JP3533955B2 - スラグフォーミングの鎮静方法 - Google Patents

スラグフォーミングの鎮静方法

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JP3533955B2 JP26632598A JP26632598A JP3533955B2 JP 3533955 B2 JP3533955 B2 JP 3533955B2 JP 26632598 A JP26632598 A JP 26632598A JP 26632598 A JP26632598 A JP 26632598A JP 3533955 B2 JP3533955 B2 JP 3533955B2
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  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、溶銑の脱リン処理
時のスラグフォーミングの鎮静方法に関する。 【0002】 【従来の技術】近年、低リン鋼の要請がますます強くな
っているが、転炉1基の吹錬では炉壁へP2 5 濃度の
高いスラグが付着することにより、溶銑中の[P]濃度
を充分に下げることは困難である。 【0003】そこで、低リン鋼の安定溶製および媒溶剤
使用量の節減による溶製コスト合理化を目的とする溶銑
脱リン処理が行われるようになった。 【0004】溶銑脱リン方法は、トーピードカー、取鍋
および転炉を用い、溶銑中に生石灰、転炉滓、鉄鉱石、
CaF2 、Na2 CO3 等を添加してインジェクション
攪拌する方法がとられてきたが、トーピードカーおよび
取鍋のような溶銑の搬送容器は、本来精錬用の容器では
ないためにフリーボードが小さく、脱リン処理中にスラ
グが泡立ち、スラグ流出を生じることが多く、処理の中
断を余儀なくされ生産効率が低下したり、流出スラグ中
には約10%程度の鉄分が含まれているので鉄歩留まり
が悪化するという問題があった。 【0005】大きなフリーボードを有する精錬容器であ
る転炉であっても、脱リン処理後に炉内スラグのフォー
ミングが鎮静しなければ、炉を傾動して出湯する際に、
炉口からスラグが大量に横溢し、操業が中断するという
問題が生じた。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】上記のスラグフォーミ
ングは、以下の機構によって生じる。溶銑脱リン処理時
には溶銑とスラグの界面近傍において、添加したスケー
ルや酸素ガスと溶銑中の炭素との反応によりCOガスが
発生し、このCO気泡によりスラグが泡立ち、スラグの
体積が何倍にも膨張する。 【0007】特開平4−329812号公報に、このフ
ォーミングを鎮静する方法として、粒径3mm以下のコ
ークス粉を一回の鎮静作業につき溶銑トン当たり0.1
kg以上0.8kg未満添加する方法が提案された。 【0008】しかしながら、比較的処理時間に余裕のあ
るトーピードカー等で脱リン処理する場合には、上記提
案は有効と判断できるが、前後の工程制約から短時間処
理が要求される転炉での脱リン処理では、約3分以内と
いう極めて短いリンス時間内にスラグフォーミングを確
実に鎮静化して、出湯時に炉口からスラグが横溢しない
ようにする必要がある。 【0009】また、コークス粉を多量に添加し過ぎる
と、スラグ中の(FeO)がコークス粉によって必要以
上に還元されて、復リンが生じる問題に加えて、脱リン
処理後のスラグを路盤材として利用する場合、スラグ中
にコークス粉が多量に残留してスラグの強度が低下し、
路盤材としての必要強度を確保できなくなるおそれがあ
る。 【0010】本発明の目的は、転炉形式の炉で溶銑脱リ
ン後のリンス期に、必要最小限量のコークス粉インジェ
クションで、復リンすることなく短時間にフォーミング
を鎮静し、脱リン処理後のスラグ中のコークス粉残留量
を路盤材としての必要強度を確保できるまでに低下させ
る方法を提供することにある。 【0011】 【課題を解決するための手段】本発明者等は、実機で実
験を重ね以下の知見を得た。 (A) 上底吹き転炉形式の炉において、転炉滓および/ま
