JP2012136748A - 二次精錬方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溶鋼中の粗大な介在物のバラツキを無くし安定的に個数を低減することができるようにする。
【解決手段】Mn=1.0〜2.0質量%、S=0.003質量%未満(0%を除く)、T.Al=0.002〜0.01質量%、T.O=0.001〜0.005質量%となる溶鋼に対して1回当たり0.6kg/ton以下でTiを添加し、Tiの添加後は攪拌動力密度が2〜4W/tonで10〜20分間溶鋼を攪拌して溶鋼成分をTi=0.015〜0.040質量%、T.O=0.001〜0.005質量%に調整し、成分調整した溶鋼に10×A/V<[W(REM)+0.8×W(Zr)]/T.O<70×A/Vを満たす範囲でを添加し、添加後は攪拌動力密度が2〜3W/tonで3〜7分間溶鋼を攪拌する。A:接触面積(m2)、V:溶鋼体積(m3)、W(REM):希土類元素の添加量(kg/ton)、Zrの添加量(kg/ton)。
【選択図】図2

Description

本発明は、溶鋼にTiを添加して脱酸処理を行う二次精錬方法に関するものである。
従来より、溶鋼を精錬する二次精錬工程において、溶鋼にTiを添加して脱酸(キルド処理)を行い、その後、希土類元素を添加して精錬を進めるという技術が開発されている(特許文献1〜特許文献3)。
特許文献1では、炭素濃度が0.005〜0.01質量%に到達した時点で、該溶鋼にAlを添加して予備脱酸を行い、溶存酸素濃度を0.025〜0.045質量%に制御しつつ炭素濃度をさらに0.004質量%以下まで脱炭した後、該溶鋼に、さらにAlを添加して予備脱酸強化を行い、溶鋼中の溶存酸素濃度を0.005質量%以上0.025質量%未満とし、次いで、Tiを添加してTi濃度を0.003〜0.4質量%とし、さらに、希土類元素でのうち少なくともLa、Ceを添加し、LaとCeの合計濃度を0.0005〜0.03質量%としている。
特許文献2では、真空脱ガス処理により溶鋼中の炭素含有率を0.01質量%以下まで脱炭した後、2回以上の添加により予め設定された総Ti添加量を投入し、その後少なくともLa、Ceを添加している。
特許文献3では、炭素濃度を0.05質量%以下まで脱炭処理した溶鋼に、Tiを添加し、その後、希土類元素であるLa、Ceのいずれか1種以上を添加し、かつ、成分調整を行っている。
特許第4392364号公報 特開2004−169107号公報 特開2010−023045号公報
上記したような溶鋼にTiを添加して溶鋼を脱酸した後に希土類元素を添加する技術では、溶鋼のキルド処理が行えるのはもとより、溶鋼中の介在物を微細化することが可能となって、例えばノズルの閉塞を防止することができるようになる。
とはいえ、特許文献1〜特許文献3の技術は、溶鋼中の介在物を安定的に微細化できる、言い換えれば粗大な介在物を安定的に低減することができる技術に至っていないのが実情であり、更なる改良の要望が高まってきている。
そこで、本発明は、溶鋼のキルド処理が確実に行え、且つ溶鋼中に残存する介在物の微細化を確実に行うことができる二次精錬方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明は、溶鋼にTiを添加して二次精錬を行うに際し、Mn=1.0〜2.0質量%、S=0.003質量%未満(0%を除く)、T.Al=0.002〜0.01質量%、T.O=0.001〜0.005質量%となるよう溶鋼成分を調整しておき、成分調整した溶鋼に対して1回当たり0.6kg/ton以下でTiを添加し、Tiの添加後は、攪拌動力密度が2〜4W/tonで10〜20分間溶鋼を攪拌して溶鋼成分をTi=0.015〜0.040質量%、T.O=0.001〜0.005質量%に調整し、成分調整した溶鋼に式(1)を満たす範囲で希土類元素及び/又はZrを添加し、添加後は攪拌動力密度が2〜3W/tonで3〜7分間溶鋼を攪拌する点にある。
