃度とSi濃度は各々0.2質量%と
0.02質量%以下にする必要がある。
鋼板等では、加工性を付加するためにCをできるだけ低
くする必要があり、C濃度は0.01質量%以下、好ま
しくは0.005質量%以下にするのが良い。溶鋼中の
Mn濃度とSi濃度が各々0.2質量%と0.02質量
%を超えると、Ti添加によりTiOn −MnO−Si
O2 −FeOm 系の液相介在物が生成し、凝集合体が促
進されるため、粗大な液相介在物となる。このような粗
大な液相介在物では、表層部だけがMgにより還元され
MgO系介在物に置き換わるが、反応はそれ以上進ま
ず、介在物は微細に分解されないため、粗大なMgO−
MnO−FeO−TiOn 系の介在物となる。よって、
Ti添加前のMn濃度とSi濃度は各々0.2質量%と
0.02質量%以下にする必要がある。
【0013】Ti濃度は0.005質量%以上にするこ
とが好ましく、Ti濃度が0.005質量%未満になる
と、Mn濃度やSi濃度が低くてもTiOn −FeOm
系の液相介在物となるため、やはり凝集合体が促進され
粗大な液相介在物となってします。添加するTiはスポ
ンジ状Tiのように高純度Tiに限られたものではな
く、Fe−Tiのような合金として添加しても上記効果
は損なわれない。
とが好ましく、Ti濃度が0.005質量%未満になる
と、Mn濃度やSi濃度が低くてもTiOn −FeOm
系の液相介在物となるため、やはり凝集合体が促進され
粗大な液相介在物となってします。添加するTiはスポ
ンジ状Tiのように高純度Tiに限られたものではな
く、Fe−Tiのような合金として添加しても上記効果
は損なわれない。
【0014】Mgの添加量は、Ti脱酸後に残留した少
量の溶存酸素とTiOn 系介在物を還元分解するに必要
な量以上であって、且つMgが耐火物やモールドパウダ
ーと反応して溶鋼を汚染させない量以下である。実験的
検討では、溶鋼中のMg濃度で0.0001〜0.01
質量%程度が適正範囲である。取鍋内でMgを添加する
場合、Ti添加から1分以上置き、確実にTiOn 系介
在物が生成してからMgを添加し、TiOn 系介在物を
還元分解する方が、微細化効果は高い。また、Mgの添
加は、必ずしも取鍋内で添加する必要はなく、Ti脱酸
後から鋳型内に流入するまでの間で添加すれば良く、例
えばタンディッシュ内で添加することも可能である。さ
らに、Mg添加は純Mgで行うことも可能であるが、M
gの蒸気圧が非常に高いので、Ni−Mg等のMg合金
として添加しても良い。
量の溶存酸素とTiOn 系介在物を還元分解するに必要
な量以上であって、且つMgが耐火物やモールドパウダ
ーと反応して溶鋼を汚染させない量以下である。実験的
検討では、溶鋼中のMg濃度で0.0001〜0.01
質量%程度が適正範囲である。取鍋内でMgを添加する
場合、Ti添加から1分以上置き、確実にTiOn 系介
在物が生成してからMgを添加し、TiOn 系介在物を
還元分解する方が、微細化効果は高い。また、Mgの添
加は、必ずしも取鍋内で添加する必要はなく、Ti脱酸
後から鋳型内に流入するまでの間で添加すれば良く、例
えばタンディッシュ内で添加することも可能である。さ
らに、Mg添加は純Mgで行うことも可能であるが、M
gの蒸気圧が非常に高いので、Ni−Mg等のMg合金
として添加しても良い。
【0015】溶鋼中にAlは添加しないのが好ましい
が、必要な場合には0.01質量%以下で添加しても、
本発明の効果は損なわれない。このAl濃度であれば、
Mg添加によりアルミナ系介在物も還元され、微細な介
在物に改質されるためである。
が、必要な場合には0.01質量%以下で添加しても、
本発明の効果は損なわれない。このAl濃度であれば、
Mg添加によりアルミナ系介在物も還元され、微細な介
在物に改質されるためである。
【0016】
【実施例】以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明
について説明する。 実施例 転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により炭
素濃度を0.003質量%、Si濃度を0.018質量
%以下、Mn濃度が0.15質量%とした取鍋内溶鋼を
Tiで脱酸し、Ti濃度0.01質量%とした。Ti添
加から1分後に、取鍋内溶鋼中にMgをワイヤー添加法
で添加し、Mg濃度0.002%の溶鋼を溶製した。こ
の溶鋼を連続鋳造法で厚み250mm、幅1800mm
のスラブに鋳造した。鋳造した鋳片は8500mm長さ
に切断し、1コイル単位とした。このようにして得られ
たスラブは、常法により熱間圧延、冷間圧延し、最終的
には0.7mm厚みで幅1800mmコイルの冷延鋼板
とした。鋳片品質については、冷間圧延後の検査ライン
で目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥
の発生個数を評価した。その結果、表面欠陥は発生しな
かった。
について説明する。 実施例 転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により炭
素濃度を0.003質量%、Si濃度を0.018質量
%以下、Mn濃度が0.15質量%とした取鍋内溶鋼を
Tiで脱酸し、Ti濃度0.01質量%とした。Ti添
加から1分後に、取鍋内溶鋼中にMgをワイヤー添加法
で添加し、Mg濃度0.002%の溶鋼を溶製した。こ
の溶鋼を連続鋳造法で厚み250mm、幅1800mm
のスラブに鋳造した。鋳造した鋳片は8500mm長さ
に切断し、1コイル単位とした。このようにして得られ
たスラブは、常法により熱間圧延、冷間圧延し、最終的
には0.7mm厚みで幅1800mmコイルの冷延鋼板
とした。鋳片品質については、冷間圧延後の検査ライン
で目視観察を行い、1コイル当たりに発生する表面欠陥
の発生個数を評価した。その結果、表面欠陥は発生しな
かった。
【0017】比較例 転炉での精錬と環流式真空脱ガス装置での処理により炭