たは生石灰および酸化鉄を主成分とする脱リン用媒溶剤
を用いて酸素を上吹きして脱リン吹錬すると、スラグは
通常湯面上方4m以上にまでフォーミングする。 【0012】(B) 吹錬直後のリンス期(約3分間)の初
期にサブランスを湯面上方1〜3mまで下降してスラグ
中へ浸漬し、サブランスのノズルから粒径0.3mm以
下のコークス粉100〜800kgを800kg/mi
n以下の速度でスラグ中へ1分以内でインジェクション
するとスラグのフォーミングを鎮静化(以下、この処理
を一次鎮静ともいう)できる。 【0013】(C)上記の鎮静化後、例えばマイクロ波レ
ベル計によりスラグレベルを測定すると、出湯開始1分
前に軽度ではあるが再度フォーミングするため、出湯の
0.5分前までにコークス粉インジェクションが完了する
ように再度サブランスから粒径0.3mm以下のコークス粉1
0〜30kgを800kg/min 以下の速度でスラグ中へインジェ
クションすると、出湯時に炉口からスラグが横溢しない
程度にまでスラグフォーミングを鎮静化(以下、この処
理を二次鎮静ともいう)できる。 【0014】(D) 上記(B) および(C) の方法は、リンス
初期に必要なコークス量の大半をインジェクションする
ため、リンス中にコークス粉はほとんどスラグ中の(F
eO)と反応もしくは溶湯中に溶解し、スラグ中にはほ
とんど残留しない。よって、路盤材としての必要強度を
確保でき、脱リンスラグを路盤材として活用できる。 【0015】(E) 図1はサブランス1をノズル角度θで
フォーミングスラグ2中へ浸漬してコークス粉をスラグ
中へインジェクションする様子を示す概念図である。 【0016】同図に示すように、底吹き羽口3から溶銑
4中にCO2 ガス5を吹きつつ、サブランス1からコー
クス粉をフォーミングスラグ2中へインジェクションす
る。 【0017】図2は、フォーミング鎮静速度指数Aとノ
ズル角度θの関係を示すグラフである。フォーミング鎮
静速度指数Aは、ノズル角度が0度(水平方向) とした
場合のフォーミング鎮静速度(フォーミング高さが単位
時間当たりに低下した量)を1として指数化したもので
ある。 【0018】同図に示すように、フォーミングをより早
く鎮静化するには、ノズル角度を水平から鉛直下方へ3
0°〜60°の範囲内とするのが好ましい。 【0019】(F) 図3は、コークス粉粒径とフォーミン
グ鎮静速度指数Bの関係を図3に示すグラフである。フ
ォーミング鎮静速度指数Bは、コークス粉粒径が0.3
mmの場合のフォーミング鎮静速度を1として指数化し
たものである。 【0020】同図に示すように、コークス粉粒径が0.
3mm未満になると、フォーミング鎮静速度が向上し始
め、コークス粉の粒径が小さいほど鎮静速度が早くな
る。 【0021】この理由は、スラグとコークス粉との界面
積が飛躍的に増大するためと考えられる。 【0022】(G) 図4は、コークス粉インジェクション
速度とフォーミング鎮静速度指数Cの関係を示すグラフ
である。フォーミング鎮静速度指数Cは、コークス粉イ
ンジェクションしない場合のフォーミング鎮静速度を1
として指数化したものである。 【0023】同図に示すように、コークス粉インジェク
ション速度が100kg/min以上になると、フォー
ミング鎮静速度が向上し始める。これは、インジェクシ
ョン速度が大きいほど、コークス粉がフォーミングスラ
グ層のより深部まで、もしくは広範囲に行き渡るため、
コークス粉がスラグ層中に均一に分散しやすくなり、し
かも単位時間にCO気泡とコークス粉が接触してCO気
泡が破裂する機会が増加することから、フォーミング鎮
静速度が向上する。 【0024】インジェクション速度が800kg/mi
nを超えると、スラグ中へインジェクションされたジェ
ット中のコークス粉密度が増加しすぎて、コークス粉が
ある程度凝集し、コークス粉量増加に見合うだけのスラ
グ−コークス粉界面積の増加を達成できなくなり、フォ
ーミング鎮静速度が飽和する。 【0025】(H) 図5は、リンス初期のコークス粉イン
ジェクション量と出湯時のスラグフォーミングレベル指
