JP5353935B2 - 溶銑脱りん方法 - Google Patents
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Description
溶銑脱りん吹錬中のスラグフォーミングを沈静させる方法として、吹錬中にサブランスからコークス粉をスラグへ吹き付ける方法が有効である。このスラグフォーミングの沈静化の程度はコークス粉の吹き付け速度や吹き付け量のみに依存するのではなく、スラグのフォーミングし易さによっても異なるはずである。そこで、本発明者らは、スラグのフォーミングし易さに影響を及ぼす主な因子として、上吹き酸素ガス流量とスラグ組成に着目した。
上底吹き転炉に溶銑270tを装入し、上吹き酸素流量1.3〜4.2Nm3/min/溶銑t、底吹きN2流量0.1〜0.6Nm3/min/溶銑tとして、生石灰および酸化鉄を添加して溶銑脱りん処理を行った。ここで、処理後のスラグ塩基度は1.5〜2.5とし、処理後の鍋中溶銑温度を1290〜1350℃とした。
なお、上吹き酸素流量が大きくなると脱炭反応で生成するCOガス量が増えるため、スラグフォーミングが助長されてスロッピングし易くなる。その結果、上吹き酸素流量が多いほど、スロッピングを抑制するために必要なコークス粉の上吹き速度および上吹き量も増加した。ここで、コークス粉上吹き速度とは、コークス粉を上吹きした量を上吹きしていた時間で除した値、すなわち平均の上吹き速度を意味する。
Wは、上記したVの適正な範囲の下限値Vminと上限値Vmaxの4倍の範囲内が適正値である。
−0.25+1.75×R≦V≦−0.26+3.81×R (2)
1.5≦Q≦4.0 (3)
0.2≦R≦1.0 (4)
Vmin≦W≦4×Vmax (5)
ここで、Q:上吹き酸素流量(Nm3/min/溶銑t)、
R:処理前溶銑中[Si]濃度と[Ti]濃度の和(質量%)、
V:コークス粉上吹き速度(kg/min/溶銑t)、
W:コークス粉上吹き量(kg/溶銑t)、
Vmin:上記式(1)〜(4)を同時に満足するVの最低値、および
Vmax:上記式(1)〜(4)を同時に満足するVの最大値
である。
本発明に係る脱りん方法は、上吹き酸素流量が1.5Nm3/min/溶銑t以上の高流量であって処理前溶銑中の[Si]濃度と[Ti]濃度との和がある程度高い、スロッピングが特に発生しやすい条件においてもその発生を効果的に抑制する方法である。したがって、処理対象となる溶銑は次の組成上の条件を満たすものが用いられる。
溶銑における他の成分の濃度は特に限定されない。
本発明に係る脱りん方法を実施するにあたり、1.5Nm3/min/溶銑t以上の流量で酸素を上吹きできること、底吹きN2流量として0.1〜0.6Nm3/min/溶銑tを確保できること、およびサブランスからスラグにコークス粉を吹きつけることができることが満たされれば、設備構成は特に限定されない。酸素とともに粉体状の生石灰をメインランスから供給できることが好ましい。
(比較例1)
上吹き酸素流量Qが所望の下限値1.5Nm3/min/溶銑tであり、溶銑中[Si]濃度と[Ti]濃度の和Rが0.2と低くとも、脱りん吹錬中にスロッピングが発生してしまった。このことから、Qが1.5Nm3/min/溶銑t以上且つRが0.2以上の条件下では、コークス粉を上吹きしなければ吹錬中にスロッピングが発生してしまうことがわかった。
Qを1.5から4.0Nm3/min/溶銑tまで増加しても、サブランスからコークス粉を上記式(1)〜(4)で規定した範囲内の速度Vで、上記式(5)で規定した範囲内の量Wをフォーミングスラグへ吹き付けることで、吹錬中のスロッピングを回避でき、処理後の[P]濃度も0.02質量%未満にできた。
(本発明例5〜9および比較例3)
溶銑中[Si]濃度と[Ti]濃度の和Rが1.0以下の場合、サブランスからコークス粉を適正な範囲内の速度で適正な範囲内の量をフォーミングスラグ中へ吹き付けることで、吹錬中のスロッピングを回避でき、処理後[P]濃度も0.02質量%未満にできた。
(本発明例10および11ならびに比較例4および5)
所望の操業条件の中では最もスロッピングし難い条件である、Q=1.5Nm3/min/溶銑t、R=0.2において、適正な範囲内の下限値に近い速度0.1kg/min/溶銑tで、適正範囲の下限値に近い量0.11kg/溶銑tをフォーミングスラグへ吹き付けたところ(本発明例10)、吹錬中のスロッピングを回避でき、処理後[P]濃度も0.02質量%未満にできた。
所望の操業条件の中では最もスロッピングし難い条件である、Q=1.5Nm3/min/溶銑t、R=0.2において、適正な範囲内の下限値に近い速度0.11kg/min/溶銑tで、適正範囲の下限値に近い量0.11kg/溶銑tをフォーミングスラグへ吹き付けたところ(本発明例12)、吹錬中のスロッピングを回避でき、処理後[P]濃度も0.02質量%未満にできた。
(本発明例14〜16および比較例8)
処理後のスラグ塩基度を1.5〜2.5とすることで、サブランスからコークス粉を適正条件内で上吹きしても処理後[P]を0.02質量%未満にできた。
溶銑脱りん吹錬に用いる生石灰の40質量%または100質量%を粉体(粒径0.2mm以下)とし、O2を80質量%以上含有する酸素ガスをキャリアーガスとして、この粉体を吹錬中に上吹きランスから溶銑浴面へ吹き付けて添加した。サブランスからは適正範囲内の条件でコークス粉を吹き付けた。
Claims (1)
- 上底吹き転炉型容器を用い、上吹き酸素流量1.5〜4.0Nm3/min/溶銑t、底吹きN2流量0.1〜0.6Nm3/min/溶銑tとして、生石灰および酸化鉄を添加し、処理後のスラグ塩基度は1.5〜2.5で、吹錬中にサブランスからスラグへコークス粉を吹き付ける溶銑脱りん方法において、コークス粉吹き付け速度Vおよびコークス粉吹き付け量Wを下記式(1)〜(5)で規定する範囲内とすることを特徴とする溶銑脱りん方法。
−0.14+0.16×Q≦V≦0.27+0.82×Q (1)
−0.25+1.75×R≦V≦−0.26+3.81×R (2)
1.5≦Q≦4.0 (3)
0.2≦R≦1.0 (4)
Vmin≦W≦4×Vmax (5)
ここで、Q:上吹き酸素流量(Nm3/min/溶銑t)、
R:処理前溶銑中[Si]濃度と[Ti]濃度の和(質量%)、
V:コークス粉上吹き速度(kg/min/溶銑t)、
W:コークス粉上吹き量(kg/溶銑t)、
Vmin:上記式(1)〜(4)を同時に満足するVの最低値、および
Vmax:上記式(1)〜(4)を同時に満足するVの最大値
である。
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JP2011072065A JP5353935B2 (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 溶銑脱りん方法 |
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JP2011072065A JP5353935B2 (ja) | 2011-03-29 | 2011-03-29 | 溶銑脱りん方法 |
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