素濃度を0.003質量%、Si濃度を0.025質量
%以下、Mn濃度が0.15質量%とした取鍋内溶鋼を
Alで脱酸し、Al濃度0.03質量%とした。さら
に、Tiを添加し、Ti濃度0.01質量%の溶鋼を溶
製した。この溶鋼を連続鋳造法で厚み250mm、幅1
800mmのスラブに鋳造した。鋳造した鋳片は850
0mm長さに切断し、1コイル単位とした。このように
して得られたスラブは、常法により熱間圧延、冷間圧延
し、最終的には0.7mm厚みで幅1800mmコイル
の冷延鋼板とした。鋳片品質については、冷間圧延後の
検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生す
る表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、スラブ平
均で5個/コイルの表面欠陥が発生した。
素濃度を0.003質量%、Si濃度を0.025質量
%以下、Mn濃度が0.15質量%とした取鍋内溶鋼を
Alで脱酸し、Al濃度0.03質量%とした。さら
に、Tiを添加し、Ti濃度0.01質量%の溶鋼を溶
製した。この溶鋼を連続鋳造法で厚み250mm、幅1
800mmのスラブに鋳造した。鋳造した鋳片は850
0mm長さに切断し、1コイル単位とした。このように
して得られたスラブは、常法により熱間圧延、冷間圧延
し、最終的には0.7mm厚みで幅1800mmコイル
の冷延鋼板とした。鋳片品質については、冷間圧延後の
検査ラインで目視観察を行い、1コイル当たりに発生す
る表面欠陥の発生個数を評価した。その結果、スラブ平
均で5個/コイルの表面欠陥が発生した。
【0018】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明による
と、アルミナ系介在物を生成することなく、溶鋼中の介
在物を微細化することができるため、確実に表面疵を防
止できる加工性、成形性に優れた薄鋼板用の低炭素溶鋼
を溶製することが可能となる。
と、アルミナ系介在物を生成することなく、溶鋼中の介
在物を微細化することができるため、確実に表面疵を防
止できる加工性、成形性に優れた薄鋼板用の低炭素溶鋼
を溶製することが可能となる。
Claims (6)
- 【請求項1】 炭素濃度0.01質量%以下まで脱炭し
た後、該溶鋼にTiを添加して脱酸し、その後Mgを添
加した溶鋼を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の
溶製方法。 - 【請求項2】 真空脱ガス処理により炭素濃度0.01
質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼にTiを添加して脱
酸し、その後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを特徴
とする低炭素薄鋼板の溶製方法。 - 【請求項3】 炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃
度を0.02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下
にした溶鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱
酸し、その後Mgを添加した溶鋼を鋳造することを特徴
とする低炭素薄鋼板の溶製方法。 - 【請求項4】 真空脱ガス処理により炭素濃度を0.0
1質量%以下、Si濃度を0.02質量%以下、Mn濃
度を0.2質量%以下にした溶鋼に0.005質量%以
上のTiを添加して脱酸し、その後Mgを添加した溶鋼
を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶製方法。 - 【請求項5】 炭素濃度を0.01質量%以下、Si濃
度を0.02質量%以下、Mn濃度を0.2質量%以下
にした溶鋼に0.005質量%以上のTiを添加して脱
酸し、その後Mgを0.0001〜0.01質量%添加
した溶鋼を鋳造することを特徴とする低炭素薄鋼板の溶
製方法。 - 【請求項6】 真空脱ガス処理により炭素濃度を0.0
1質量%以下、Si濃度を0.02質量%以下、Mn濃
度を0.2質量%以下にした溶鋼に0.005質量%以
上のTiを添加して脱酸し、その後Mgを0.0001
〜0.01質量%添加した溶鋼を鋳造することを特徴と
する低炭素薄鋼板の溶製方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002088412A (ja) * | 2000-09-18 | 2002-03-27 | Nippon Steel Corp | 薄板用鋼板の溶製方法とそれを用いて鋳造した鋳片 |
JP2003049218A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-21 | Nippon Steel Corp | 薄板用鋼板の溶製方法とそれを用いて鋳造した鋳片 |
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2000
- 2000-06-23 JP JP2000189875A patent/JP2002003930A/ja active Pending
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JP2002088412A (ja) * | 2000-09-18 | 2002-03-27 | Nippon Steel Corp | 薄板用鋼板の溶製方法とそれを用いて鋳造した鋳片 |
JP2003049218A (ja) * | 2001-08-07 | 2003-02-21 | Nippon Steel Corp | 薄板用鋼板の溶製方法とそれを用いて鋳造した鋳片 |
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