数Hの経時変化を示すグラフである。指数Hは、出湯時
に炉口からスラグが横溢しない臨界のスラグフォーミン
グレベルを1としてスラグフォーミングレベルを指数化
したものである。なお、リンス中期のコークス粉インジ
ェクション量は30kgであり、インジェクション速度
は400kg/minの一定でおこなった。 【0026】同図に示すように、リンス初期のコークス
粉インジェクション量が100kg未満の場合、リンス
中期でコークス粉を30kgインジェクションしても、
指数Hは1を超え、出湯時にスラグが炉口から横溢す
る。 【0027】(I) 図6は、リンス初期のコークス粉イン
ジェクション量と脱リンスラグの強度指数Iとの関係を
示すグラフである。強度指数Iは、路盤材の必要強度値
を1として指数化したものである。なお、リンス中期の
コークス粉インジェクション量は30kgであり、イン
ジェクション速度は400kg/minの一定でおこな
った。 【0028】同図に示すように、リンス中期でコークス
粉を30kgインジェクションする条件でリンス初期に
コークス粉を1分間に800kg以上インジェクション
した場合、前述のように多量のコークス粉がスラグ中の
FeO と反応せず、溶湯中に溶解もせずにスラグ中に残留
し、脱リンスラグの強度が低下し、路盤材の強度を満足
できなくなる。 【0029】(J)図7は、リンス中のコークス粉イン
ジェクション時期とフォーミングレベル指数Hとの関係
を示すグラフである。指数Hは、出湯時に炉口からスラ
グが横溢しない臨界のスラグフォーミングレベルを1と
してスラグフォーミングレベルを指数化したものであ
る。 【0030】同図の実線に示すように、例えば、リンス
初期に350kgのコークス粉をインジェクション速度
が400kg/minで添加した場合、リンス中期にス
ラグが再度フォーミングする(リンス初期にインジェク
ションするコークス量が800kg以下の場合、リンス
中期に必ず再度フォーミングが生じる) 。 【0031】再度のフォーミングの鎮静化のため、出湯
の0.5分前までに完了するように再度サブランスから
粒径0.3mm以下の約30kgのコークス粉をインジ
ェクション速度400kg/minで添加することによ
り出湯時の炉口からのスラグ横溢を完全に回避できる。 【0032】一方、同図の点線に示すように、リンス初
期に400kgのコークス粉をインジェクションし、リ
ンス中期に無添加の場合、合計添加量が上記実線に示す
ものより、多いにもかかわらず出湯時に炉口からスラグ
が横溢しない臨界のスラグフォーミングレベルを1を超
える。 【0033】(K) 図8は、出湯開始の0.5分前までに
完了させるリンス中期のコークス粉インジェクション量
と出湯時のスラグフォーミングレベル指数Hの経時変化
を示すグラフである。インジェクション速度は400k
g/minで一定でおこない、指数Hは出湯時に炉口か
らスラグが横溢しない臨界のスラグフォーミングレベル
を1としてスラグフォーミングレベルを指数化したもの
である。なお、リンス初期のコークス粉インジェクショ
ン量は100kgであり、インジェクション速度は40
0kg/minの一定でおこなった。同図に示すよう
に、リンス中期のコークス粉インジェクション量が10
kg未満では、指数Hが1を超え、出湯時にスラグが炉
口から横溢する。 【0034】(L) 図9は、リンス中期のコークス粉イン
ジェクション量と脱リンスラグの強度指数Iとの関係を
示すグラフである。インジェクション速度は400kg
/minの一定でおこない、強度指数Iは、路盤材の必
要強度値を1として指数化したものである。なお、リン
ス初期のコークス粉インジェクション量は800kgで
あり、インジェクション速度は400kg/minの一
定でおこなった。 【0035】同図に示すように、リンス中期のコークス
粉量が30kgを超えると、コークス粉がスラグ中の
(FeO)と未反応または溶湯中に溶解せず、スラグ中
に残留し、脱リンスラグの強度が低下し、路盤材の必要
強度値を達成できなくなる。 【0036】(M) 図10は、リンス中期のコークス粉イ
ンジェクション終了から出湯までの時間と脱リンスラグ