本発明の二次精錬方法を採用することで、溶鋼のキルド処理が確実に行え、且つ溶鋼中に残存する介在物の微細化を確実に図ることができる。なお、介在物の微細化を確実に図るとは、粗大な介在物の個数を減らすことができるばかりか、粗大な介在物の発生個数のバラツキを可級的に小さくできることを意味する。
本発明の二次精錬処理を行う還流式脱ガス精錬装置を示した図でる。 取鍋内部を示した図である。 (a)実施例における浸漬ノズルに付着した介在物の厚みを示し、(b)比較例における浸漬ノズルに付着した介在物の厚みを示した図である。 介在物の平均組成を示した図である。 A/V-1と(WREM+0.8WZr)/T.Oとの関係図である。 実施例における介在物中のREM23の濃度とZrO2の濃度との合計のバラツキを示した図である。 比較例における介在物中のREM23の濃度とZrO2の濃度との合計のバラツキを示した図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
本発明の二次精錬方法は、転炉などで一次精錬処理を終了した溶鋼に対して二次精錬処理を行うに際し、溶鋼の脱酸を行うためにTiを溶鋼に添加した後、Tiを添加した溶鋼に対して希土類元素を添加することによって、溶鋼のキルド処理が確実に行え、且つ溶鋼中に残存する介在物の微細化を確実に図ると共にその個数も少なくできるようになる。
以下、二次精錬方法について詳しく説明する。
図1は、溶鋼の二次精錬を行うための装置を示している。この装置1は、例えば、溶鋼2を還流させながら真空引きを行うことにより溶鋼の二次精錬を行う還流式脱ガス精錬装置(RH装置)である。このRH装置1は、溶鋼2が装入された取鍋3と、略真空状態となって溶鋼2内の脱ガスを行う脱ガス槽4とを有している。
脱ガス槽4の下部には取鍋3内の溶鋼2に浸漬させる2本の浸漬管(上昇管5、下降管6)が設けられており、この浸漬管の一方(上昇管5)にはArガス等の不活性ガスを吹き込む吹き込み口(図示省略)が設けられている。脱ガス槽4の上部には、脱ガス槽4のガスを排気する排気口7が設けられている。
RH装置1において溶鋼2の二次精錬を行うにあたっては、まず、浸漬管を取鍋3内の溶鋼2に浸漬した状態で、上昇管5の吹き込み口からAr等の不活性ガスを吹き込むと共に、排気口7から脱ガス槽4のガスを排気して脱ガス槽4内を略真空状態し、この状態で溶鋼2を脱ガス槽4と取鍋3との間で循環させることで溶鋼2を攪拌する。そして、溶鋼2の脱酸を行うためにTiを溶鋼2内に添加すると共に、Tiを添加した後は希土類元素を溶鋼2に添加する。
上述したように、二次精錬処理を行う際にTiを添加すると、溶鋼中の酸素を低減できると共に、溶鋼中の介在物をAl23系介在物より微細なTi系酸化物(MnO-Al23-TiO2系の酸化物)にして、介在物の大きさを小さくすることができる。
以下、説明の便宜上、介在物を区別するために、溶鋼中に残るTi系酸化物(MnO-Al23-TiO2系の酸化物)をTi系介在物といい、溶鋼中に残るMn系酸化物(Mnが主体の酸化物)をMn系介在物といい、溶鋼中に残るAl23(Al23が主体の酸化物)をAl系介在物という。
溶鋼中の介在物を確実にTi系介在物にするには、まず、Tiを溶鋼に添加しキルド処理をする前に、溶鋼の成分を次のように制御する必要がある。
具体的には、Ti脱酸前に、Mn=1.0〜2.0質量%、S=0.003質量%未満(0%を除く)、T.Al=0.002〜0.01質量%、T.O=0.001〜0.005質量%となるよう溶鋼成分を調整する。