の強度指数Iとの関係に示すグラフである。強度指数I
は、路盤材の必要強度値を1として指数化したものであ
る。なお、リンス初期のコークス粉インジェクション量
は100kgであり、インジェクション速度は400k
g/minの一定でおこない、リンス中期のコークス粉
インジェクション量は10kgであり、インジェクショ
ン速度は400kg/minの一定でおこなった。 【0037】同図に示すように、コークス粉インジェク
ション終了後0.5分未満で出湯を開始した場合、コー
クス粉がスラグ中の(FeO)と反応したり、溶湯中へ
溶解する時間が確保できず、コークス粉が路盤材中に残
留し、脱リン処理後のスラグが路盤材の必要強度を達成
できなくなる。 【0038】本発明は、以上の知見に基づいてなされた
もので、その要旨は、「上底吹き転炉形式の炉におい
て、底吹きガスを添加しながら溶銑脱リン用媒溶剤を用
いて酸素を上吹きして脱リン吹錬した後のリンス期に底
吹きガスを引き続き添加しながら溶銑湯面の上方1〜3
mまで下降したサブランスから粒径0.3mm以下のコ
ークス粉100〜800kgを100〜800kg/m
inの速度でスラグ中へ1分以内でインジェクションし
てフォーミングを一次鎮静させた後、出湯の0.5分前
までに完了するように再度サブランスから粒径0.3m
m以下のコークス粉10〜30kgを100〜800k
g/minの速度でスラグ中へインジェクションして二
次鎮静することを特徴とするスラグフォーミングの鎮静
方法。」である。なお、本発明は見方を変えると、脱リ
ン処理後のスラグを路盤材として活用する好適な方法で
あるともいえる。 【0039】 【発明の実施の形態】本発明は、例えば下記の条件で溶
銑脱リンした後に、コークスインジェクションをおこな
うものである。 【0040】上底吹き転炉に装入される溶銑は、例え
ば、温度は約1300℃、組成は[C]濃度:約4.5
重量%(以下、単に%で示す)、[P]濃度:約0.1
%、[Si]濃度:約0.3%の約300tに、転炉滓
(CaO:49%−SiO2 :7%−Al2 3 :0.
5%−T.Fe:23%)約3t、鉄鉱石3.5t、造
塊滓(CaO:47%−Al2 3:19%−Si
2 :11%−P2 5 :1%)約1tを添加し、更に
生石灰を1.7t添加し、上吹きランスより約1.3N
3 /min・tで送酸しつつ、底吹きCO2 ガス流量
0.13Nm3 /min・tで約7分間吹錬し、その後
のリンス時間は約3分であり、底吹きCO2 ガスを0.
15Nm3 /min・tの流量で吹きつつ、サブランス
からコークス粉をスラグ中へインジェクションする。 【0041】コークス粉をスラグ中へインジェクション
する方法は、溶銑湯面の上方1〜3mまで下降したサブ
ランスから粒径0.3mm以下のコークス粉100〜8
00kgを100〜800kg/minの速度でスラグ
中へ1分以内でインジェクションしてフォーミングを一
次鎮静させた後、出湯の0.5分前までに完了するよう
に再度サブランスから粒径0.3mm以下のコークス粉
10〜30kgをスラグ中へ100〜800kg/mi
nの速度でインジェクションし二次鎮静する。 【0042】インジェクション速度の望ましい範囲は、
一次鎮静および二次鎮静処理時ともに300〜800k
g/minである。 【0043】溶銑湯面の上方1〜3mまで下降したサブ
ランスからインジェクションする理由は、上方1m未満
では、サブランスにスピッティングが多量に付着した
り、サブランスが熱変形を起こし好ましくないからであ
り、3mを超えるとコークス粉がスラグ下層部まで到達
しないおそれがあるからである。好ましくは、溶銑湯面
の上方1.5〜2.5mである。 【0044】コークス粉の粒径は、0.3mm以下であ
ればよいが、0.3mm以下0.01mm以上が望まし
い。その理由は、粒径が小さいほどスラグ−コークス間
の界面面積が増加し、フォーミイングの鎮静には有効で
あるが、小さ過ぎるとガスジェットとともにスラグ層を
通過するおそれがあるからである。 【0045】 【実施例】(比較例1)上底吹き転炉に装入された脱硫
溶銑(温度は約1280℃、組成は[C]濃度:約4.
5%、[P]濃度:約0.10%、[Si]濃度0.3
0%)250tに転炉滓(組成はCaO:49%−Si
2 :7%−Al2 3 :0.5%−T.Fe:23
%)約3t、鉄鉱石3.5t、造塊滓(組成はCaO:
47%−Al2 3 :19%−SiO2 :11%−P2
5 :1%)約1tを添加し、更に生石灰を1.7t添
加した。上吹きランスより約1.3Nm3 /min・t
で送酸しつつ約7分間吹錬し、その直後にサブランスを
湯面より1.5mまで下降してフォーミングスラグ中へ
浸漬して、粒径0.3mmのコークス粉を900kg/
minで1分間インジェクションした。リンス時間は約
3分間であり、底吹きCO2 ガス流量は、吹錬中0.1
3Nm3 /min・t、リンス中は0.17Nm3 /m
in・tとした。 【0046】処理後のスラグ組成は、塩基度1.8、
(Al2 3 )濃度6%、(T.Fe)濃度は4%とな
り、処理後の[P]濃度は0.020%となった。 【0047】出湯時に炉口からスラグ横溢は生じなかっ
たが、スラグ中にコークス粉が残留していたためスラグ
の強度が低下し、脱リンスラグは路盤材の必要強度値を
達成できなかった。 【0048】(比較例2)上底吹き転炉に装入された脱
硫溶銑(温度は約1278℃、組成は[C]濃度:約
4.5%、[P]濃度:約0.10%、[Si]濃度
0.31%)249tに転炉滓(組成はCaO:49%
−SiO2 :7%−Al2 3 :0.5%−T.Fe:
23%)約3t、鉄鉱石3.6t、造塊滓(組成はCa
O:47%−Al2 3 :19%−SiO2 :11%−
2 5 :1%)約1tを添加し、更に生石灰を1.7
t添加した。上吹きランスより約1.3Nm3 /min
・tで送酸しつつ約7分間吹錬し、その直後にサブラン
スを湯面より1.5mまで下降してフォーミングスラグ
中へ浸漬して、粒径0.3mmのコークス粉を300k
g/minで1.5分間インジェクションした。リンス
時間は約3分間であり、底吹きCO2 ガス流量は、吹錬
中0.13Nm3 /min・t、リンス中は0.17N
3 /min・tとした。 【0049】処理後スラグ組成は、塩基度1.8、(A
2 3 )濃度6%となり、処理後の[P]濃度は0.