Mnが1.0質量%未満であり、Mnが少なすぎると、後に添加するTiによるTi系介在物が生成し難い傾向があって、その結果、溶鋼中には大きな介在物が多くなることになる。言い換えれば、脱酸元素が不足するため、最終的にトータル酸素の目標値であるT.O<50ppm以下の達成が困難になる。一方、Mnが2.0質量%を超えると、Mnが多すぎるためTi系介在物よりもMn系介在物の生成が多くなる。
Sが0.003質量%よりも多い場合、後述するように希土類元素を溶鋼中に添加したとしても溶鋼中のSと希土類元素とが結びつき易くなるため、介在物の制御が非常に難しくなる。そのため、Sは少ないことが好ましく、0.003質量%未満であることが必要である。
T.Alが0.002質量%未満であり、Alが少なすぎると、後に添加するTiによるTi系介在物が生成し難い傾向があって、その結果、溶鋼中には大きな介在物が多くなることになる。言い換えれば、脱酸元素が不足するため、最終的にトータル酸素の目標値であるT.O<50ppm以下の達成が困難になる。一方、Alが0.01質量%を超えると、Alが多すぎるためTi系介在物よりもAl系介在物の生成が多くなる。
T.Oを0.001質量%未満にすることは、実際の操業を考えたときに二次精錬装置に相当の負荷、即ち、溶製に多大な負荷がかかることとなる。一方、T.Oが0.005質量%超えてしまうと、Ti脱酸した後の介在物が大きくなると共に、介在物のバラツキが大きい。
次に 溶鋼の成分を調整した後は、成分調整した溶鋼にTiを添加する。ここで、Tiを溶鋼に添加するに際し、1回当たりの添加量(Tiの純成分に換算した添加量)を0.6kg/ton以下にしている。1回当たりの添加量が0.6kg/tonを超えてしまうと、1回当たりのTiの添加量が多すぎて、局所的に高濃度の脱酸元素(Ti)となる領域が溶鋼中に生じ、その結果、粗大な脱酸生成物が生成する傾向にある。なお、溶鋼に添加するTiの回数は、1回であっても複数回に分けてもよい。
溶鋼にTiを添加した後は、攪拌動力密度が2〜4W/tonとして、10〜20分間溶鋼を攪拌する。
攪拌動力密度を2W/ton未満としてしまうと、溶鋼の攪拌が弱すぎるために、Tiによる脱酸が進まないと共にTi系介在物の生成が十分に進まないため、溶鋼内に残る介在物のバラツキが発生してしまう。一方、攪拌動力密度を4W/tonよりも大きくしてしまうと、Ti系介在物が十分に生成するものの、溶鋼上のスラグが溶鋼に巻き込まれてしまい、溶鋼中の介在物の制御を行うことが難しい。
攪拌時間が10分未満であると、溶鋼の攪拌が時間が短すぎるためにTiによる脱酸の効果が余りなく、Ti系介在物の生成が十分に進まないため、溶鋼内に残る介在物のバラツキが発生してしまう。一方、攪拌時間が20分を超えてしまうと、攪拌時間が長すぎるためにTi系介在物の凝集粗大化が進んでしまうことになり、溶鋼を攪拌するという効果がなく、溶鋼の温度低下を進ませてしまうという処理上の問題がある。
なお、攪拌動力密度は式(2)で求めたものである。
還流式脱ガス精錬のように真空中ガスリフトポンプによる攪拌を行った場合の攪拌動力密度εは式(3)で与えられることが「日本鉄鋼協会編:第3版鉄鋼便覧,第2巻,製銑・製鋼,1981年,673頁」に開示されている。
ここで、Qは溶鋼2の循環量(ton/min)、Uは下降管13内の溶鋼2の線速度(m/sec)である。
式(2)における循環量Q(ton/min)は、「桑原ら:鉄と鋼,第73巻,1987年,176頁」に開示されているように、式(4)で求められる。この式におけるDは下降管13の内径(m)である。
また、下降管13内の溶鋼2の線速度U(m/sec)は、具体的には、式(5)により算出することができる。
式(4),式(5)を式(3)に代入することで、式(2)を得ることができる。
上述したように、攪拌動力密度が2〜4W/tonで10〜20分間、溶鋼を攪拌して、溶鋼の成分をTi=0.015〜0.040質量%、T.O=0.001〜0.005質量%に調整する。