015%となった。しかしながら、(T.Fe)濃度が
6%まで低下していたにも関わらず、リンス中にスラグ
フォーミングを鎮静しすることができず、出湯時に炉口
からスラグが多少横溢した。 【0050】脱リンスラグ中にはコークス粉はあまり残
留しておらず、脱リンスラグは路盤材として使用可能な
強度であった。 【0051】(本発明例1)上底吹き転炉に装入された
脱硫溶銑(温度は約1278℃、組成は[C]濃度:約
4.5%、[P]濃度:約0.10%、[Si]濃度
0.32%)251tに転炉滓(組成はCaO:49%
−SiO2 :7%−Al2 3 :0.5%−T.Fe:
23%)約3t、鉄鉱石3.6t、造塊滓(組成はCa
O:47%−Al2 3 :19%−SiO2 :11%−
2 5 :1%)約1tを添加し、更に生石灰を1.7
t添加した。上吹きランスより約1.3Nm3 /min
・tで送酸しつつ約7分間吹錬し、その直後にサブラン
スを湯面より1.5mまで下降してフォーミングスラグ
中へ浸漬して、粒径0.3mmのコークス粉を300k
g/minで1分間インジェクションした。そして、リ
ンス開始後1.5分に再びサブランスから粒径0.3m
mのコークス粉20kgを400kg/minで3秒間
インジェクションした。 【0052】リンス時間は約3分間であり、底吹きCO
2 ガス流量は、吹錬中0.13Nm3 /min・t、リ
ンス中は0.17Nm3 /min・tとした。 【0053】処理後スラグ組成は、塩基度1.8、(A
2 3 )濃度6%となり、処理後の[P]濃度は0.
011%となった。また、(T.Fe)濃度が8%と比
較的高かったにも関わらず、リンス中にスラグフォーミ
ングが充分に鎮静し、出湯時に炉口からスラグは全く横
溢しなかった。 【0054】脱リンスラグ中のコークス粉残留量はほと
んど無く、脱リンスラグは路盤材として使用可能な強度
であった。 【0055】 【発明の効果】本発明によれば、転炉形式の炉で溶銑脱
リン処理後のリンス期において、必要最小限量のコーク
ス粉インジェクションで、復リンすることなく短時間に
フォーミングを鎮静し、脱リン処理後のスラグ中のコー
クス粉残留量を路盤材としての必要強度を確保できる。
【図面の簡単な説明】 【図1】上底吹き転炉でサブランスを用いてコークス粉
インジェクションしている状況を示す概念図である。 【図2】フォーミング鎮静速度指数Aとサブランスのノ
ズル角度との関係を示すグラフである。 【図3】フォーミング鎮静速度指数Bとコークス粉粒径
との関係を示すグラフである。 【図4】フォーミング鎮静速度指数Cとコークス粉イン
ジェクション速度との関係を示すグラフである。 【図5】リンス初期コークス粉インジェクション量と出
湯時フォーミングレベル指数Hとの関係を示すグラフで
ある。 【図6】リンス初期コークス粉インジェクション量とス
ラグの強度指数Iとの関係を示すグラフである。 【図7】リンス中のコークス粉インジェクション時期と
フォーミングレベル指数Hとの関係を示すグラフであ
る。 【図8】リンス中期のコークス粉インジェクション量と
フォーミングレベル指数Hとの関係を示すグラフであ
る。 【図9】リンス中期のコークス粉インジェクション量と
スラグの強度指数との関係を示すグラフである。 【図10】リンス中期のコークス粉インジェクション完了
時間とスラグの強度指数との関係を示すグラフである。 【符号の説明】 1:サブランス 2:フォーミングスラグ 3:底吹き羽口 4:溶銑 5:CO2 ガス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平9−256020(JP,A) 特開 平11−50122(JP,A) 特開 平4−214809(JP,A) 特開 平5−287348(JP,A) 特開 平9−202912(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C21C 1/02 110 C21C 5/28

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 上底吹き転炉形式の炉において、底吹き
    ガスを添加しながら溶銑脱リン用媒溶剤を用いて酸素を
    上吹きして脱リン吹錬した後のリンス期に底吹きガスを
    引き続き添加しながら溶銑湯面の上方1〜3mまで下降
    したサブランスから粒径0.3mm以下のコークス粉1
    00〜800kgを100〜800kg/minの速度
    でスラグ中へ1分以内でインジェクションしてフォーミ
    ングを一次鎮静させた後、出湯の0.5分前までに完了
    するように再度サブランスから粒径0.3mm以下のコ
    ークス粉10〜30kgを100〜800kg/min
    の速度でスラグ中へインジェクションして二次鎮静する
    ことを特徴とするスラグフォーミングの鎮静方法。
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