Tiが0.0015質量%未満であると、Tiが少なすぎるために意図したTi系介在物とならず、Al23系介在物となる。一方、Tiが0.040質量%を超えてしまうと、Ti系介在物の生成が進むものの、希土類元素を添加したときの介在物の改善が進まない可能性がある。
T.Oを0.001質量%未満にすることは、実際の操業を考えたときに二次精錬装置に相当の負荷、即ち、溶製に多大な負荷がかかることとなる。一方、T.Oが0.005質量%超えてしまうと、Ti脱酸した後の介在物が大きくなると共に、介在物のバラツキが大きい。
上述したように、本発明では、まず、Mn=1.0〜2.0質量%、S=0.003質量%未満(0%を除く)、T.Al=0.002〜0.01質量%、T.O=0.001〜0.005質量%となるよう溶鋼成分を調整する。そして、成分調整した溶鋼に対して1回当たり0.6kg/ton以下でTiを添加し、Tiの添加後は、攪拌動力密度が2〜4W/tonで10〜20分間溶鋼を攪拌して溶鋼成分をTi=0.015〜0.040質量%、T.O=0.001〜0.005質量%に調整することによって、Tiで溶鋼の脱酸を行ったTiキルド溶鋼を生成する。
Ti系介在物自体の大きさはAl23系介在物自体の大きさよりも小さいため、介在物の粗大化を防止することを期待することができる。しかしながら、Ti系介在物は、時間が経過するにつれてTi系介在物同士が凝集してしまう可能性がある。
そこで、Tiキルド溶鋼を生成した後に希土類元素を添加することによってTi系介在物の凝集を抑制することとしている。希土類元素をTiキルド溶鋼に添加することによってTi系介在物の凝集を防止することは特許第4392364号公報等に記載されており、一般的なことである。
本発明では、Tiキルド溶鋼には、式(1)を満たす範囲で希土類元素又はZrを添加することとしている。なお、希土類元素とZrとを溶鋼に添加するようにしてもよい。
さて、希土類元素やZrは、アルミナ系耐火物と反応し易く、多量の希土類元素やZrを溶鋼に添加すると、アルミナ系耐火物中のAlが多量に溶鋼に溶け出してしまい、その結果、Tiを溶鋼に添加したとしても、溶鋼中に生成される介在物のバランスが変化してしまう可能性がある。そのため、本発明によれば、Tiキルド溶鋼に希土類元素やZrを添加するにあたっては、式(1)に示すように、アルミナ系耐火物と溶鋼との接触面積A、希土類元素やZrを添加する前のT.Oの濃度、溶鋼体積Vとを用いて、希土類元素やZrの添加量を規定することとしている。なお、溶鋼体積Vは、溶鋼重量÷溶鋼密度にて求めている。溶鋼密度は、7kg/m3としている。
ここで、アルミナ系耐火物と溶鋼との接触面積Aについて説明する。
図2に示すように、取鍋の内部に設けられた耐火物には、アルミナ系耐火物とマグネシア系耐火物(MgO−C系耐火物)とがある。アルミナ系耐火物は取鍋の底部(敷部)の全体に設けられていると共に敷部から起立する胴部において敷部から開口部に向けて設けられている。マグネシア系耐火物は、取鍋の胴部においてアルミナ系耐火物から引き続き開口部に向けて設けられていて、主にスラグラインに対応する部分の耐火物として用いられている。
したがって、取鍋に溶鋼を装入した状態において、胴部に設けられたアルミナ系耐火物と溶鋼とが接触している胴回り接触面積A1と、敷部と溶鋼とが接触している敷部接触面積A2とを加算したものが、アルミナ系耐火物と溶鋼との接触面積Aとなる。
式(1)の右辺の値(<70×A/V)よりも多くなるように、希土類元素やZrを溶鋼に添加してしまうと、希土類元素とアルミナ系耐火物とが反応してアルミナ系耐火物に含まれるAlが多量に溶鋼内に溶け出してしまい、その結果、Al系介在物が多くなることによって粗大な介在物が多くなる。
式(1)の左辺の値(10×A/V)よりも少なくなるように、希土類元素やZrを溶鋼に添加してしまうと、希土類元素やZrを添加することによって介在物の微細化をする効果がなく、介在物を微細化をすることができない。
溶鋼に希土類元素を添加した後は、攪拌動力密度を2〜3W/tonとして、3〜7分間、溶鋼を攪拌する。
攪拌動力密度を2W/ton未満としてしまうと、溶鋼を攪拌が弱すぎるために、希土類元素等を添加したことによるTi系介在物の凝集化の防止が十分に進まず、結果的に、介在物が粗大化してしまう。一方、攪拌動力密度を3W/tonよりも大きくしてしまうと、希土類元素等を添加したことによるTi系介在物の凝集化の防止が十分に進むものの、Ti系介在物自体の凝集化も進んでしまい、結果的に、介在物が粗大化してしまう。
溶鋼中に希土類元素やZrを溶鋼に満遍なく混ぜるためには(均一化させる)、少なくとも攪拌時間は3分以上確保する必要がある。一方、攪拌時間が7分を超えてしまうと、攪拌時間が長すぎるために、Ti系介在物の凝集粗大化が進んでしまうことになり、溶鋼を攪拌するという効果がなく、溶鋼の温度低下を進ませてしまうという処理上の問題がある。
表1は、実施条件をまとめたものである。表2は、二次精錬処理後の処理後の成分をまとめたものである。
取鍋に装入した溶鋼量、取鍋の大きさ、溶製鋼種、二次精錬処理方法、希土類元素(REM)の添加、取鍋内の耐火物、取鍋に取り付けたインサートノズルの組成、連続鋳造装置に取り付けた浸漬ノズルの組成、介在物の観察条件は表1に示す通りとした。
特に、添加する希土類元素としては、Ce及びLaが含まれているミッシュメタルを用いた。また、取鍋のインサートノズル(取鍋からタンディッシュへ溶鋼を注入するためのノズル)は、例えば、特開平7−40036号公報に記載されているような一般的なものである。また、連続鋳造機の浸漬ノズル(タンディッシュから鋳型へ溶鋼を注入するためのノズル)も、例えば、特開2005−28441号公報に記載されているような一般的なものである。
表3〜表6は、本発明の二次精錬方法にて精錬を行った実施例と、本発明とは異なる二次精錬方法にて精錬を行った比較例とをまとめたものである。
実施例1〜実施例20では、Tiを添加する前の溶鋼成分に関して、Mn=1.0〜2.0質量%、S=0.003質量%未満(0%を除く)、T.Al=0.002〜0.01質量%、T.O=0.001〜0.005質量%なるよう二次精錬処理にて調整している(Ti添加前の状態の欄)。また、成分調整後の溶鋼に対して1回当たり0.6kg/ton以下でTiを添加し(Ti添加時-Ti最大添加量の欄)、Tiの添加後は攪拌動力密度が2〜4W/tonで10〜20分間溶鋼を攪拌している(Ti添加後の攪拌の欄)。さらに、添加後の溶鋼成分をTi=0.015〜0.040質量%、T.O=0.001〜0.005質量%に調整している(REM添加前の状態の欄)。
加えて、実施例では、成分調整した溶鋼に式(1)を満たす範囲で希土類元素及び/又はZrを添加し(合金添加量及び添加量の欄)、添加後は攪拌動力密度が2〜3W/tonで3〜7分間溶鋼を攪拌している(REM添加後の攪拌状態の欄)。
一方、比較例21〜25では、Ti添加前の溶鋼成分値、Ti添加時の1回当たりの添加量、Ti添加後の攪拌、REM添加前の溶鋼成分の状態、REM添加後の攪拌状態のいずれも、本発明の条件を満たしていない。また、比較例26〜29では、REM添加前において、T.Oが多かったり、Tiが多かったり少なかったりしている。比較例30〜34では、REM添加後において、動力攪拌密度が高かったり低かったりしていると共に、攪拌時間が長かったり短かったりしている。
さらに、比較例34〜53では、Ti添加前の状態において溶鋼の各溶鋼成分が本発明に規定する値を満たしていないと共に、Tiの1回当たりの添加量が多かったり、Ti添加後において攪拌動力密度や攪拌時間が本発明に規定する値を満たしていない。
加えて、比較例54〜66では、希土類元素やZrの添加量が式(1)の範囲を満たしていない。
このように実施例では、本発明の条件を満たしているため、取鍋からタンディッシュへと溶鋼を注入する際にインサートノズルでのノズル閉鎖(親鍋閉鎖の欄)が無かった。なお、インサートノズルでのノズル閉鎖は、取鍋内の溶鋼がタンディッシュへ注入しなくなりノズル詰まりの解消作業を行った場合をノズル閉鎖有り、ノズル詰まりの解消作業(親鍋開孔作業)を行わなかった場合をノズル閉鎖無しとした。
また、実施例では、図3(a)に示すように、浸漬ノズルに付着した介在物の厚みを20mm以下にすることができた。一方、図3(b)に示すように、比較例では、浸漬ノズルに付着した介在物の厚みは20mmよりも大きく、全ての比較例で25mm以上となり、その結果、ノズル詰まりの解消作業が必要(親鍋開孔作業あり)であると共に、一定の鋳造速度で鋳造を行うことが困難であった。
実施例と比較例との溶鋼処理後(二次精錬処理後)の介在物(酸化物)の平均組成は、図4に示すものとなった。即ち、希土類元素の酸化物(REM23)とジルコニウムの酸化物(ZrO2)とを合わせた改質酸化物、チタンの酸化物(TiO2)、アルミニウムの酸化物(Al23)を見たとき、本発明は範囲Xの範囲となった。また、実施例及び比較例において、式(1)でのA/V-1と(WREM+0.8WZr)/[T.O]との関係は、図5に示すものとなった。
図6に示すように、実施例では、縦軸に示される標準偏差の値(介在物中のREM23とZrO2とを合わせた改質酸化物に関する濃度のバラツキ具合)を確実に10以下にすることができる。従来例では、濃度のバラツキ具合の値は40以下である。
また、図7示すように、実施例では、縦軸の値(5μm以上介在物の個数)を30個/cm2以内に確実にすることができる。従来例では、5μm以上介在物の個数は80個/cm2と大きな値をとることがある。従来例を詳しくみれば、5μm以上の介在物を30個/cm2以内できる場合もあるものの、5μm以上の介在物が30個/cm2よりも多くなるケースがある。加えて、実施例では、5μm以上介在物の個数のバラツキ具合(標準偏差)は8.7(実施例の20ch分を母数とした数値)であり、従来例では17.7(比較例46ch分を母数とした数値)であって、介在物個数のバラツキが約1/2となっている。つまり、本実施例では、粗大な介在物の個数を減らすことができるばかりか、粗大な介在物の発生個数のバラツキを可級的に小さくできる。
なお、今回開示された実施形態において、明示的に開示されていない事項、例えば、操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な事項を採用している。上記の実施形態では、二次精錬はRH装置にて行っているが、これに限らず、CAS装置によって行ってもよい。
1 還流式脱ガス精錬装置
2 溶鋼
3 取鍋
4 脱ガス槽
5 上昇管
6 下降管
7 排気口

Claims (1)

  1. 溶鋼にTiを添加して二次精錬を行うに際し、Mn=1.0〜2.0質量%、S=0.003質量%未満(0%を除く)、T.Al=0.002〜0.01質量%、T.O=0.001〜0.005質量%となるよう溶鋼成分を調整しておき、
    成分の調整した溶鋼に対して1回当たり0.6kg/ton以下でTiを添加し、Tiの添加後は、攪拌動力密度が2〜4W/tonで10〜20分間溶鋼を攪拌して溶鋼成分をTi=0.015〜0.040質量%、T.O=0.001〜0.005質量%に調整し、
    成分調整した溶鋼に式(1)を満たす範囲で希土類元素及び/又はZrを添加し、添加後は攪拌動力密度が2〜3W/tonで3〜7分間溶鋼を攪拌することを特徴とする二次精錬方法。
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